二重偏波気象レーダー、降雹(こうひょう)アラート、数式(偏微分方程式)の変数 Pidep、Pgacw、etc ~『ブルーモーメント』第5話

 彩 先生 大事な話があります

   ずっとモヤモヤしてた事がわかりました

   先生 口が悪過ぎです!

    ・・・・・・

   言ってる事 間違ってますか?

 

晴原 (フ~~ッ・・)

   いや・・・今後留意する

           (脚本 浜田秀哉)

 

    

   

     ☆   ☆   ☆

2日遅れで一応見た『コードブルー』・・じゃなくて『ブルーモーメント』第5話。終盤、ウケたから、ごく簡単にマニアック記事をアップしとこう♪

   

「一応」が余計? いや、忙しいもんで。日経新聞が無料期間だから、今のうちに読まないと♪ ケチか! JALの格安タイムサービス航空券も買っちゃったし。必要ないのに(笑)。ムダ使いだろ!

     

晴原(山下智久)の小っちゃい声の台詞だけ小文字で入力したかったのに(笑)、なぜか新型iMacが反応してくれない。まあ、余計なお遊びはしないことにしようか。あっ、なぜか出来た!

     

彩(出口夏希)がメモを取って思いを言語化するって話だったから、どんな凄い指摘かと思ったら、「口が悪過ぎます」(≧∀≦) 温厚で寛容な心優しい私には無縁の言葉だけど、念のために今後、留意しよう♪

    

    

     ☆   ☆   ☆

さて、最初に登場した気象マニア用語は、「二重偏波気象レーダー」。これ、しばらく前から気象庁とかで普通に使われてるものらしい。気象研究所の解説ページより。

  

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2つの方向(角度)で振動する電波で、雲とかの内部の様子が細かく分かるらしい。積乱雲に限らず、竜巻の内部まで。

   

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上図は、竜巻を水平に切った切り口。緑(球状)やピンク(扁平)の物が広がってるのが分かる。・・と言っても、何で形が分かるのか、分からないけど♪ 横軸の longitude は経度(東経)、縦軸の Latitude は緯度(北緯)。要するに、日本列島の中での位置を数字2つの組み合わせで表してる。

   

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気象庁より、すぐ上の東芝の図の方が遥かに親切で分かりやすい。霧・雨・みぞれ・雪・あられ・ひょうの連続的な大小関係も一目瞭然。一つの積乱雲の中に、水の色んな姿が混ざってると。

   

直角に組み合わさってる二重の偏波(水色&薄茶色のS字曲線)のイメージもつかみやすい(下図)。2本の縄を同時にウネウネさせて遊んでるイメージ。

     

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さすが、世界のT芝♪ まあ、NHK『魔改造の夜』は負けたけど(笑)。まだ言うか!

    

   

    ☆   ☆   ☆

次の気象用語は、聞いたことがない「降雹(こうひょう)アラート」。要するに、雹の被害がかなり大きいから、損保会社が新たに実証実験して、もうすぐ一般に提供されるらしい。

   

直接見たことはないけど、そう言えば確かに、たまに巨大なひょうが話題になってる。直径10cmの氷が時速100km(?)で頭に当たったら、即死だろう。ガラスもあちこちで割れるだろうから、ケガのリスクもあり。「以後、留意する」♪

   

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上は、あいおいニッセイ同和損保&エムティーアイ。下は、三井住友海上&東芝

     

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「ひょう災アラート」という言葉も初耳。むしろ、自転車の危険運転を続ける「ひょっこり男アラート」の方が役立つかも♪

    

とにかく、専用アプリに組み込まれる予定らしい。試しにインストールしてみたら、キャラが可愛かった♪ あられのイメージかね。最近のマイブーム(死語)、パープル系の色のグラデーションも、いいね。大阪万博、これにしたら?(笑)。コラッ!

    

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    ☆   ☆   ☆

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さらに、初回で折角コメントしたのに、Googleに完全に無視されてしまった数式ネタ♪ 久々に検索をかけてみたら、簡単に変数の意味が分かった。詳しく調べる余裕はないけど、本物の気象解析の数式だろうと思う(未確認)。

  

今回のドラマの気象ポイントは、雹(ひょう)だけど、これは直径がほぼ5mm以上の氷の固まり。そこまで大きくなってない2~5mmの氷は、霰(あられ)。あの数式は、あられが生成される過程を解析するものだったらしい。

   

Pidep は、拡散成長による雲氷の生成率(毎秒)。Pidsn は、核形成による雲氷の生成率。Ps.sacw は、「雲水を捕捉した雪が雪の範疇にとどまる場合、捕捉された雲水による雪の生成率」。定義、長っ! 雲氷と雲水も紛らわしい。Pgacw は、あられが雲水を捕捉することによる、あられの生成率。

  

以下、省略。読み手がいないだろうから(笑)。雲の中の微小な変化は、「雲微物理過程」と呼ばれてるけど、読み方さえ分からない。彩の中国語テロップに見える♪

    

この話、ちょっと面白そうだから、しばらく後で真面目な気象物理記事を書くかも。

   

   

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最後は、ひょうで急激に地表面の温度が下がる様子を示してた、黄色いテレビリモコン(笑)。そうじゃなくて、Kestrel 5500 ポケット気象メーター 。9万円! 高っ。。 上に付いてる風車で直接、風速を測定するのか。携帯扇風機にもな・・・らないだろ! 30gの軽さ☆ amazonより。

     

上図は、風向きと風速(マイル表示)、温度表示の画面。WSW(西南西)、時計回りで249度の方向からの風。時速2.3マイル(秒速1m)。華氏74度(摂氏マイナス5度くらい)。

    

調べてると買いたくなっちゃうから、この辺にしとこう。気象・天候関連はやっぱり面白くて、深みもあるね。お天気お姉さんも可愛いし(笑)。そこか! それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

    (計 2145字)

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4種類の天気予報の更新頻度(日本気象協会tenki.jp、ウェザーニュース、気象庁、ウェザーマップYahoo!)

私は屋外の持久系スポーツ(ランニング&自転車)を続けてるし、真夏以外は雨に濡れるのが嫌いだから、毎日何度も天気予報を見てるし、天気図もわりとよく見てる。

   

走る直前には、気象庁の短時間降水情報・ナウキャスト、国交省のxrainレーダーもよく見る。もちろん、完全ではないけど、かなり役に立つ気象情報が増えてて助かってる。

   

でも、この2週間ほど予報を何度も見たことはないし、さんざん迷ったこともない。日付け変わって今日、3月23日(土曜)、土の400mトラックを走るイベントがあるからだ。普段はアスファルトかコンクリートがほとんどで、ごくたまに芝生やレンガの上を走る程度。

  

土のトラックの場合、自分が走る時間帯だけじゃなくて、その前の雨も問題になる。走る前に雨が降ると、土が濡れるから、その上を走るとトラックが傷んでしまう。

  

ただ、ほんの少し湿ってる程度なら、トラックの走路の外側、普通のグランドの土の上を走るという手もある。そこはどうせ整備されてないし、本気で走る所でもないから、わりと気にしなくていいのだ。

   

  

    ☆   ☆   ☆

というわけで、非常に微妙な天気情報を求めてるんだけど、主な4種類の予報がちょっとずつ違ってるし、コロコロと変わるから、1日に何十回もアクセスすることになる♪

    

ちなみにテレビの予報は、ネットより少し情報が遅いし大雑把だから、ほとんど見ない。見るとしたら、可愛い気象予報士の女の子とか、お天気お姉さん目当てか(笑)

    

さて、私が普段から一番頼りにしてるのが、日本気象協会tenki.jp。ピンポイント情報がまめに更新されてるし、サイトが見やすいのだ。特に、私がよく使うタブレット(iPad)だと。

