自転車ヒルクライムとF1、どっちがエコか

RUN 13.3km,1時間03分14秒,心拍154

ヤンキース優勝&松井秀喜MVPなんてニュースは華やかでおめでたい

けど、その陰には地味で暗めのニュースもある。ホンダが昨年で撤退、

ブリヂストンのタイヤ供給は来年一杯、そしてトヨタも今年限りでF1を完

全撤退することになった。「完全」というのは、他チームへのエンジン供

給とか共同運営などもしないことのようだ(11月5日の朝日新聞・朝刊)。

        

昔、ホンダが圧倒的に強かった頃、「トヨタが本気を出せばすぐ優勝でき

る」という話を聞いたもんだけど、結局8年間で1度も優勝なし。ただ、今

年は2位が2回と好調だったから、担当者はかなり残念だろう。チームの

代表だった山科忠専務が会見で涙を流すのも分かるような気がする。

      

これで、世界の主要自動車メーカーの内、残ったのはフェラーリとルノー、

あとダイムラー(エンジン供給のみ)だけで、今後はルノーも怪しいとのこ

と。超高級スポーツ車のフェラーリだけが安泰なのは、何とも分かりやす

い話で、格差拡大の現れなんだろう。こうなると、もうF1が自動車レース

の最高峰というイメージを保つのは難しい。FIA(国際自動車連盟)もかな

り慌ててると思われる。。

            

       ☆          ☆          ☆

さて、ウチでは先月、トヨタが鈴鹿のF1レースで2位になった時、「トヨタ

はF1より自転車開発に再挑戦しよう」という記事をアップしたくらいだか

ら、トヨタ撤退には基本的に不満はない。ただ結局、F1撤退でも、今後

の方向性でも、環境問題が最重要ポイントだということを考えると、そん

なにガソリン自動車ばかりが叩かれていいのかな、という気はする。

      

たとえば、ガソリン自動車から、ハイブリッドその他のエコカーへの転換

をもたらすのに、どのくらいの環境負荷がかかってるのだろう。エンジン

の開発費だけでも莫大だし、電池自動車ならあちこちに急速充電スタン

ドを作る必要がある。エコカー減税による急な買い替えの際には、まだ

使えるガソリン自動車が手放されて、その中で少なからずの割合がゴミ

と化すはずだ。

                             

それでもガソリン自動車を止めて行くのは、主としてCO2(二酸化炭素)

の排出削減のため、より広くは環境負荷低減のためだろうけど、CO2

や環境負荷の計算が非常に厄介なのは、発電所の選択においても昔

から問題となって来たことのはずだ。原子力発電が、「発電の際に」二酸

化炭素を出さないからといって、直ちに火力発電よりすぐれてると言う事

はできない。建設から解体まで、トータルコストとリスクが問題なのだ。

     

そういった難しさを考えると、例えば今人気の自転車ヒルクライムレース

が、F1レースより本当にエコなのか、ちょっと気になってしまう。と言うの

も、ヒルクライムは山で行われるので、往復の移動(ほとんどガソリン自

動車)で相当CO2を出してるし、レース中の選手の呼吸でもかなりCO2

は出る。応援や関係者まで考慮するとますます量は増えるし、逆に森林

の吸収能力が下がってるなんて報道も、昨日のニュースにあった。

                  

他にも、タイヤやブレーキの消耗は、その生産や運搬まで考えると、多少

のCO2排出につながっている。ただ、何と言っても一番大きくて、にも関

わらず忘れがちなのは、楽しむ人の数だ。一般のヒルクライムは、出場

者の個人的満足がほとんどだけど、F1は世界中の人が見て楽しめる。

そう考えると、F1の「コストパフォーマンス」(費用対効果)が低くて無駄だ

と、直ちに決めつけるのは無理がある。コストが高くても、パフォーマンス

も高いから、「パフォーマンス÷コスト」の割り算の結果がどうなるかは、

精密な分析が必要なのだ。

                     

もちろん、私は昔からの自転車好きだし、今でも乗鞍のヒルクライムに

毎年出てるくらいだから、自転車より自動車なんて話をしてる訳じゃない。

ただ、環境とか地球温暖化の話は本来非常に難しいはずなのに、極端

単純化されて、イメージばかりが流通してるのがちょっと気になるのだ。

             

