女性AI研究者・新井紀子の『シン読解力』とRST(リーディング・スキル・テスト)、問題例の批判的解説

新井紀子という名前は、ここ10年くらい、AIや数学・論理・教育の話でよく見聞きする。理系の専門家として売れてる女性の1人。このブログでも既に扱ってるつもりになってたけど、ブログ内検索をかけてみると、一度も扱ってないらしい。

    

そこで今日は、時間がない中、今年(2025年)の3月に出版された著書『シン読解力』の最初の方に出て来る問題を見てみよう。「シン」はサブカルチャーから借りた言葉で、新・真・深という意味だと思う。表紙には、「学力と人生を決める もうひとつの読み方」と書かれてる。

   

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その基礎的な読解力(リーディング・スキル)は、本を読むだけでは不十分だけど、技術としてトレーニングすれば、才能の有無に関わらず身につけることができる、とされてるようだ。企業にも浸透しつつあるらしい。さて、その中身、実体はどうだろうか。

    

  

    ☆   ☆   ☆

では、彼女たちが作り出したRST(リーディング・スキル・テスト)の問題例を一つずつ、見て行こう。

  

まず、問題02、係り受け解析。ネットでも何度か話題になってた有名問題、「アミラーゼ構文」

   

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そもそも私なら、元の文章は次のように一工夫して書く。改行は別に無くてもよいし、色分けも不要だけど、学校その他の授業なら、その程度のことはしてもいい。

   

 アミラーゼという酵素は、グルコースがつながってできたデンプンを分解する。

 しかし、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。

    

2つの文に分けて、1つ目の文の主語・主部の節「アミラーゼという酵素は」の直後に読点「、」を入れる。すると、似たような文が2つ並んでいて、どちらも同じ主語だということが分かりやすいはず。

  

デンプンとセルロースが対応してるのも、一目瞭然。どちらも、同じ主語アミラーゼを「係り受け」てる。よって正解は、①デンプン。

   

   

     ☆   ☆   ☆

続いて、問題04、推論。つまり、学校教育でも実社会でもしばしば重視される、論理的思考

    

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私なら、「本当は『判断できない』けど、出題者や採点者は『まちがっている』を答だと思ってるんだろう」と推論して、仕方なく「まちがっている」と答える。これこそ、シン推論力。あるいは、シン適応力♪

       

要するに、素直に表面的に読むだけなら、森林が減って今では31%しかないけど、昔はもっと森林が多かったということ。だから、森林ではない部分は69%より少なかったことになる。だから、「70%以上が森林ではない部分だった」というのは、まちがっていると。

   

しかし、「失われた」というのが、1990年から2010年にかけて新たにプラスされた森林も加味した総体的な表現なのか、それともマイナスの部分だけ取り上げた表現なのか、曖昧で不確定。

   

その意味で、「シン正解」は、「これだけからは『判断できない』。ただし、『失われた』という情報が、新たに出来た森林も既に考えに入れたものなら、『まちがっている』」。

  

言い換えると、「・・・ただし、回答に際して、新たに出来た森林は気にしなくてよいという条件なら、『まちがっている』」。  

    

     

     ☆   ☆   ☆

さらに、問題05、イメージ同定。文章に適合するイメージ(図、円グラフ)を選び出す。

      

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これも、問題文や円グラフが良くない。1つの文の中で、違う意味のパーセントを2つ書いてるから、読者が迷うのは自然なこと。

  

円グラフも、①③④は論外として、正解とされてる②も不親切で不自然。

「0.28×0.35=0.098=9.8%」

という計算と単位変換を暗算ですぐ出来る人は、非常に少ないし、出来る必要もない。

    

私なら、2つの円グラフ(選手全体と、外国出身選手の全体)を書くか、元の文を例えば次のように書き換える。

   

 メジャーリーグの選手のうち28%は、アメリカ合衆国以外の出身の選手である。

 そうした選手の出身国(アメリカ以外)の中では、およそ35%のドミニカ共和国が最も多い。

     

もし円グラフに、②のように「ドミニカ共和国 3.8%」と書きたいのなら、元の文にその数字を入れるべきなのだ。「シン文章グラフ対応付け力」。

  

 そうした選手の中では、ドミニカ共和国の出身者が最多で、メジャーリーグの選手のうち、およそ9.8%である。

   

 

    ☆   ☆   ☆

最後は、問題07、具体例同定。与えられた説明に対して、その具体例を選び出す。

     

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これまた、問題が良くない。少なくとも、不親切。「直接金融を利用している主体(人や会社)として当てはまるもの」を選ぶのに、正解の④の貸し手は大学になってる。

   

これを正解としたいのなら、「直接金融を利用している主体(人や組織)」などと書くべきなのだ。あるいは単に、「直接金融を利用している主体」とだけ書くとか。そうしないと、カッコ内に書かれてない大学だけが仲間はずれで浮いてしまう。

    

新井は、どういうわけか②を選ぶ人が多いと書いて、不思議がってるが、それは明解に説明できる自然な選択。

     

①と③は銀行だから、間接金融でダメ。④は大学だから、主体とできるのか不明で選びにくい。よって、消去法で②になる。しかも②は、人と人だから、主体としてふさわしいのだ。

   

お年玉は返す必要がないと言っても、長い期間で広く考えれば、返してると考えられる場合も少なくない。そもそも、最初の説明文に、貸し借りした後の返済の話までは書かれてない。

  

    

    ☆   ☆   ☆

シン読解力も重要だろうが、シン出題力、シン作文力、シン問題作成力も大切。いずれにせよ、実用的な国語力を問題形式でトレーニングする発想自体には賛成する。

    

本来なら、そうした能力はもっと自然に養われるべきものかも知れないけど、SNS時代にそれは難しすぎる要求だろう。案外、より国語力をアップできる、シンSNSが要求されてるのかも。

   

それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

    (計 2405字)

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APU(立命館アジア太平洋大学、別府市)の番組2つの比較、NHK『多国籍学生寮の72日間』はドキュメント72時間よりリアル

多様性というものには色々あるけど、最近、一番身近に感じてるのは、周りに外国人が急増してること。本当に多くなったし、やっぱり日本人とは色々と違うから、数字以上に多く感じてしまう。

    

職場にも増えて来たから、どうしても気を使うことになるし、近所のコンビニの店員も外国人だらけで多国籍。片言の日本語しか喋れない人も多いし、頻繁に人が替わるから、その日本語をこちらが聞き取れないこともある。聞き直すのを避けるために、あらかじめ自分からセルフレジを使うことも増えた。

     

とはいえ、まだまだ外国人は増えそうだから、想像もしてなかったこの環境に適応するしかない。というわけで、普段から英語のテレビや動画を流し見してるし、多国籍関連の情報には敏感になってる。

   

ちなみに、このブログはほとんど日本語で書いてるけど、最近はなぜか海外からのアクセスがちょっと増えてるのだ。ブラウザの自動翻訳の機能がフツーになったからかな?

   

世界が注目する、あのガザ地区からもアクセスが入ってて驚いた。パレスチナとイスラエルの話はほとんど書いてないけど、どの記事がお目当てだったのかね。備蓄米やトレーニング日誌ではないと思うから、長嶋の訃報かな。。

    

      

    ☆   ☆   ☆

で、たまたま目に留まったのが、多国籍学生寮を紹介するNHKの番組。最初、『ドキュメント72時間』かと思ってたけど、似て非なる『ドキュメント20min.』だった。しかも、この20min(20分)のロケ番組で、72日間の様子を紹介 (^^ゞ 分かりにくっ!