       

ここは、情報の更新頻度についても、最もきっちり詳しく説明してある。1時間ごとの細かい天気予報なら、1日に12回⭐︎

   

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ただし、2時間ごとに本当にきっちり更新されてるではないし、更新がないこともある。もちろん、リロードしても変わらないという意味。その点は、他の3種類でも同様だから、あまり期待しすぎてもガッカリしたりイライラしたりするハメになる。まだ更新されてないのか・・とか。

   

    

    ☆   ☆   ☆

続いてよく見るのが、ウェザーニュース。単なる更新頻度だけだと、ここが一番多いと思う。

  

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サイトを探すと、「気象庁予報が1日3回の更新に対し、ウェザーニュースの天気予報は10分おきに更新しています」と書かれてた。これだけ頻繁だと、自分で確認するのも難しいけど、多いのは間違いないと思う。

   

ただ、「気象庁が1日3回」という部分は、「3回くらい」と書く方が正しい♪(細かっ・・)。それよりも、ここはサイトがちょっと見にくいのだ。縦方向だけじゃなくて横方向のスクロールも必要だし、いい所に広告が入ってて邪魔になる。まあ、無料のサービスだから仕方ないと言うべきかも。有料会員制度もあるけど、あまり宣伝してないからマイナーなんだと想像。

   

あと、ここの特徴としては、雨や雪の可能性を見落とさないようにしてる感がある。ちょっと降りそうなら、すぐ雨マークをつける感じ(個人の感想♪)。

   

   

     ☆   ☆   ☆

そして3番目によく使うのが、気象庁。あまり細かい予報は出してないけど、やっぱり国のお役所の情報は信頼感がある。多分、スーパーコンピューターとかの予算も潤沢なはず。地震・津波・台風といった自然災害の対策・対応にも直結するから。

      

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ここも更新頻度の情報を見つけにくいけど、「天気予報がころころ変わる原因は何ですか?」という質問へのお堅い回答が載ってた。多分、「ころころ」と聞いて来るような人は、こんな細かい説明は読み飛ばすどころか、探さないと思う♪

   

「気象庁では1日4回、地球全体の観測結果に基づく数値予報を行い、最新の結果を用いて天気予報を発表しています」。これ、天気予報そのものが4回とは書かれてないし、実際、私が見ても3回くらいだと思う。しかも、更新のタイミングがちょっと不規則のような気がする。

   

    

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そして最後、私が普段は見ないのが、Yahoo!天気。ここは、気象庁よりは細かいけど、日本気象協会やウェザーニュースよりは大まかな予報になってる。

  

「情報の更新間隔」というサブタイトルはいいし、約3時間ごとの更新もまずまずだけど、「それぞれ情報提供元の発表に合わせて」という書き方が分かりにくい。非常にヤフー的な書き方の典型だと思う。欲しい情報に辿りつくまでに、何度もクリック・タップして、ページ間を飛ぶ必要があるのだ。

              

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調べてみると、普通の予報はウェザーマップが担当。ここの特徴は、個人的には、曇マークの使い方にあると思う。曇マーク2種類あって、曇が1つだと雨の可能性はないけど、雲が2つだと雨の可能性がある。

  

ということは、この予報で雲2つの曇マークは、他の組織だと雨や傘マークかも知れないということ。ついさっき気づいて、ガッカリした。

   

私の今日のイベントが行われる場所は、他の3種類の予報だと雨か小雨になってるけど、Yahoo!天気だけが曇マークになってる。だから、望みを捨ててなかったんだけど、まさか曇マークで雨の可能性があるとは思わなかった (^^ゞ

  

   

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結局、今日は雨が降ると。その場合、イベントはどうなるかなぁ・・とか、どうしようかなぁ・・とか迷いつつ、ブログの毎日更新を行うブロガーなのであった。更新頻度はここ15年ほど、1日1回、必ず厳守! ごくたまに2回。

    

こんな感じで、そろそろ寝る準備に入ることにしよう。明日は服装も難しいなぁ・・とか迷いつつ、ではまた。。☆彡

    

    (計 2310字)

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T・DK、トラちゃんウサちゃん50mバトンリレーで勝利!、熱い女性リーダーと社長・会長の応援で(NHK『魔改造の夜』)

今回も再放送らしいけど、もちろん結果なんて知らなかったし、十分ウルウルできた♪ 熱いね、理系のマニアック魂! 私も半ば理数系のマニアだし、体育会系も混ざってるから、燃える気持ちはよく分かる。

  

と同時に、萌える気持ちも生じるのだ(笑)。男だらけの職場で奮闘する女性たちの姿に。勝者の女性リーダーが目立ってたけど、敗者の女性メンバーの1人も可愛かった♪ そうゆう見方か! いや、NHKのカメラマンと編集担当も、明らかに特別扱いしてた。正直で、いいね。

   

だからこそ冒頭、ルンバ・・じゃなくてお掃除ロボットが、ロケットみたいに発射されてたのだ(笑)。無理やりか! 「絶対にマネしないでください」。これはかなりマネしにくい♪ これが、H技研(ホンダ)だ! 他の回の宣伝映像。

     

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『魔改造の夜』は前回、初めて見て、面白かったからすぐ記事にした。

   

 世界のSニー(ソニー)、空飛ぶ猫ちゃんロボット作りの競技で圧勝!(NHK『魔改造の夜』)&エアロバイク

   

今回の番組は、初回の放送がBS4Kで2023年2月11日。2時間番組だったらしい。それを編集して、NHK総合で4月27日に72分番組をオンエア。さらにその再放送が一昨日、10月26日に放送されたと。

    

勝者のT・DK(ティー・ディケー♪、TDK)は、公式サイトやX(旧 twitter)でPR。Sニー(ソニー)ほどの宣伝ではないけど、先月までマシンを千葉県市川市で公開してたらしい。

    

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TDKのXは、わざわざハロウィーン版のGIFアニメまで作ってた♪ トラちゃんがウサちゃんにバトンパス成功する瞬間だけ、ライトが光る。本番はかなり際どいパスだったけど、成功の瞬間は確かに輝いてた。

  

しかし正直、カセットテープのイメージが強いTDKが、電子部品の国際的企業として頑張ってるのは知らなかった。といっても、あの時、映像が映し出してたスマホの(?)基盤には、韓国のサムスンの名前しか無かったけど♪ 細かっ! マニアの目はごまかせない。

    

Kセラ(京セラ)、Yマハ発動機(ヤマハ)と合わせて、売り上げ5.5兆円と紹介されてたけど、これはコロナの影響を受けた(?)2021年の業績の数字だと思う。2022年、23年の数字を見ると、どこも2兆円レベルで、合計だと6兆円超えてた。京セラに驚きはないけど、ヤマハも凄いね! アジア中心に海外でバイクが売れてるってことかな?

   

なぜ21年の数字かというと、おそらく収録が22年の年末ごろだから。22年がトラ年で、翌23年がウサギ年だからこそ、トラちゃんからウサちゃんへのバトンパスなのだ。実際、Yマハは、トラの名前がTR22、ウサギの名前がUS23になってた。まあ、こんな事を書いても、「TR22 意味」とかいう検索アクセスは1つも入らないだろうけど (^^ゞ

   

   

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さて、今回の魔改造倶楽部の夜会は、トラちゃん、ウサちゃんのオモチャのぬいぐるみを魔改造して行う50mバトンリレー。スタート前には、トラが鳴き声をあげるのがルール。

   

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長さ50mの短距離走のコースは、幅35cm、ガイド(両側の壁)5cm、前半21m+テイクオーバーゾーン(バトンパス区間)8m+後半21m。

  

ヤマハは最初、原付みたいに時速30km出すとか豪語してた(笑)。30000mを3600秒だから、50mだと6秒♪ こうゆう計算をすぐやってしまうのが、理系あるあるなのだ。人前で言うと嫌がられるから(笑)、こっそりネットで喋ることになる。ちゃんと空気は読めてるのだ♪

     

   

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最初のチャレンジャーは、京セラ。お金持ちの家の応接間みたいにペシャンコになったトラちゃんが気の毒♪ 伊集院光の比喩、古っ!

