地球環境保護と反原発、半世紀前のSF小説の21世紀的変奏~新ドラマ『日本沈没』第1話

このドラマ初回の5日前、ノーベル物理学賞が地球物理学に対して授与されたのは、偶然ではないだろう。20世紀末から21世紀の現在まで、地球レベルの非常に大きくて複雑なシステムが注目を浴びるようになってる。

    

日本沈没という(架空の?)現象も、地球レベルのプレート・テクトニクスが大きな原因となってる。これ自体は人間がどうすることも出来ない自然現象だが、沈没の人為的な原因なら対処可能。

   

人為的な原因は、ドラマだと、東山首相(仲村トオル)と世良教授(國村隼)が開発を先導するCOMS(コムス:Celstec Origin Mining System)とされてる。実質的にCO2を出さない海底のクリーンエネルギー、セルスティックをポンプで抽出するシステム。

   

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     ☆     ☆     ☆

これは脚本家・橋本裕志らが、原発を婉曲表現して敵役にしたものに見える。ドラマの日本民政党のCOMS=現実の自由民主党の原発。処置に困ってる放射性廃棄物を安全な(?)地底に埋める案なども意識してるだろう。

       

ドラマの企画の進行中、自民党の菅首相らは炭素を減らすエネルギーとして、原発にも注目してた。ドラマと同様、2050年の温室効果ガス実質ゼロを目指すグリーン成長戦略。そして、TBS・毎日グループは、基本的に反原発のリベラル・メディアなのだ。

  

ちなみにセルスティックという言葉の意味と語源は、まだ不明。セルには、天国という意味もあるようだから、天国のテクノロジーという意味合いかも。そこにアトミック(原子力の)を掛け合わせたとか。

   

   

     ☆     ☆     ☆

さて、このドラマは、何度も映像化されて来た小松左京の同名のベストセラーSF小説が原作。1973年に刊行で、当時は分かりやすい公害を受けて、環境「庁」が出来た頃だ(1971年)。しかしまだ、分かりにくい地球環境の保護という動きは強くない。

    

原作はまだ読んでないが、当時としては最新のプレート・テクトニクスの理論を既に重視してたようで、文学部出身(京都大学)としては先進的な知性の持ち主。死の直前に起きた原発事故については、遺稿で人災だと語ってたそうだ。

    

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上は、ドラマの中での解説シーン。北から延びる北米プレート、東から広がる太平洋プレート、南から延びるフィリピン海プレートが、関東の南岸あたりでぶつかり合ってる。高校の地学か何かで習った話で、私は驚きながらも半信半疑だった。

   

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上は、日本列島を(南東くらいから?)水平方向に見た断面図。地球温暖化によって、海面が上昇し、海水圧が増加して、その負荷が海底プレートをより不安定なものにしてしまった。そして、スロースリップ(ゆっくりした滑り)現象によって、プレート上部に亀裂が生じる。

  

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これまた素人には真偽不明の説明だが、エンドロールの「地震学監修」には、山岡耕春、篠原雅尚という名前があった。山岡は名古屋大学大学院教授で地震予知連絡会会長、篠原は東大教授で海底の構造や変動が専門。信頼できるのだろう。予知はともかく。

   

   

     ☆     ☆     ☆   

ただ、プレート・テクトニクスという考えは、今でもそれほど確立した理論ではないような印象がある。有力で主流の仮説といった所か。

     

地球の表面を少数のプレートが覆っていて、そのゆっくりした移動と接触、ズレによって陸地や地震を説明するものだが、その前からあるマントル対流説との関係が曖昧に見える。下はマントル(mantle)の対流と、それに連れた表面のプレートの動き。英語版ウィキペディアより。マントルの下、内側が、核。

  

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今では日本の学者が、マントル対流などをプルームと呼び直して、プルーム・テクトニクスというものを新たに提案してるらしい(仮説)。

     

このプルーム(plume:羽毛)という言葉は、マントルの上昇流を、羽毛みたいに舞い上がる煙に例えたもの。そういえば、ドラマの主人公、環境省の天海啓示(小栗旬)がスキューバ・ダイビングで日之島の近くに潜った時、海底の裂け目から煙が吹き上がってた。あれはプルームのイメージも入ってるのかも。

   

下図は、拡散してるが出典不明。岡山大学と書いてるサイトもあるがリンク切れで、インターネット・アーカイブで見ても自作の図かどうか微妙。プルームのことがプリュームと書かれてるのは、フランス語読みだろうか。

              

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     ☆     ☆     ☆

ところで、伊豆大島の東に、「日之島」という小島は実在しない。もちろん、あれは「日本列島」の象徴、シンボルだ。

   

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変人研究者の田所(香川照之)が、最初に沈むと予言して、第1話の最後に本当に沈んでしまった島。

   

沈む前に天海がスキューバで潜った時、不気味な黒い裂け目を発見。実はあれが、一番最初の日本列島の象徴になってた。

   

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青森(または北海道)から、中国・四国あたりまでを暗示した映像。ここから関東の部分にクローズアップして、そこから黒い煙が噴き上げて来た。したがって、物語の全体は大きく次の流れになってる。

   

 日之島の海底の「日本列島・関東」の異常 → 日之島の沈没 → 関東の沈没 → 日本の沈没

    

最後に、日本列島の全体が沈没するのかどうかは不明。エンドロールでは、「今後の展開」として、沈没の確率らしきものが下のように示されてた。北海道50%、東北70%、関東・東海・北陸・近畿80%、中国・四国70%、沖縄60%。九州は見えず。

      

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北海道だけ残るとすると、例の怪しい企業がボロ儲けすることになりそうで、物語的にはちょっと変な感じもある。果たして、どうなるか。。

  

  

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いずれにせよ、ドラマの副題にわざわざ「-希望の人-」と入れてるのだから、何か希望が残るのだろう。

  

初回放送当日の朝日新聞・朝刊、テレビ欄コラム「試写室」も、「今後描かれるだろう『希望』に期待が膨らむ初回だ」と締めくくられてた(野城千穂・記者)。

   

切ないストーリーが好みの私としては、むしろ絶望的な悲しいエンディングを希望。しかし、一般にはどうしてもハッピーエンドや明るい話が好まれるようで、特にドラマは明らかにその傾向が強い。例外は、同じ脚本家で同じ時間帯の『華麗なる一族』とか。

   

代わりに、もっとマニアックな科学理論が描かれることに期待を膨らませるとしよう。暇が出来たら、原作小説やマンガも読んでみたい。どちらもキンドル読み放題のリストに入ってた。1973年の映画も、動画配信で見たいと思ってる。それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

       (計 2600字)

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コンピューター計算による気候変動予測~真鍋淑郎氏のノーベル物理学賞2021、授賞理由と理論(英語原文と日本語訳)、数式

2021年のノーベル物理学賞は、パリーシ氏(イタリア)に半分、眞鍋淑郎氏(米国籍)とハッセルマン氏(ドイツ)に4分の1ずつ授与された。眞鍋の「眞」は旧字体なので、メディアは「真」鍋と新字体で書いてることが多い。

      

賞金の総額は1000万スウェーデン・クローナ(約1億2000万円)だから、3人それぞれが受け取る金額は、6000万円、3000万円、3000万円。英語版の公式サイトより。

       

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中心はパリーシ氏であって、これを「真鍋淑郎さんら3人に」と伝える日本のメディア報道はどうかと思う。しかし、私も日本好きの日本人だから、真鍋氏に焦点を絞って記事を書くことにしよう。

  

眞鍋氏は、人間的にはかなり面白い人のようで、あちこちの話を読むと自虐ギャグみたいなものがかなり混ざってる。もちろんそれは、自信と実績の裏返しではあるけど、ランニングや水泳も好きらしいし、90歳でもお元気で明るい科学者だ。