案外、花王「エコ」ナの問題は、エコと名前が付いてれば安心して受け入

れる我々の姿勢に警告を与えてるのかも知れない。ま、あのエコ(ECO)

の建前上の語源は、「エコロジー」じゃなくて、「エディブル・ココナッツ・オ

イル」(Edible Coconut Oil)って話だけどね♪

        

         ☆          ☆          ☆

おっと、難しい話を書くとやっぱり長くなっちゃうな (^_^; 自分の走りの話

は手短に。昨夜はまた時間が無くなったので、短めの距離で妥協。一応

3日連続だから、スピードを出す気もないし、やる気もあんましない状態

で、適当に流して来た。今シーズン初めて、上下アップで走ったからなの

か、最初から妙に重い走りで、遅いわりには呼吸が荒れる。

    

ただ、近所の公園としては珍しく、お気楽ウォーキングを楽しむ女の子2

人連れがいたので、ちょっと意識してキレイなフォームで走るように心が

けた。以前、走るフォームがキレイだと、お散歩中の女の子にホメられた

ことがあるのだ♪ 私しかいなかったから、自意識過剰ではない。ま、昨

夜のコは、自分達のおしゃべりに夢中だったろうけどネ♪ 刺激になるか

ら、しばらく続けて欲しいもんだけど、1ヶ月もつかどうかって所かな ^^

          

トータルでは1km4分45秒ペース。遅いわりにしんどい、ダメな走りの

典型だった。ま、負荷を蓄積してる段階ってことで、良しとしよう。いずれ

これが超回復につながって、以前より上のレベルに進めるわけだ。今夜

はまたビミョーだけど、10kmくらい走りたいな。心拍はプラス6の補正。

ではまた。。☆彡

                

 往路(1.15km)  6分38秒  平均心拍127 

  1周(1.1km)   5分43秒        138

  2周         5分31秒        144 

  3周         5分26秒        148 

  4周         5分18秒        151 

  5周         5分13秒        154 

  6周         5分07秒        156 

  7周         5分00秒        160 

  8周         4分55秒        163 

  9周         4分46秒        167 

 10周         4分37秒        171 

 復路          5分03秒        164 

 計13.3km 1時間03分14秒  154(84%) 最大172(周回ラスト)

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ホンダのF1撤退、時代の変化を象徴☆

モータースポーツの頂点とも言えるF1(フォーミュラ・ワン=最高レベルの規定)

から、「世界のHONDA(ホンダ)」が撤退すると発表、大きな話題となっている。

ここでは、朝日新聞・2008年12月5日夕刊と6日朝刊、読売新聞HPの5日と

6日の記事、およびロイターの報道を参考にしながら、私の考えをまとめてみよう。

       

周知のように、ホンダは、創業者・本田宗一郎を始めとして、長年レースにこだわっ

て来た。64年には最高峰のF1に参入、途中で2度「休止」したものの、2000年か

らは第3期参入をスタートさせて、今年まで継続。「チャレンジング・スピリット」(挑戦

者精神)の源泉、技術やブランド力の象徴として、莫大な経費とパワーを注いで来た

      

そこへ訪れたのが、米国のサブプライム問題を発端とする世界レベルでの金融危

で、福井威夫社長が「撤退」を考え始めたのは9月以降。つまり、株価が暴落し、

金融機関リーマン・ブラザーズが破綻し、全米最大の保険会社AIGが国有化され

た月以降のことだ。そして、最終的な撤退決断は12月4日。この間、さらに金融

危機は拡大&深刻化して、11月の新車販売台数は、最大の市場・米国で前年

同月比36.7%減。日本も同27.3%(軽自動車除く)で39年ぶりの低水準。大

規模なリストラも本格化している。

            

ホンダの業績も、09年3月期の営業利益予想では、前年比42.3%減の5500

億円まで落ち込む見込み。ただし、市場=マーケットはおそらく、更なる下方修正

を見込んでるだろう。日経平均株価が下げ止まりの気配を見せる中でも、ホンダ

やトヨタの株価は下がり続けてる。もちろん、米国のビッグ3、特にGM(ゼネラル・

モーターズ)の経営危機も強く意識されてるだろう。つい最近まで世界最大と呼ば

れていたGMの株価は、僅か1年で10分の1になり、破綻の危機に陥ったわけだ。

       