  

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1回目の試技は、壁にネジの余った部分が乗り上げてしまって停止。2回目はいい感じでトラが走ってたのに、いい感じ過ぎたのか、口にくわえたバトンを離すためのセンサーが作動せずに失敗。まあ、経営の神様、稲盛和夫は天国で微笑んでると思う♪ 失敗なんてものは存在しない。諦めるまでは。名言で、いいね。未確認だけど。

    

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レースでは完敗だけど、ビジュアル的には優勝♪ 10年近く前に(?)ロボコンに参加したらしい、池嶋彩香さん。検索してもほとんど情報は出ないけど、大阪大学大学院の研究がヒット。ひょっとして、高学歴リケジョかも。

    

2回とも失敗した後、かなり落ち込んでるように見えたのは多分、自身が担当した制御が働かなかったからじゃないかな? まあ、逆転を狙ってスピードの設定を上げてたから、仕方ない部分もあった。練習ではほとんどなかったトラブルらしい。そもそも練習と本番では、コースがかなり違ってたようで、下が滑るし、剛性が低くてコースの揺れが大きかったようだ。

    

    

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その後、TDKも1回目は失敗。バトンパスで落としてしまった。これも要するに、スピードが出過ぎたんだと思う。

   

1回目に唯一成功したのか、さすがモーターサイクルの大企業、ヤマハ。動く機械を作ってるから、電子部品の会社とは違うと。

   

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トラ(TR22)は7.5kg、ウサギ(US23)は7.5kg。かなり重いマシンで、1回目のタイムは1分24秒43。時速2km弱だから、目標の15分の1(笑)

   

    

     ☆     ☆     ☆

そして2回目。京セラが失敗して、可愛い女子が涙ぐんだ後、TDKが目標30秒で再挑戦。トラが3.1kg、ウサギが2kgだから、ヤマハより大幅に軽い車体・・じゃなくて体重♪

  

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速度調整のチューニングも上手くいったようで、見事なバトンパスで疾走。「トランチャー」(虎)のあごから突き出た部品が「グラビット」(うさぎ)のお尻に当たると、うさぎのお尻がバトンをつかみ取る高度な仕掛け。よく、スパッとつかめたネ。かなり目標に近いタイム、43秒41を叩き出して、ヤマハを逆転!

     

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大喜びしてハイタッチする、美人リーダー、北村智子さん。プロジェクトのリーダーは初めて任されたらしいけど、開発中に檄を飛ばす姿が様(さま)になってた。

   

   

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チームリーダーとしてお伝えしたいのは、勝つしかない。放送が終わったら、何もやってない人が、「俺だったらこうした」「何でこうやらなかった?」とか言ってくる。

  

その時、言い返すためのカードを持っとこう。「でも、勝ちましたよね?」と♪ まあ、本当に色々と経験して来たみたいだから、気持ちがこもってた。放送作家のセリフが書かれたカンペを読んでたわけではないはず(笑)。よく見ると、首からぶらさげたホルダー2本も女性的なパステルカラーで、いいね。ピンクとパープル。制服のイエローとも合ってる。

   

TDKは、1ヶ月半の開発期間に、わざわざ社長と会長まで視察してた。本業なんてしなくていいから、魔改造に専念しろと♪ まあ、無料の長いCMが全国に繰返し流れるんだから、広告効果で考えると軽く数億円にはなるはず。

  

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あと、実は前回の放送で優勝したSニー(ソニー)のロボットも参考にしたらしい。正直で、いいね。昭和の音楽関連ブーム(ウォークマン、ラジカセ)で大活躍した仲間同士でもある。

    

    

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そして最後は、再びヤマハ。トラのスピード設定を上げて、奇跡的にバトンパスも成功したのに、ウサギのスピードがイマイチで敗北。コースのミュー(摩擦係数)が低くて、足が滑ってた。タイムは1分05秒49。まあ、2回とも成功したのはヤマハだけだからか、合計ならヤマハの圧勝とも言える。

   

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上が、ミラクルで成功したバトンパス。後ろ向きに走るトラのしっぽに差したバトンは上下にブレブレ。直前までうさぎのお尻の穴から外れてたのに、ぴったしハマってた。開発リーダーの牧田直希氏も、よく入ったねと苦笑♪

   

というわけで、TDKの見事な逆転勝利。ボーナスにも影響するらしい(プロジェクト・マネージャー談・・笑)。電車のオモチャの魔改造を、電車オタの藤井聡太・八冠にやらせればいいのに・・とか思いつつ、それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

      (計 3241字)

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科学技術週間(4月半ば)に文科省が毎年配布、「一家に一枚」巨大な科学ポスター(A3版、2005年~)

今日は10月11日。今年(2023年、令和5年)の科学技術週間は、4月17日~23日。秒単位で情報が流れるSNS時代に、半年遅れのブログ記事というのも、珍しいというか、初めてかも♪ まあ、来年の春を半年も先取りしてる最新記事とも言える(笑)

    

キッカケは単に、9月末のSNS(X、旧Twitter)投稿がネット(バズフィード)で話題になってたから。どれどれ、と検索アクセスしてみると、なるほど、確かに文科省のマニアックな巨大ポスターが19種類も並んでて、無料・登録不要でダウンロードできる。英語版その他、外国語版もあったし、何度も新しく改定してるものもあった。

    

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2005年から、科学技術週間に毎年1枚、A3版の印刷用ポスターを配布してたらしい。まあ、ホントに印刷する人は少ないだろうけど♪ A3のカラー・プリンターを家で個人で使ってる人は、かなり少ないと思う。

   

私はさっき、コンビニに行きかけたけど、100円でフルカラー印刷しても、どうせ貼らずにゴミになるだけだから止めた。壁に貼っても見ないだろうし。小学校の低学年の頃なら、トイレに九九の表を貼って覚えたけど(実話・・笑)

      

今年は「ウイルス」がテーマで、第19回。2023-2005+1=19。両端を数える「植木算」で、確かに第19回だと確認♪

   

  

     ☆     ☆     ☆

そもそも科学技術週間とは何なのか? これは「発明の日」(4月18日)を含む1週間(月曜~日曜)として、1960年(昭和35年)に制定されたらしい。

  

では、発明の日とは何か? 1885年(明治18年)に、専売特許条例(今の特許法)が制定された日とのこと。なるほど。1世紀半近い長さの歴史があると。。

  

私自身は発明と無縁どころか、「発明」なんて言葉を使うことさえない♪ ただ、小学校5年か6年の頃、水平にしたパチンコ台みたいな箱でボールを弾いて遊ぶオモチャを「発明」して、友達と遊んだ覚えがある。確か、完成時は興奮して、「この発明でお金を稼げないかな・・」とも思ったはず。実際は、身内でさえ、数日くらいで熱が冷めたけど(笑)

   

   

      ☆     ☆     ☆

話を戻すと、過去19回のポスターは、年によってかなり出来栄えに差がある(個人の感想♪)。

  

最初から順に、元素周期表、ヒトゲノム(人間の遺伝情報)、宇宙、光、天体望遠鏡、プラズマ、磁場と超伝導、太陽、鉱物、たんぱく質、くすり、水素、細胞、量子ビーム、日本列島、南極、海、ガラス、ウイルス。