   

『20min.』という番組は、72日間の様子。『72時間』という番組は、72時間の様子なのだ。分かりやすい説明で、いいね・・と言ってくれる人は、いないね♪

  

この2つの番組が、同じ対象を、それぞれ別のやり方で扱うという企画。この企画そのものも多様性を表してるけど、対象は遥かに多様。94(!)の国と地域から集まってる多国籍学生寮。それで寮を運営できてるだけでも凄い。

    

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     ☆   ☆   ☆

大分県別府市の高台にある、立命館アジア太平洋大学、APU(Asia Pacific University)。県と市も関わってるようで、外国風の立派な建物が多数、広大なキャンパスにそびえてる。公式サイトのキャンパス写真から縮小引用。

   

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採算が取れてるのか心配になったけど、2000年から続いてるし、定員割れも無し。6000人超の学生数で、ほぼ半分が外国からの「国際学生」。世界111(!)の国・地域から。教員200人の半分近くも外国籍。

   

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ウィキペディアを確認すると、日本語以外に、8ヶ国語のウィキで記事が作られてた。中国、韓国、モンゴル、ロシア、インドネシア、ドイツ、英米(英語)、スペイン。東南アジアや南アジアは、インドネシアだけか。大学の公式サイトは、日本語と英語のみ。

    

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小市民はどうしても採算が気になるから、学費(授業料+入学金)を調べると、4年間の総額で600万円。文系の私立大学の平均の約2倍。

  

なるほど。番組2つ見て、かなり高そうだなとは思ってたのだ。まあ、米国の大学よりは遥かに安いんだろうけど、アジアと比べるとかなりの高額じゃないかな。まあ、各種の奨学金の類もあるけど、基本的には富裕層の子息が集まってるんだろうと想像。おそらく寄付金の要請もありそうだけど、実情は不明。

    

    

    ☆   ☆   ☆

私が先に見たのは『20min.』(72日間)の方で、たまたま見かけただけだから、最初は適当に聞き流してた。ところが、妙に重い空気を感じたから、次第に引き込まれてしまったのだ。

   

大丈夫なの?・・って感じ。いや、主人公の日本人女子学生ハナさんとか、登場する女子学生がちょっと可愛かったから♪ あれはやっぱりテレビ向けに選んでるのかね?

    

その中でも、私の一番のお気に入りは、名前が出なかった子。キンパ(韓国風の海苔巻き)について一言喋ってたから、韓国人留学生か、あるいは在日韓国人4世とかかも。

   

   

     ☆   ☆   ☆

話を戻すと、番組の冒頭では、春の新寮生向けの企画、ビルディングイベントが楽しげに映される。「build」は関係を築くという意味か。この映し方は『72時間』のノリというか、NHKによくある無難で明るい万人向けパターン。

    

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ところが、この番組はそこから、裏方スタッフ達の苦労を描いて行くのだ。2年生(以上)の学生寮スタッフ、RA(Resident Assistant、寮生サポート)。

   

新しくRAになったハナさんが中心になって、イベントの準備を進めようとするんだけど、なかなか上手く進まない。男性の先輩RA(日本人)に相談したり、女性の先輩RAライサさん(『72時間』のバングラデシュの子か)にビシビシ言われたり♪ 先輩的には、もっと伝えて欲しい。ハナさん的には、もっと聞いて欲しい。。

   

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     ☆   ☆   ☆

ちょっと東南アジア系の顔に見えるこの上級生。一応、気は使ってたらしいけど、日本人の女性であのタイプはほとんど見かけない♪ というか、私の周囲では全く見たことがない、強気でダイレクトなキャラ。

    

特に今どきの日本人の若者なら、もうちょっと柔らかく接するはずだから、やっぱり多様性なのだ。優しいサイマさんの方は、イスラム的服装が目立つけど、わりと日本的。

   

で、何とかイベントは楽しげに開催できたけど、夜の反省会では厳しい感想・意見が続いて、打ち上げも無し。

   

それで終わると、あまりに暗い番組になるから、最後はしばらく後のお食事会の話を入れてたけど、私の心にはドヨーンとした空気感が残った♪

  

いや、それでいいのだ。超多国籍の若者同士、そんなに全て上手く行くはずはないし、上手く行く必要もない。すれ違いや衝突の経験自体が、この大学の存在意義・存在理由だろう。もちろん、それを通じて、卒業・就職後の人脈作りも出来るはず。

   

   

     ☆   ☆   ☆

時間が無くなったから、もう『72時間』の方は省略♪ 手づかみでカレーみたいな料理を食べてたから、手はその後どうするのか調べたら、やっぱり洗うらしい。

     

食事の前にも洗うという話だから、服・髪・顔とかを手で触らなければ問題なしか。食器はもともと汚れてるし、箸・スプーン・フォークの類を洗う必要もないし。そう言えば、日本でも、おにぎりやサンドイッチ、お菓子は手で食べてる。

   

他には、お風呂で海外の男子たちが前を隠してないのが意外だった。日本に来る前から知ってたのかね? あるいはテレビ向けの演出とか。女子のお風呂の中は映ってない。多様性的、男女平等的にどうよ?って感じかも♪

  

ゴミの分別、料理の臭い、他文化に合わせる、リスペクトするのは難しい。。

   

   

      ☆   ☆   ☆

最後に、Google Earthで上空からの眺めも見ておこう。

  

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なるほど。海が見える高台をゴルフ場みたいに切り開いたと。環境保護的にどうなのか知らないけど、地盤的には安全そうな場所に見える。

    

別府は、私も一度だけ、わざわざ神戸から深夜フェリーに乗って行った。瀬戸内海の日の出がキレイで、甲板の海風も爽やかだった♪

      

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キャンパスの右(北東)が学生寮ということかな。APUの寮だから、APハウス(1~5)。これだけ見ると、英国とかの寮にも見える。道路もわざわざ作ったと。

   

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ちなみに、学部生向けの寮費は基本的に月額39000円(または41000円)+共益費3000円+水光熱費6000円。なぜか、大学院生向けはもうちょっと安くなってた(細かっ・・♪)。

   

   

     ☆   ☆   ☆

実は私も、中学進学の時、寮に入る話があったのだ。ブログはもちろん、人に話したことはほとんど無い。無意識のうちに避けて来た思い出なのかも。

    

自宅からの通学はできないその中学Sは、学費と寮費、寄付金が高額だったこともあって、結局は行かなかった。別に入りたかったわけじゃないから、悔しくはなかったけど、私立学校で寮に入るとお金がかかるんだな・・とは思ったし、母親がその後、申し訳なさそうにその時の話を口にすることが時々あったのだ。逆にこっちが申し訳ない気がしてしまうほど。

     

まあ、その種の「テンメイ回想録」シリーズ記事については、またいずれ♪ その時、Sに進学した、わりと裕福だった友達Nのこととか思い出しつつ、それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

     (計 3346字)

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4×9=36マスの格子を、8つの長方形(1~8マス)に区切る方法~開成中2025年入試、算数・問題2の解き方

2週間遅れになりましたが、今年も最難関・開成中学校の入試の算数を見てみましょう。小学6年生に対する試験として良い問題だと思ったのは、第2問。分かりやすい設定で、開成中の受験生なら誰でも半分くらいの点数は取れて、しかも時間をかけて努力すれば少し点数が上がると思われるからです。

    

ただし、最後の(3)の理論的に完全な解説はかなり難しいというか、面倒でしょう(この記事の最後で大まかに説明します)。もちろん、そんな事までは試験で問われていませんが、有名な塾の先生たちがどうやって「正解」を出したのか、興味深いところです。

     

コンピューターを使って、すべての場合の区切り方を調べたのかも知れません。あるいは、少し条件をつけて。例えば、一番上の1行目にタテ1×ヨコ7の長方形、2行目にタテ1×ヨコ5の長方形を置くとか。変化が多いので、人間が行うと、うっかり何かを見落としてしまう可能性が十分あります。

  

なお、問題は、四谷大塚HPから引用させて頂きました。

    

    

    ☆   ☆   ☆

[2] 同じ間隔でタテ4行×ヨコ9列の目盛りがかかれた板があります。

この板を目盛りにそって8つの長方形に区切ります。長方形は、ふくまれるマス目の個数が1,2,3,4,5,6,7,8のものが1つずつあるようにします。なお、例えば、4マスの長方形のタテ×ヨコは、 1x4,2x2,4×1のいずれでもかまいません。

