戦争を何年続けられるか、財政を計算する数式 Xn+X'n+Yn(余力、増税・国債発行、戦費)~『シミュレーション』総力戦研究所
毎年この終戦(敗戦)の時期だけ、戦争の情報が急増するのも微妙なことだと思うし、どうも日本独特の文化・慣習らしいけど、何も無いよりは遥かに良いことだろう。
NHKスペシャルで放送されたドラマ&ドキュメンタリー、『シミュレーション』(前編・後編)は、まだ前編の序盤しか見てないけど、いきなり興味深い数式が示されたから、それについて解説してみよう。原案は猪瀬直樹『昭和16年夏の敗戦』。
舞台は、全国の秀才エリート達を集めて戦前に作られた「総力戦研究所」。そこでの戦争シミュレーション(模擬実験)で、財政的には、米国との戦争はしばらく可能だと示されたのだ。具体的には、3年目までは続けられるけど、4年目はギリギリで苦しいという結論。
まさに、現実の歴史に合った予測になってる。1941年の末に開戦、1945年の夏に終戦だから。
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シミュレーションの最中に、意見を求められた宇治田首相(池松壮亮)が、サラッとノートに数式を書く。そして、重大な発言を行う。
「財政的には・・・ 出来ます 戦争が」

「しばらくの間は 国債の発行と増税で戦費を賄うことができる・・・ような気がするんですが」

総理は戦争がしたいのか?! ざわめく議場に向けて、慌てて補足する。
「あっ いや・・・ 財政の面から見ればできるはずだというだけで」
もちろん、お金の計算だけでは全く不十分で、物が無ければ意味がない。在庫、生産、輸入、消費を考える必要があるけど、とりあえずお金の計算式を考えてみる。ちゃんと意味がある数式なのだ。
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あらためて、画像処理で分かりやすくした数式を示す。

まず、最初の基本的な式。
F ≧ Xn+X'n+Yn
これは、国の財政(Finance)全体の中で、n年目の当初の戦争関連の収支を表す式だろう(最新AI、ChatGPT5・思考モードと共に考えた推測)。当然、全体の額Fは、戦争関連の額よりも大きくなる(等号なしの不等号でもよい)。
Xnは、その年の最初の余力。初期値は 14,000,000,000 だから、140億円。歴史の事実とは違うらしいけど、それは今、考えない。
X'nは、その年にプラスされる余力。つまり、増税分と国債発行額で、それは当初から確定済みと考える。増税が3.3億円。国債が15億円。
Ynは戦費(マイナスの数字)で、毎年55億円。n年目の当初だと、実際にはまだn-1年分しかかかってないことに注意。
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画像の2行目から5行目までは、3年目の右辺の計算式。
14,000,000,000 + n(330,000,000 + 1,500,000,000)-(n-1)×5,500,000,000
n=3
実際に代入して計算すると、大幅なプラスになる。つまり、3年目までは余裕。気になる方は、自分で計算してみると実感が湧く。0の数が多過ぎるから、億円の単位で計算するとラク。
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さらに、4年目を計算してみよう。
14,000,000,000 + 4×(330,000,000 + 1,500,000,000)-3×5,500,000,000
= 14,000,000,000 + 7,320,000,000-16,500,000,000
= 4,820,000,000
この48.2億円が、4年目の当初の余力。しかし、この年の間に55億円の戦費がかかるから、財政年度末に7億円ほどの赤字になってしまう。
それを表してるのが、6行目の数式。4年目の当初の余力を、年度末には、戦費が上回ると。
4,820,000,000 ≦ 5,500,000,000
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というわけで、優秀な総理大臣としては、「しばらくの間は」戦争可能だと話したのだ。財政だけ考えると、3~4年くらいなら。
ちなみに、実際の戦争財政についてはまだ調べてないけど、AIによると、1930年代末の日本の国家予算はおよそ10億~20億円規模だったとのこと。未確認だし、戦争開始は41年なので、念のため。
それでは今日はこの辺で。。☆彡
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