   

ありがちな事だけど、連続の企画は、初めの頃の方が出来がいい(個人の判断♪)。というか、手間ヒマかかってるように見えるのだ。例えば、ほとんど文字が読めないくらいギッシリ詰まってる、宇宙図とか。視力も気力もある、超マニアックな小中学生向けか。高校生はもう余裕がなくなってるから、これを見るより参考書を読むのがフツーだろう。

      

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      ☆     ☆     ☆

大人でも読める、内容豊かなポスターならやっぱり、初回の元素周期表か。最新・第13版。日本人ノーベル科学賞受賞者の肖像写真入り。右上には、考案者とされるメンデレーエフの画像と説明。

    

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「水平リーベ ぼくのふね」(古っ・・♪)。私の頭では、この暗記フレーズと、作家のリービ英雄が結びついてる(笑)。ちなみに「リーベ」とは、ドイツ語の「愛する(liebe)」のことだと思ってるけど、その後の「七曲がりシップス クラークか」の意味は不明。今後の研究課題としとこう♪ 何か、こじつけの理由が一応あった気がする。

   

これを見て、すぐ思い出したのは、朝日新聞で以前、毎年のように掲載されてた巨大な2面広告。半導体関連で有名な東京エレクトロンが、科学推進のために(?)載せてた。2面の全体だから、1億円近い広告費かも。文科省の方が先だけど、東京エレクの方がポップで可愛いし、AR(拡張現実)まで取り入れてる。下は2017年版で、無料公開中。

    

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     ☆     ☆     ☆

例えば、臭素(Br:Bromine)の説明。ブロマイド写真という言葉の語源だけど、文科省は大昔の女優か歌手の写真を挿入。美人だけど、誰なのかは分からないし、ヒネリや遊びがない。

    

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ところが、東京エレクトロンの広告は笑えるのだ。明らかにこれは、いまだに健在の元祖ぶりっ子歌手・松田聖子の髪型のシルエットだろう♪ 令和の今では全く見ないヘアスタイル。

     

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「アイドル」という言葉を入れてることからも、「Br」icco(ぶりっ子)の言葉遊びなのは明らか(個人の断定・・笑)。アンチなら、ウソ「臭」いとか言うところだし、臭素にピッタシなのだ♪

     

   

     ☆     ☆     ☆

ちなみに私は今、インスタで、中国のぶりっ子系・美人モデルにハマってる(実話・・笑)。とはいえ、インスタのおすすめをスクロールしてボーッと時間を過ごすくらいなら、「一家に一枚」ポスターで科学の勉強をするのもいいと思う。

     

科学技術週間20周年の来年はいよいよAIのポスターかな・・とか思いつつ、今日はあっさりこの辺で。。☆彡

    

       (計 2037字)

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民間のispaceの月着陸船、月面100mの高度から自由落下?、地球の1/6の重力による衝突時速と落下時間&細切れの走り

(25日)JOG 5km,26分04秒,平均心拍 124?

消費エネルギー 190kcal?(脂肪 57kcal)

    

(26日)JOG 3km,15分00秒,平均心拍 128?

消費エネルギー 151kcal?(脂肪 30kcal?)

    

何度も書いてるように、私は子どもの頃から宇宙への憧れを持ってるけど、高所恐怖症&狭所恐怖症。おまけに船酔いもするから、宇宙飛行士には向いてない(笑)。宇宙関連の話は、夢とファンタジーを感じると共に、恐怖や不安も感じる。

    

普通のプールの飛び込み台はほとんど怖くないけど、一度だけ、大磯ロングビーチで高さ5m(?)の飛び込み台から飛び降りようとして、ビビって引き返してしまった (^^ゞ 下から見るのと、上から見るのとでは、怖さが全く違ってる。10mの台なんて、登る気もしなかった。

       

5mなら、足から落ちれば大丈夫だろうから、もう一度チャレンジしたいな・・とは思ってるけど、遊園地とかのバンジー・ジャンプは無理。たまに本当に人間が死んでるから。乗り物のフリー・フォール(自由落下)は、どこかで1度か2度やった気もするけど、ちょっと控えめな落下スピードだったかも。。

   

   

      ☆     ☆     ☆

というわけで、民間初の月着陸を目指してた、ispaceの「失敗」のニュースは複雑で印象深かった。

    

どうも、先日のロケット打ち上げ延期騒動と同様、企業としては失敗を認めてないような感じだけど、まあ、東証に株式上場したばかりでもあるし、それはスルーしとこう。ちょっとした発言だけでも、株価に悪影響を与える恐れがある。もちろん(?)、深夜に着陸できなかった後、昨日(23年4月26日)はストップ安になってた。これ以上の下げは避けたい所。

    

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まだハッキリした情報やデータが少ない中、YoutubeのLIVE配信動画を録画で見ると、いい感じで月面に接近してて、会場が盛り上がってるのが分かる。もちろん、着陸船の画像は推測によるCGに過ぎないはずだけど、画面右上のスピードと高度は「それなりに」正確なんだろう。

    

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数百メートルの高度から、急激に減速してて、高度0kmではスピード0km/h(時速ゼロ)。下のCG画像だと、着陸成功に見えるけど、あくまでこれは予想と推測によるイメージに過ぎない。大昔のアポロ宇宙船に形が似てるのは、必然なのか偶然なのか?

      

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この動画では出なかったけど、どこかの計測値だと、高度がマイナスになって、スピードが上がってしまったようだ。おそらく、まだ着地(ランディング)してないのに、逆噴射の(?)燃料を使い切ってしまって、そこから一気に自由落下したんだろう。「自由落下」という言葉があちこちに小さく出てた。

    

    

       ☆     ☆     ☆

自由落下と聞くと、半ば理数系のマニアとしては、反射的に計算したくなる。高校の物理の一番最初、ニュートン力学の前にある話で、計算も簡単。

  

ところが、月に関しては、意外と計算してるサイトが見当たらなくて、1つ見かけたサイトは、思い切り間違ってた。速度と加速度を混同してしまってるのだ。

     

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月の重力加速度は、かなりキレイに、地球の6分の1。上は、英語版ウィキペディアより。Gravitation of the Moon(月の重力)。

    

ここでは、計算を簡単にするために、月の高度96mからの自由落下を考えてみよう。初速度ゼロ、重力加速度は1.6m/s²と仮定。空気抵抗(大気抵抗)は無視。かなり小さいはず。

      

落下の垂直距離に関する等式は、落下時間をt秒として、

 96=(1/2)×1.6×t²

∴ t²=120

∴ t=2√30≒11

   

さすが、月面。落下に11秒もかかってしまう。ちなみに地球の表面なら、4秒台。

    

(月面への衝突速度)=1.6×11

          ≒18m/s

  

時速に換算すると、約65km/h。これでは、月面が柔らかくても、機体は粉々か。そう考えると、大昔の米国のアポロ宇宙船は凄い偉業だね。文字通り、命がけのプロジェクト。

      

ispaceと、HAKUTO-Rプログラムの挑戦も、まだ始まったばかり。数年間は失敗続き、赤字続きを覚悟の上だから、温かく見守ろう。個人的・心理的にちょっと怖いけど。。

   

    

      ☆     ☆     ☆

一方、単なる小市民ランナーは、相変わらず走る時間がない・・と書くと、半ばウソかも (^^ゞ 実は昨日は、10kmくらいなら走れたけど、アップルのゲーム・サブスクの使い方が分かって来たから、ちょっと遊んでしまったのだ♪ もうすぐ、無料のまま解約するから。

     

