約100年前のライオン歯磨きPRのアニメ映画(北山清一郎・作画)、全体の流れ・ストーリーをNHKニュース映像から再構成

世間的にも、地味なレトロ・ブームが続いてるみたいだけど、私は以前から戦前・戦中とか大正・明治のものに興味を持ってて、このブログでも度々扱って来た。

   

だから、私がピンタレストのトップページにアクセスすると、よく古い画像がお勧めされる。つい最近だと、「空爆に キャラメル持って!」と書かれた森永ミルクキャラメルの新聞広告が表示された♪ ただ、ピンタレストの場合、その画像が本物なのかフェイクなのかが分かりにくい。

    

その点、流石にNHKニュースの事実報道なら信頼できるだろう(政治・宗教・自社関連は別として)。2024年5月5日ごろ、NHKの各メディアで一斉に報道された古いアニメの発見ニュースは面白かったから、ごく簡単に記事にしとこう。

  

ただし、たぶん今現在、同種の記事は無いと思う。約8分半の全体の流れの再構成を試みる。著作権は既に切れてるはず。今現在、映像の全体は(おそらく)公開されてないけど、テレビやネット動画の途中で、各シーンごとのカットを順に並べた映像が一瞬だけ映されたのだ。

   

   

    ☆   ☆   ☆

おそらくアニメの最初の画面は、下のタイトルバック映像だと思う。当時、そんな用語はなかっただろうけど。文部省認定映画『口腔衛生』(こうくうえいせい)、ライオン歯磨口腔衛生部特作。ライオン・アーカイブス室に保管されてる台本には、「歯科衛生教育資料 活動寫眞フイルム」と書かれてた。「写真フィルム」ではなく♪

   

一番上にもライオンの旗が描かれてる。あくまで民間企業のライオンのCM映画だろうけど、101年前、1923年ごろなら稀少で貴重だから、学校とかでも映写会が開かれたはず。

  

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研究者が発見したフィルムの状態も非常に良かったらしい。東京のNPO法人「古き良き文化を継承する会」への寄贈からの発掘。

   

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大正11年(西暦1922年)ごろの北山映画製作所の作画風景。よく見ると、北山清一郎の背中の左上あたりに、ライオンという文字が見える。

   

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北山についてネット検索をかけると、「日本アニメーション映画クラシックス」というサイトを発見。ここも面白映像が公開されてるから、いずれチェックしてみたい。

  

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    ☆   ☆   ☆

さて、発見された歯磨きPR映画の全体構成は、ニュースで下のように映されてた。左上から右下へと順番に並べてるらしい。文字は小さ過ぎて読みにくいけど、大部分は読み取れるし、画像の中身はハッキリ分かる。

      

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まず、子どもがナイフとフォークで洋食を楽しむ様子が映される。「歯を強くするには」「How to keep tooth healthy?」(歯を健康に保つためには)。

    

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そして、男の子が煎餅みたいなお菓子を袋から出して、なぜか左手で食べる様子(左右逆転してるのかも)。今の私とあまり変わらない姿。まあ、私は帽子を滅多に被らないし、痩せてるし、右利きだけど♪

   

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「食物にも御注意」。「むしばの原因になりやすいもの いも パン さとう もちがし」、「むしばの原因にならないもの 牛肉 魚 青菜 くだもの(リンゴ)」、「歯のためによくないもの 熱いもの 冷いもの」、「歯のために良いもの ビターミン カルシューム」。今でもそこそこ正しい知識♪ 丸文字が可愛い。

   

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    ☆   ☆   ☆

この後、お母さんへのアドバイスが続く。子育てはあくまで母親、主婦の役割とされてるあたりは、さすがに時代を感じさせる。しかも、美人♪

   

現在なら、男女同権の考え、フェミニズム的批判、ルッキズム批判とかで、ほぼ不可能な主張と企画。ただ、お母さんに限らず、作品全体が女性を主役にして作られてるのだ。

    

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「健康なる母親よ!! あなたは必ず健康なる愛児を得るでありませう」。この直前には、「歯の発育(?)は妊娠五十日より始まります・・」とも書かれてた。

  

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実写のパートを混ぜて、時間と予算を削減したとかいう解説(同志社大学・文化情報学部・佐野明子准教授)。セット代や出演料を考えると、この短い挿入映像でホントにコスト削減できるのかどうかは不明。女性の髪型もきちんと結われてる。

    

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     ☆   ☆   ☆

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ニュース動画では、上の和む映像がラストに使われてたけど、実際の順番はラストじゃなくて、その少し前。お母さんと一緒に歯を磨いた後。

  

そして、小学校に登校。おそらく、校門の手前で歯を見せてる。キレイな歯で登校すると。目の玉をくるくる回したのは、コミカルな効果を狙いつつ、頭の中で歯磨きを思い出す様子を描いてるのかも。

    

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そして、校門をくぐって、「終」。最後のカットは、上に「ライオン歯磨口腔衛生部(?)」と書かれて、「終」の下には歯ブラシと歯磨き粉(というよりチューブ)の絵。当時から、クリーム状の練り歯磨きが普及してたのかな。粉じゃなくて。

  

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    ☆   ☆   ☆

よく見ると、この女の子も洋風のオシャレな服装になってる。上はセーラーっぽい白の制服で、下は膝丈のミニスカートに白いハイソックス。カバンはショルダー。帽子も含めて、令和のお嬢様学校でもありそうな服装。

    

というわけで、大昔のアニメを令和に見ても十分楽しめることが分かった。戦後まもない頃の作品も色々と見てみたいと思いつつ、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

    

     (計 2113字)

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「一生幸せでいたいなら正直でいろ」(英語の諺 Let him that would be happy for ・・ be a honest man)〜『正直不動産2』最終回

マダム 「1日だけ 幸せでいたいなら 床屋へ行け

    1週間 幸せでいたいなら 車を買え」

 十影 知ってるよ

    「1ヶ月だけ 幸せでいたいなら 結婚しろ

    1年だけ幸せでいたいなら 家を買え」でしょ?

    永瀬さんがよく言ってた

マダム その続きがあるのよ

 十影 続き?

マダム 「一生 幸せでいたいなら 正直でいろ」よ♪

            (ドラマ脚本 根本ノンジ)

   

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     ☆   ☆   ☆

『正直不動産2』最終回(第10話)、最も注目されてたのは多分、十影(板垣瑞生)だと思う。最終回の直前、3月9日くらいに突然、事務所(スターダストプロモーション)から退所となったらしい。正式なお知らせは公式サイトに見当たらないけど、何かが起きて、契約解除になったと思われる。

      

放送の3日前だから、少し編集をやり直すくらいの時間はあったと思うけど、オンエアを見た限りでは、元のまま普通に放送した感じだった。むしろ、上で引用したマダム(大地真央)との相談シーンその他、普段より出番が増えてる。

   

インスタはまだ元のまま(?)残ってるけど、トップのリンクをタップすると、ファンクラブ閉鎖と残金返却のお知らせが出て来た。最後の投稿のコメント欄には、ファンの温かい言葉だけが並んでて、全く荒れてないから、まだ誰かが管理してると思われる。

   

ドラマみたいに暗号資産(仮想通貨)で大損したくらいなら、契約は関係ないだろうし、そもそも実際には暗号資産は絶好調。ここ半月ほど、どれも史上最高値あたりになってるのだ。まさか、先輩の黒革の手帳を盗むこともないはずだし、会社の重要機密を漏洩させることもないはず。

   

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   ☆   ☆   ☆

とにかく、ドラマでは十影が、ミネルヴァ不動産の神木(ディーン・フジオカ)に情報を漏らしたり、永瀬(山下智久)の大切な手帳を盗んで渡そうとしたりしてた。

  

いつものように、原作コミックでもあらすじの中心は同じだけど、その他のストーリーは大幅に違ってる。特に、ドラマは今回が第2シリーズの最終回だから、これまでの流れをキレイにまとめ上げる形になってた。

   

原作のサブタイトルはそのまま、「大規模開発」。コミック第13巻・第97直&第98直。大谷アキラ(漫画)、夏原武(原案)、水野光博(脚本)。ここ最近のドラマよりも、かなり前のエピソードだった。それをドラマ最終回に持って来たのは、やっぱり大がかりな話で盛り上げたかったからか。結果的に、成功だと思う。

   

  

    ☆   ☆   ☆

原作では、スパイ行為をしそうになるのは岩沢という社員で、別にZ世代キャラではない。その彼に、イギリスの諺の話をするのは、マダムではなく、桐山(ドラマでは市原隼人)。

   

正直でいろという諺を聞いて納得した岩沢は、手帳をミネルヴァに渡さず、永瀬に返して全てを正直に話す。すると永瀬は、スパイ活動は未遂だし、笑顔で水に流すことにする。

  

「よく話してくれたな。この話、俺以外の誰にも話すな。二人で墓場まで持ってくぞ」

   

これを聞いた岩沢の内心の言葉で、このエピソードは完結。繊細で美しいエンディング。

  

「一生、正直でいられるかなんてわからない。

ただ、少なくとも、この上司にだけは正直でいようと俺は誓った」

    

   

     ☆   ☆   ☆

例の諺(ことわざ)に戻ろう。日本語では、原作もドラマも同じになってる。英語の単語を並べて検索すると、すぐに元の英文が見つかった。古い諺だから、ヴァージョンによって多少の違いはある。

