不織布マスクのみOKで、ポリウレタンや布製マスクはダメ?、富岳シミュレーション実験などの誤解もあるかも
妙に長い記事タイトルだけど、今週はもう制限字数15000字が近づいて来てるから、記事内容は短い♪
さっき、ウーバーイーツの記事を書く時に、fnnプライムオンラインを見たら、不織布マスクが大きな話題になってたのだ。あちこちで、単なるマスク着用ではなくて、「不織布マスク」の着用が求められてるらしい。
それは個人的に気付いてなかったけど、そう言えば先日、成人式の記事を書いた時、女の子のマスクがちょっとビミョーだと指摘してしまった。
もちろん、安全性を気にして不織布マスクを選んだのかも・・とは思ってたけど、杉並区の成人式だとわざわざ不織布マスクを2枚配布したらしい。
☆ ☆ ☆
その根拠や原因・理由の一つになってるのでは・・と思われるのが、去年(2020年)夏、理化学研究所・神戸大・豊橋技科大などが行った、スーパーコンピューター・富岳によるシミュレーション実験。
実は、マスクからの飛沫やウイルスのもれの実験なら、シミュレーションなどしなくても実測に近いことができるし、実際に東京大学からも研究発表されて、メディアでも(やや地味に)報道された。
上の富岳のシミュレーション実験が広く報道されたのは、富岳と理研その他の知名度と信頼性に加えて、CG画像がカラーの粒々で分かりやすかったからだろう。不織布だとほとんど前に飛ばないけど、ポリエステルや布だと飛ぶと。
その情報自体は間違ってないけど、情報の加工や受け取り方が微妙。例えば上で、「ウレタンマスク」としてるのは、正確には「ポリエステル相当」の「手作り布マスク」。
もちろん、おそらくポリウレタンの方がもっと通気性が高いだろうけど、理研やPC WATCH(詳しい☆)の記事では正確に書かれてた。
ちなみに上で、「布マスク」と書かれてるのも、正確には「綿相当」の「手作り布マスク」。単に「布マスク」と書くと、上でウレタンマスクと書かれてるのも、布マスクと書かれてるのも、どちらも布マスクになってしまうのだ。
☆ ☆ ☆
そんな事より、決定的に重要なのは、「前に飛沫がほとんど飛ばないから不織布マスクの方がハッキリ安全だ」とは報告されてない、ということ。下は理研の発表資料をPC WATCHが引用したもの。
「飛沫の体積でみるとどちらも8割の飛沫が捕集されており、布マスクでもリスク低減効果は期待できる」。
「不織布マスクはフィルタの空気抵抗が大きいため、隙間からの漏れが多い」
「両者ともエアロゾル粒子は全体の約40~50%程度が漏れる」。
前に飛ばないから漏れないのではなく、前に飛ばないから隙間から漏れるという点は、見落としがちな注意点だ。下図の青い丸の中に、粒子が多いことに注意。つまり、大量に上側に漏れてる。
☆ ☆ ☆
結局、研究チームリーダーの坪倉誠教授は、「数値結果からは、不織布マスクだけでなく、手作りマスクでも十分役割を果たす」と語ってる。
fnnでも、寺嶋毅教授が、「散歩であるとかジョギングは屋外ですし、声を出さずに仕事をしている場合は布やウレタンのマスクでも十分だと思います。状況やシチュエーションに合わせて使い分けることが大切です」と語ってた。
そもそも、ポリウレタンマスクや布マスクにも色々ある。場所によって指定があれば従うしかないかも知れないが、自分自身の選択なら、どれかのマスクを付けて、手指消毒&密回避。そして、免疫力の維持とアップ。これらの基本の徹底に尽きるだろう。
☆ ☆ ☆
東大のマネキン実験だと、1mの距離だとまだ足りないようだから、2m以上の方が望ましい。私は普段、なるべく2m以上のソーシャル・ディスタンスを目指してる。ランニングだと10mとか。
会議などのパーティション(区切り板)の高さは1.5mほど、湿度は90%とか、かなり高い方がいいらしい(富岳の実験)。というわけで、今日は早くもこの辺で。。
(計 1618字)
最近のコメント