で、一昨日・25日(火曜)は、5kmだけスタスタ。1km5分13秒ペース。気温15度、湿度70%、風速2.5m

  

昨日・26日(水曜)は、僅か3kmだけスタスタ。1km5分00秒ペース。気温14度、湿度58%、風速4m。あぁ、2日とも、わりと走りやすい気象条件だったのに。

  

新・心拍計は相変わらず変な感じで、昨日はまたベルトの穴を元に戻したんだけど、最初の10分は異常に高い値になってしまった (^^ゞ 緩めると、高くなるの? 調べても分からないのだ。大した問題でもないけど、微妙にイラついてる所。

   

ともあれ、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

   

   

(25日のみ)

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          平均心拍 最大

往路(1.2 km) 6分51秒 107 119 

LAP 1(2.2) 11分03秒 125 137

復路(1.6)   8分10秒 136 142

計 5km 26分04秒 124(73%) 142(83%)

     

      (計 2215字)

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近代ロケットの父・ゴダードの名言「昨日の夢は、今日の希望であり、明日の現実になる」、英語出典(『ROCKET MAN』)

先日は打ち上げ「中止」だった、日本の国産ロケットH3初号機。今回(23年3月7日)は「失敗」となった。といっても、失敗の様子は動画を見ても分からない。遥か上空で、第2段エンジンのトラブルが発生したらしいから。

    

このニュースについて、私は先日の「中止」騒動と合わせて感想を書こうと思ってたが、やはり止めとこう。それより、再度の打ち上げの前日(3月6日)、朝日新聞・朝刊のコラム「天声人語」が面白いエピソードを紹介してたので、そちらを取り上げる。

    

「・・・ゴダードは液体燃料ロケットの打ち上げに史上初めて成功し、近代ロケットの父と呼ばれた。名言を残している。『昨日の夢は今日の希望であり、明日の現実となる』

 

▼これをあいさつのたびに引用した生徒会長がいたというから驚く。中学時代の諏訪理さん。2千倍を超える競争を勝ちぬいて、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士候補の一人となった。46歳での合格は歴代最年長だそうだ・・・」

  

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       ☆     ☆     ☆

当サイトでは、今まで、多数の名言を扱って来た。名言サイトの類は世界中にあるが、日本語、英語その他、言葉の出典を書いてないことが多いし、しばしば本人が語ってない偽物の言葉も掲載してる。それをうっかり引用してるテレビ番組も少なくない。

    

今回も正直、キレイ過ぎる言葉だからちょっと不安だったけど、どうも本物らしい。1次資料として、日記と報道が残ってるようで、それらを元にした本格的な伝記(2次資料)もすぐ発見。名言の出典探しとしては、わりと簡単な部類だった。実物を見ておこう。

    

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『ROCKET MAN』、David A. Clary(デビッド・クレイリー)著、2003年。インターネット・アーカイブで限定公開されてた。巻末に付いてる大量の注と文献を見るだけで、かなりの労作だろうと想像できる。

   

   

      ☆     ☆     ☆

下が、ゴダード(Robert H. Goddard)の言葉を引用した箇所。第1章「記念日」。1904年、高校の卒業式で、卒業生の男子代表として行った演説のラスト。

     

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途中までの英文は、ごく大まかに文脈だけ書いとこう。── 我々は無知だから、未来について確実なことなど何も語れない。真剣に誠実に努力して初めて、将来を予言できるのだ ──。

  

・・・and he should derive courage from the fact that all sciences have been, at some time, in the same condition as he, and that it has often proved true that the dream of yesterday is the hope of today and the reality of tomorrow.

      

そして誰もが、次の事実から勇気をもらうべきなのだ。すべての科学は、ある時期、自分と同様に未熟だったが、しばしば真実だと示されてることがある。昨日の夢は、今日の希望であり、明日の現実なのだ。

     

細かい話だが、最後はbe動詞の現在形「is」があるだけで、科学の歴史の事実を述べてる。だから、朝日新聞の「明日の現実になる」という翻訳は選ばず、「現実なのだ」と訳しておいた。もちろん、現実になると訳した方が一般ウケするだろうし、文法的・慣用的にもおかしくはない。

   

ちなみに、ゴダード本人にとっての一番の「記念日」は、この演説の日ではなく、その5年前だったらしい。はしごを作って、木に登って、遠くを見たそうだ。はしごが、ロケットの比喩。木が、宇宙や星(火星とか)の比喩、メタファーだろう。

    

    

      ☆     ☆     ☆

なお、ゴダードのスピーチの全体は、夢は現実になるというような明るい話ではないようだ。むしろ、現実にするまでの大変な道のりに焦点を当ててるのだろうと思う。

  

実際、タイトルも、「On Taking Things for Granted」。普通に訳すと、物事を当たり前だと考えることについて。当たり前で済ませる発想が、エラーにつながるという考えもあったらしい。

    

ただ、このタイトルには、もう一つの意味が密かに重ねられてると思う。自分の夢は必ず現実になる。そんなの当然だ。この熱い人間的な思いこみは、新分野の開拓者にとって重要なのだ。もちろん、成功するとは限らないどころか、失敗の方が多いだろう。しかし、多数の失敗がやがて、革新的な成功につながる。

   

ただし、誰がいつ成功者として輝けるのか。それはなかなか分からない。神のみぞ知るとまでは言わないが、専門家でも予測困難だろう。「昨日の夢は、今日の悲観であり、明日の非現実となる」。これもまた、厳しくありふれた事実なのだ。

   

それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

      (計 1938字)

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日本人を新型コロナウイルスから守るファクターXの1つ、ヒト白血球抗原HLA-A24~理化学研究所の論文発表の簡単なまとめ

日本で一般的に発表されたのが21年12月8日。メディア報道の多くが9日と10日。既に1週間遅れとなったが、マニアック・ブログなりの独特のこだわりを入れつつ、新たな仮説をまとめてみよう。

   

理化学研究所(=理研)の主張は、最も簡単にまとめるなら、次のようになる。

  

 日本人を新型コロナウイルスから守る謎のファクターXの1つは、日本人の多くが持つ「HLA-A24」だろう。

    

その鍵となる物質、日本人の6割近くが持ってるが、欧米人は1割~2割にすぎないとされる。TBSのニュース記事より。

  

   

    ☆     ☆     ☆

この妙な名前の物質が何で、どのように働くのか? 最も簡単に言うと、人体を守る白血球の型の1つだろう。しかし、もう少し説明し始めると、かなり難しい話になって行く。

   

以下、基本的には、理研による解説に即して説明する。理研の解説を普通に聞くだけ、読むだけだと、引っかかるポイントがあるので、そこは私が補足する。

  

ただし、先に書いておくと、この研究では、なぜ今年の夏の「第5波」が急上昇して急降下したままなのか、という最大の疑問点には答えてない。

    

あくまで、過去2年間、日本で新型コロナの被害が海外より少なめだったのはなぜなのか、その全体の理由を少し説明する話にすぎないので、念のため。

   

  

     ☆     ☆     ☆

まず、YouTube「理研チャンネル」、プレスリリース解説vol.8、「新型コロナウイルスに殺傷効果を持つ記憶免疫キラーT細胞 -体内に存在するもう一つの防御部隊-」から。動画はこちらから

  

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上図をフツーに見ると、中央にある不気味な大きな球体がウイルスに見えてしまうが、これは人体の細胞。その下側に、パープルに光るウイルスが付着(感染)したから、右側から、人体の防御部隊である水色のキラーT細胞が攻撃。よく耳にする抗体と共に、免疫機能を担ってる。

   

上図にいたる前の動きを、時間の流れに沿って図示してみよう。

  

① 紫色のウイルスが、右上から人の細胞に接近。

   