このとき、行ごとに長方形が何種類あるかを数え、上からx行目にy種類あるとき、xとyの積を計算します。そして、その値を1行目から4行目まで加えた数をポイントとします。

例えば、次の(図1)の区切り方のポイントは28です。

   

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(1) 次の(図2)、(図3)の区切り方のポイントをそれぞれ答えなさい。

  

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(解答) 

図2のポイント)

=1×3+2×3+3×2+4×2

23 ・・・答

  

図3のポイント)

=1×2+2×3+3×5+4×3

35 ・・・答

   

  

     ☆   ☆   ☆

(2) ポイントが20、30となる区切り方をそれぞれ1つずつ答えなさい。

   

(解答の例)

ポイントが20の区切り方)

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 (1×2+2×2+3×2+4×2=20)

    

ポイントが30の区切り方)

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(1×4+2×3+3×4+4×2=30)

   

   

    ☆   ☆   ☆

(考え方、発展) 横方向の種類が多いとポイントが増えるので、大まかに見ると、長方形はなるべく縦型に使う方がポイントが増えます。逆に言うと、ポイントを少なくするには、長方形を横型に使えばいいことになります。

  

だから、ポイント20の区切り方は簡単に分かるでしょう。ちなみに、図1、図2、図3のポイントがそれぞれ28、23、35だから、ポイント20というのはかなり少ない方だろうと推測できます。

  

ところで、最小値が20であることの証明なら簡単に出来ます。中学以降なら、不等式を使って処理するところですが、小学校ではあまりやらないようなので、等号つきの不等号(≧、≦)などは使わずに証明します。

     

(証明) 各行は9マスで、長方形は1~8マスなので、行ごとの最小の種類は2種類。

そして実際、解答例のように、すべての行に2種類の長方形だけを置くことができる。

よって、最小のポイント数は、1×2+2×2+3×2+4×2=20 (証明、終わり)

   

  

一方、ポイントを30にするには、20の時の式に似た形で、

1×3+2×3+3×3+4×3=30

とする考え方もあります。

  

ただ私は、図1のポイントが28だから、それを少し変更して、ポイントが少しだけ上がるようにしました。

    

この問題は、受験としては、理屈や数式でスパッと解く問題ではありません。だから解答欄には、下書き用のマス目がたくさん書かれていました(18コ)。「試行」錯誤するのも、「思考」力です。

     

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素早く解いた生徒には、書かずに頭の中だけで解いた人もいたでしょう。遥かに複雑な将棋や囲碁でさえ、頭の中だけで出来る小学生もいるので。

    

   

     ☆   ☆   ☆

(3) ポイントがなるべく大きい区切り方を1つ答えなさい。また、そのポイントを答えなさい。(ポイントが大きい答ほど、高い得点を与えます。)

   

(解答の例)

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(1×3+2×4+3×5+4×5=46ポイント)

   

  

(考え方、発展) 横に長い7マスと5マスの長方形は、それぞれ1行目と2行目に置けばいいでしょう。左右にズラすことも出来るので、それだけでも変化が増えます。

   

なるべく長方形を縦長に使うということでは、例えば8マスの長方形と6マスの長方形を下のように置くのは筋が通った考えで、区切り方もすっきりキレイです。

  

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ただ、これだと、1×2+2×3+3×4+4×5=40ポイント。これで何点もらえるのか分かりませんが、半分くらいはもらえるのかも知れません。

    

欠点があるのはハッキリ分かります。4マス、3マス、2マスの長方形を、縦長に使えてないからです。そこで、上図の右端の8マスの長方形を横向きにして左下に置いて、代わりに4マス、3マス、2マスの長方形を縦長に置き直したのが、正解の例の図なのです。 

   

ちなみに、1行あたりの長方形の種類の最大値は6(例えば、1×1+2×1+3×1+4×1+2×3+4×2)なので、下図のように、4行目を6種類にすることは、試す価値があります。ただ、残念ながら、7マスの長方形が置けなくなってしまいます。

   

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とはいえ、上図のような事を試すと、1~4、6、8マスの長方形すべてを縦長に使うことはできないことが分かります。4マスと8マスの両方を縦長に使うだけでも不可能(7マスの長方形が置けなくなる)。では、どれを諦めて、どうするのか。時間内で素早く実験することになります。

   

  

     ☆   ☆   ☆

最後に、ポイントの最大値について。上のように考えると、どうも1行あたり6種類というのは無理そうなので、1行あたり5種類が最大だろうと考えられます。しかも、下図(正解の別の例)のように、5種類の行はおそらく2つの行が限度。

   

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さらに、1行目は7マスの長方形を置くと、最大で3種類。2行目は5マスの長方形を置くと、最大で4種類(3、4行目を5種類にしたいから)。

  

よって、ポイントは最大でも

1×3+2×4+3×5+4×5=46(以下)

   

そして実際、この46に出来るから、ポイントの最大値は46。

   

まだ説明不足ですが、こんな感じでもう少し頑張れば、きっちりした証明になりそうです。とりあえず、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

    

      (計 2617字)

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かけ算の九九の表で、長方形で囲まれた数を足して315になる場合~灘中学校2025年入試、算数1・問題6の解き方

今日は久しぶりに、関西の超難関、灘中学校の算数の入試問題を解説してみます。1日目の算数の時間は、年によって、50分の時と60分の時があるようですが、今年(2025年)はどうも60分だったようです(ネットの能開センターの情報)。

  

いずれにせよ、短い時間で難問を12問も解くのは大変なこと。全体はこんな感じでした。四谷大塚HPで公開されてるので、縮小して引用します。たぶん大学生でも、1問も解けない人がかなりいるでしょう。学校のサイトによると、受験者の平均点は60.7点。合格者の平均点は72.7点。最高は100点! みんな、素晴らしく賢い小学生ですね。

  

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この中で私の目に留まったのは、6番。かけ算の基本、九九の表。難しくて面白くて珍しい問題なので、これを説明します。

    

    

      ☆   ☆   ☆

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上図の太線の長方形を見ると、すべての数の和は、確かに315になってます。

 42+48+49+56+56+64=315

   

長方形が全部で2025個あるという点は、後で説明します。高校の数学の基本問題なのです。

   

その2025個の長方形の中で、数の和が315であるものがいくつあるか? 一つ一つ数える時間は無いし、多すぎてほとんど無理。だから、何か上手い計算方法があるはず。

  

それを見つけるために、和が315になる他の長方形を少し探してみるのは良いことです。

   

   

     ☆   ☆   ☆

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例えば、上の赤・青・緑の長方形は、数の和が315になります。ただ、それぞれの長方形の中身の数はバラバラに違ってるので、単純な足し算で調べていくのは無理。そこで、この表がそもそも掛け算の九九だということに注目します。かけ算が使えるのではないか、と。

       

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上図を見てください。例えば、問題で与えられた太線の長方形の場合、数の和は、

 (6+7+8)×(7+8)=21×15=315

と計算できます。

  

その理由を式で示すと、次のように書けます。分配法則を二重に使って、まとめ直すのです。

 42+48+49+56+56+64

=6×(7+8)+7×(7+8)+8×(7+8)

(6+7+8)×(7+8)

    

実際の試験場ではこんな理由など気にせず、答だけ素早く出すことになります。

   

   

    ☆   ☆   ☆

というわけで、長方形を探す代わりに、上のようなかけ算で315になるものを探せばよいのです。

  

ただし、1+2+3+4+5+6+7+8+9=45だから、45以下の数しか使えません。

  

ところで、 315=3×3×5×7

  

この式を参考にしながら、左側の数が小さいかけ算を書き並べると、次の通り。

 

 7×45, 9×35, 15×21

  

左右の数の中身(連続する数の和)まで考えると、以下の14通りになります。

  

 7×(1+2+3+4+5+6+7+8+9),

 (3+4)×(1+2+・・・+9)

   

 9×(5+6+7+8+9),

 9×(2+3+4+5+6+7+8)