   

それにしても今回の授賞は、物理学賞にも政治的意図やメッセージが込められることを示してる。平和賞や文学賞に限らず、その点は理解しておく必要がある。

 

   

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いつもながら、ニクラス・エルメヘド氏のイラストはいい味を出してて、単色の色使いもいい。真鍋氏は確かに、昔ながらの黒縁メガネと柔らかな目、眉が印象的で、耳が大きく目立ってるように見える。

    

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The Royal Swedish Academy of Sciences has decided to award the Nobel Prize in Physics 2021

“for groundbreaking contributions to our understanding of complex physical systems”

with one half jointly to

Syukuro Manabe  Princeton University, USA

Klaus Hasselmann  Max Planck Institute for Meteorology, Hamburg, Germany

“for the physical modelling of Earth’s climate, quantifying variability and reliably predicting global warming”

   

スウェーデン王立科学アカデミーは、「複雑な物理システムに対する我々の理解への革新的貢献に対して」 、 2021年ノーベル物理学賞を贈ることに決定した。

賞の半分を、米国・プリンストン大学の眞鍋淑郎氏と、ドイツ・ハンブルク・マックスプランク気象学研究所のクラウス・ハッセルマン氏に併せて贈呈。

「変動性を数量化し、地球温暖化を高い信頼性で予測する、 地球気候の物理的モデルを作ったことに対して」。

    

  

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Physics for climate and other complex phenomena

  

気候その他、複雑な現象の物理学

   

Three Laureates share this year’s Nobel Prize in Physics for their studies of chaotic and apparently random phenomena. Syukuro Manabe and Klaus Hasselmann laid the foundation of our knowledge of the Earth’s climate and how humanity influences it. Giorgio Parisi is rewarded for his revolutionary contributions to the theory of disordered materials and random processes.

    

今年のノーベル物理学賞は、カオス的で明らかにランダムな現象の研究に対して、3人の授賞者に贈られる。真鍋淑郎とクラウス・ハッセルマンは、地球気候と人間活動による影響についての我々の知識の基礎を築き上げた。ジョルジオ・パリーシは、無秩序な物質とランダムなプロセスの理論に対して革命的な貢献を行った。

   

Complex systems are characterised by randomness and disorder and are difficult to understand. This year’s Prize recognises new methods for describing them and predicting their long-term behaviour.

    

複雑なシステムは、ランダムさ(予測不可能性)と無秩序によって特徴づけられるもので、理解するのは難しい。今年のノーベル賞は、それらを記述して長期の動きを予測するための新しい方式を評価した。

   

One complex system of vital importance to humankind is Earth’s climate. Syukuro Manabe demonstrated how increased levels of carbon dioxide in the atmosphere lead to increased temperatures at the surface of the Earth.

   

人類の生命活動にとって重要な複雑システムの一つは、地球気候である。真鍋淑郎は、大気中の二酸化炭素レベルの増加がどのように地球表面の気温上昇を導くのかを示した。

   

In the 1960s, he led the development of physical models of the Earth’s climate and was the first person to explore the interaction between radiation balance and the vertical transport of air masses. His work laid the foundation for the development of current climate models.

   

1960年代、彼は地球気候の物理モデルの発達を先導し、放射バランスと空気の塊の垂直移動の間の相互作用を探求する最初の1人であった。彼の仕事は、現在の気候モデルの発達に対する基礎を打ち立てた。

   

   

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Manabe’s climate model

Syukuro Manabe was the first researcher to explore the interaction between radiation balance and the vertical transport of air masses due to convection, also taking account of the heat contributed by the water cycle. 

   

真鍋の気候モデル

真鍋淑郎は、放射バランス(収支)と、対流による空気の塊の垂直移動との相互作用を探求した最初の研究者であった。彼はまた、水のサイクルによる熱も考慮に入れた。

     

Infrared heat radiation from the ground is partially absorbed in the atmosphere, warming the air and the ground, while some radiates out into space.

 

地面からの赤外線による熱放射は、一部が大気に吸収され、空気と地面を温め、一部は宇宙へと放出される。

    

Hot air is lighter than cold air, so it rises through convection. It also carries water vapour, which is a powerful greenhouse gas. The warmer the air, the higher the concentration of water vapour. Further up, where the atmosphere is colder, cloud drops form, releasing the latent heat stored in the water vapour.

  

熱い空気は、冷たい空気より軽いので、対流を通じて上昇する。それはまた、強力な温室ガスの1つである水蒸気を運ぶ。空気が温かいほど、水蒸気の濃度は高まる。さらに、大気が冷たい所では、雲の雫が形成され、水蒸気に蓄えられた潜熱が放出される。

   

   

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Carbon dioxide heats the atmosphere

二酸化炭素は大気に熱を与える
  

Increased levels of carbon dioxide lead to higher temperatures in the lower atmosphere, while the upper atmosphere gets colder. Manabe thus confirmed that the variation in temperature is due to increased levels of carbon dioxide; if it was caused by increased solar radiation, the entire atmosphere should have warmed up.

   

二酸化炭素レベルの増加は、低層の大気では高い気温をもたらし、高層の大気は冷やす。真鍋はこうして、気温の変動は二酸化炭素レベルの増加によるものだと確信した;もし気温変動が太陽放射の増加によるものなら、大気の全体が温められるはずだから。

   

Temperature at the surface fell by 2.28°C when the level of carbon dioxide halved. It increased by 2.36°C when the level of carbon dioxide doubled.

   

二酸化炭素レベルが半分になった時、地表の気温は摂氏2.28度だけ低下した。二酸化炭素レベルが2倍になった時、地表の気温は摂氏2.36度だけ上昇した。

    

訳者による補足: 最後の説明文は矛盾してるようにも見えるが、要するに、300ppmが150ppmになった時と、300ppmが600ppmになった時の話をしてるので、矛盾ではない。)

    

    

      ☆     ☆     ☆

なお、英語版ウィキペディアが文献の最初に紹介してる英語論文を見ると、偏微分方程式が最初に提示されてた。福山雅治が人気ドラマ『ガリレオ』で書きなぐりしそうな数式だ♪

       

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さらなる説明は以前の論文を読むように、とのこと。いずれ、余裕があればということで。当時のコンピューターで数値計算すると、1日に8000ドルもかかる上に、「爆発」したそうだ。日本気象学会の機関誌『天気』、1987年、p.648より。

  

爆発とは、今の言葉だと深刻なフリーズのことだろうか? ともあれ、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

    

      (計 4355字)

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吉野彰氏のノーベル化学賞2019、受賞理由(リチウムイオン電池の開発、英語原文と和訳)

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日本時間10月9日・夜の受賞から既に丸1週間経過してしまったが、今年も日本人研究者がノーベル賞を受賞したので、記念記事をアップしとこう。日本人としては27人目、化学賞では8人目となる快挙。

   

ニクラス・エルメヘド氏のイラストは本人に似てるし、独特の味もあるが、吉野彰・旭化成名誉フェローの絵はちょっと髪の毛が目立ってる♪ 実際の本人の頭髪は白髪で、頭皮の肌色やライトの光に溶け込んでるので、それほど目立たない。京都大学・考古学研究会時代の写真を見るとイケメンにも見えた。名城大学教授という肩書は最近のもので、実際は企業内研究者だ。

   

  

     ☆     ☆     ☆

では以下、いつものように、ノーベル賞公式サイト(英語)より引用。基本的には直訳に近い英文和訳を心掛ける。ちなみに冒頭の紋章、「スウェーデン」というスウェーデン語は入ってない。ただし、その下の英語にはスウェーデンと書いてある。日本語の紹介では普通、国名を入れて、スウェーデン王立科学アカデミーなどとされる。