エピトープと呼ばれる小さな赤い粒々を、トゲトゲの先に持ってる。ウイルスのトゲトゲは、スパイクたんぱく質という呼び名でお馴染みの悪役。

  

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一方、HLA-A24というのは、人間の細胞が持つ色々なツノ(角)の1種で、善玉(良いもの)。例えば、電車内で暴れる乗客を駅員や警備員らが捕まえる時のさすまた(刺股)みたいなもの。図では、ピンク色のツノがHLA-A24で、他の色のツノは別のHLAだ。この時点でまだ、HLA-A24の先に赤い粒々は無い。

    

   

    ☆     ☆     ☆

② 紫のウイルスが人の細胞にくっついて感染すると、トゲトゲの先に持ってた赤い粒々(エピトープ)が細胞内に侵入。ピンク色のツノ(HLA-A24)の先に集められて、右側から水色のキラーT細胞が攻撃。

     

211215cs

  

  

③ キラーT細胞が、感染した人間の細胞とウイルスを破壊。1つの戦いが終了。

   

  

     ☆     ☆     ☆

理研の解説を読んで引っかかったのは、ウイルス、ウイルスのエピトープ、人の細胞、人のHLA-A24、人のキラーT細胞という5つの要素の結びつきが、今一つハッキリしてなかったことだ。

   

①ウイルスが人の細胞に感染。

②ウイルスのエピトープが、人のHLA-A24に集められる。

③そこを人のキラーT細胞が攻撃して破壊する。

  

もう1つ、なまじ「抗原」という言葉を知ってると、引っかかる点がある。抗原というものは、辞書・辞典・報道の説明の大部分では、「外側から入って来て人体に抗体などを生むもの」といった感じになってる。

   

ところが理研の説明では、最も重要な人体の善玉、HLAというものが、「ヒト白血球抗原」とか「ヒト白血球型抗原」と書かれてる。これは「Human Leukocyte Antigen」の直訳だが、「ヒト」と言いつつ、まるで外から来た悪役みたいに聞こえてしまう。

   

この場合の Antigen とは、語源のまま、「Anti」(抗する)「gen」(もとになる物)。対抗するもとになる物、抵抗を生み出すものという意味で、外からではなく体内で待ち構えてるのだ。

  

その辺りの分かりにくさや混乱を避けるため、例えば日経新聞の報道では、HLAとかその訳語の代わりに、「『A24』という白血球の型」とだけ書いてた。

   

  

      ☆     ☆     ☆

最後に、英語の原論文も見ておこう。オンラインの『Communications Biology』、21年12月2日。著者、清水佳奈子、藤井眞一郎ほか。わずか12日で、既に8000近いアクセスだから、科学論文の発表としては成功。内容のチェックは今後、世界中で行われるはず。

           

 Identification of TCR repertoires in functionally competent cytotoxic T cells cross-reactive to SARS-CoV-2

 新型コロナウイルスに対して交差反応する、機能的に優れた細胞傷害性T細胞における、T細胞受容体の諸特性の同定

  

211215d

    

   

論文タイトルの日本語訳は私のものだから、専門的にどうなのかは不明。超訳すると、「普通の風邪のコロナだけでなく新型コロナにも効く、T細胞の仕組みを発見」といった感じか。手助けするHLAではなく、防御部隊であるT細胞がメインになっていた。日本人特有のファクターXといった、日本人好みの話も避けてある。

  

  

     ☆     ☆     ☆

なお、善玉のHLA-A24が、悪役のウイルスのエピトープを捕まえたようなイラストも添付されていた。

  

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上側にある、緑色の小さな細い線が、エピトープらしい。一般向けの解説では赤い粒々だったが、実際は線状の形なのか。それより、HLAの方が遥かに複雑で大きな形になっていて、色々と意味が含まれているのだろう。

    

今後は、今回の発見を治療薬、予防薬の開発につなげたいとのこと。一般市民としては、あまり日本人の幸運な体質に頼り過ぎることなく、変異株オミクロンに警戒しよう。今日の所はこの辺で。。☆彡

    

        (計 2426字)

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地球環境保護と反原発、半世紀前のSF小説の21世紀的変奏~新ドラマ『日本沈没』第1話

このドラマ初回の5日前、ノーベル物理学賞が地球物理学に対して授与されたのは、偶然ではないだろう。20世紀末から21世紀の現在まで、地球レベルの非常に大きくて複雑なシステムが注目を浴びるようになってる。

    

日本沈没という(架空の?)現象も、地球レベルのプレート・テクトニクスが大きな原因となってる。これ自体は人間がどうすることも出来ない自然現象だが、沈没の人為的な原因なら対処可能。

   

人為的な原因は、ドラマだと、東山首相(仲村トオル)と世良教授(國村隼)が開発を先導するCOMS(コムス:Celstec Origin Mining System)とされてる。実質的にCO2を出さない海底のクリーンエネルギー、セルスティックをポンプで抽出するシステム。

   

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     ☆     ☆     ☆

これは脚本家・橋本裕志らが、原発を婉曲表現して敵役にしたものに見える。ドラマの日本民政党のCOMS=現実の自由民主党の原発。処置に困ってる放射性廃棄物を安全な(?)地底に埋める案なども意識してるだろう。

       

ドラマの企画の進行中、自民党の菅首相らは炭素を減らすエネルギーとして、原発にも注目してた。ドラマと同様、2050年の温室効果ガス実質ゼロを目指すグリーン成長戦略。そして、TBS・毎日グループは、基本的に反原発のリベラル・メディアなのだ。

  

ちなみにセルスティックという言葉の意味と語源は、まだ不明。セルには、天国という意味もあるようだから、天国のテクノロジーという意味合いかも。そこにアトミック(原子力の)を掛け合わせたとか。

   

   

     ☆     ☆     ☆

さて、このドラマは、何度も映像化されて来た小松左京の同名のベストセラーSF小説が原作。1973年に刊行で、当時は分かりやすい公害を受けて、環境「庁」が出来た頃だ(1971年)。しかしまだ、分かりにくい地球環境の保護という動きは強くない。

    

原作はまだ読んでないが、当時としては最新のプレート・テクトニクスの理論を既に重視してたようで、文学部出身(京都大学)としては先進的な知性の持ち主。死の直前に起きた原発事故については、遺稿で人災だと語ってたそうだ。

    

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上は、ドラマの中での解説シーン。北から延びる北米プレート、東から広がる太平洋プレート、南から延びるフィリピン海プレートが、関東の南岸あたりでぶつかり合ってる。高校の地学か何かで習った話で、私は驚きながらも半信半疑だった。

   

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上は、日本列島を(南東くらいから?)水平方向に見た断面図。地球温暖化によって、海面が上昇し、海水圧が増加して、その負荷が海底プレートをより不安定なものにしてしまった。そして、スロースリップ(ゆっくりした滑り)現象によって、プレート上部に亀裂が生じる。

  

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これまた素人には真偽不明の説明だが、エンドロールの「地震学監修」には、山岡耕春、篠原雅尚という名前があった。山岡は名古屋大学大学院教授で地震予知連絡会会長、篠原は東大教授で海底の構造や変動が専門。信頼できるのだろう。予知はともかく。

   

   

     ☆     ☆     ☆   

ただ、プレート・テクトニクスという考えは、今でもそれほど確立した理論ではないような印象がある。有力で主流の仮説といった所か。

     

地球の表面を少数のプレートが覆っていて、そのゆっくりした移動と接触、ズレによって陸地や地震を説明するものだが、その前からあるマントル対流説との関係が曖昧に見える。下はマントル(mantle)の対流と、それに連れた表面のプレートの動き。英語版ウィキペディアより。マントルの下、内側が、核。

  