   

Let him that would be happy for a day, go to the barbar. For a week, marry a wife. For a month, buy a new horse. For a year, build a new house. For a lifetime, be a honest man

    

これについて、毎度お馴染みのAI、ChatGPT(有料モデル4)で質問してみた。

  

まず、「・・・ for a day」まで入力して、知ってるかと尋ねると、似て非なる諺を回答して来た。「・・・get drunk. ・・・・・・be a gardener」。一日幸せでいたいなら、酔っ払え。・・・一生幸せでいたいなら、庭師になれ」。

    

なるほど♪ これはこれで面白いし、含蓄もある。しかし、床屋に行く(go to the barbar)形の諺も知ってるかと尋ねたら、ドラマと同じものを回答して来た。ドラマの形だと、「最終的な幸福が内面の品質や価値観に強く依存していることを強調しています」。

   

賢いね。まあ、品質じゃなくて、質と訳すべきだけど(笑)

  

   

    ☆   ☆   ☆

その後、「Let him that would be happy, ・・・」という出だしの表現を英作文的に説明してくれと頼むと、古い英語で、that 以下の仮定法が him を修飾する「関係詞」とのこと。

  

そこで私が、「that」が「関係代名詞」として前後を繋いでるのかとたずねると、違うらしい (^^ゞ 関係詞として修飾してるけど、関係代名詞で繋いでるわけではない。細かい文法。時間がないから、御礼を告げてお別れした。

   

正直言うと、「同じようなもんだろ!」と突っ込みたかったけど、「風」が吹かなかったのだ。電気代をケチって、エアコンを止めてたもんで(笑)。その風か! いや、毎月20ドルの大金を支払うサブスクだから、AIと喧嘩するわけにはいかないのだ♪ セコっ。。

   

   

     ☆   ☆   ☆

真面目な話、原作マンガの結末もそうだけど、正直でいるかどうかは複雑で微妙な問題なのだ。あまり正直だと、周囲との関係がこじれてしまう。

     

例えば、職場の女子社員が「ふくよか」になった時、正直に普通の言葉を口に出してしまうと令和ではヤバイのだ♪ 永瀬の打ち明け話に咲良(福原遥)が「しょうもな!」と切り捨てた時も、永瀬がムッとしてた(笑)

   

「ある特定の人に対して、なるべく正直でいようと思う」。このくらいなら別にいいけど、そこで問題になるのは、最も特定の人の存在。つまり、自分自身。

  

自分の感情や欲望に正直でいようとすると、他人や現実社会と上手くいかなくなる。だからと言って、自分の自然な感情や欲望を抑え込むのも正直とは言えないない。結局、自分自身との折り合いのつけ方がかなり大切なのだ。

   

自分に対して正直でいることと、他人に対して正直でいること。両者をどう調和させるか。私がブログを書く時にも、常にそのことは考えてる。ウソは書かないけど、本当のことをいちいち隠さずに書くわけにもいかない。

   

ちなみに、ロケットを打ち上げた途端に大爆発しても「失敗という言葉は使いません」という、スペースワン・社長の言葉。これは、事実に対してはあまり正直とは感じないけど、自分の思いに対しては正直なのだ。単なる試行錯誤の1つ、プロセスに過ぎないから、気にせず前に進もうと。。

    

   

     ☆   ☆   ☆

そんな話より、山P? はいはい。正直で、いいね♪ では、永瀬の見せ場にも触れとこう。1位になるより大切なものは何か、2位に落ちてしまった神木に尋ねられて。

    

誰かの・・・幸せの役に立つことだと思います・・・自分のやったことで、1人でも幸せだと感じてくれたら、それでいい。そう思えるようになりました

    

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これも、現実にはそう簡単にはいかない。誰かが幸せだと感じてくれても、他の誰かが不幸せだと感じるかも知れないから。

  

例えば、結婚相手の候補が2人いるとしよう(Aさん&Bさん)。

仮に、Aさんと結婚すれば、Aさんは幸せで、Bさんは不幸せ。

逆に、Bさんと結婚すれば、Bさんは幸せで、Aさんは不幸せ。

      

結局、1人でも幸せだと感じてくれたらそれでいいという考えは、現実の行動の選択には役に立たないことが多い。自分の周囲に、多数の「1人」がいて、それぞれ別だから。どの1人を最も大切にするか、その重みづけと選別が問題となる。

    

むしろ、そうした考えが役に立つのは、既に何かで失敗したと思ってる時だろう。失敗だけど、あの人だけは幸せそうだから、良しとしようと。自分を慰めつつ。。

    

    

     ☆   ☆   ☆ 

また長くなって来たから、この辺で強制的に終了♪ 書き忘れてる情報としては、原作との違いがまだある。

  

原作に、神木が死別した妻とか息子の話は出て来ないし、花澤(倉科カナ)もその息子も登場しない。いい味出してた、狭山(野間口徹)のお父さん・昭雄(田中泯)も登場せず。ゴネる佐山を口説いたのも、桐山なのだ。お金に固執すると、周囲に知れ渡ってしまって、お子さんもいるし、「残りの人生・・・マイナスのほうが大きいと思いますよ」と。

   

この場面で、佐山が自分で「桐山さんのおかげで道を踏み外さずにすみました」と話す。原作のこのセリフを、ドラマでは父・昭雄に言わせてた。「お前も教師なら、人の道に外れることだけはするな」。原作の狭山の両親は、ひどい毒親なんだけど♪

  

さらに、神木とも絡めて、「自分の息子のために、誇れる父親でいろ」と。そうなると神木も、天国の息子と妻のために、誇れる道に進むことになる。正直というより、「正しく真っ直ぐな道」に。。

    

    

     ☆   ☆   ☆

なお、個人的には、可愛い女子行員・亜衣ちゃん(五島百花)がアップで映ったのが嬉しかった♪ 正直で、いいね! 美波(泉里香)がニューヨークに行ってる間に、永瀬と接近するかも。私だったら絶対いきます。ひらがなか!  「さいちん♡」。

   

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最後、風の祟りを解除したのかどうかは分からなかった。まあ、正直になるための風なら、自分で吹かせることも出来る。それを象徴的に表現してたのが、最後の風車を吹く演技・映像だった。演出は川村泰祐。

   

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ドラマ最終回のサブタイトルは、「正直不動産よ、永遠に」。これで完結みたいな題名だけど、原作はまだ続いてるし、まだ大量に残ってる。続編ドラマ『正直不動産3』が制作されても不思議はない。

  

芸術作品ではないし、恋愛ドラマとも言えないけど、一話完結的でコミカルなお仕事・情報ドラマとして、気軽に楽しめる作品だった♪ みなさん、どうもお疲れさま。それでは今日はこの辺で。。☆彡

   

   

   

cf. 「どこ向いてるんだ?」、タワマン大好きの永瀬財地(さいちん♪)〜『正直不動産2』第1話

 写真と違うムービー(動画)の長所、全体の空間的・時間的つながり〜第2話・使用貸借契約と解除

 もしも家族が仲良しなら、小さな家でも、おもちゃのピアノでも関係ない〜第3話・狭小住宅(ペンシルハウス)

 テレビドラマの脚本と原作マンガの比較、共通点と違い〜第4話・賃貸保証会社と人の信用

 偽善とは、表面的な善意から不幸な代償を生み出してしまう行為や意図〜第5話・フラット35

 家賃滞納3ヶ月で明け渡し(強制退去)、法律(借地借家法・民法)の条文には明記されてないけど〜第6話

 ノックスの探偵小説・十戒(英語)、犯人は物語の序盤に登場、探偵は犯人ではない〜第7話

 浮き沈みの激しい不動産(ワンルーム・マンション)投資、始まりは80年代・バブル期〜第8話

 サブリース契約、03年最高裁判決で業者が強気に、12年アベノミクス緩和で一般人オーナー急増〜第9話

    

      (計 4447字)

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サブリース契約、2003年の最高裁判決で業者が強気に、12年アベノミクス金融緩和で一般人オーナー急増〜『正直不動産2』第9話

  妻  パパがまずは一番になってほしいわよね♪

 神木 分かった だったらパパも今月 会社で一番になる

    だから翔太も パパと一緒に1位になろう

 翔太 パパと一緒に?

 神木 うん 約束だ いっぱい頑張れば 絶対1番になれる!