     

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王立科学アカデミー 2019年10月9日  

スウェーデン王立科学アカデミーは、2019年のノーベル化学賞を次の方々に贈ることを決定した。

  

ジョン・グッドイナフ 米国オースティン・テキサス大学

スタンリー・ウィッティンガム 米ニューヨーク州立大・ビンガムトン校

アキラ・ヨシノ 日本・東京・旭化成株式会社 日本・名古屋・名城大学

      

“リチウムイオン電池の開発に対して”

  

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彼らは充電可能な世界を創り出した

   

2019年のノーベル化学賞は、リチウムイオン電池の開発に贈られた。この軽くて充電可能でパワフルなバッテリーは今、携帯電話からノートパソコンや電気自動車まで、あらゆるものに利用されている。それは太陽と風力のエネルギーを大量に蓄えることも可能で、化石燃料のない社会を可能にする。

  

(注.以上が見出しと前置きで、以下が本文。)

   

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リチウムイオン電池は世界的に、我々がコミュニケーション・仕事・研究・音楽鑑賞・知識の検索で使う携帯電気製品の電源として利用されている。リチウムイオン電池はまた、長距離走行可能な電気自動車の開発や、太陽・風力などの再生可能な資源エネルギーの蓄積も可能にした。

  

  

    ☆     ☆     ☆

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リチウムイオン電池は、1970年代のオイルショックの時期に発明された。スタンリー・ウィッティンガム氏は、化石燃料不要のエネルギー技術につながる方式の開発へと尽力した。彼は超伝導体の研究を始めて、非常にエネルギーに富む素材を発見し、リチウム電池の革新的な正極(カソード)の作成に利用した。これは、分子レベルでリチウムイオンを入れる(含有する)空間を持ち得る二硫化チタンから作られていた。

    

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このバッテリーの負極(アノード)は部分的に、金属リチウムから出来ており、電子を放出する力が強かった。その結果、1つの電池で2ボルトを超えるほどで、文字通り凄いポテンシャル(可能性=電位)を持っていた。しかしながら、金属リチウムは反応しやすく、その電池はすぐ爆発するので実用的ではなかった。

   

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ジョン・グッドイナフ氏は、金属硫化物の代わりに金属酸化物を使って作れば、より強力な正極になるだろうと予言した。組織的な研究を経て、彼は1980年、リチウムイオンを含有したコバルト酸化物が4ボルトを産み出すことができると実証した。これは重要な突破口で、遥かに強力な電池につながるものだった。

   

  

    ☆     ☆     ☆

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グッドイナフ氏の陽極を土台にして、吉野彰氏は、商業的に使える初のリチウムイオン電池を1985年に生み出した。負極に、反応しやすいリチウムを使うのではなく、石油コークスを用いたのである。これは、正極のコバルト酸化物と同様、リチウムイオンを含有できる炭素材料である。

    

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その結果、電池は軽くて長持ちするようになり、性能が低下する前に数百回の充電が可能となった。リチウムイオン電池の利点は、電極を変化させてしまう化学反応を用いず、負極と正極の間を流れて行き来するリチウムイオンを用いていることである。

     

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リチウムイオン電池は、1991年に初めて市場に出て以来、我々の生活に革命を起こして来た。それは、無線でつながる化石燃料のない社会を創り出し、人類に偉大な利益をもたらしている。

   

   

吉野氏を支えた旭化成(チーム&会社)と愛妻・久美子さん、グッドイナフ氏を支えた水島公一氏にも拍手を贈りつつ、今日の所はこの辺で。。☆彡

   

     (計 1819字)

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死者の復活、永遠の命2~『AIでよみがえる 美空ひばり』(NHKスペシャル)

先週の日曜(19年9月29日)のNHKスペシャルでは、「あれから」という言葉(新曲の歌詞・題名)が度々出て来た。そう言えば前回、死者復活スペシャル第1弾は今年の春。あれから、もう半年経つのか。個人的に、非常に心に残る日々だった。。

  

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私の話はさておき、前回の放送は、半ば個人的な話だったのだ。ここ数年で、嫌われキャラから人気者へとブレークした芸人・出川哲朗の亡き母の復活。出川の目の前にホログラフィーみたいな映像を映し出して、日常的な会話を行う試み。私も含めて、多くの視聴者は出川の母を知らなかっただろうから、どの程度「よみがえり」に成功したのかは分かりにくい。

  

それに対して、第2弾とも言うべき今回は、大人なら誰でも名前くらいは知ってる美空ひばり。昭和を代表する超大物歌手だ。たとえ、曲や歌声、顔が浮かばなくても、歌声を聞けば「あぁ、聴いたことがある」となるはず。だからこそ、30年ぶりにAIでよみがえらせる計画は大変だったと思う。試聴で厳しいダメ出しを受けたプログラマー・大道竜之介氏(ヤマハ)は泣きそうになってた♪

  

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私が一番感心したのは、AIひばり自体より、こんな巨大なプロジェクトを1年がかりで成功させた関係者らの努力だ。その意味では、AIよりも人間に感動したことになる。まだ、今の時点では。。

   

  

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番組では有名人も登場したけど、主役は明らかにヤマハ歌声合成チームだった。青く長い髪の美少女・初音ミクでおなじみ、歌声合成システム「VOCALOID」(ボーカロイド)を開発したエンジニアとのこと。「楽譜と歌詞を与えるとコンピューターが歌にするシステムです」。高齢者にもやさしいナレーション。

  

半ば理数系のマニアック・ブロガーにとって一番興味深かったのは、高校数学みたいな音の順列(組合せ)♪ 濁音とかも含めて、120個ほどの音に、4オクターブの変化を付けると、5000を超える音が必要らしい。

    

120×4オクターブ×7音だと3000強にしかならないけど、音階の理論はややこしいから、ここでは深くこだわらない♪ 半音を加えると120×4×12音=5760で、説明とのつじつまは合う。ただ、ド♯とレ♭が僅かに違うとか、半音の半音とか、微妙な話があるのだ。

     

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ビブラート(長・中・短)、裏声(強・中・弱)の変化も考慮。ビブラート無し、裏声無しも含めると、それぞれ4通りか。ということは、1つの音を出すだけで、5000×4×4 ≒ 8万通り

  

それを順番に並べて歌にする場合の数は、8万×8万×8万×・・・。マジメにやると、人間どころかAIでも苦戦する変化になってしまうから、パターン化とか簡略化を行うはず。「順列組み合わせ」なんて言葉が画面のテロップに出るだけでワクワクするのが、理系あるある症状だ♪ 正確には「順列」だと突っ込むとか(笑)。アア、アイ、アウ、・・・。

     

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ちなみに、「かわのながれ」の母音は「アアオアアエ」、「あれから」の母音は「アエアア」。サビの歌詞にハッキリ発音しやすいアが多いのは、偶然ではないと思う。意識的か無意識的かはさておき。

  

  

    ☆     ☆     ☆

音を作る一方で、本物の美空ひばりの歌声からのインプット(入力)作業も大変。さすがNHK。特別に、演奏なしの歌声だけのデータを入手。ボーカルのみの音源を、AIは「教師データ」として、学習していく。

  

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AI自ら学習を繰り返す「ディープ・ラーニング」ということは、人工の音を試しに作っては、本物のひばりと比較して、作り直すということか。ひばりの1秒間の声を100分割して解析。モニターの文字列をよく見ると、一つの曲だけでも複数の音源を使ってる。

  