 (4+5)×(4+6+7+8+9),

 (4+5)×(2+3+・・・8)

 (2+3+4)×(4+6+7+8+9),

 (2+3+4)×(2+3+・・・8)

 

 (7+8)×(6+7+8),

 (7+8)×(1+2+3+4+5+6)

 (4+5+6)×(6+7+8),

 (4+5+6)×(1+2+3+4+5+6)

 (1+2+3+4+5)×(6+7+8), 

 (1+2+3+4+5)×(1+2+3+4+5+6)

   

どれも、かけ合わせる左右の数は違うので、左右の入れ替えも考えて、

 14×2=28(通り)

  

したがって、求める長方形の数は、28個 ・・・答

   

   

 

     ☆   ☆   ☆

最後に、すべての長方形が2025個であることの説明もしましょう。

 

高校の数学では、10C2 × 10C2 という式(Cは「組合せ」の記号)でスパッと解きますが、ここでは小学生でも分かる解き方を使います。

  

九九の表は、縦線10本と横線10本で出来てます。そして長方形は、縦線2本と横線2本で決まります

 

まず、縦線2本の選び方を考えます。

  

2本の内、左側の縦線が、表の左端の時、右側の縦線の選び方は残りの9通り。

次に、左側の縦線が、表の左端から2本目の時、右側の縦線の選び方は残りの8通り。

同じように考えていけば、縦線2本の選び方は、

 9+8+7+6+5+4+3+2+1=45(通り)

  

また、横線2本の選び方も同じく、45通り。

  

よって、縦線2本と横線2本の選び方は、45×45=2025(通り)

  

というわけで、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

   

    (計 1812字)

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動画配信のおすすめ作品など、商業サイトでお薦めを決める方法と計算回数~2025年共通テスト・旧情報関係基礎・第2問

新しい必修科目「情報 I 」が共通テストで実施された2025年(令和7年)、今さら「旧」情報関係基礎の問題解説を書いても読者は僅かだと思う。しかし、内容的に面白いし、歴史的遺産でもあるから、今年もあえて扱うことにしよう。

   

今年の第2問は、ネットでお馴染みの、おすすめ(お薦め、お勧め)。元々はリアルな店頭で、担当者がお客さんに直接おすすめしていたものだけど、今ではプログラム(アルゴリズム)に従って機械的に端末に表示される。

   

私は当初、アマゾンとかのおすすめが凄く嫌で、サイトを使うのを避けてたほど。余計なお世話というか、気持ち悪いというか(失礼)。今でも好きではないけど、あちこちのサイトで表示されてしまうし、役に立つこともしばしばあるから、受け入れるようになった。

  

   

     ☆   ☆   ☆

個人的には、おすすめの中で一番当たってるのは、instagram(インスタグラム)だと思ってる。私の好きそうなアカウントを次々に自動で表示して来るのだ。だからこそ逆に、インスタはあまり見ないようにしてる♪ おすすめが当たり過ぎて、つい見過ぎてしまうから。

   

その次に当たるのは、Yahoo!のトップページ。これは、おすすめというより、パーソナライズ(個人化)の機能で、勝手に次々と私の好きそうな記事タイトルを並べて来る。

  

ただ、似た内容の記事を示す平凡な選び方だから、別に気にならない。自分でも選べる記事なのだ。ところがインスタの場合、自分では発見しにくいアカウントをおすすめして来るから、逆に警戒することになる。面白すぎて。。♪

  

    

      ☆   ☆   ☆

では、本題に入ろう。問題は例によって、河合塾HPを通じて、大学入試センターからお借りした。いつもの事ながら、問題文が長過ぎると思うけど、もう最後(近く)だから、お疲れさまですとねぎらっておこう。作成の担当者らは本当に疲れるはず。

   

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250204b

   

250204c

    

  

問1(a) 解答

表1で、BとCの両方を視聴した会員数を数えると、

10+15+10=35(人)

∴ (B→Cに関する割合P

=(35/100)×100=35(%) ・・・アイの答

   

また、CとAの両方を視聴した会員数は、

10+25+15=50(人)

∴ (→Aに関する割合P

=(50/100)×100=50(%) ・・・ウエの答

   

  

     ☆   ☆   ☆

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問1(b) 解答

割合Pが上位1/3の大きさであるルール4個は、

A→C、C→A(共に50%)、B→C、C→B(共に35%)。

よって、Cだけを視聴した会員には、

AとBを薦めることになる。 ・・・オの答

  

☆注意: 文字通りの意味で「Cだけを視聴した会員」というのは存在しないので、問題文の書き方が紛らわしい。「Cを視聴した会員には、もし視聴していなければAとBを薦める」と書くべきだけど、いずれにせよ日本語表現が難しい。)

  

    

     ☆   ☆   ☆

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250204g

    

   

問2(a) 解答 

割合Q=

{(作品xとyの両方を視聴した会員数)/(作品xを視聴した会員数)}×100

  ・・・の答は

   

(b) 解答

(Bを視聴した会員数)=10+10+15+10+5=50(人)

(BとCを視聴した会員数)=10+15+10=35(人)

∴ (B→Cに関する割合Q)

=(35/50)×100=70(%) ・・・クケの答

    

ルールセット2は、

A→C(約83%)、C→A(約67%)、

B→C(約70%)、D→C(約63%)。

 

よって、ルールセット1と2の両方に含まれるルールは、

A→C、C→A、B→Cの個 ・・・コの答

  

少なくとも一方に含まれるルールは、A→C、C→A、

B→C、C→B、D→Cの5個 ・・・サの答

     

   

    ☆   ☆   ☆ 

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250204i

   

250204j

   

  

問3 解答

ルールの候補は、9P2=9×8=72(個) ・・・シスの答

   

xとyを入れ替えても割合Pは同じだから、

半分の36個を計算すればよい ・・・セソの答

   

割合Pと割合Qの計算式は、

分子が同じで、分母は割合Q ≦ 割合P。

∴ 割合P 割合Q ・・・タの答は1

  

(割合Pが50%以上のルールの個数)Mが、

(ルールセット1のルールの個数)N以上なら、

割合Qの計算をしなくても全て50%以上だから、

Qの計算の必要回数は、 ・・・チの答は0

   

また、NがMより大きい時は、Mに含まれない

ルールだけでQの計算をすることになるから、

Qの計算の必要回数は、N-M ・・・ツの答は6

   

☆注意: 話の設定がかなり複雑になっているので、「表2と同様な表」という表現は曖昧。ただ、問題の全体や選択肢を考えて、おそらくこう言いたいのだろうと推測することが重要になる。

    

というわけで、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

    

     (計 1870字)

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くじ引き3回の参加料と景品代の期待値、金額設定の妥当性 ~ 2025年共通テスト・数学 Ⅰ A・第4問

小・中・高の学校教育のカリキュラムは、本当によく変わる。時代に合わせた必然的な改革なら分かるけど、その時々の担当者たちの主観で変更されてるように感じることもある。

   

特に、数学の細かい変更は、生徒と学校を混乱させるデメリットに対して、メリットが少ない気がしてしまう。まあ、学習参考書の世界では、改訂版を作って新たに売ることができるから、内心は喜んでるのかも。古本やお下がり、図書館の本などでは通じにくくなるから。

     

今回の記事で、確率の「期待値」の問題を選んだのは、これが新課程で復活した内容との事だから。久々の登場ということで、あえて簡単な問題にしたという部分もあると思う。新登場の情報 I が簡単だったのと同様か。

  

河合塾の情報によると、2024年の数学 I Aの平均点は51点で、2025年の予想平均点は54点。プラス3点の変動が見込まれてる。

   

  

     ☆   ☆   ☆

ちなみに、くじ引きを作って確実に儲けたいのなら、「当たりの存在しないくじ」を作って売るとかいう考えも一応ある。実際、中国で小学生が発案して、一部では評価されたとかいうニュースが去年(2024年)、地味に話題になってた。

   