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今では日本の学者が、マントル対流などをプルームと呼び直して、プルーム・テクトニクスというものを新たに提案してるらしい(仮説)。

     

このプルーム(plume:羽毛)という言葉は、マントルの上昇流を、羽毛みたいに舞い上がる煙に例えたもの。そういえば、ドラマの主人公、環境省の天海啓示(小栗旬)がスキューバ・ダイビングで日之島の近くに潜った時、海底の裂け目から煙が吹き上がってた。あれはプルームのイメージも入ってるのかも。

   

下図は、拡散してるが出典不明。岡山大学と書いてるサイトもあるがリンク切れで、インターネット・アーカイブで見ても自作の図かどうか微妙。プルームのことがプリュームと書かれてるのは、フランス語読みだろうか。

              

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     ☆     ☆     ☆

ところで、伊豆大島の東に、「日之島」という小島は実在しない。もちろん、あれは「日本列島」の象徴、シンボルだ。

   

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変人研究者の田所(香川照之)が、最初に沈むと予言して、第1話の最後に本当に沈んでしまった島。

   

沈む前に天海がスキューバで潜った時、不気味な黒い裂け目を発見。実はあれが、一番最初の日本列島の象徴になってた。

   

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青森(または北海道)から、中国・四国あたりまでを暗示した映像。ここから関東の部分にクローズアップして、そこから黒い煙が噴き上げて来た。したがって、物語の全体は大きく次の流れになってる。

   

 日之島の海底の「日本列島・関東」の異常 → 日之島の沈没 → 関東の沈没 → 日本の沈没

    

最後に、日本列島の全体が沈没するのかどうかは不明。エンドロールでは、「今後の展開」として、沈没の確率らしきものが下のように示されてた。北海道50%、東北70%、関東・東海・北陸・近畿80%、中国・四国70%、沖縄60%。九州は見えず。

      

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北海道だけ残るとすると、例の怪しい企業がボロ儲けすることになりそうで、物語的にはちょっと変な感じもある。果たして、どうなるか。。

  

  

     ☆     ☆     ☆

いずれにせよ、ドラマの副題にわざわざ「-希望の人-」と入れてるのだから、何か希望が残るのだろう。

  

初回放送当日の朝日新聞・朝刊、テレビ欄コラム「試写室」も、「今後描かれるだろう『希望』に期待が膨らむ初回だ」と締めくくられてた(野城千穂・記者)。

   

切ないストーリーが好みの私としては、むしろ絶望的な悲しいエンディングを希望。しかし、一般にはどうしてもハッピーエンドや明るい話が好まれるようで、特にドラマは明らかにその傾向が強い。例外は、同じ脚本家で同じ時間帯の『華麗なる一族』とか。

   

代わりに、もっとマニアックな科学理論が描かれることに期待を膨らませるとしよう。暇が出来たら、原作小説やマンガも読んでみたい。どちらもキンドル読み放題のリストに入ってた。1973年の映画も、動画配信で見たいと思ってる。それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

       (計 2600字)

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コンピューター計算による気候変動予測~真鍋淑郎氏のノーベル物理学賞2021、授賞理由と理論(英語原文と日本語訳)、数式

2021年のノーベル物理学賞は、パリーシ氏(イタリア)に半分、眞鍋淑郎氏(米国籍)とハッセルマン氏(ドイツ)に4分の1ずつ授与された。眞鍋の「眞」は旧字体なので、メディアは「真」鍋と新字体で書いてることが多い。

      

賞金の総額は1000万スウェーデン・クローナ(約1億2000万円)だから、3人それぞれが受け取る金額は、6000万円、3000万円、3000万円。英語版の公式サイトより。

       

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中心はパリーシ氏であって、これを「真鍋淑郎さんら3人に」と伝える日本のメディア報道はどうかと思う。しかし、私も日本好きの日本人だから、真鍋氏に焦点を絞って記事を書くことにしよう。

  

眞鍋氏は、人間的にはかなり面白い人のようで、あちこちの話を読むと自虐ギャグみたいなものがかなり混ざってる。もちろんそれは、自信と実績の裏返しではあるけど、ランニングや水泳も好きらしいし、90歳でもお元気で明るい科学者だ。

   

それにしても今回の授賞は、物理学賞にも政治的意図やメッセージが込められることを示してる。平和賞や文学賞に限らず、その点は理解しておく必要がある。

 

   

     ☆     ☆     ☆      

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いつもながら、ニクラス・エルメヘド氏のイラストはいい味を出してて、単色の色使いもいい。真鍋氏は確かに、昔ながらの黒縁メガネと柔らかな目、眉が印象的で、耳が大きく目立ってるように見える。

    

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The Royal Swedish Academy of Sciences has decided to award the Nobel Prize in Physics 2021

“for groundbreaking contributions to our understanding of complex physical systems”

with one half jointly to

Syukuro Manabe  Princeton University, USA

Klaus Hasselmann  Max Planck Institute for Meteorology, Hamburg, Germany

“for the physical modelling of Earth’s climate, quantifying variability and reliably predicting global warming”

   

スウェーデン王立科学アカデミーは、「複雑な物理システムに対する我々の理解への革新的貢献に対して」 、 2021年ノーベル物理学賞を贈ることに決定した。

賞の半分を、米国・プリンストン大学の眞鍋淑郎氏と、ドイツ・ハンブルク・マックスプランク気象学研究所のクラウス・ハッセルマン氏に併せて贈呈。

「変動性を数量化し、地球温暖化を高い信頼性で予測する、 地球気候の物理的モデルを作ったことに対して」。

    

  

     ☆     ☆     ☆

Physics for climate and other complex phenomena

  

気候その他、複雑な現象の物理学

   

Three Laureates share this year’s Nobel Prize in Physics for their studies of chaotic and apparently random phenomena. Syukuro Manabe and Klaus Hasselmann laid the foundation of our knowledge of the Earth’s climate and how humanity influences it. Giorgio Parisi is rewarded for his revolutionary contributions to the theory of disordered materials and random processes.

    

今年のノーベル物理学賞は、カオス的で明らかにランダムな現象の研究に対して、3人の授賞者に贈られる。真鍋淑郎とクラウス・ハッセルマンは、地球気候と人間活動による影響についての我々の知識の基礎を築き上げた。ジョルジオ・パリーシは、無秩序な物質とランダムなプロセスの理論に対して革命的な貢献を行った。

   

Complex systems are characterised by randomness and disorder and are difficult to understand. This year’s Prize recognises new methods for describing them and predicting their long-term behaviour.

    

複雑なシステムは、ランダムさ(予測不可能性)と無秩序によって特徴づけられるもので、理解するのは難しい。今年のノーベル賞は、それらを記述して長期の動きを予測するための新しい方式を評価した。

   

One complex system of vital importance to humankind is Earth’s climate. Syukuro Manabe demonstrated how increased levels of carbon dioxide in the atmosphere lead to increased temperatures at the surface of the Earth.

   

人類の生命活動にとって重要な複雑システムの一つは、地球気候である。真鍋淑郎は、大気中の二酸化炭素レベルの増加がどのように地球表面の気温上昇を導くのかを示した。

   

In the 1960s, he led the development of physical models of the Earth’s climate and was the first person to explore the interaction between radiation balance and the vertical transport of air masses. His work laid the foundation for the development of current climate models.

   

1960年代、彼は地球気候の物理モデルの発達を先導し、放射バランスと空気の塊の垂直移動の間の相互作用を探求する最初の1人であった。彼の仕事は、現在の気候モデルの発達に対する基礎を打ち立てた。

   

   

     ☆     ☆     ☆

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Manabe’s climate model

Syukuro Manabe was the first researcher to explore the interaction between radiation balance and the vertical transport of air masses due to convection, also taking account of the heat contributed by the water cycle. 