  指切りげんまん 嘘ついたら針千本飲ます 指切った♪

           (ドラマ脚本 根本ノンジ)

   

   

    ☆   ☆   ☆

予想通り、死んだ息子との約束だったか。パパは1番になる。息子もママも死んでるから、今さら無理して1番になっても意味がない・・とフツーなら考える。しかし、パパ=神木(ディーン・フジオカ)はフツーの状態ではないのだ。

   

永瀬(山下智久)に負けて2番に落ちた時、ママと息子が消えた。でも、また1番になったら再会できた。これは、鵤社長(高橋克典)がホームレスの神木を口説き落とす時に使った説明なのかも。また1番になれば、必ずまた会える。

    

やや広い意味での妄想、おかしな考えというものは、程度の差はともかく、わりと多くの人が持ってると思う。例えば、全人口の5%とか。

  

   

    ☆   ☆   ☆

それに対して、幻覚は少ない。というより、幻覚が現れると現実の普通の社会生活を送りにくくなってしまう。悪化すると、周囲の力で閉じ込められることになる。それこそ、統合失調症の長期入院(日本で数十万人レベル)。最近は、患者を解放しようという動きが日本でも増えてるけど、実現はなかなか難しいと思う。家族でさえ、同居が難しいくらいだから。

    

神木の場合、妻と子どもの幻覚がたまに現れる以外、社会生活は問題なく送れてるから、強制的な入院はない。その代わり、あまりに悪どい営業をやってると、刑務所への入所ということになる。いずれにせよ、あまりに異常だと、社会から排除される。究極の社会的な排除が、死刑なのだ。

    

それに対して、究極の自発的な排除が、自殺。お遊びの賭けとはいえ、ゲームに負けてしまった神木は、自殺しそうになった。半ば、異常な営業手法。半ば、絶望的な自殺願望だろう。負けた自分には存在価値がない。。

   

  

     ☆   ☆   ☆

・・とか書いてると、また先週みたいに6000字近く行きそうだから、自制しよう♪ そもそも今週は既に月火水でかなり書いてるのだ。

  

その代わり、久々に映像の分析を入れてみる。まず、夜の事故現場らしき場所のシーン。

   

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その代わり、久々に映像の分析を入れてみる。まず、夜の事故現場らしき場所のシーン。横断歩道の端の歩道に花を供えた神木は、妻と息子と再会。息子が喜んでくれるヒップホップ(笑)・・じゃなくてタップダンスを踊る神木。

  

そこへ1台の車がやって来る。神木のそばを通り過ぎると、妻と息子は消えてしまった。

   

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といっても、上の情景は、神木の視点(2人は消えない)ではないし、周囲の第三者の視点(2人はもともと見えない)でもない。あくまで、テレビ視聴者向けの映像なのだ。もし実写なら、車は3回くらいは通過したはず。テイク・スリー、OK!って感じ。今回の演出は、川村泰祐。

   

   

    ☆   ☆   ☆

大部分の視聴者は、意識的にはこの車の効果が分からなかったはず。ただ、この「暗い」情景と赤い色(車のテールランプ)の組み合わせが無意識にインプットされる。

     

それは、即死の衝突で流れたはずの大量の血とつながるし、後になって、夜のミネルヴァ不動産のオフィス・シーンにも繋がるのだ。

   

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「ほら そこにいる」。神木が幻覚を見る不気味なシーン。この暗い映像で、2人の唇が赤く輝いてる。明らかに技巧的な撮影(または編集)。特に、花澤(倉科カナ)の表情の映し方は凝ってた。

     

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暗い中に赤いものがあると、エモーショナル(情動的)な効果を呼び起こす。夜の赤提灯ならポジティブな効果だけど、事故現場や幻覚シーンだと不安や恐怖につながって来る。

    

たまたま(?)昨日、集英社オンラインの記事がYahoo!に配信されて注目を集めてた。夜の暗い道や通路に、ポツンと赤い封筒が落ちてたら、それだけで不安になるはず。「この赤い封筒を決して拾ってはいけない」。

    

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これも神木と同じく、死者への強い思いから置かれたもの・・ということになってる。まだ現地(中国や台湾)のサイトでは確認できてないけど、これであなたも毎晩、ホラー作品の主人公になれるはず♪ キャーーッ!・・・

    

    

     ☆   ☆   ☆

さて、今回の不動産ネタは、サブリース契約。物件のまた貸し。原作マンガだと、第121直と第122直。前回に続いて、今回もかなり原作とドラマは違ってた。

    

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今までで最も違ってたと思う。おまけに、ドラマの脚本は、これまで原作に忠実だった根本ノンジ。もちろん、今季は続編だし、原作者や小学館(『セクシー田中さん』と同じ出版社)とのコミュニケーションは十分取れてるはず。

   

原作では、今回もハッピーエンドではない。困り果てた永瀬が最後に土下座すると、ミネルヴァ不動産の西岡の心が少し動いて、永瀬が依頼したオーナーに関しては解約となる。ただ、西岡は代わりに他のオーナーや住人を騙してるから、微妙な終わり方なのだ。永瀬も、自分の無力さを痛感。それを、石田(山崎努)が優しく慰める。

    

ドラマでは、ミネルヴァに騙されたオーナを永瀬らが集めて集団訴訟をアピールすることで、ミネルヴァが渋々と解約に応じたような流れになってた。勧善懲悪、正義のヒーローが敵を倒す。これが大衆的なテレビドラマのあらすじの王道なのだ♪

   

   

     ☆   ☆   ☆

ところで、そのサブリース契約というもの。日経で調べてみると、どうも元々は1980年代のアメリカまで遡るらしい。それが90年ごろのバブル期に、日本の業者同士の間で広まった。

   

すると、業者同士で契約を激しく争うことになる。そこに出て来たのが、2003年(平成15年)の最高裁判決。直前の高等裁判所の判決を破棄して、サブリース業者も借地借家法で守られることになった

      

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逆転判決の理由は、「建物の賃貸借契約であることが明らか」とされてる。

    

この最高裁の判例(その他)によって、業者はオーナーに対して、物件の賃料の減額(値下げ)を「請求」できることになった。ただし、実際に減額されるかどうかは別問題で、個々の状況に応じて決められる。

      

もちろん、借地借家法に「サブリース」という話は書かれてないし、業者が保護されるというような文言も入ってない。結局、法律そのものではなく、裁判官の人間的な解釈と判断で決まるのだ。その後は、社会が従うことになる。基本的、建前的には。

   

そして、一気に一般人オーナーに広がったのは、2012年からのアベノミクスと日銀の異次元の金融緩和によって。オーナーは融資を受けやすくなったし、銀行その他の金融機関も、少しでも高い金利を稼ぐために積極的にお金を貸したということらしい。それなりに調べてるけど、もうこの辺りで自粛しとこう。

   

      

     ☆   ☆   ☆

最後に、十影(板垣瑞稀)がゲーム感覚で大儲けして、高価なスーツや高級腕時計を買った後、大損したという暗号資産(仮想通貨)。

  

これは明らかに、最近のビットコインその他の暴騰を意識したドラマ脚本で、実はドラマの放送のわずか数時間後、本当に急落したのだ。十影の呪い♪

   

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ところが、下落は一瞬だけ。すぐにリバウンドして、高値圏で粘ってる。仮想通貨の種類は非常に増えてるけど、ビットコインに関しては基本的に右上がりだと見てる。問題は、激しいアップダウンを我慢できるかどうか。精神的、経済的に。

   

あのエイベックス・松浦会長でさえ、我慢するのが大変らしい♪ それでも、売らないどころか、買い増しを続けてるあたり、只者じゃないのであった。それでは今日はこの辺で。。☆彡   

   

   

   

cf. 「どこ向いてるんだ?」、タワマン大好きの永瀬財地(さいちん♪)〜『正直不動産2』第1話

 写真と違うムービー(動画)の長所、全体の空間的・時間的つながり〜第2話・使用貸借契約と解除

 もしも家族が仲良しなら、小さな家でも、おもちゃのピアノでも関係ない〜第3話・狭小住宅(ペンシルハウス)

 テレビドラマの脚本と原作マンガの比較、共通点と違い〜第4話・賃貸保証会社と人の信用

 偽善とは、表面的な善意から不幸な代償を生み出してしまう行為や意図〜第5話・フラット35

 家賃滞納3ヶ月で明け渡し(強制退去)、法律(借地借家法・民法)の条文には明記されてないけど〜第6話

 ノックスの探偵小説・十戒(英語)、犯人は物語の序盤に登場、探偵は犯人ではない〜第7話

 浮き沈みの激しい不動産(ワンルーム・マンション)投資、始まりは80年代・バブル期〜第8話

    

      (計 3450字)

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ノックスの探偵小説・十戒(英語原文・原書)、犯人は物語の序盤に登場、探偵は犯人ではない〜『正直不動産2』第7話・契約の誘引

ドラマ版『正直不動産2』第7話のサブタイトルは、「禁断の果実」。あぁ、違法な不動産契約を取って稼ぐことね・・と思って、軽く流す視聴者がほとんどだと思う。

       

ドラマだけ見てると、別にそれで困らない。ただ、実は原作だけにある重要な内容と関係づけた言葉なのだ。それは、「ノックスの十戒」という話。

  

 原作 → 「ノックスの十戒」 → 旧約聖書(モーセの十戒) → 禁断の果実 → ドラマ

       

こんな流れで、旧約聖書を媒介にして、原作マンガとテレビドラマを間接的につなぐ役割を果たしてたのが、ドラマのサブタイトルだった。

    

原作のサブタイトルは、「契約の誘引」。コミック第15巻・第115直&第116直。大谷アキラ(漫画)、夏原武(原案)、水野光博(脚本)。

  

ドラマは、木滝りま(脚本)、下向英輝(演出)。恋愛、おばあちゃんの優しさ、田舎の素朴な味わいを前面に出してる、非常に女性的なストーリー。ちなみに、こうゆう本当の事を政治家が言うと、一部の人達に叩かれてしまうのが今の世の中♪

  

事実として、それら3つのエモーショナル(情動的)な要素は原作には全く入ってない、ドラマ版だけのオリジナル。その代わり、原作にはマニアックなネタが挿入されてた。それが「ノックスの十戒」と呼ばれるものだ。