倫理的・ルール的・慣習的な問題は別としても、私はほとんど評価しない。トラブルに巻き込まれるリスクの期待値(損害×確率)が大きいから。ハズレ続きだと分かれば、購入者の一部が感情的にも激怒する可能性は十分ある。

   

数量化して事の良し悪しを考察する際には、お金だけでなく、リスクや時間の問題を加味する必要がある。あと、賭け事の世界では、適度に儲けることが重要なのだ。パチンコ、パチスロ、競馬・競輪、宝くじ、どれも基本的にはそうなってる。

    

なお、問題はいつものように、河合塾HPを通じて、大学入試センターから縮小引用させて頂いた。

   

   

     ☆   ☆   ☆

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数学 I ,数学A 第4問(1) 解答

   

(1回目に当たる確率)=3/16。 (2回目に当たる確率)=1/8。 重複はないので、

1回目または2回目に当たる確率)=3/16+1/8=5/16 ・・・ アイウの答

    

∴ (1回目、2回目ともに当たらない確率)=1-(5/16)=11/16 ・・・ エオカキの答

   

1回も当たりが出ない確率

=1-(1回目または2回目または3回目に当たる確率

=1-{(5/16)+(1/16)}

=1-(3/8

5/8 ・・・ クケの答

  

  

     ☆   ☆   ☆

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(2) 解答

   

(負担金額Xの期待値)=0×(5/8)+1200×(3/8)

       =450 ・・・ コサシの答

  

X円の期待値450円は、参加料の500円

未満である。 ・・・ スの答は0

   

よって、(儲けが出そうだから)参加料の設定は

妥当である。 ・・・ セの答は0

   

    

     ☆   ☆   ☆

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250122f2

   

  

(3)(i) 解答

  

(参加料Yの期待値

=170×(1回目に当たる確率)+340×(2回目に当たる確率)+510×(1回目、2回目ともに当たらない確率)

=170×(3/16)+340×(1/8)+510×(11/16)

=6800/16

425 ・・・ ソタチの答

   

  

     ☆   ☆   ☆

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250122h2
  

  

(3)(ii) 解答

  

(2)の(i)で求めた負担金額X円の期待値450円は、

支払い方法2(a=170)の参加料Y円の期待値425円

以上である。 ・・・ ツの答は1

       

よって主催者は、(損しそうだから)設定が

妥当ではないと判断する。 ・・・ テの答は1

     

a=170とは限らない、一般的な場合だと、

参加料Yの期待値

=a×(3/16)+2a×(1/8)+3a×(11/16)

=40a/16

5a/2

   

妥当であると判断するのは、

負担金額Xの期待値が、参加料Yの期待値未満の時。

 ∴ 450<(5a/2)

 ∴ a>180 ・・・ トナニの答

     

   

     ☆   ☆   ☆

この問題は、それぞれの確率そのものをほとんど最初から与えてるので、かなり簡単な部類に入る。

      

もう少し細かい感想も加えると、期待値を求めるための表まで2枚とも問題側で掲載するのは、サービスのし過ぎだろう。実際、期待値を求められない生徒は、そもそも表が書けない場合がよくあるのだ。

  

せめて、掲載は最初の1枚だけにするとか。あるいは、「前と同じような表を書いて考えると」などと、文章で説明するだけに留めるとか。

     

   

     ☆   ☆   ☆

AIが急速に発展、実用化しつつある現在、人間の知性に求められてるものは、例えば、自分でキレイな表、カワイイ表、分かりやすい表を書ける能力とか、表など書かなくても頭の中だけで直ちに計算結果を出せる能力だろう。大まかな近似値計算でもいい。人間の感覚でざっくり省略して考えるとか。

    

AIの回答は極端に速いけど、その前に問題の正確な入力が必要になる。画像で入力するだけでも時間はかかるし、画像だけだとAIが間違える確率がかなり高い。

   

入力の時間や精度も含めて、人間の方が素早く正確に暗算できるなら、人間知性にも意味はある。特に、問題が複雑な時には、入力ミスもあるし、AIの誤解、誤答も十分あり得る。それに勝てば、人間の論理的思考力の意味・意義はあるのだ。

     

たとえそれが、たかが数年とか10年程度の優位性であっても。それでは今日はこの辺で。。☆彡

   

     (計 2077字)

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スーパー(小売店)の全国チェーンの情報システム、商品配送、顧客会員管理 ~ 2025年共通テスト・情報 I ・第2問・A

鳴物入りで高校の必修科目に導入。遂に今年(2025年)、共通テストの本試験に登場した科目、「情報 I 」。

   

このブログでも、以前から注目して記事を書いて来たけど、実際の問題のレベルは普通だった。朝日新聞デジタルでは、「簡単すぎ」という受験生の声が大きく扱われてるけど、質(難易度)が低くて量が多いタイプだから、実際の平均点を見ないとまだ分からない。

  

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ちなみに今、試験当日の深夜の時点で、河合塾の予想平均点(速報版)は64点とされてる。実際にこのくらいなら、やや簡単といったレベルだけど、初年度だからそんなものだろう。元々、あまり好意的な状況ではなかったから、最初から難し過ぎると、また批判の声が高まることになったはず。

   

   

     ☆   ☆   ☆ 

この記事では、特別な知識が無くても考えれば分かるタイプの問題で、しかもパターン化されてないものを扱う。第2問・A、スーパーの全国チェーン、LikeWingの問題。受験生に臨場感を持たせるために、高校生Yが職業体験する話になってる。

    

問題はいつものように、河合塾を通じて、大学入試センターから縮小コピペさせて頂いた。本当は自分で入力し直したいけど、あまりに文章が長過ぎるから省略。量が多過ぎるという批判は、他の科目でも昔からよくあるのに、修正の動きは見られない。

   

実社会で短時間に大量の文章を処理する機会は、全体的には、非常に少ないと思う。特に最近のAIの発達と普及を考えると、人間レベルの単純な処理スピードはもう意味が薄れてる。すぐにでも、違う人間的価値に向かうべきなのだ。AIとの共同作業も含めて。

       

   

     ☆   ☆   ☆  

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問1・解答

チェーン全体での時間帯ごとの総売上額は、それぞれの購入時刻と「合計金額」から求められる。よって、アの答は、

   

また、各商品の購買の状況を把握するには、商品名と個数を分析すればよい。よって、イとウの答は、3と4(順不同)。

   

感想: 実際には、各商品のその時の価格も重要なはずだけど、選択肢の番号がないから選べない。総売上額についても同様。選択肢に、それぞれの商品の価格が入ってないのがポイント。実社会では、ある1つの情報の求め方が複数通りあるのは珍しくない。)

      

   

     ☆   ☆   ☆

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問2・解答

会員情報とレシート情報から得られない情報は、購入した理由のみ。よってエの答は、

  

感想: 実際には、ある人がある物を購入するのが、価格が安い時だけなら、「安いから」という購入理由を推測できる。本人の自己申告よりも信頼性が高いかも。例えば、長期保存できる冷凍食品は、4割引きセールの時だけ買うとか。割引シールが付いたものを選ぶというのも珍しくない消費行動。)

    

   

     ☆   ☆   ☆

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問3・解答

店コードが必要なのは、店舗への配送情報と、店舗から本部への報告情報。よって、オの答は、

  

また、ポイント会員IDが必要なのは、店舗から本部への報告と、顧客から店舗への情報。よって、カの答は、

  

感想: 実際には、顧客それぞれの情報が必要な(or あった方が便利な)配送も増えつつある。例えば、顧客がオンラインで注文して、最寄りの店舗で受け取る場合など。)

    

   

      ☆   ☆   ☆

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問4・解答

   

サイトにログインすると、ポイント数と近くの実店舗の広告が表示されるには、会員IDとアカウントの対応づけ(いわゆる紐付け)があればよい。よってキの答は、「」のみ。つまり、

   

また、ネットで購入しようとした時、よく利用する実店舗の在庫が表示されるには、会員IDとアカウントの対応づけに加えて、ネットと実店舗の商品コードの一致と、在庫情報があればよい。よってクの答は、「あ」「い」「う」の全て。つまり、