もちろん、大企業である以上、宣伝・広告費とか開発費というのは当然それなりに

あるわけで、実際ホンダもF1以外は今のところ継続を表明してるし、テレビ・新聞

などの広告を止めることもないだろう。一番重要なF1だけを止めるのは、要する

金がかかり過ぎて割に合わないから。つまりコスト・パフォーマンス(費用対効果)

が低いからだ。

      

ここで気になるのは、ホンダのチーム運営。一般にF1は、1チーム数百億円の運

営・維持費がかかると言われてるけど、その中でもホンダは別格の500億円超で、

しかも数十億円単位のスポンサー獲得にも消極的。さらには、今期途中で撤退し

た鈴木亜久里率いるチーム・スーパーアグリF1への援助においても、代金100

億円以上が未回収となってるという話だ。それでいて、レース結果は、ここ9年の

第3期参入でわずか1勝(06年ハンガリーGP)。イメージアップへの貢献とはほど

遠い実績だ。これでは、入社動機がF1だと自ら語る福井社長でさえ、苦渋の決断

を迫られるのも当然と言える。

                       

金の問題、正確にはコスト・パフォーマンスの問題は、ホンダに限らない。だからこ

そ、F1を統括するFIA(国際自動車連盟)は、コスト低下を目指して、エンジン開発

凍結とか統一エンジン使用を呼びかけるはめになったわけだ。もちろん、最先端

の技術競争の場で、こうした呼びかけが強い反発を招くのは当然だけど、そこまで

F1が追い詰められているということだろう。

      

より大きな視点で見た時、既に宇宙開発競争は遥か以前に転機を迎えたわけだ

し、素粒子物理学の実験に用いる巨大加速器の競争も鈍化。90年代前半の米・

SSC(超伝導超大型加速器)建造計画中止が一つの大きな分岐点だった。一方、

一般市民の生活レベルでは、エコとかスローライフがごく普通のものになり、自動

車から自転車への移行も徐々に進んでいる。アパレル業界では格安路線のユニ

クロが1人勝ちで、百貨店は苦戦。スーパーでさえ、特売品しか売れない時代に

なっているようだ。こうした状況全体が示すのは、数十年レベルでの社会の大掛

かりな変化だろう。

       

スポーツ(sports)とは元々、気晴らしとか遊びという意味だ。それは人間にとって

必要不可欠だけれど、余裕がある範囲で可能になるものにすぎない。今の社会

にとって、もはやモーター・スポーツを楽しみ余裕は減少しており、その代わりに

メジャーになっているのが、ランニングとか自転車などの身体的スポーツ、あるい

はゲームとかネット。近場の旅行も含めて、「安近短」とまとめられるものだろう。

         

企業活動は、あくまで社会状況を前提とするものだ。したがって、ホンダのチャレ

ンジング・スピリットは今後、生活レベルの速度での燃費向上とか、人や環境に

優しい車の開発へと向けられるのが自然だろう。小さくて軽量、安くて安全で楽し

い車こそが理想。世界最強の自動車会社、トヨタのF1撤退も、そう遠い日の話

ではないかも知れない。

                         

もちろん、また余裕ができれば、最先端のモータースポーツを楽しむことも可能な

時代がやってきて、ホンダの3度目のF1復活なんてことも一応考えうるだろう。今

回の「撤退」は結局「休止」にすぎなかったなんてことは、十分あり得ると思う。社

内でのF1挑戦意欲が突然すべて消滅するはずもない。ただ、時代の大きな流れ

は当分変わらないし、企業やF1のあり方もそれと無縁ではあり得ないと見ている。

                                   

もちろん、こうした見方は、大企業トップの福井社長も当然持ってるわけだ。最後

は、昨日の記者会見の言葉から引用して終わりにしよう。ではまた。。☆彡

       

   「単に経済が冷え込んでいるだけでなく、100年間繁栄してきた自動車産業

    は次の100年に向かう大きな変化を迎えている。F1に注いできた情熱、

    リソース、人材を新しい時代に振り向けるべきだという強い意志と受け取っ

    てもらいたい」。

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