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AIひばりの音の周波数(下図の赤い波線か)を見ると、楽譜の音(下図の太い青線か)に合わせて、きっちり歌ってしまってることが分かる。ここに秋元康らがダメ出しをするのだ。人間味がないとか、ひばりの感動がないとか。後援会の女性ファン5人の試聴シーンは、ちょっと怖かったほど♪

  

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ひばりらしくするためには、5000Hz(ヘルツ)超の「高次倍音」と呼ばれる特別な高い音をごく一部だけ混ぜたり(『川の流れのように』のサビの「か」)、タイミングを僅かにずらしたり、周波数を僅かに上下させたり。確かに、本物の歌手の持ち歌をカラオケで判定させると、楽譜通りではないから意外と点数が低かったりする。

  

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    ☆     ☆     ☆

もちろん、歌声だけでは本人の復活コンサートは開けない。動きは、美空ひばりの大ファンの大物歌手・天童よしみからモーション・キャプチャー(動作データの獲得)。身体に付けるセンサーの数はわりと少ないように見えた。

  

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さらに、専属美容師だった白石文江さんが新曲のイメージに合わせて、体型が似たモデルにヘアメイク。それをCGとして取り込む。CGだけだと作りにくいわけか。

  

ステージ衣装は、長年担当した森英恵が作成。モデルが着てる姿を見ただけで涙ぐんでた。エッ、もう93歳なのか?! それでまだ現役の活動。足腰や喋りもしっかりしてたし、実に素晴らしい☆

   

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    ☆     ☆     ☆

AIひばりチーム5台(メイン・音程・タイミング・ビブラート・音色)の連携も改良して、いよいよ9月3日の本番。東京・渋谷のNHK101スタジオ。200人近いファンが来場。「語り」の部分用の肉声データを提供した、ひばりの息子・加藤和也氏も参加。ひばりプロダクション社長。養子らしいけど、ひばりの実弟の息子だからなのか、顔は似てる気がする。

   

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新曲『あれから』のお披露目。作詞・秋元康、作曲・佐藤嘉風天童よしみと加藤氏はすぐに涙。秋元康もまばたきが増えてた。CG映像やスクリーンの3D投影はともかく、歌声の出来が素晴らしかったこともあって、私も涙ぐんでしまったほど。

       

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顔のアップは良く出来てるけど、身体全体の動きがまだ人間には遠かった。まあでも、それも時間の問題か。「さあ! 私の分まで、まだまだ頑張って!」(語り)。メッセージも、昭和の熱い激励の復元になってた。ちなみに、浅田真央と美空ひばりの「そっくり率」はかなり高くて、76%♪

         

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   ☆     ☆     ☆

後は、コストと情熱・欲望の問題。人・金・物・時間・場所、膨大なコストが必要だから、もうしばらくは、たかがネットのフェイク動画、フェイク音声、フェイク写真くらいだと思う。

   

こうしてみると、今現在、死者をよみがえらせる最も良い方法は、フツーの写真やビデオ、音声などを元に、生きてる人間が思い出すことだろう。特に、一般人にとっては。そう考えると、法事や仏壇というものも、死者との再会の仕組みとしてよく出来てるのであった。夜の夢も、願望充足の手段としては手軽で見事だと思う。

     

なお、いくつかのネット情報によると、ひばりの音声の復元という試みは、今までもいくつかあったようだ。それでは今日はこの辺で。。☆彡

   

        (計 2788字)

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熱気球はなぜ浮かぶ?、浮力の物理・化学的計算~朝日新聞・ののちゃんのDO科学

空に浮かぶ熱気球については、物理記事で既に2回書いてる。

 

 運動の法則、浮力、物体の連結と分離~物理の問題と解き方2

 気体の状態方程式、熱気球、ピストンと仕事~物理の解き方8

 

今回は、先日(18年12月1日)の朝日新聞・朝刊別刷beに

掲載された記事「熱気球はなぜ浮かぶの?」の解説について、

具体的に計算で確認してみよう。

 

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朝日の記事は「ののちゃんのDO科学」シリーズ。取材協力は日本

科学未来館・池辺靖、日本気球連盟・酒井修一。構成は石倉徹也

記者。

 

以下、当サイトの説明は、高校の理科(物理・化学)の基礎的内容で、

計算式と単位の換算だけなら、小学校の算数レベルだ。

 

 

     ☆       ☆       ☆

熱気球が浮かぶ理由は、「温められた空気は軽くなるから」。朝日

は気体分子運動論をカンタンに定性的に説明してるけど、小学生

らしきののちゃんに分かるかどうかはビミョー。

 

おまけに、気体の分子数が減るから軽くなると説明してるのに、数字

を出す時に分子数の話がない♪ まあ、モル数とかアボガドロ数と

いった分かりにくいものを避けるためには仕方ないのかも。下の

写真は日本気球連盟HPより

 

181205b

 

朝日が数字で説明してる段落だけ、4分割して引用しとこう。先生

がののちゃんにやさしく説明する形式。

 

 (1) 1気圧では、体積1リットルの空気は温度0度で

    約1.3グラムの重さがある。

 (2) 一般的な気球は約2千立方メートルの体積なので

    約2.6トンの空気が入っている。

 (3) この空気を70度まで温めると、約530キロ軽くなる

 (4) ・・・ので、機材の重さを含めても3~4人は乗れる計算ね。

 

 

     ☆       ☆       ☆

まず(1)の計算。空気は、分子量32の酸素分子O₂と、分子量

28の窒素分子N₂が、1:4の割合で含まれる混合気体。

 

 ∴ (平均分子量)

   ={(32×1)+(28×4)}/5

   =28.8

 

よって、0度、1気圧の標準状態だと、

 (22.4リットルの重さ) = 約28.8g

 ∴ (1リットルの重さ) = 28.8/22.4

              = 約1.3g

 

   (注. 物理学的には、重さではなく、「質量」。)

 

 

     ☆       ☆       ☆

次に(2)の計算。

 1立方m = 100cm×100cm×100cm

       =1000000cm³

       =1000リットル

 

 ∴ (2000立方mの重さ)

   =(2000×1000リットルの重さ)

   ≒ 2000000×1.3g

   ≒ 2600000g

   ≒ 2600kg

   ≒ 2.6トン

 

 

     ☆       ☆       ☆

さらに(3)の計算。気体の状態方程式PV=nRTにおいて、

熱気球のようにP(圧力)とV(体積)がほぼ一定の状況だと、

絶対温度Tとn(空気分子のモル数)は反比例する。

よって、絶対温度と重さも反比例する。

 

 (70度の空気の重さ)

   =(絶対温度343度の空気の重さ)

   =(絶対温度273度の空気の重さ)×273/343

   =(摂氏0度の空気の重さ)×39/49

   =約2.6トン×39/49

   ≒ 2.07トン

   =2.6トン-0.53トン

 

したがって、0.53トン、すなわち530kg軽くなる。

 

 

     ☆       ☆       ☆

最後に(4)。熱気球の重さは、ジャパンバルーンサービスHPを

見ると、球皮と機材一式で約300kg。人間1人の平均体重は

65kg前後として、

 

 (乗れる人数)=(530-300)/65

        ≒ 3.5 (人)

        ≒ 3~4人

 

実際には、熱気球の空気の温度は、気球内の場所によって違うし、

時間が経つにつれて刻々と変化する。気圧と体積の変化は小さい

としても、空気の入れ替わりはかなりあるはずだし、燃料は軽く

なっていくだろうから、非常に複雑な変化になる。

 

 

      ☆       ☆       ☆

小市民でプチ高所恐怖症の私としては、見るだけにしとこう♪

2013年のエジプトの墜落事故では火災発生で21人中、19人

が死亡した。日本人観光客4人含む。

 

気球ではないけど、飛行船ヒンデンブルク号の爆発は有名(36人

死亡、1937年)。日本語ウィキペディアでは、水素ガスの爆発では

なく静電気による外皮の炎上とされてるけど、英語版ウィキの詳細

説明を読むと、「色々な仮説」が主張されてるといった感じだ。

 

ただ、世界の気球事故のリストを英語で見ると、事故率や死亡率は

かなり少ないようにも感じる。飛行機や飛行船、自動車との安全性

の比較は不明。それでは今日はこの辺で。。☆彡

 

          (計 1719字)

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「犯罪者は外見で判断できる」、ロンブローゾの学説と著書~『高嶺の花』第5話

 良かったら 初対面ですし

 お互い顔を見せ合いませんか?