   

    

     ☆   ☆   ☆

原作では、冒頭から探偵ドラマの話が出て、永瀬(山下智久)が咲良(福原遥)にウンチクを語る。

  

「あのドラマ ━━ 犯人が突然登場した双子の兄弟って、トリックがむちゃくちゃだろ。シナリオ書いてるヤツは、"ノックスの十戒"を知らないのか?」

   

咲良が、「ノック・・・10回?」と天然ボケを示すと、永瀬が大きいエビフライを奪い取りながら語る。「1928年にイギリスのロナルド・ノックスって推理作家が刊行した、『推理小説』を書く上での10のルールみたいなもんだ」。

   

このセリフを書いたのが誰なのかは分からないけど、おそらく細かすぎる誤解をしてる。本の刊行1929年で、ノックス(Ronald Knox)は2人の編者の内の1人として序文を書いただけで、内容的にはその他大勢のもの。

   

原書のタイトルを直訳すると『1928年におけるイギリスのベスト探偵小説』(The Best English Detective Srories of 1928)だから、年号を間違えたのかも。ノックスが刊行したと書いてしまってたのは、邦訳書のタイトルが『探偵小説十戒』(晶文社)で、ノックスを前面に出してたからか。

   

   

     ☆   ☆   ☆

英語の原書はネットで無料公開されてるけど、探し出すのはかなり難しくて、私も諦めそうになったほど。英語版ウィキペディアでさえ出典を正確に付けてない。日本語ウィキは単なる個人サイトでの引用文に対して注を付けてた。

  

あえてリンクは付けないので、気になる方は探偵になったつもりで探すと面白いかも♪ 表紙の下にわざわざ1929と書いてるのは、1928年の本だという誤解を避けるためだと思う。

    

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上の画像の下側に、一つ目の戒め、ルールが書かれてる。と言っても、別にみんなが守ってるわけでは無いという点については、最初からノックス自身が書いてる。

  

 「犯人は、物語の序盤に登場していなければならない・・・」。

   

ここでまず、ミネルヴァ不動産の花澤(倉科カナ)の顔がアップになる。つまり、花澤が罪を犯すストーリーだと。

   

ところが、すぐ次に、神木(ディーン・フジオカ)もアップで登場。要するに、二番手の犯人という意味だろう。原作におばあちゃんは登場しないから、ライバルの花澤を陥れた悪巧みの犯人ということ。

   

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ちなみに、ドラマでは、なぜか神木がたまたま花澤の犯行現場(喫茶店、カフェ)の2階にいた。私はオンタイムでテレビを見ながら、何で分かったの?、と不思議に思ってたけど、実は原作だと、そこに行く前に花澤が神木と不動産の店内でやり取りしてるのだ。

  

「花澤さん どちらに?」

「商談をしに 喫茶店まで」

  

これ以降、説明はないけど、なぜ神木が花澤の犯罪に気づいたのかは簡単に説明できてる。何となく怪しいから、後をつけてみたと。遠回しの伏線、フラッグ(旗印)が提示されてるのだ。

   

   

     ☆   ☆   ☆

では、花澤の犯罪とは何だったか? まず、1人2役で、婚活(マッチング)アプリに「ようこ」として登録。「ようこ」の友人の不動産屋として、冴えない男性(失礼♪)の「わたやん」にマンションを売りつけてた。これだけでも犯罪行為と言えなくはない。

    

一応、NTTデータ・・じゃなくて、TTNデータ(笑)のSE(システム・エンジニア)だから、それなりの頭脳の理系人間で、収入や安定性もまずまず。男性だけサービス有料、顔の正面写真や年収、年齢、身長も公開してアピールすると。途中の課金もあるらしい。

   

昔、ブログのドラマ記事の関連で、試しに私も登録してみようかと思ったけど、細かい個人情報を次々に要求してくるから途中で止めた。ドラマの「ペアペア」というアプリ名は、一番人気の(?)「ペアーズ」をもじったもの。最新のレビューを数十ほど流し見すると、かなりビミョーな意見が並んでた(個人の印象♪)。

    

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    ☆   ☆   ☆

花澤のメインの犯罪は、いわゆる「契約の誘引」で、原作のサブタイトルそのもの。宅建業法・第47条・第3項で、業務に関する禁止事項の一つとされてる。条文では、「契約の締結を誘引する行為」。

     

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花澤が、鵤社長(高橋克典)に借金して、わたやんに手付金500万円を貸す。こっそり、内密に。マンションは5000万円で、残りの4500万円を35年払いにすると、月に11万円の返済。賃貸の家賃より安く、家が手に入ると。

   

試しにネットのサイト(ダイヤモンド不動産研究所)で計算してみると、本当に11万円と出た。ドラマの脚本家も、同じサイトを使ったのかも♪ 原作だと10万円だから、ドラマは日銀の金融緩和がそろそろ終了するのを見込んだ形。物価・賃金・株価、かなり上がって来たから、そろそろ金利を上げる時期だと。下の計算だと、金利変更後には13.7万円とされてる。

  

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     ☆   ☆   ☆

一方、ノックスの十戒の7番目には、「探偵は、自分自身が罪を犯してはならない」と記されてる。

     

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マンガやドラマの物語的には、主役の永瀬が自分で罪を犯してはならないということ。たとえ合法的でも、契約の誘引はしないと断言してた。原作では、後輩の咲良への指導的役割を果たしてる。カスタマー・ファーストみたいに見えたとしてても、誘引は絶対にダメだと。

       

「大切な人の家族を不動産で不幸にはさせない」という台詞は、ドラマだけのもので、美波(泉里香)のハートをキュン死させてた♪

     

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     ☆   ☆   ☆

十戒の最後、10番目は、「双子の兄弟、あるいは二重の役割を果たす者は一般に、登場してはならない。我々が適切に準備されてる場合を除いては」。

   

これを原作が最初に使ってるのは、花澤という犯人が一人二役(doubles)を演じてるから。ただし、最初から読者に対して説明してるから大丈夫ということ。

  

そう言えばこの作品は、主人公の永瀬が嘘つきと正直の二重の役割を果たしてる。ただし、最初から十分に説明してるから問題はない。と言っても、原作もドラマも、早い段階でかなり正直になってる。まあ、タイトルが「正直不動産」だから当然か。

    

   

     ☆   ☆   ☆

なお、あらすじとは直接には関係ないけど、花澤の子どもが口にしてた、「ルールは守らなくちゃダメ・・・僕、間違ってないよね?」という問い。罪を犯してた花澤は黙り込んでたけど、私ならこう答える。

   

うん。間違ってないよ。ルールは守らなくちゃダメ。でも、守らない人もいるんだよ。そうゆう時には、少し我慢するか、一言だけ優しく注意するか、先生に注意してもらおうね。ケンカになっちゃうと、お互いにケガしちゃうでしょ。痛いし、悲しくなっちゃうし。仲直りするのも大変だから」。

  

もちろん、国際関係だと「先生」はいないし、何がルールなのか、どのくらい守るべきなのか、立場によって考えが違うから難しい。

 

ウクライナ戦争も同様。最初の内は、専門家もメディアもキャスターもほとんど全てがロシアを非難してたけど、ここ最近はすっかりトーンダウン。むしろ、暗黙のうちに停戦を支持するような意見が増えてるようにも見える。あれほど英雄扱いされてたゼレンスキー大統領も、今ではすっかり普通の政治家扱いに近くなってる・・・とだけ書いとこうか。

   

実はロシアの専門家の一部は、最初からこの問題の複雑さが分かってたようだけど、発言権を奪われてた。私のこのブログでももちろん、単純な善悪の話は一度も書いてない。

    

むしろ、ウクライナの民話の記事を書く中で、人々の気質とか国民性のようなものについて暗示しておいた。日本と少し似た話があるから応援しようね・・といった当時の論調とは、ハッキリと一線を画してたのだ。

     

   

     ☆   ☆   ☆

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最後に、55億円のタワマンというドラマ独自のお話。そもそも原作のこのエピソードにタワマンは登場してない。

   

検索すると、ヒットするのは2つの物件で、どちらもタワマンではなく、少し高めくらいの超高級マンション。パークマンション檜町公園と、三田ガーデンヒルズ(上図、マネーポストWEB)。タワマンじゃないからこそ、逆に高価なんだと思う。条件のいい土地を、やや贅沢に使ってるから。

   

共に港区で、三井不動産レジデンシャル。三田の方の価格は推測。まあ、やっぱり富裕層というのは意外と多くて、トップクラスの人達もそれほど珍しくないんだろうと思う・・と、他人事のように書いといてと。。♪

    

お金も家も、死ぬ時には全く関係ないし、その直前でもほとんど関係ない。それだけは確かな真実だ。でも、その前の段階ならちょっと欲しいかも(笑)とか思いつつ、ではまた。。☆彡 

    

   

   

cf. 「どこ向いてるんだ?」、タワマン大好きの永瀬財地(さいちん♪)〜『正直不動産2』第1話

 写真と違うムービー(動画)の長所、全体の空間的・時間的つながり〜第2話・使用貸借契約と解除

 もしも家族が仲良しなら、小さな家でも、おもちゃのピアノでも関係ない〜第3話・狭小住宅(ペンシルハウス)