   

真鍋の気候モデル

真鍋淑郎は、放射バランス(収支)と、対流による空気の塊の垂直移動との相互作用を探求した最初の研究者であった。彼はまた、水のサイクルによる熱も考慮に入れた。

     

Infrared heat radiation from the ground is partially absorbed in the atmosphere, warming the air and the ground, while some radiates out into space.

 

地面からの赤外線による熱放射は、一部が大気に吸収され、空気と地面を温め、一部は宇宙へと放出される。

    

Hot air is lighter than cold air, so it rises through convection. It also carries water vapour, which is a powerful greenhouse gas. The warmer the air, the higher the concentration of water vapour. Further up, where the atmosphere is colder, cloud drops form, releasing the latent heat stored in the water vapour.

  

熱い空気は、冷たい空気より軽いので、対流を通じて上昇する。それはまた、強力な温室ガスの1つである水蒸気を運ぶ。空気が温かいほど、水蒸気の濃度は高まる。さらに、大気が冷たい所では、雲の雫が形成され、水蒸気に蓄えられた潜熱が放出される。

   

   

     ☆     ☆     ☆

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Carbon dioxide heats the atmosphere

二酸化炭素は大気に熱を与える
  

Increased levels of carbon dioxide lead to higher temperatures in the lower atmosphere, while the upper atmosphere gets colder. Manabe thus confirmed that the variation in temperature is due to increased levels of carbon dioxide; if it was caused by increased solar radiation, the entire atmosphere should have warmed up.

   

二酸化炭素レベルの増加は、低層の大気では高い気温をもたらし、高層の大気は冷やす。真鍋はこうして、気温の変動は二酸化炭素レベルの増加によるものだと確信した;もし気温変動が太陽放射の増加によるものなら、大気の全体が温められるはずだから。

   

Temperature at the surface fell by 2.28°C when the level of carbon dioxide halved. It increased by 2.36°C when the level of carbon dioxide doubled.

   

二酸化炭素レベルが半分になった時、地表の気温は摂氏2.28度だけ低下した。二酸化炭素レベルが2倍になった時、地表の気温は摂氏2.36度だけ上昇した。

    

訳者による補足: 最後の説明文は矛盾してるようにも見えるが、要するに、300ppmが150ppmになった時と、300ppmが600ppmになった時の話をしてるので、矛盾ではない。)

    

    

      ☆     ☆     ☆

なお、英語版ウィキペディアが文献の最初に紹介してる英語論文を見ると、偏微分方程式が最初に提示されてた。福山雅治が人気ドラマ『ガリレオ』で書きなぐりしそうな数式だ♪

       

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さらなる説明は以前の論文を読むように、とのこと。いずれ、余裕があればということで。当時のコンピューターで数値計算すると、1日に8000ドルもかかる上に、「爆発」したそうだ。日本気象学会の機関誌『天気』、1987年、p.648より。

  

爆発とは、今の言葉だと深刻なフリーズのことだろうか? ともあれ、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

    

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吉野彰氏のノーベル化学賞2019、受賞理由(リチウムイオン電池の開発、英語原文と和訳)

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日本時間10月9日・夜の受賞から既に丸1週間経過してしまったが、今年も日本人研究者がノーベル賞を受賞したので、記念記事をアップしとこう。日本人としては27人目、化学賞では8人目となる快挙。

   

ニクラス・エルメヘド氏のイラストは本人に似てるし、独特の味もあるが、吉野彰・旭化成名誉フェローの絵はちょっと髪の毛が目立ってる♪ 実際の本人の頭髪は白髪で、頭皮の肌色やライトの光に溶け込んでるので、それほど目立たない。京都大学・考古学研究会時代の写真を見るとイケメンにも見えた。名城大学教授という肩書は最近のもので、実際は企業内研究者だ。

   

  

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では以下、いつものように、ノーベル賞公式サイト(英語)より引用。基本的には直訳に近い英文和訳を心掛ける。ちなみに冒頭の紋章、「スウェーデン」というスウェーデン語は入ってない。ただし、その下の英語にはスウェーデンと書いてある。日本語の紹介では普通、国名を入れて、スウェーデン王立科学アカデミーなどとされる。

     

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王立科学アカデミー 2019年10月9日  

スウェーデン王立科学アカデミーは、2019年のノーベル化学賞を次の方々に贈ることを決定した。

  

ジョン・グッドイナフ 米国オースティン・テキサス大学

スタンリー・ウィッティンガム 米ニューヨーク州立大・ビンガムトン校

アキラ・ヨシノ 日本・東京・旭化成株式会社 日本・名古屋・名城大学

      

“リチウムイオン電池の開発に対して”

  

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彼らは充電可能な世界を創り出した

   

2019年のノーベル化学賞は、リチウムイオン電池の開発に贈られた。この軽くて充電可能でパワフルなバッテリーは今、携帯電話からノートパソコンや電気自動車まで、あらゆるものに利用されている。それは太陽と風力のエネルギーを大量に蓄えることも可能で、化石燃料のない社会を可能にする。

  

(注.以上が見出しと前置きで、以下が本文。)

   

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リチウムイオン電池は世界的に、我々がコミュニケーション・仕事・研究・音楽鑑賞・知識の検索で使う携帯電気製品の電源として利用されている。リチウムイオン電池はまた、長距離走行可能な電気自動車の開発や、太陽・風力などの再生可能な資源エネルギーの蓄積も可能にした。

  

  

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リチウムイオン電池は、1970年代のオイルショックの時期に発明された。スタンリー・ウィッティンガム氏は、化石燃料不要のエネルギー技術につながる方式の開発へと尽力した。彼は超伝導体の研究を始めて、非常にエネルギーに富む素材を発見し、リチウム電池の革新的な正極(カソード)の作成に利用した。これは、分子レベルでリチウムイオンを入れる(含有する)空間を持ち得る二硫化チタンから作られていた。

    

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このバッテリーの負極(アノード)は部分的に、金属リチウムから出来ており、電子を放出する力が強かった。その結果、1つの電池で2ボルトを超えるほどで、文字通り凄いポテンシャル(可能性=電位)を持っていた。しかしながら、金属リチウムは反応しやすく、その電池はすぐ爆発するので実用的ではなかった。

   

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ジョン・グッドイナフ氏は、金属硫化物の代わりに金属酸化物を使って作れば、より強力な正極になるだろうと予言した。組織的な研究を経て、彼は1980年、リチウムイオンを含有したコバルト酸化物が4ボルトを産み出すことができると実証した。これは重要な突破口で、遥かに強力な電池につながるものだった。

   

  

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グッドイナフ氏の陽極を土台にして、吉野彰氏は、商業的に使える初のリチウムイオン電池を1985年に生み出した。負極に、反応しやすいリチウムを使うのではなく、石油コークスを用いたのである。これは、正極のコバルト酸化物と同様、リチウムイオンを含有できる炭素材料である。

    

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その結果、電池は軽くて長持ちするようになり、性能が低下する前に数百回の充電が可能となった。リチウムイオン電池の利点は、電極を変化させてしまう化学反応を用いず、負極と正極の間を流れて行き来するリチウムイオンを用いていることである。

     

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リチウムイオン電池は、1991年に初めて市場に出て以来、我々の生活に革命を起こして来た。それは、無線でつながる化石燃料のない社会を創り出し、人類に偉大な利益をもたらしている。

   

   

吉野氏を支えた旭化成(チーム&会社)と愛妻・久美子さん、グッドイナフ氏を支えた水島公一氏にも拍手を贈りつつ、今日の所はこの辺で。。☆彡

   

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