 お世話になっといて声だけなのも何なんで

 

 ロンブローゾは

 犯罪者は外見で判断できると言いました

 もっとも 今では科学的根拠に乏しいと

 ほぼ結論付けられてますけど

 ヤバイ奴はやっぱ ヤバイ顔してるもんね

 ニュースの犯人とかも

 どっち?

 うん 大丈夫

            (脚本 野島伸司)

 

 

     ☆       ☆       ☆

日テレの連続ドラマ『高嶺の花』第5話、後半に出て来た上の

会話シーンは、色んな意味で興味深いものだったが、ほとんど

ツイートされてない。

 

180809a

 

「高嶺の花 犯罪者 外見」でツイッター検索をかけると、ヒット数

ゼロ。「ロンブローゾ」だけで検索すると、無関係なゲーム関連を

除いて、実質的にツイート3つだけだった。放送翌日の昼の時点で。

 

世帯視聴率8.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と苦戦中

とはいえ、個人の視聴者数は700万人ほどいる計算になる。

おそらくこの学者の名前がほとんど知られてないし、いきなり

早口で言われて聴き取りにくかったんだろう。

 

 

     ☆       ☆       ☆

ストーリー的には、新たに登場した謎のキャラ・坂東(博多華丸)

が、自転車少年・宗太(舘秀々輝)を任せていい人物かどうか、

直人(峯田和伸)らがスマホのテレビ電話でチェックする場面。

 

180809b

 

直人が「犯罪者は外見で判断できる」とか喋ってるのが聞こえた

坂東は、あわてて無理やり作り笑顔♪ 直人的には「大丈夫」

らしい。ちなみに番組プロデューサーは、博多の顔は「とてつも

なく悪い人」(笑)にも見えると語ってる。

 

180809c

 

このシーンが面白い理由の一つは、逆の視点も何気なく入れてた

から。つまり、坂東の側から見て、直人や秋保(高橋ひかる)達も

かなりビミョーな外見だけど、坂東は無言で宗太に向かって手を

上げてみせた。つまり坂東から見て、直人たちも信用できると

判断された形だ。   

 

 

      ☆       ☆       ☆

それ以上に興味深いのは、直人が「今では科学的根拠に乏しい

とほぼ結論づけられてますけど」と言いつつ、しっかり外見で

判断してる点。秋保なんて、そんな科学的否定は完全に無視♪

ヤバイ奴はやっぱヤバイ顔だと応答してた。

 

見た目、特に顔の問題はよく話題や論争になるけど、「事実と

して今現在かなり影響力がある」のは間違いない。倫理的な問題

や判断はさておき、まず事実は率直に認めるべきだろう。実状を

踏まえて、人種差別とか科学的真理(or虚偽)とか論じるべきだ。

 

このドラマのメインのスポンサーも、女性の顔を美しくする化粧品

をPRしてるし、そのCMに出てるのはドラマのヒロイン、綺麗な顔

の石原さとみだ。それと冴えない顔の峯田の対比が物語の基本。

世界で人気の『美女と野獣』も同様、美しい女性と醜い男性との

外見の対比が基本になってる。

 

ウチの近所には、不審者を見たら通報とかいうポスターが数枚

貼られてるけど、これも外見的判断だ。NTT東日本は、AIカメラ

の監視で万引きを防止する「AIガードマン」を発表したばかり。

不審な「行動」をチェックするという建前だけど、単なる「外見」も

見てるだろうと想像する。

 

犯罪とか治安がからむと、人権とか平等の話が吹っ飛ぶのは、

古今東西変わらない。もちろん、外見が怪しいだけで逮捕は

できないけど、職務質問や別件逮捕なら可能になるわけだ。。

 

 

     ☆       ☆      ☆

180809d

 

19世紀に活躍したイタリアの犯罪学者&医師、ロンブローゾ

(Cesare Lombroso)の顔は、私の感覚だと不審者には見えない。

大きめの額、眉間にシワを寄せた厳しい表情、メガネ、典型的な

昔の研究者といったイメージだ。英語版ウィキペディアより

 

犯罪者は多数の身体的特徴・異常(anomaly)で区別できる

という統計学的な主張は、ダーウィニズム(進化論)ともつながる。

類人猿など、遺伝的に遠い祖先へと先祖返りしたような外見

犯罪者の特徴というわけだ。

 

180809e

 

生まれつきの典型的な犯罪者(生来性犯罪人、born

criminal)は、斜めに下りた額、普通でないサイズの耳、顔

の非対称性、下あごの突き出し、長過ぎる腕、頭骨の非対称性

などで同定できる。盗人、レイプ犯罪者、殺人者など、各犯罪者

には独自の特徴がある。彼はそう信じた。 (大まかな翻訳)

 

 

      ☆       ☆       ☆

180809f

 

上の『CRIMINAL MAN』(犯罪者、1911)は、娘が

まとめ直した英語の本で、ロンブローゾ自身が死の直前に(?)

序文を書いてるから信頼できる。インターネット・アーカイブより

 

180809g

 

鼻は、盗人だとしばしば、ねじれて上向きになってるか、・・・

人種のように平たい。殺人者は逆に、猛禽のくちばしみたいな

ワシ鼻になってる。口は顔の中で最も多くの特徴を示す。発達

し過ぎたあごなど。 (部分的な和訳、一部は翻訳を避けた)

 

 

     ☆       ☆       ☆

もちろんこうした議論には、当初から批判が強かったらしいが、

上の要約本を少し読んだだけでもかなり詳細な研究だと分かる。

主著『L’uomo delinquente』(犯罪的人間)

その他、批判する前に精読するだけでも大変だろう。

 

当然、今ならAIやビッグデータ解析とつながるし、遺伝子DNA

の選別とか優劣、優生思想の議論にもつながる。今後、不正確

ながらも先駆的な業績だったと再評価されても不思議はない。

 

なお、2年前に津久井やまゆり園で19人を殺害したとされる

植松聖被告は、逮捕直後に不気味な笑顔の写真を撮られた

のは失敗だったと語ってた(『開けられたパンドラの箱』)。瞬間

の表情と普段の表情は分けて考えるべきだろう。特に容疑者や

被告は、一瞬の犯罪者的な表情を狙われやすいから。

 

ちなみにロンブローゾは、外見が犯罪を引き起こす「原因」である

ことは否定してた。あくまで、犯罪者であることを示す徴候、サイン

と考えてたのだ。

 

とりあえず、監視カメラの撮影・録画はなるべく自然に避けといた

方が無難だろうなと思いつつ、今日はこの辺で。。☆彡

 

 

 

cf. 傷つけられた時に哀しむ人は、愛の人、いい女です

     ~『高嶺の花』第1話

  後ろ生けと鏡に映るもう一人の自分、力学の意味~第2話

  華道の様式、天・山・海・心と流れ菱(京都・神宮流)~第6話

  ハンナ・アレント『責任と判断』とゲイン・ロス効果~第7話

  エリアス『時間について』と、子どもの頃の自分~第9話

  黄色い高嶺の花は、純潔な太陽の光~最終回

 