 テレビドラマの脚本と原作マンガの比較、共通点と違い〜第4話・賃貸保証会社と人の信用

 偽善とは、表面的な善意から不幸な代償を生み出してしまう行為や意図〜第5話・フラット35

 家賃滞納3ヶ月で明け渡し(強制退去)、法律(借地借家法・民法)の条文には明記されてないけど〜第6話

 浮き沈みの激しい不動産(ワンルーム・マンション)投資、始まりは80年代・バブル期〜第8話・無限ループ地獄

 サブリース契約、03年最高裁判決で業者が強気に、12年アベノミクス緩和で一般人オーナー急増〜第9話

   

   (計 4248字)

 (追記101字 ; 合計4349字)

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テレビドラマの脚本と原作マンガの比較、共通点と違い〜『正直不動産2』第4話・賃貸保証会社と人の信用

ドラマ、漫画、テレビの世界を超えて、大きな衝撃を与えた哀しい出来事から数日が経過。ドラマ『セクシー田中さん』に主演した木南晴夏が、インスタグラムでストーリーズを公開したらしい。

   

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 どうして

 と思うばかりで

 今の気持ちを表す言葉が見つかりせん

  

 先生ともっと話したかったです

 田中さんの言葉は私の中にたくさん残ってます

  

 心よりお悔やみ申し上げます

  

 この悲しみが連鎖しないことを

 願います

   

  

     ☆   ☆   ☆

ネットの報道を見て、私もすぐインスタをフォローしてみたけど、見れなかった。既に遅かったのか、それとも、フォローの登録からストーリーズ閲覧までにタイムラグ(時間差)があるのか。

   

いずれにせよ、ドラマで演じる俳優・女優は、脚本に直接関与することは(ほとんど)ないので、彼女には何の落ち度もないはず。

    

むしろ、あまりにも不運だと思う。脇役のキャリアを積み上げた後、38歳でようやく手に入れた主演ドラマでまさかの展開と結末。特に、彼女の顔写真がメインで掲載されてる記事が多いのは疑問。あれでは、負のイメージが無意識の内に刷り込まれてしまう。

      

   

      ☆   ☆   ☆

このブログでは、記事でほんの一言だけ書いた後、ブログのトップでも一言つぶやいた。「悲しみが連鎖しない」ためにも、今回の事件そのものについてはしばらく記事を書くつもりはない。そもそも、何について、誰と誰がどんなやり取りや行為をしたのか、まだ事の詳細がほとんど分かってない。

        

ただ、今日は、本質的で一般的な事柄について焦点を当ててみよう。ドラマの原作マンガと脚本の関係について。最近はあまり書いてなかったけど、ウチでは昔から度々、原作小説や原作漫画を考察する記事を書いて来た。

   

ブログ公開当初から、ドラマ『野ブタ。をプロデュース』の原作小説のレビューを書いてるし、ドラマの脚本そのものについても、読める場合には何度も扱ってる。最初に読んだのは、亀梨和也主演ドラマ『たったひとつの恋』の脚本だった

    

ちなみに『正直不動産2』第4話の場合、原作マンガは期間限定で無料公開されてる。ビッグコミックのドラマ化記念キャンペーン。まだ見てない方は、今のうちにご覧あれ。

   

   

    ☆   ☆   ☆

なお、日本文学研究者として有名なロバート・キャンベルが、今回の悲劇について、原作が未完だったのも大きいとテレビで発言したらしい(TOKYO MX『バラいろダンディ』、1月30日)。

  

必ずしも否定はしないが、それを言うなら、昔の『クロサギ』や『ホタルノヒカリ』も連載中にドラマ化。騒動は発生してない。もちろん、この『正直不動産』もまだ連載中の漫画だが、騒動発生の報道は見てない。他にも色々と事例がある。

       

ただし、芦原妃名子さんの場合に限ると、代表作『砂時計』のドラマ化・映画化は、原作マンガの終了後だった。彼女にとって何がどう響いたのか、残念ながら、もはやご本人に話を聞くことはできない。。

   

    

     ☆   ☆   ☆

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原作マンガはいつものように、前編と後編の2話に分かれてる。コミック第12巻・第95直と、第13巻・第96直。サブタイトルは簡潔に、「賃貸保証会社」。上の前編の扉ページに描かれてるのは、古沢という社員。ドラマでは、代わりにZ世代の十影(板垣瑞生)に焦点を当ててた。

     

ドラマでは「信用って何だ?」。これの答は、一言でまとめるなら、終盤の永瀬(山下智久)の言葉になる。「最後は人だと思うんです」。

   

女性視聴者が多いと思われるドラマで、このエモーショナル(情動的)なまとめ方は悪くないと思うけど、一般男性の正直ブロガーさんとしてはオンエア中、全体的にかなり甘口だなと思ってた。青年マンガの原作や、いつもの根本ノンジの脚本では考えにくい展開。

   

実際、最後のエンドロールを見ると、脚本家は木滝りま。X(旧 twitter)やウィキペディアから考えても、おそらく女性だと思う。ベテランだが、実際に担当したドラマはあまり多くない。

   

    

     ☆   ☆   ☆

では、具体的に、ドラマと原作マンガを比較してみよう。前から常に一貫してるのは、主要な台詞や不動産ネタに関しては、ほぼ原作のままだということ。原作のラプラス上井草が、ドラマでラプラス武蔵山になってるとか、細かい変更は除いて。

    

完全に原作のままのことも多い。これまで色々と比較して来た中でも、その点に関しては、原作に忠実な連続ドラマだと思う。良し悪しはともかく、無難な作りではある。

   

特殊な分野を扱う1話完結もののドラマだと、原作に合わせやすい。各話ごとにポイントを合わせやすいし、原作とのズレもその後の展開に響かないから。

   

例えば、『ガリレオ』もそうだった。数式の殴り書きは原作小説に無いけど、ドラマの展開には全く響かず、マニアックで笑えるアクセントになってる。

     

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あらすじや結末も、ドラマと原作でほぼ同じ。既に女性が妊娠してる若いカップルが部屋を借りようとして、賃貸保証会社の審査に落ちてしまう。悪い方向に進みそうになった2人は、永瀬や咲良(福原遥)らの活躍で立ち直り、オーナーの理解を得た後、別の賃貸保証会社部屋も借りれた。めでたしめでたしのハッピーエンド。

    

最近は高齢化社会で、収入が年金のみの親族が増えてるから、賃貸保証会社への加入が必須の物件が増えてるという不動産情報も原作と一致してる。信販系の信用会社がクレジットカードなどの個人情報を持ってるという点や、2人が審査で落ちた(不承認とされた)理由も一致。

    

ただし、原作ではさらに突っ込んだ説明もあった。信販系ではない、独立系と呼ばれる信販会社もたくさんあって、審査が通りやすい(と言われる)所もあるが、通りやすい信用会社だと。滞納した場合の督促が厳しかったり、家賃立て替えの手数料が高めだったりするらしい。まあ、金融会社と同様ということか。お金を借りやすい所は、金利が高くて取り立てが厳しい。

     

一般にテレビドラマでは、その種の突っ込んだ説明は省略される傾向がある。別に時間の問題ではなくて、客層の違いだろう。

    

原作マンガは、かなり限定された数万人~数十万人が読者。それに対して、ドラマは数百万人~数千万人が相手だから、ケタ違いに多い視聴者層を考慮することになる。流し見の人も多いから当然、説明は簡単になる。

   

    

   ☆   ☆   ☆

次に、私がドラマで一番不満だった、手紙の扱いについて。ドラマでは、髪にメッシュ(部分的毛染め)を入れたチーマー風の(?)若い男・藤森(佐藤寛太)が、咲良のアイデアに従って、部屋への思いを手書きの手紙にしてた。

   

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これで大家(オーナー:ダンカン)の心が動くというのも甘すぎると思うし、令和6年のZ世代が土下座はない(演出は金澤友也)。おまけに、肝心の手紙の内容は一瞬、一部分を映しただけで、「武蔵山公園を一望できる景観がとても素敵で一目見てここに住みたいと」と書いただけ。頑なな年配の大家の心を解きほぐす文面にはなってない。

    

原作マンガでは、その点も補足されてるのだ。客ではなく、直接の担当者の古沢が手紙を執筆。「保証人になっても構いません」とまで書いてるのだ。それならオーナーも考え直しやすい。

    

この保証人になってもいいという強い文章は、咲良が別の客の物件で使ったもの。家賃滞納の場合、ホントに家賃を咲良が自腹で払うつもりだった。永瀬は、「俺なら、そこまでできないな」と応答。咲良の珍しいキャラだという点をハッキリさせてる。岩沢の場合、ミネルヴァのスパイらしいから、何か裏の理由があって仕方なく無理やり契約を取ったということだろう。

    

     

     ☆   ☆   ☆

逆に、どちらかと言うとドラマの方が良い出来だったのは、カップルがラプラス武蔵山という物件にこだわった理由。

  

原作では、築5年とか、良い病院にわりと行きやすいといった理由しかない(妊娠は最初から判明)。収入はそれなりにあるのだから、その程度の理由なら、別の物件にすればいいはず。保証会社が緩い部屋とか、普通の保証人で済む部屋とか。

   