    

さらに、ログイン時におすすめ商品を表示するには、実店舗の在庫情報は不要(ネットで買えばいいから)。よって、ケの答は、「あ」「い」。つまり、

   

感想: 論理的には、ネットと実店舗のコードの「一致」は不要で、それらの1対1の対応づけさえあればよい。ただ、一致させた方が便利だし、たぶん普通なのだろう・・とか推測して、自然に答えることになる。)

   

   

     ☆   ☆   ☆

というわけで、特別な知識は無くても解ける。ただ、この種の問題は計算やプログラミングとは違って、大まかで自然な考えも要求される。

    

その辺り、「情報 I 」という新教科は、数学とは微妙に異なってる。実は、上のレベルの「情報 II 」も同様で、「社会」や「国語」という基本科目が混ざってると言ってもいい。

     

昨日の国語の記事では5000字も書いたので、今日はあっさりこの辺で。。☆彡

   

     (計 1880字)

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蜂飼耳の小説「繭の遊戯」(25共通テスト国語)全文レビュー・書評 ~ 家畜として玉繭で糸を出した蚕の幼虫、成虫で飛び立てたのか

蜂飼耳(はちかい・みみ)という名前も、「繭の遊戯」(まゆのゆうぎ)という小説のタイトルも、読みにくい漢字で、私は聞いたことも見たこともなかった(申し訳ない)。

  

ところが小説を読むと、子どもが語る形式だから、ひらがなだらけで句読点も多い、非常に読みやすい文章。また、過去の日経新聞を調べると、多数の記事がヒット。おまけに現在は、立教大学文学部の教授で、大学の図書館長にも就任したらしい。当初のイメージは激変した。

   

私の周囲に1人もいないこともあって、現代の詩人というと何となく、地味にひっそり孤独に生きてるイメージがある(個人の感想)。ところが、社会的にも見事な成功。今回は遂に、若い頃の短編小説が一気に数十万人の読者を獲得した。印税は入らないが、ベストセラー作家に出世。

    

   

     ☆   ☆   ☆

ということは、まさに、繭の中で現代詩などの遊戯をしてた幼虫が、見事な成虫として羽ばたいたということになる。

   

しかし、蚕(カイコ)というものは、幼虫と糸にのみ価値を置かれる家畜昆虫であって、成虫は野外でも生きていけないらしいし、飛び立つことも出来ないとのこと。

   

作品の中の2匹の幼虫は、繭から出て飛び立つことが出来たのか。全文を読み終えてすぐ、その点が気になった。もちろん、その種の思いは直ちに反転する。

 

読者である自分は、飛び立つことが出来たのか。そもそも、繭とか絹糸で人々の役に立てた存在なのか。私にせよ、今ここで読んでいるあなたにせよ。。

   

   

     ☆   ☆   ☆

何の役にも立たないような一般人ブロガーでも、例えばセンター試験や共通テストの国語に関しては、少しお役に立てている気がする。

    

実際、過去のレビュー(特に小説全文の記事)はかなりのアクセスを頂いてるし、熟読してくださる方もいらっしゃる。コスパ、タイパのいいネタバレ記事としてサラッと読み流している人も大勢いると思う。

     

今回、2025年の共通テストの国語では、終了直後のX(旧 twitter)の投稿を見ると、「おばあちゃん」がキレた「ヒス構文」を面白がってネタにするものが目立っていた。

     

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しかし、私が実際に小説の全文を読んでみると、おばあちゃんは単なる脇役というか、チョイ役。「おじさん」と「わたし」が主人公の物語だ。主人公と語り手の関係というより、テレビドラマでいうW主演のような形になっている。

     

初出は、角川書店(当時)雑誌『野性時代』2005年8月号、p.138~p.144。タイトルの下には、両手とオカリナのイラストが挿入されてた(立川綾子)。オカリナには糸が付いていて、蚕の幼虫が糸を出してるようにも見える。

     

20年近く前ということもあって、ほとんど図書館にも置かれていないし、ネットでも流通していない。amazonの古書でも取り扱いがなかったし、カドカワの公式サイトでも検索範囲からギリギリで外れていた。

            

下はamazonより。野「生」時代ではなく、野「性」時代なので、念のため。

   

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     ☆   ☆   ☆

2つ上の縮小画像で、小説タイトルの右側には、「8月の極上てのひらの物語」と書かれてる。当時のこの雑誌は、両手ですくい上げたような原稿用紙10枚の短編小説を連載していたようで、30人分まとめた単行本が2006年に出版されていた

    

極上掌篇小説』。この中に『繭の遊戯』も収録されているが、元の発表作品との違いは未確認。私は初出しか確認してないので念のため。加筆・修正の可能性はある。p.211~p.220に掲載。

(☆追記: 単行本を確認。初出の雑誌との違いは、漢字のふりがなだけ。新たにつけられてたり、前のが削られてたり。)

    

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当時の雑誌巻末の作者プロフィールには、「・・身の回りの情景や心ふるわす書物を、繊細で鋭敏な語感と言葉で綴ったエッセイ『孔雀の羽の目が見てる』も好評」と紹介されていた。1974年生まれ、早稲田大学大学院・修士課程終了。中原中也賞ほか、受賞歴も豊富。

   

今現在、誰も書いてなさそうな小ネタ情報を書き添えておくと、彼女は「耳」がやや大きい(or長い)ようにも見える♪ 本人がペンネームの由来(本名?)をどう説明しているのかはともかく、無意識的には自分と「耳」が深く結びついていても不思議はない。根拠というか、参考資料は、2024年7月31日の日経新聞・朝刊の写真。

   

    

   ☆   ☆   ☆

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さて、2025年1月18日(土曜)の共通テスト1日目・国語・第2問では、ギターの話から小説の引用がスタート。最後は、楽器のオカリナをおじさんが自作してバザーで売るという話が出た所で終了。上図はいつものように、河合塾の共通テスト特設ページより。

       

問題文は長いので、元の小説の全文に近いが、最初の11行と、最後の6行(物語のオチ)だけが省略されていた

  

冒頭の2行は、「いま考えると、そのころおじさんは、まだ三十にもなっていなかったのだと思う」と書かれている。「けれど、五つや六つの子どもにとっては、想像もつかないほど年上の大人」。それなのに、「他の大人たちとは、ちがう匂いがした」。

   

他の大人たちは、遊ぶ時でも「上の空」。でも、おじさん(わたしの母の弟、叔父さん)は本気で遊んでいるし、私も一緒に本気で遊んでいる。

    

ここですぐ、私の頭には、繭の中に2匹の蚕の幼虫がいる姿が浮かんだ。試しに検索してみると、本当にそのような例があって、「玉繭」(たままゆ)と呼ばれているらしい。形や大きさも多少違うとのこと。

  

ということは、この小説のタイトルは、「玉繭の遊戯」でも良かったはず。1つの玉繭に、3匹以上の幼虫が入っていることもあるらしい。「おじさん」、「わたし」、著者(蜂飼耳)、そして、読者である私たちとか、SNSに投稿して遊ぶ受験生とか。

  

   

     ☆   ☆   ☆

話を戻すと、問題文で省略された部分には、「台所やトイレはないその小屋」という一文もある。ということは、「小屋に籠っている」と言っても、すぐそばの母屋(おもや)との行き来はかなりあるのだ。

  

小説の時代設定は、おそらく1970年代くらいの昭和。その頃、30歳くらいの身内の男性が、定職も持たず、家の敷地内の小屋で遊んでいて、食事やトイレの度に母屋に来る。これは姉(「わたし」の母)にとって、かなり目障りなはず。まだ「フリーター」という言葉さえ一般的ではなかった時代らしい

   

「ちゃんと仕事しなさい」、「いつまでも親のスネかじって」。母が怒っても、スルーするおじさん(母の弟)。すると当然、「お母さん、なんとかいってよ」、「おかあさんが甘いからよ」と矛先を変えたくなる。