            (計 2429字)

    (追記 103字 ; 合計 2532字)

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気温127度で人体実験した英国科学者フォーダイス達(18世紀)&プチ朝ラン

RUN 7km,36分28秒,平均心拍 135

消費エネルギー 325kcal (脂肪 81kcal)

 

台風が通過して猛暑復活。そこで今日は、背筋が凍るようなコネタ

をトッピングしよう。3倍の気温に挑戦した英国科学者の武勇伝♪

命に関わる危険があるので、良いコも、良いユーチューバーも、

決して真似しないように。

 

昨日(18年7月31日)の朝日新聞・朝刊コラム「天声人語」に、

こう書いてあった。

 

 ・・・2007年に刊行された『自分の体で体験したい 命がけの

 科学者列伝』によると、その常識を覆したのは医師や科学者ら

 9人の欧州紳士である。18世紀後半、ヒトは何℃まで暑さに

 耐えられるのか調べた。試した上限は約127度。室内に7分

 とどまることができた。

 

ちなみに現在、乾燥したサウナ風呂は90度前後みたいだから、

200年前の室温127度は限界へのチャレンジだろう。

 

 

     ☆       ☆       ☆

180801b

 

上が紀伊国屋書店HPの説明。著者はレスリー・デンディ、

メル・ボーリング。

 

180801c

 

原著は『Guinea Pig Scientists』(モルモット

の科学者たち)。米国アマゾンより。ちなみにモルモットという単語

は最近の日本であまり聞かない気がする。実験用テンジクネズミ

のことだ。「実験台になった科学者たち」と訳すと面白くないし、

訳書のタイトルは商業的に正解かも。下は中身の紹介より。

 

180801d

 

第1章、焼かれた英国紳士♪ 1770年代にはまだ、温度計は

科学的なオモチャであって、家庭には普及してなかった。人体も

まだ謎だらけ。そこで、もし人がステーキを焼けるほど熱い空気に

さらされたらどうなるか、試してみようと思った科学者たちが登場。

今なら絶対、YouTubeに動画をアップするはず♪

 

      ☆       ☆       ☆

中心になったのが、ジョージ・フォーダイス(George Fordyce)

という物理学者&医学者らしいけど、複数の人(or 仲間達)が

関わってる。別の研究書がグーグル・ブックスで公開されてて

実験の様子を伝えてた。

 

180801f

 

英国の単位(華氏)で260度とされてるから、日本の単位(摂氏)

に換算すると127度弱まで実験。湿度が低い方が有利だろうと

考えてたらしいけど、この温度の時の湿度は不明(☆追記、別の

書物でdryと明記)。あと、7分という時間は英語の検索だとなかなか

見当たらない。上でも「数分」とされてるだけだ。

 

とにかく、心拍数は2倍だけど、体温はほとんど上がらなかった

らしい。どこの体温かは不明だけど、口の中か肛門の中(直腸)かも。

表面温度ならたぶん上昇すると思う(自信も実験もない想像♪)。

 

こうした変人・・じゃなくて挑戦者たち(笑)のおかげで、体温計も

普及していったとされてるけど、ちょっと話が飛躍してるかな♪ 

まあ、英語の検索は疲れるし、今日はこのくらいに留めとこう。

既に「260度」くらい検索してしまったし(笑)。盛ってるだろ!

 

 

     ☆       ☆       ☆

最後に一言、気温「27度」の朝ランについて♪ 違った。ホントは

25度。ただ、湿度が95%もあったから、大量の汗が蒸発しない

まま流れて、すごく蒸し暑かった。夏の朝はいつもこんな感じだね。

走ると全然爽やかじゃない (^^ゞ。実際、歩いてる人が大半。

 

それでも、トータルでは1km5分13秒ペース。実は昨夜走って

から、6時間しか経ってなかったから、なかなか健闘かも♪ 心拍

は普段のちょうど2倍くらいだから、室温127度とほぼ同じ負荷。

風速は0.5mで、ほぼ無風だった。ではまた明日。。☆彡

 

 

180801a

   

         時間  平均心拍 最大

往路(1.2 km)   7分00秒 115 126

LAP1(2.2 km)  11分44秒 132 143

  2     10分43秒 141 153

復路(1.4 km) 7分00秒 151 162

計 7km 36分28秒 心拍平均135(75%) 最大162(90%)

 

             (計 1585字)

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宇宙が収縮する時、時間の矢は逆転する~ホーキング博士が訂正した間違い(英語原文)

今日(2018年3月22日)の朝日新聞・朝刊に掲載されたホーキング

博士の「まちがい」の話を読んで、ちょっと前に読んだ気がするな・・

と思ったので、ネット検索。3月14日の朝日新聞デジタルに、ほぼ

同じような内容の追悼記事が掲載されてた

 

見出しは、デジタルが

 「宇宙観変えたホーキング博士 ノーベル賞と無縁の理由は

紙面だと、

 「共感呼んだ 希代の科学者」。

 

執筆はどちらも、朝日の元・科学医療部長、尾関章。やはりネット

の方が、拡散を呼ぶ見出しだろう。

 

最近、先にネットに出した記事を後で紙面に載せることが増えてる

けど、これは極端な時間差だ。本来なら紙面が先で、HPが後だから、

「時間の逆転」が起きてることになる♪

 

 

      ☆       ☆       ☆

その「時間の逆転」こそ、朝日の記事がこだわったコネタだった。

1985年に京都大学で講演した頃は、博士はまだ何とか声を出せた

ようで、付き添いの青年が言い直す形で聴衆に語りかけた。題名は、

「時間の矢」。過去から未来に向かう時間の流れの一方向性のことだ。

 

朝日によると、博士は、

 “カップが割れる映像を逆回しで見せ、膨張中の宇宙がいずれ

 収縮に転じれば、「熱力学的な時間の向きは逆転する」と語った

 

ところが88年の世界的ベストセラー『A Brief History of

Time』(時間の短い歴史、邦訳「ホーキング、宇宙を語る」)

で自分の間違いを認めて訂正。ついでに、自分は訂正したけど、

間違いを訂正しない科学者もいる、というような批判まで載せてた。

 

朝日は「失敗を逆手にとるちゃっかりぶりに愛すべき人柄が見て

とれる」と好意的に伝えてるけど、愛せない読者もいるだろう♪ 正論

とはいえ、日本人なら自分の立場もわきまえて差し控えるのが普通。

 

ちなみに、天才の追悼記事が非常に温かい絶賛になるのも日本の

特徴だ。海外のニュースでは、夫婦や家族のスキャンダルのような

ものまで詳しく報じられてた。まあ、私も日本人だから、ここに書く

のは差し控えとこう。。

 

 

     ☆       ☆       ☆

前置きはこのくらいにして、本題のホーキングの間違いについて。

私は本を買ってるけど見つからないから、ネットで検索。邦訳の該当

箇所は発見できてないけど、英文なら発見できた。

 

最も役に立つのが、コロラド大学のpdfファイル。著作権の処理が

怪しいけど、米国社会ではあまり気にしないのかも。今回に限らず、

しばしば微妙なファイルが堂々と公開されてるのだ。先日の記事に

使ったブラッドベリの短編小説『霧笛』も同様。

 

ホーキング自身の文章を見る前に、非常に大まかな前提知識を、

ネットで拾った図で確認しとこう。『Gravitation』(重力)

というタイトルの有名な本にあるそうで、その本もさらに他の出典

から引用してるような気もする。ありそうで無い、わかりやすい図だ。

 

180322a_2

 