その原作の弱点を補ってたのが、ドラマ独自の初恋ストーリー。美玲(恒松祐里)がいじめられてた時、助けてくれたヒーローが彼。その現場の武蔵山公園が窓からよく見えるのが、あの物件だったのだ。この部屋なら、彼も昔を思い出して、もっと真っ直ぐに生きてくれるだろうと。

  

脚本か演出家か分からないが、公園で藤森が昔を思い出す幻想的シーンは印象的な映像だった。過去の子ども達の映像を流した後、その思い出を見つめる藤森の後ろ姿を脇の影で示して、そこからさらに、藤森や永瀬のリアルタイムの実写につなげて行く。一連の技巧的なシーン。

      

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     ☆   ☆   ☆

神木(ディーン・フジオカ)のパワハラはともかく、ドラマの妊娠の扱いも女性的で、ある意味、上手かった。

   

原作では最初から妊婦とされてるだけで、女性は繊維メーカーの総務。ドラマでは女性を保育園の先生にすることで、息子を通わせる花澤(倉科カナ)とのつながりを作れた。

   

さらに居酒屋で、榎本(泉里香)と愛原(松本若菜)が咲良を妊婦だと思いこむドタバタ劇も入れることが出来た。原作には全く無い場面を作ることで、多くの出演者の出番を確保してる。

  

永瀬の課長昇進レースというコネタも、マダムの打ち明け話も、ドラマ独自のもの。そうした工夫によって、登坂社長(草刈正雄)やマダム(大地真央)の出番を確保できてた。

    

   

     ☆   ☆   ☆

もし私が原作者なら、ドラマ脚本でのこの程度の改変は許容範囲というより、むしろ歓迎する。

  

ただ、一方では『野ブタ』みたいに、ドラマと原作がかけ離れてる作品もあるから難しい。野ブタは小説家・白岩玄にも歓迎されてたはず。「正直」言うと、ドラマの方が出来がいい(個人の感想)。主演2人の好演や風変わりな主題歌も良かったし、木皿泉の大胆な脚本が見事な出来栄えだった。

    

というわけで、かなり長くなって来たから、この辺で終わりにしよう。最後にあらためて追悼。

  

 芦原妃名子さん、どうか安らかに。。☆彡

    

   

  

cf. 「どこ向いてるんだ?」、タワマン大好きの永瀬財地(さいちん♪)〜『正直不動産2』第1話

 写真と違うムービー(動画)の長所、全体の空間的・時間的つながり〜第2話・使用貸借契約と解除

 もしも家族が仲良しなら、小さな家でも、おもちゃのピアノでも関係ない〜第3話・狭小住宅(ペンシルハウス)

 偽善とは、表面的な善意から不幸な代償を生み出してしまう行為や意図〜第5話・フラット35

 家賃滞納3ヶ月で明け渡し(強制退去)、法律には明記されてないけど〜『正直不動産2』第6話

 ノックスの探偵小説・十戒(英語)、犯人は物語の序盤に登場、探偵は犯人ではない〜第7話・契約の誘引

 浮き沈みの激しい不動産(ワンルーム・マンション)投資、始まりは80年代・バブル期〜第8話・無限ループ地獄

 サブリース契約、03年最高裁判決で業者が強気に、12年アベノミクス緩和で一般人オーナー急増〜第9話

   

   (計 4167字)

 (追記236字 ; 合計4403字)

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写真と違うムービー(動画)の長所、全体の空間的・時間的つながり〜『正直不動産2』第2話・使用貸借契約と解除

昨日、既につぶやいた事だけど、今回のドラマの見どころは、「ひろゆき」出演だった(笑)。そこか! 記事タイトルに入れれば、絶対に多少の検索アクセスは稼げるけど、品格あふれるブログだから止めとこう♪

   

病気の喜助おじいちゃん(苅谷俊介)を介護する心優しい孫の寺島直也を演じたのは、2ちゃんねるの創設者・西村博之・・じゃなくて、松本怜生(れお)。2年前にabema動画でデビューしたらしい、まだ23歳の新人俳優・タレント。正直、全く知らなかったから、ひろゆきにしか見えなかった♪

  

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「それって、あなたの感想ですよね?」♪ 台詞の文字を作り替えて、ひろゆきの論破のイメージにしようかと思ったけど、フェイク画像になるから止めといた。

   

ちなみに、たまに使って遊んでる、そっくり評価サイト「sokkuri」を見ると、新人だから、まだ比較の対象者が少ない。

    

ただ、横浜流星とのそっくり率が8割近くで、横浜流星とひろゆきのそっくり率は8割超だから、松本怜生とひろゆきものかなり似てるはず。近似の記号は分かりにくいから、等式でまとめると、

  

 松本怜生=横浜流星, 横浜流星=ひろゆき  ∴ 松本怜生=ひろゆき

    

ネット上の指摘はなかなかヒットしないから、X(旧 twitter)を除くと、ウチの指摘が日本初かも♪

      

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     ☆   ☆   ☆

フーッ、自分では、これだけで一仕事終えた気分♪ もう記事を終わりにしてもいいくらい(笑)。まあ、マニアック・ブロガーとしては、他にも誰も書かないような事を書くことにしよう。

  

ドラマのサブタイトルは「思いを伝える」という分かりやす過ぎるものになってて、おそらくほとんどの視聴者は、寺島家の3人と永瀬(山下智久)が思いを伝えた部分を思い描くと思う。思いを伝えないとダメだと、咲良(福原遥)は先輩の永瀬に説教してた♪ AKB総選挙・第1位のポスターの前で(笑)

     

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ただ、それではムービー(動画)の意味が無くなってしまうのだ。十影(とかげ:板垣瑞生)は、寺島家の写真を撮るように頼まれても、ムービーにこだわってた。そしてそれが、最後の切り札になってた。

  

この動画の話は、ドラマ特有のポイント。原作マンガ(大谷アキラ作、原案・夏原武、脚本・水野光博、小学館)の第2巻・第15直と第3巻・第16直にはない。脚本家・根本ノンジか、演出家・川村泰祐か、メインスタッフのこだわりだろう。

    

   

     ☆   ☆   ☆

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今回、扱われた不動産のネタは、「使用貸借」(原作のタイトル)。優勝で貸し付けるのが、普通の「賃貸借契約」。一方、無料で貸し付けるのが「使用貸借契約」で、こちらは契約書が無くても成立することがあるらしい。

  

父親=おじいちゃんと不仲の登記名義人・大助(迫田孝也)が、家を売って借金返済に当てようとする。しかし、大助の父親=おじいちゃんと、介護する息子がずっと住んでるから、使用貸借契約を結んでることになる。だから、一方的な追い出しには反論・抵抗できるらしい。

   

その事実は、ドラマだと、登坂社長(草刈正雄)が永瀬にヒントを与えて気付かせてた。原作だと、永瀬が自分で気付いてる。この辺り、ドラマは巧みにキャストを活用して、出番を作ってるのが分かる。

  

   

     ☆   ☆   ☆

ドラマだと、宅建六法という本を使ってたけど、見てた箇所は普通の民法。私が自分でネットで調べると貸主からの解約も可能になってた。

  

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民法・第598条(使用貸借の解除)第2項。

当事者が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも契約の解除をすることができる。

    

この条文の「定めなかったとき」という箇所の解釈が問題になるんだろうと想像する。祖父の介護が続いてる間は当然、使用貸借の期間と定められてることになる。祖父と孫の側の弁護士がそう主張すると、大助の側の弁護士が、その解釈には必然性も妥当性もないと反論するとか。

   

   

     ☆   ☆   ☆

裁判とか、親子の醜い争いを避けるのに役立ったのが、咲良の益子焼(原作には無い)と、十影のムービー。

   

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咲良は、大助の死んだ奥さん・美由紀(田山由起)が、家族4人分の花柄の湯呑みを作ってたのを示して、奥さんはみんなのことを大切に思ってたと語る。

   

嘘だ!、妻は自分(たち)を恨みながら死んだはずだ、という大助に対して、永瀬は庭を見るようにうながす。大助がいつ家に帰宅しても、四季折々の草花や樹木を楽しめるように、ずっと手入れされてたと。桜・菜の花(春)、紫陽花(梅雨)、パンジー(秋冬)、シクラメン(冬)。そんな奥さんが、家を嫌ってるはずはないと。

   

庭の手入れが行き届いてることを、登坂社長と永瀬に気付かせてくれたのが、ムービーだった。写真だと、意図的に自分が狙った部分しか写らない。ところがムービーを回し続けると、意図しなくても、全体の空間的・時間的つながりが記録される。だからこそ、庭全体が完全に手入れされてることが分かったのだ。

    

    

      ☆   ☆   ☆

あらためて、シャーロック・ホームズ(咲良・・笑)の活躍を振り返ると、彼女が栃木の益子まで調査に出かけたことで、奥さんが家を離れてから死ぬまでの様子が分かった。つまり、昔から死ぬまでの時間的つながりが出来て、ずっと家族のことを思い続けてることが分かったのだ。

  

ということは、死んだ妻の思いを伝えたのが、十影のムービーホームズ咲良の出張調査だったことになる。

   

なお、永瀬は美波(泉里香)に思いを伝えられなくて、逆に、周囲の人達から思いを伝えられてた。「フラれたけど落ち込まないで」と(笑)。思いを伝えるというのは、別に重いことだけじゃなくて、軽いイジリのお遊びもあるのだ♪

       

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キレイな草花とか女性たちの活躍とか、原作にないものを上手く織り込んで、女性視聴者向けにアレンジしてる、巧みな現代的エピソードだった。男性視聴者の一人としても、ドラマをじっくり見た上での好意的な思いを制作サイドに伝えとこう♪ いいね!