  

するとおばあちゃん(「わたし」の祖母、「わたし」の母の母)は逆にキレて罵る。「もうわかった、あたしが死ねばいいんでしょ、じゃあ、死ぬよ」。実際には死ぬ代わりに、「豆の殻を剥(む)いた」だけ。私が受験生なら、教室で声を上げて笑ったかも。

     

おばあちゃんは内心では、おじさん(息子)の才能も理解しているのだ。中途半端でお金にならないとはいえ、小屋を自分で作ったし、トラックの運転手もできる。ギターの技術的に難しい曲、『アルハンブラの思い出』も少しだけ弾けるし、インドに旅行する行動力もあるし、ステンドグラスも陶芸も少し作れる。

   

息子は、やれば出来る。いつかは1人で大きく羽ばたいてくれるのでは。。 昭和の母親としては、男の子にそんな儚い期待や希望も抱いているはず。実はそれが意外な形になったのが、最後の省略部分、オチの箇所なのだ。

    

    

    ☆   ☆   ☆

時間が無くなって来たので、その最後のオチに向かおう。物語的に決定的な内容のネタバレなので、ご注意あれ。

    

問題文の最後では、おじさんが、自作のオカリナをバザーで売る考えをわたしに話したという流れになっていた。

   

その後、「オカリナは予想以上に売れ」、おじさんはオカリナばかり作り続ける。

   

しかし、ブームは終了。その後、おじさんは「なにもせず、小屋のなかで眠りつづけた・・・何ヵ月も」。そして、消えてしまったのだ。

  

「突然のことだった。帰らない。どこへ行ったのか、わかりはしない」。

    

  

     ☆   ☆   ☆

たまたまなのか、そのラストの左のページには、「日本ホラー小説大賞」という文字が、黒地に白抜きの不気味なデザインで目立っていた。私はそれを見て、ちょっと背筋が寒くなったが、それはなかなか正しい反応だったと思う。

    

というのも、蚕の幼虫は、繭を出ると生きていけないらしいから。飛べないし、外は外敵だらけ。さらに、繭の中で幼虫から蛹(さなぎ)になると、糸を取るために繭ごと処理されてしまうようだから。

   

本文には書かれてないものの、実はサナギのように何も作らなくなったおじさんは、姪の「わたし」にさえ相手にされなくなったと感じていたかも。色々と作っていた時には、あの子だけは相手にしてくれた。何も作らない自分は、もう誰にも相手にされない。そう言えばあの子は、自分が作った鶴のステンドグラスを見て、「あひるみたい」と切り捨てたし。

   

ふと、冒頭の省略部分の言葉も思い出してしまう。他の大人たちは「上の空」。それは、単なる心理的な「上の空」だが、おじさんは別の意味で「上の空」になったのかも知れない。世捨て人か、世に捨てられた人かはともかく、帰らない人になったのだから。。

   

   

     ☆   ☆   ☆

このオチだけ見ると、そんな簡単で単純な終わり方なのか・・と思われるかも知れない。

  

しかし、改めて全体を見直すと、周到に「死」のイメージや伏線が散りばめられていることに気づく。「上の空」、「死ねばいいんでしょ。じゃあ、死ぬよ」、お香、仏壇、あひる(飛べない鳥)。

  

最後の直前に登場するオカリナも、語源的にはガチョウのこと。つまり、これも要するに、飛べない鳥なのだ(生物学的にはそうは呼ばないらしいが)。

    

ちなみに、格闘技好きの私としては、小説のタイトルの「遊戯」という漢字の言葉を見て、『死亡遊戯』というタイトルの映画があったなと思い出す(見たことはない)。今でも世界中で人気がある、カンフー映画のスター、ブルース・リーの死後の公開作品。リーの死が72年、『死亡遊戯』が78年だから、この小説の時代設定と合っている形になる。

     

    

     ☆   ☆   ☆

一方、語り手である「わたし」はおそらく今、昔のおじさんと近い年頃だろう。実は、この作品を発表した時の著者・蜂飼耳も、ほぼ同年代

   

「満足と孤独。しのびこんだ蛾が、押せない窓を押して暴れ、しきりに乾いた音を立てる。そのとき、わたしはなにかを、教えられていたのだ。」

    

自分の世界にこもって遊ぶと、外に出れなくなるだけでなく、狭い世界の中で他の人とぶつかり合うことにもなる。

  

「いいと思わないものを、いいとはいえない。いってはいけない。これで嫌われるのなら、それはそれでしかたない」。

    

そもそも、わたしはおじさんより遥か下の存在なのだ。「おじさんの心配をしながら、自分も晴れない霧につつまれた。オカリナどころか、なにも作れない自分は、どうすればいいんだろう」。「他の人たちから見れば意味が薄いことを、自分の熱意だけでつづける。どこへ繋がっていくのか、わかりもしないまま」。

   

   

     ☆   ☆   ☆ 

幸い、著者の文芸的な遊戯は、大学教授の身分、図書館長の地位へとつながった。詩も小説もエッセイも評価された。結果的に、他の人達から見ても意味が生じた。

  

しかし、おじさんはどうなったのか。「わたし」はどうなるのか。そして、繭の糸の代わりに、ブログの文字を書き続ける自分はどうか。SNSでつぶやきと画像とリンクを作り続ける玉繭の中の人々はどうなのか。そもそも、蚕という生物は自らをどう認識しているのか。

     

小説という狭い枠、繭を超えて、「そういう考えをひろげ」つつ、ブログの遊戯を終わるとしよう。一時的にサナギのように眠った後は、また目覚める。人生という巨大な玉繭の遊戯は、しばらく終わらないのであった。

   

そう言えば、人間とは本質的に「ホモ・ルーデンス」(遊戯する人)だという考えもあったな・・とか思い出しつつ、それでは今日はこの辺で。今週は計19370字で終了、また来週。。☆彡

   

   

      

cf. 牧田真有子『桟橋』(24共通テスト国語)、全文レビュー・書評

    ~ 漁師に拾われた魚、捻じ切れた血の橋を自分で生き始める

   

     (計 4900字)

  (追記55字 ; 合計4955字)

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分かりやすい誘導、適度な難問~海陽中等教育学校2025年度特別給費生入試、算数・問題4の解き方(図形の折り返しと相似)

今は2025年の1月半ば。そろそろ有名中学の入試が始まってる頃だろうと思って、四谷大塚のサイトを見ると、一番上に載ってたのが海陽中等教育学校特別給費生入試の問題でした。

   

実施は2024年12月ですが、「2025年度」の入試。この学校の問題は今まで見たことがなかったので、今日の記事で解説してみましょう。算数の最後、問題4

      

最終的には、三角形の面積を求めるのですが、いきなり聞かれても、やり方がなかなか分からないと思います。そこで、面積の前に、辺の長さや比を求めさせる誘導問題がついてます。

  

かなり難しいけど、自然な流れの考えで解けるので、適度な難問、良問だと思います。特別給費生の選抜試験だから、たぶん中学や高校の数学を使う受験生もいるのでしょう。三平方の定理(ピタゴラスの定理)、2次方程式、中点連結定理など。

   

ただ、ここでは小学校の算数で解くことにします。図形の折り返しの特徴を活かしつつ、相似・比例の関係を繰り返し使うことになります。完全な解答を書くと、長過ぎるし、実際の試験でもそんな時間は無いはずなので、ここでも少し省略した解答を書きます。

    

   

     ☆   ☆   ☆

250116a

    

解答(1)BとDが重なるように折っているので、

△DEF≡△BEF。また、BG=DG。 ∠EGD=90° 。

        

250116b

   

上図のように、点GからBCに下ろした垂線の足(下側の点)をPとすると、直角三角形BPGとBCDは相似だから、

BP=PC=8cm。また、GP=1cm。

   

さらに、△BCDと△GPEは相似だから、

PE=GP×(2/16)=(1/8)cm。

  

よって、BE=BP+1/8=(65/8)cm。

EC=PC-1/8=(63/8)cm。

   