上図の左端が、宇宙の始まりの大爆発ビッグ・バン(Big Bang)。

左から2番目が、現在の宇宙。まだ膨張中。

3番目は、膨張と収縮の転換点。最も膨張した未来の宇宙。

最後に右端が、ビッグ・クランチ(Big Crunch)。宇宙が収縮、

時間の終わりとされる。

 

 

      ☆       ☆       ☆

あくまで一つの考えであって、最近あまり聞かなくなってるから、

少数派なのかも。ただ、物理学的モデルとしては左右対称で美しい。

 

なお、宇宙が膨張するとか収縮するとかいう話は、例えば星の距離

の変化に着目する。下は英語版ウィキペディア、「Ultimate

fate of the universe」(宇宙の最終的運命)より。

 

180322e

 

右下の点線のモデルの場合、横軸(時間軸)で右側に進むと、縦軸

(銀河の平均距離)でゼロになる。つまり、1点に収縮するということ。 

物質の密度や暗黒エネルギーの密度の想定に応じて、複数のモデル

や理論が考えられる。

 

 

      ☆       ☆       ☆

では、ホーキング自身の説明を読んでみよう。英文をコピペした

後、私が簡単に超訳する♪ 正確な直訳とは程遠いので念のため。

 

180322b

 

 まず私は、宇宙が収縮する段階だと、膨張する段階における

 時間の流れが逆転すると考えた。人々は生まれる前に死んで、

 そこから徐々に若返るのだ。

 

 

180322c

 

 私は最初、無境界条件(宇宙に時間的な端は無いという条件)が、

 時間の逆転を意味すると考えた。しかし、同僚の1人が、必ずしも

 時間の逆転は要求されてないと指摘してくれた。さらに、学生の

 一人が、僅かに複雑なモデルを考えるだけで、収縮は膨張と

 大きく異なるものになることを発見した。

 

 私は間違ってた。収縮期でも、ブラックホールでも、時間の矢は

 逆転しないだろう。

 

 

180322d

 

 自分の間違いに気づいた時、どうすべきか。決して間違いを

 認めない人々もいる(エディントンなど)。しかし私は、間違い

 を印刷物で認める方がいいと思う。良い例がアインシュタイン

 で、彼は宇宙定数を導入したことについて、生涯で最大の誤り

 だと呼んだのだ。

 

 

      ☆       ☆       ☆    

ちなみに、この箇所における説明だけだと、「時間の矢は逆転しない」

という説明にはなってない。単に、「逆転すると考える必要はない」と

いうことだ。

 

もちろん、必要がないなら奇妙な考えを主張すべきではない、とか

いう大前提があるのかも知れない。いずれにせよ、宇宙論における

時間の逆転は我々が経験できるものではないから、科学的な面白話

の類ではある。

 

逆に、心理や思考、創作においては、日常的に時間は逆転可能だ。

実際、ホーキングに限らず、時間の逆転という話は時々あるし、読者

や聞き手もイメージできるのだ。映像をスローで巻き戻してもいい。

 

それでは今日はこの辺で。。☆彡

 

               (計 2293字)

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ホーキング、宇宙を支える亀を語る♪(無限後退)&ハーフ走まだダメ・・

(13日) JOG 21.1km,1時間51分02秒,平均心拍 156

   消費エネルギー  1213kcal (脂肪 158kcal)

 

年度末で色々あおられて、もう時間がない。それでも、車椅子の天才

物理学者ホーキング博士の訃報が入ったから、ちょっとだけコネタを

トッピングしとこう。どのメディアの報道とも、あまりかぶってないはず♪

 

英国のステファン・ホーキング、あるいはスティーヴン・ホーキング

(Stephen Hawking)を世界的に有名にしたのは、一般向け

の科学書、『A Brief History of Time』(1988)。

 

直訳すると『時間の短い歴史』だが、翌年出版された日本語訳の

タイトルは『ホーキング、宇宙を語る』(早川書房)。営業的には

正しい判断で、カタカナ5文字、漢字ひらがな5文字の配置もいい。

 

180315b

 

権利問題も絡んで、様々な版(バージョン)が乱立する中、改訂版の

1つがgoogle booksで少しだけ公開されてる

Amazonでも同様。本文の最初に、面白いツカミのコネタが

入ってるので、簡単に触れとこう。宇宙を支える亀♪

 

 

      ☆       ☆       ☆

まず、該当箇所を引用させて頂く。

 

180315c
      

180315d

 

第一章・我々の宇宙観、あるいは宇宙の見取り図の冒頭を、

私が短く超訳すると、次のようなお話だ。

 

 有名な科学者(バートランド・ラッセルという説あり)が、一般人向け

 に天文学の講義を行った。地球は太陽の周りを回転し、太陽は

 銀河の中心の周りを軌道とする。

 

 講義の最後に、やや年配の女性が立ち上がって発言した。

 「あなたの話はくだらない。世界は本当は平たい板の形で、

  巨大な亀の背中が支えてるのよ。

 

 科学者は微笑んで、聞き返した。

 「その亀は、何の上に乗ってるのですか?♪

 

 年配女性は答えた。

 「お若い方、とても鋭い所を突いてるわね。

 でも、亀の下は別の亀、ずっと下まで続いてるのよ♪

 

 

     ☆       ☆       ☆

英語版ウィキペディアには、「下にずっと続く亀たち」(Turtles

all the way down)という項目まであった♪

 

180315e

 

それぞれの亀を、他の(より大きな)亀が支えていくという考えは、

現実には限度があって不可能。「無限後退」の悪しき例とされる。

 

ホーキングが挿入した小話(実話?)は、今現在ならフェミニストとか

が女性差別だと怒りそうだから、編集者が少し手を加えたかも。

「聴衆の1人が」とか、中立的に書き直すとか。

 

それはともかく、ホーキングとしても別に、年配女性をバカにしたい

訳ではない。それどころか、この小話は宇宙論にとって根本的な点

を突いてると言ってるのだ。

 

 

      ☆       ☆       ☆

ある物を、他の物が支えてるという説明なら、別に問題ない。しかし、

宇宙全体を支えてる他の物を考えると、亀の下の亀みたいに、無限

後退に陥ってしまう。

 

だから、宇宙はそれ自体で動的に支えられてるはずしかし、その

根拠は何か。また、根拠の根拠は何か。・・・ずっと考えると、例の

亀みたいな無限後退に陥ることになってしまう。。

 

したがって、問いかけもどこかで止めることになる。最後に登場する

ものとしてお馴染みの例は、「神」という超越的存在。特に一神教的

な唯一絶対のもの。ただ、日本では一神教はあまり流行らない。

では、代わりに何があるのだろうか。

 

というわけで、我々も例の年配女性とあまり変わらない、混沌した

状態におかれてるのだ。ホーキングをはじめとするノーベル賞級

の科学者たちでも、本質的にはそれほど変わらないのかも。。

 

 

cf. ホーキング「人は、人生が公平ではないことを悟れる・・」

  (英語出典&原文)~『アルジャーノンに花束を』第5話

 

 

      ☆       ☆       ☆

あぁ、もう時間が無くなったから、走りについてはほんの一言だけ。

また2日休んだ後、一昨日はハーフ走に挑戦。ハーフ・ジョグと

違って、1km5分15秒以内が目標だったのに、心拍計のエラー

もあって、僅かに失敗してしまった (^^ゞ 滅多にない挫折。

 

ビルドアップ(加速走)で徐々にペースアップしていくと、それ以上

に心拍数が上がってしまって、仕方ないから終盤は抑え気味に。

ギリギリで目標達成かと思ったのに、帰宅後に計算してみたら、

トータル1km5分16秒ペースだった。ガックシ。。_| ̄|○

ラストスパート心拍174の立場は。。

 

 