       

ちなみに、先日の共通テスト国語記事はかなり読まれてるけど、誰もいいねを付けてない(笑)。熟読してる読者だけでもかかなりいるし、リンクも少なくとも3つは付けられてるんだけどね。正直ブロガーさんとしての思いも伝えつつ、それでは今日はこの辺で。。☆彡

  

   

  

cf. 「どこ向いてるんだ?」、タワマン大好きの永瀬財地(さいちん♪)〜『正直不動産2』第1話

 もしも家族が仲良しなら、小さな家でも、おもちゃのピアノでも関係ない〜第3話・狭小住宅

   テレビドラマの脚本と原作マンガの比較、共通点と違い〜第4話・賃貸保証会社と人の信用

 偽善とは、表面的な善意から不幸な代償を生み出してしまう行為や意図〜第5話・フラット35

 家賃滞納3ヶ月で明け渡し(強制退去)、法律には明記されてないけど〜『正直不動産2』第6話

 ノックスの探偵小説・十戒(英語)、犯人は物語の序盤に登場、探偵は犯人ではない〜第7話・契約の誘引

 浮き沈みの激しい不動産(ワンルーム・マンション)投資、始まりは80年代・バブル期〜第8話・無限ループ地獄

 サブリース契約、03年最高裁判決で業者が強気に、12年アベノミクス緩和で一般人オーナー急増〜第9話

  

   (計 2633字)

 (追記275字 ; 合計2864字)

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マンガ&アニメ『ぽんのみち』、可愛い特製カード麻雀セットが付録の月刊誌『なかよし』初購入♪

いやぁ、恥ずかしかった。。 書店のレジ係が男性とはいえ、小中学生向けの少女マンガの雑誌を「これ、ください」と差し出すのは気合が要る♪ おまけに、私のすぐ後ろには女性客がいたのだ。通報されなくて良かった(笑)

   

税込660円。こんな恥ずかしい物を買ったのは、中学の時にアレを買って以来か♪ 何? 阪神優勝。古っ! めちゃくちゃ緊張して、さんざん迷ったから、逆に超~目立ったと思う (^^ゞ 残念ながら、最初の戦利品はたぶん残ってない♪ 最初以外は?!

   

地元のドラッグストアで女性店員にアレを差し出した時には露骨に笑われたし、渋谷のS百貨店やT百貨店でアレを買おうとした時も女性店員に笑われた。さんざん恥ずかしい思いをしながら、男の子は成長していくのであった。。

  

    

     ☆   ☆   ☆

さて、硬派を自称するマニアック・ブロガーが突然、何に目覚めてしまったのか。少女マンガじゃなくて、マージャンなのだ。

  

私は少年時代に1回くらい、ちょっとだけやって、その後はゼロ。ほとんど覚えてないけど、運もからむ高速の頭脳ゲームとして、興味はあった。将棋や囲碁とはちょっと違うけど、知的な部分もある。

  

ウチでは1ヶ月ほど前、『レジャー白書』の統計をまとめて、麻雀人口の推移という記事も書いた。要するに、日本社会で今、ちょっとマージャンが注目されてるらしいのだ。賭け事抜きの頭脳系スポーツとして、若い女性プレイヤーも含めて。

      

しかし、Yahoo!の配信記事で、『なかよし』の付録に麻雀セットが付いてるというニュースを読んだ時は笑ってしまった♪ 女子小学生が付録の紙の麻雀セットで遊ぶと(笑)。いいね! うっかり「お兄さんも一緒にいいかな?」とか声をかけたら捕まりそうだから、皆さん、ご注意あれ♪

  

   

      ☆   ☆   ☆

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私はすぐ検索をかけて、講談社の公式サイトに飛ぼうとしたけど、つながらない (^^ゞ そんなにアクセスが集中したってこと? まあ、Yahoo!のトップページ上段に見出しが出てたタイミングだったからかも。

  

HPが見れないから、代わりにX(旧 twitter)を見ると、流石にキレイな写真でPRしてた。その時点で、閲覧数は100万超☆ 日本中の小中学生の女子が見たと♪ 紙製なのは仕方ないというか、逆に軽くて静かでいいかも。紙の牌(パイ)は立たないから、横長の三角柱型のスタンドに差し込んで使う。さすがに色や字体も可愛い。ケースも付いてる。

   

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で、上が初めて買った月刊『なかよし』、2024年2月号。表紙の左下にはプレイの様子の写真、右にはTVアニメ放送開始のPRもある。

   

連載マンガはまだ始まったばかりみたいで、第5回の内容はほとんど麻雀と無関係 (^^ゞ 舞台となってる広島県尾道市のベッチャー祭のお話だった。麻雀用語の「ポン」と「おのみち」を合わせて、「ぽんのみち」ってタイトルにしたわけね♪ 尾道弁(?)で目立ってたのは、「ほいじゃあ」くらい(笑)。共通語に翻訳すると、それでは、それなら。

    

女の子5人がみんなカワイイのははいいとして、顔と名前とキャラがまだ分かってないし、漫画の最後の「麻雀ルールmini」は難し過ぎて白旗 (^^ゞ 一応、「ちょ~~~シンプルに教えて」くれてるらしい(笑)

   

    

     ☆   ☆   ☆

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巻頭には付録の遊び方ガイドも付いてるけど、詳しい説明はなし。スマホでググれと? あるいは親に聞けとか♪ 大人の場合、4人集めるのがちょっと大変だけど、小学生の女の子ならすぐだろうね。足りなければ先生を入れて、ネットで炎上するとか(笑)

       

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上の写真の左側は、連載マンガの扉絵。右が付録の表。ちなみに今、メルカリをチェックすると、既に17人が出品(笑)。700円前後でほとんど売れてた。人気が爆発して5000円になるのを待とうか♪ 転売ヤーか!

   

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上の左下は、「簡易点数早見表」。私には、これでさえ「簡易」ではない (^^ゞ 言葉の意味がさっぱり分からない(byガリレオ福山♪)。福山雅治はまた紅白歌合戦の白組のトリ! 凄いね。

  

   

     ☆   ☆   ☆

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謎の生物もまだ正体不明♪ 年末だから、調べる余裕もない。もう12月30日なのに、少女マンガを買って麻雀セットで記事を書くブロガー(笑)。大丈夫か! 「麻雀」カテゴリーまで新設。作ったからには、また記事を書かなきゃ♪

     

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「初心者さんがまず覚えたい 役の基本&一覧」も難しい (^^ゞ これ、小学生が分かるの? 分数ができない人さえ大勢いるのに。大学生で(笑)。古っ! いまや普通のことすぎて、話題にもならなくなってる♪

      

というわけで、もう時間切れ。これからまだ、年末の準備をあれこれしないと寝れないのだ。アニメも見ようかな・・とか思いつつ、それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

      (計 1922字)

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JR SKISKI2023-24、コラボ動画「マリマリマリー」が地味に笑える♪&生暖かい強風で軽く13km走

(16日)RUN 13km,1時間05分33秒,平均心拍 137

消費エネルギー 532kcal(脂肪 138kcal)

   

毎年行ってブログに書いてたスキー&スノボツアーも、すっかりご無沙汰続き。みんな引退してしまって、新しい友達を誘ってもいい返事がない (^^ゞ お金と時間がかかって、荷物と移動も大変だから、当然かも♪

  

私1人の「ぼっち」ツアーでもいいから今シーズンこそ復活したいな・・とか思ってたけど、別のもっと重要なイベントの予定が決まったから、たぶん雪山まで出かける余裕はない。

      

といっても、基本的に雪遊びは好きだから、最近はインスタでスキーやスノボのリール動画をよく流し見してる♪ 別に私が選んでるわけじゃないけど、インスタ側のAIか何かが私の趣味をよく理解してるようで、お勧め動画には当たりが多いのだ。X(旧 twitter)のお勧めや、Yahoo!のパーソナライズ広告は、ハズレが多いけど(笑)

    

   

    ☆   ☆   ☆

で、昨夜、久々に見たのが、JR SKISKIのサイト。毎年のようにJR東日本が行ってるキャンペーンで、若くて可愛い女性タレントを起用してることが多い。今年は桜田ひよりに決まったそうだけど、まだ動画その他が用意されてなくて、代わりに(?)アニメ風のイラスト動画とのコラボ企画をやってた。

  

YouTubeのインフルエンサー、マリマリマリー。名前は覚えてないけど、1回だけ何かで見た気もする。後で触れる、ひろゆきのパロディ動画だったかも♪

   

この名前を聞いて私がすぐ思いつくのは、フランス語のマリという単語(夫という意味)。マリマリには、おいでおいでという意味もあるらしいけど、本当の意味はまだ発見できてない。登場人物とも関係なさそう。「雪よ、推してくれ」。雪を推すPRで、雪に推してもらうと♪ ちょっとヒネリが入ってるね。

    

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     ☆   ☆   ☆

で、特設サイトにはコラボ動画が3本あったけど、目立つ位置に置かれてた1本をマジメに鑑賞。「ゲレンデ爆走する花嫁」。まず笑えたのが、ほとんど爆走してないこと♪ 最初から見えてる静止画1枚に、声とテロップを載せてるだけなのだ。一応、アニメと呼んでいいのかね?