だから、BE:EC=65:63 ・・・答

   

   

     ☆   ☆   ☆

(2) FEを延長した直線とACを延長した直線の交わる点をHとします。CHの長さを求めなさい。

   

(解答)

250116c

   

直角三角形BCDとHCEは相似だから、

CH=EC×(16/2)=63cm ・・・答

   

   

     ☆   ☆   ☆

(3) AF:FBを求めなさい(できるだけ簡単な整数の比で答えること)。

    

(解答) 

250116d

   

上図で、直角三角形BCDとHAIも相似だから、

 AI=HA×(2/16)=71/8

  

さらに、△FAIと△FBEが相似だから、

  AF:FB=AI:BE

=(71/8):(65/8)=71:65 ・・・答

   

  

     ☆   ☆   ☆

(4) 三角形DEFの面積を求めなさい。

  

(解答)

250116e

   

上図より、

△DEF=△BEF

    =△FBC×65/(65+63)

    ={△ABC×65/(65+71)}×65/(65+63)

    ={(16×8)/2}×(65/136)×(65/128)

    =4225/272

    =15+(145/272)c㎡ ・・・答

   

  

     ☆   ☆   ☆

実際に試験場で解く時には多分、元の問題図にあれこれ書き込んで解く人も多いのでしょう。ただ、試験問題では、図のすぐ下に文章が書かれてるので、その上に自分であれこれ書き込むと分かりにくいはず。

    

だから、自分でいくつかの図を書く方が分かりやすいと思いますが、かなりキレイに書かないと勘違いしてミスが出てしまうでしょう。特に、点Hはかなり下の方にあるので、縦長の大きな図を書くことになります。あるいは、頭の中だけでイメージするとか。

  

要するに、底辺と高さの比が8:1の直角三角形が色々と登場するので、8倍とか1/8とかで計算していくことになります。

   

   

    ☆   ☆   ☆

なお、(1)で中学の三平方の定理(ピタゴラスの定理)を使う場合は、直角三角形ECDに関して、

 EC²+CD² = ED²

という関係式を使うことになります。

  

そのまま普通に使おうとすると、中学の√  (ルート)という記号が出てしまいますが、上手く使えば、その記号を避けることができます。 

   

それでは今日は、この辺で。。☆彡

   

    (計 1560字)

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インドの摩訶不思議な「ヴェーダ数学」、100に近い2つの数の掛け算のやり方、明星学園の中学入試問題(算数)と一般的証明

インドに奇妙な掛け算の方法があるという話は,かなり前から見聞きしてたけど、今まではほぼスルーしてた。

   

以下で扱うような2桁×2桁の掛け算なら、私はすぐに暗算で計算できるから、特別な方法など必要ない。また、インドという国名がいかにもという感じで、実用性のない怪しげな話だろうと思ってたのだ(個人の偏見)。実際、インスタグラムのお勧めを見てると、ちょっと面白いけど間違ってる計算の投稿が少なくない。

   

ところが昨日(24年7月5日)、Yahoo!の記事をあれこれ読み流してたら、朝日新聞関連の中学入試記事にヴェーダ数学というものが登場したという話が載ってて、ついハマってしまったのだ。

   

こんな奇妙な方法が一般的に正しいのか、調べてみると、確かに正しい。入試のネタにするのもいいと思う。ただ、実用性があるかというと、微妙な所。というか、正直、少なくとも大人にとっては、ほとんど実用性は無いと思う。覚えるのが面倒だし、あまり使わないだろうし、今ならスマホのアプリでも一瞬で計算できるから。

   

しかし、数学好き、理屈好きにとっては、実用性が無い話でも、面白くて正しければ十分だろう。では、不思議な掛け算の世界を簡単に解説してみる。

    

    

     ☆   ☆   ☆

240705a_20240706215001

    

私が最初に見たのは、Yahoo!への配信記事だけど、ここでは元のAERA Kids Plus(アエラ・キッズ・プラス)にリンクを付けとく。子育てサイトの中学受験カテゴリーの記事。

    

明星学園、2019年の算数の問題。「50以上100未満の2つの数をかけ合わせる方法」と書いてるけど、50未満でも一応使える。ただ、50未満の場合だと、普通に掛け算する方が早いから無意味なのだ。

    

問題ではまず、98×93の場合のやり方が書かれてる。

  

 (100-98)×(100-93)

    =2×7=14 ・・・答の下2桁

  

 98+93-10091 ・・・答の上2桁

  

 よって、98×93=9114 ・・・答

     

    

     ☆   ☆   ☆

100にあまり近くない数の場合,最初の掛け算の計算結果が3桁以上になる。その場合、下2桁より上側(左側)の部分は、上2桁の計算結果に加える。

  

 例えば、92×65の場合、

  

 (100-92)×(100-65)=80

   

 92+65-100=57

  

 よって、 92×65=5980

    

   

    ☆   ☆   ☆

説明の後,入試で出された問題は、次の3つ。記述式の解答を求められたのかどうかは不明。

  

 96×97  (100-96)×(100-97)=12

         96+97-100=93

         答 9312

  

 83×92  (100-83)×(100-92)=136

         83+92-100=75

         答 7636

    

 78×89  (100-78)×(100-89)=242

         78+89-100=67

         答 6942

       

    

   ☆   ☆   ☆

さて、私はこの掛け算のやり方が正しいことを証明する時、最初は(10a+b)(10c+d)とおいて計算。各ケタの数字を、a、bと、c、dにした。

     

しかし、あまり上手く行かないような気がしたから、続いて、{10(5+a)+b}{10(5+c)+d}とおき直して、ようやく正しさを証明できた。要するに,50以上という条件を使ってみたということ。aとcは、0~4の自然数。

        

証明できたとはいえ,かなり面倒で、自分でも分かりにくい。今たまたま、手元にパソコンが無い状況だから、タブレットでブログ記事に入力するのもダルいな・・と思って、試しにamazonの電子書籍を検索。

  

すると、私がサブスク契約してるkindle読み放題の電子書籍として、以下の本が見つかった。ケンネット・R・ウィリアス著、プサタピ・シバラム日本語訳、『ヴェーダ数学のマニュアル インドから学ぶ計算法』。

   

240705b_20240706224101

    

今回の話題の部分に関しては、正しい説明だったし、私より上手いやり方だったから、ここでアイデアだけ使わせて頂こう。他の部分はまだ読んでないけど、かなりしっかりしたテキストのような感じに見えた。

    

  

     ☆   ☆   ☆

今回の100みたいに、基準となるキリのいい数を「ベース」と呼んで、最初からその数を使って2つの数を表す。つまり、100-aと、100-bとの掛け算と考えてた。式変形は、私が考えたもの。

   

 (100-a)(100-b)    

=100(100-a-b)+ab

100{(100-a)+(100-b)-100}+ab

    

よって、基本的には、2つの数を足して100を引いた数(中カッコの中身)が、上2桁。100との差の掛け算が、下2桁。ただし、掛け算の結果が3桁以上なら、下2桁より上の部分は上2桁の方に加えればよい。

     

具体的な数を当てはめると、最初の98×93の場合、次のように示せる。

  

 (100-2)×(100-7)

100×{(100-2)+(100-7)-100}+2×7

  

      

     ☆   ☆   ☆

これならおそらく、普通の日本の筆算みたいな計算法の方が簡単だと感じる人が多いとは思う。つまり、2つ目の数を3+90と分解して、98×3+98×90と計算する方が簡単で自然だから、日本の小学校ではそう教えるのだろうと想像する。分配法則の実地練習にもなる。

   

ただ、上の本を読むと,元の本物のヴェーダ数学というものは、遥かにシンプルで不思議な書き方になってるという話も書かれてた。そうなると、半ば理数系のマニアック・ブロガーとしては、そちらの本物を解読してみたくなるけど、とりあえず時間が無いから、今日はここまでにしとこう。

  

それでは、また明日。。☆彡

    

   (計 2244字)

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