      ☆       ☆       ☆

最初に心拍計が動かなかった時間を5分40秒くらいで計算して

走ってたのに、実は6分05秒だったわけ(細かっ・・♪)。下の

ラップタイムや心拍は補正したもの。

 

まだまだ、東京マラソンのダメージが心臓と脚に残ってるね。呼吸

は余裕だけど、春の陽気で暑かったのも災いした。気温11度

湿度82%、風速1m

 

プチ花粉症もどきの影響も強まって来たから、昨夜は寝る前に

パブロンを1錠だけ飲んでしまった。それでは今日はこの辺で ☆彡

 

 

180315a

 

往路(約2.4km)  13分42秒 138 147

LAP1(約2.1km) 11分51秒 145 154

  2        11分36秒 149 155

  3        11分17秒 152 161

  4        11分02秒 157 161

  5        10分58秒 160 164

  6        10分56秒 161 166

  7        10分54秒 164 168

復路(約3.7km) 18分46秒 165 174

計21.1km 1時間51分02秒 心拍平均156(87%) 最大174(97%)

 

             (計 2160字)

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NHKスペシャル『東大研究不正』、簡単な感想&休養ジョグ

(10日) JOG 10km,56分47秒,平均心拍 132

   消費エネルギー 474kcal (脂肪 142kcal

 

今日のブログ記事はランニング日誌にコネタをトッピングしたもの

なので、まずは基本的な走行データを掲載してある。10年ほど

前、ある知人にたずねられた。「あれ、ホントに走ってるの?」。

 

悪気のない無邪気で素朴な質問だろうから、私も平静に応答した

けど、内心はかなり不愉快だったから、今でもこうやってブログに

書いてるほどだ。

 

 

      ☆        ☆        ☆   

その頃の走りに、客観的な証拠が何も無かったのは事実。ただ、

私が走った記録は、金儲けや評価と無関係な個人的出来事だから、

証拠を示す必要はない。

 

逆に、東日本大震災後の放射線に関する大量の記事には、かなり

の根拠を示しておいた。公的機関からのものも含めて、アクセスも

多かったし、社会全体に関わる重要な内容を書いてたからだ。あの

混乱や論争の中でも、間違ってるという具体的指摘は受けてない。

 

ちなみに、3年半前からのランニングや自転車の走りについては、

心拍計の細かいグラフ・データがあるから、捏造(ねつぞう)や改ざん

でないことは示せるだろう。

 

例えば、今日・・というか昨日の走りには、次のような心拍データが

あって、ポラールのサイトに転送されてる(最初だけ除いて)。右端

の大きな変化は信号待ちを示す。これを捏造するのは非常に困難

だし、あまりに無意味なはずだ。そもそもウチは12年以上、毎日

更新してるブログで、安定性もある。

 

171211a

 

 

     ☆        ☆        ☆

で、昨夜のNHKスペシャル『追跡 東大研究不正 ~ゆらぐ科学

立国ニッポン~』。

 

まず、このタイトル自体に問題がある。代表として東大を選ぶのは

ともかく、重要なのはむしろ、研究不正が相次いでも、「科学立国

ニッポン」は「ゆらいでない」ということだろう。科学系の企業業績

にも、特に支障はなし。だから、本気の対応も生じて来ないのだ。

 

実際、研究不正の報道は時々見かけるが、それで組織の存在が

揺らぐことは滅多にないし、ノーベル賞の受賞にも影響は感じられ

ない。さらに言うなら、今回の番組が取り上げた不正事件など、例の

STAP細胞事件の1000分の1程度しか騒がれてないのが実情だ。

ネットの反応でさえ、ほとんど盛り上がってないほど。

 

ちなみに、番組で一瞬だけSTAP細胞事件に触れてたが、小保方

晴子の名前も顔も出なかった。以前の特集番組にBPO(放送倫理・

番組向上機構)から人権侵害が指摘されたからだろうか。今回の

追求も、小保方さんへの追求と比べるとかなり緩かったと思う。

良し悪しはともかく。。

 

 

     ☆        ☆        ☆

番組のかなりの部分は、東京大学・分子細胞生物学研究所の

渡邊嘉典(わたなべ・よしのり)教授の不正事件を扱ってた。

 

別にかばうつもりもないし、義理も利害関係も無いが、率直に言って、

番組を見ても、新聞報道を読んでも、彼が本当に不正をしたのか、

どの程度の悪事なのか、ほとんど分からないというのが本音だ。

 

実際、主要な国際的業績らしい「シュゴシン」(守護神)という蛋白質

の存在自体には問題ないとされてたし、科学的に認められる画像操作

と認められない画像操作の違いも、あれではよく分からない。

 

緑色の光の有無にせよ、黒い影の有無にせよ、少なくとも、その画像

をどう文章で説明してたのか、画像の使い方、論じ方を考え合わせる

必要がある。

 

インパクト・ファクター(影響力)が大きい科学雑誌、『NATURE』、

『SCIENCE』、『CELL』への論文掲載を狙うのも、現状では当然

のこと。平均値の20倍~15倍の値(40~30)なのだから。

 

むしろ、審査する側の人が、論文筆者の経歴欄に載ってる雑誌名

を参考にすることの方が遥かに問題だと思う。米国のように、日本

学術振興会も、専業の審査員を養成・確保すべきなのだ。

 

 

       ☆        ☆        ☆    

あるものを無いとすること、無いものをあるとすること。これらが不正

な加工だという点も、その画像をどう語るか、どう見せるかによって

違って来る。例えば、黒い影を薄めただけでも、言葉でその存在を

認めないなら、無いものとしたのと同様なのだ。逆に、薄い影を濃く

する場合でも同様。

 

ちなみにこのブログでも画像はよく挿入して、その際には画像処理

してるが、元の画像が同じでも、ごく僅かな圧縮方法の違い(サイズ、

圧縮率)によって、見え方が変わるのは日常茶飯事だ。線や点の

有無が自動的に変わることもある。

 

研究費や研究ポストをめぐる競争の問題、倫理教育の不足など、

問題が山積みなのはその通りだろうし、研究に限らず、世の中に

不正行為というものが普通に存在するのも間違いない。それをどう

にかする努力が大切なのは当然のこと。

 

ただ、罪と罰のバランスとか、功罪の総合評価の問題はあるし、

批判における公正さの問題も気になる。

 

小保方さんだけがなぜ魔女狩りにあって、なぜそばにいた優秀な

科学者を失うことになったのか。なぜ、数ある不正の中で、渡邊氏

だけが実名と顔写真つきで罪悪を強調されて、他の人(多比良和誠

ほか)は心優しい扱いや匿名扱いになったのか。

 

特にマスメディアは、ネガティブな報道における公正さについても

熟慮して欲しいと思う。ポジティブな報道と違って、ネガティブ報道

は、ネット時代においては生涯の烙印になるのだから。

 

科学的不正の真の闇は、むしろ、光が当たってない広大な領域の

側に潜んでるのだ。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

時間も字数も無くなったので、走りについてはほんの一言だけ。

昨日は休養ジョグを10km楽しんだだけ。呼吸困難もちょっとだけ。

トータルでは1km5分41秒ペースとなった。気温6度、湿度75%

風速1m

 

心拍計は最初の11分28秒、反応しなかったので、妥当な補正を

行った。グラフは上の方に挿入してある。ではまた明日。。☆彡

 

 

        時間  平均心拍 最大

往路(1.2km)   7分23秒 118 135 

LAP1(2.2km) 13分28秒 128 140

  2       12分56秒 129 139

  3       11分22秒 141 147

復路(2.2km)  11分39秒 138 150

計 10km 56分47秒 心拍平均132(73%) 最大150(83%)

 

               (計 2500字)

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