    

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今日が結婚式のカップルがゲレンデにいて、たまたま主人公の若者グループと話をする。多分、グループの左から、スミちゃん、かなめ、レイジ、美月。人気投票で1位になったレイジがポスターのモデルに選ばれて、本当に新宿駅、原宿駅、池袋駅に掲示。桜田ひよりの準備ができるまでの、つなぎかも。

   

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レイジのポスター撮影の様子が動画に組み込まれてて、その最後に、女の子が登場。ただし、フレームの右端に隠れてて、名前を言おうとした瞬間に終了♪ これで次の実在ヒロイン・桜田ひよりにつなぐと。

  

花嫁動画の内容は、ネタバレになるから書かないことにしよう。昭和的なエモい(?)イラストで、トボけた味わいの会話が展開。テンポは速いけど、ボケもツッコミも緩い♪ この逆説的な緩~いアップテンポが、Z世代にはウケるのかね? まあ、ネットでもあちこちで話題になってるし、人気がありそうなのは確か。数年前に始めて、5人くらいのチームで作ってるとの事。

  

   

     ☆   ☆   ☆

私には、YouTubeのチャンネルの人気動画が笑えた。「ひろゆきに影響を受けすぎた数学教師」。2年前から、800万回近い再生回数。アニメコントと書いてるけど、テロップが流れるイラストに近い。画像の動きは極少ないのだ。

   

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ほとんど脈絡なしに、教師が生徒に台形の公式をたずねると、男子が「(上底+下底)×高さ÷2」と正しく答える。小学校の算数だけど、なぜか教師は手厳しい♪ 「それってあなたの感想ですよね」(笑)

    

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この決め台詞、実際にはひろゆきは1回くらいしか言ってないという情報が流れてたけど、完全にひろゆきの論破イメージに結び付いてる♪ この時、男子は軽く応答するけど、それよりこの謎の美少女が眉をひそめる表情が地味に面白い♪ それでも我慢してノート取ってるわけね。後ろの男子は机に肘ついて、窓の外をよそ見してるけど。顔も無いし(笑)

   

マリマリマリーの動画、地味に面白いから、後でもうちょっと見てみるかも。自分が楽しむというより、半ば社会科の見学♪ あぁ、こうゆうのがウケる時代、世代なんだなと。。

   

    

     ☆   ☆   ☆

一方、スノーツアーには行かなくても、公園ランには行ってる♪ 同じ所をグルグル走って何が面白いの?とか言われたこともあるけど、私は高校陸上部時代、無味乾燥な400mトラックをぐるぐる走ってた人間だから、公園を回るのはむしろ楽しい♪ スピードも距離も靴も変えてるし、気象条件も変化するし、退屈はしない。

   

で、昨日はまだ脚や背中の筋肉が疲れてるから、軽く13km流しただけ。金曜の夜から、旧に生暖かい強風が吹きつけるようになってて、ウェアの選択に迷った。結局、夏用の軽装にしたら、最初だけ風が寒かったけど、すぐにちょうど良くなった♪ 洗濯は正解!

   

靴は、去年買ったアシックスで、前半分だけカーボンプレート入りの厚底。終盤だけちょっとペースアップして、トータルでは1km5分03秒ペース。ま、ぼちぼち♪ 気温17度、湿度63%、風速4.5m。本当はもうちょっと風が強かったと思う。6mとか。

   

   

     ☆   ☆   ☆

新・心拍計はまたほぼ正常に作動。ラストだけ高めにブレてたから、補正した。気温の高さのわりには心拍は上がってないけど、呼吸がちょっと苦しかった。風で砂埃が舞ってたせいもあるかも。

  

今週は計14935字で終了。ではまた来週。。☆彡

      

     

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往路(2.4km) 13分19秒 123 134 

LAP 1(2.2) 11分02秒 134 141

  2   10分48秒 140 144

  3   10分45秒 141 147 

  4   10分19秒 144 150

復路(1.9)  9分21秒 144 157

計 13km 1時間05分33秒 137(81%) 157(92%) 

    

    (計 2407字)

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わたせせいぞう新作アニメ『ハートカクテル カラフル』全5話、軽~いレビュー(声優・亀梨和也&満島ひかり、NHK)

80年代にヒットした、カラフルなショート・コミック、『ハートカクテル』。静かなリバイバル・ブームが続いてるようで、78歳になった原作者・わたせせいぞうもかなりお元気そうに見える。

  

先日、2023年3月27日から28日にかけて、NHKで新作アニメが公開されたので、軽くまとめてレビューしとこう。もちろん、マニアックな解釈・分析も織り交ぜて♪ 5分×5本で合計25分だけど、CMは無いし、密度は濃い。

     

どのように作ってるのか分からないけど、わたせが原作マンガを書いて、アニメーションのスタッフ・山本淳史がCGでアニメ化したということか。おそらく今現在、イラスト(静止画)の一部を動かすくらいは簡単なんだろうと思う。

   

実際、例えば第1話のラスト、川で石を投げて「水切り」遊びをするシーンでは、ほぼ同じ絵柄の中、水紋の数が増えて行くと共に、小鳥の位置が左に移動してる。そして最後、小石、水紋、小鳥の位置が1点に収束してるのだ(細かっ・・♪)。偶然ではないはず。

  

なお、男性役の声優・亀梨和也とわたせの「スイッチ・インタビュー」(2回のトークで聞き手と主役が入れ替わる形式)については、先日すでに記事をアップしてある。原作の中で亀梨お気に入りのエピソード、「思い出クッション」のレビューも加えて。

     

  

     ☆     ☆     ☆

以下、ネタバレになるので、ご注意あれ。今日(3月31日)の時点ではまだ、NHKプラスの動画配信で視聴可能。

     

アニメのタイトルに「カラフル」という言葉が入ってるのを見て、すぐ思い出したのが、一昨年の紅白歌合戦。テーマがカラフルで、要するに、多様性とか少数者(LGBTQ、障がい者など)の尊重を前面に押し出してた。

   

ハートカクテルの新作をその路線で作るのかな?、と思ってたら、本当にそうだった。ただし、あくまで柔らかく優しいストーリーと絵で表現してある。主張やメッセージ、倫理観などを、強く押し出しるわけではない。

    

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青い空、白い雲、エメラルドグリーンの海。わたせ的、米国西海岸的なオープニング画像だけど、すぐ気付くのは、「フル」のロゴがカラフルな色使いになってること。その右上には、レインボー(虹)が控えめにかかってる。

   

上のタイトル画面から本編へと切り替わる時にも、淡い虹色のようなグラデーションが使われてた。まあ、そんな配慮をしなくても、わたせのイラストはもともと非常にカラフルではある。漫画というより、イラストの連作を詩でつないだような作品。

    

   

     ☆     ☆     ☆

第1話のタイトルは、「ストーン・レター」。変な題名だけど、要するに、ストーン=小石=恋し♪ ということは、ストーン・レターとは、「恋文」、「ラブレター」の言い換えなのだ。

   

新聞記者の彼(慎二)が転勤になって、看護師の彼女(エミ)と遠距離恋愛を開始。ルール1、緊急時以外はメール・電話禁止。ルール2。月に1回、交互に会いに行く。ところが、コロナで会えなくなってしまった。昭和のヒット作に、令和のコロナが登場♪ おまけに、伝える手段はスマホ。

     

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会えない代わりに、彼女は毎週、手紙を送る。ある時、手紙の中に小石が入ってた。小石=こいし=恋し→恋しい♡ 石は、遠距離を続ける「意志」「意思」の象徴でもあるし、心を癒す「医師」にもなる。

   

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おそらく、それ以降、彼は近くの川に出かけて、小石を拾ったり投げたりしてたらしい。会えなくなってから1年半ちょっと経った後で再会。遠距離恋愛の開始からだと3年目。彼女と一緒に川へ出かけて、石で水切りの新記録8回達成。めでたし、めでたし♪

   

エッ、それだけ?・・と言いたくなるかも知れない。でも、携帯やLINEとかですぐつながろうとする現代、手紙と小石を使うというのは斬新な恋の形♪ そもそも、ストーリーと同じかそれ以上に、絵を楽しむ作品なのだ。ここでは著作権に配慮して、画像は最小限の小さな引用に留めてあるので、念のため。

   

   

      ☆     ☆     ☆

コロナと遠距離恋愛を扱った第1話に続いて、第2話「この星の上」は、シングルマザーと淡い恋愛。友達以上、恋人未満(死語?♪)。

      

冒頭、ママ(楓:かえで)が聞く。どんな色が好き? 娘(鈴)が答える。青! よく見ると、母と子の服装や持ち物に、青色が使われてる。この青は、ママの思い出の中で、天文部で見上げた夜空のイメージと重なってる。

       

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医師だった夫と別れた後、楓(かえで:ママ)は病院を辞めて、介護士の仕事に追われる。大変なシングルマザーを陰でそっと見守るのが、天文部の同級生、裕介。娘の具合が悪い時にも、さりげなく電話をかけてくれた。

  

実は裕介は、楓にとって、「卒業写真のあのひと」。ここでのBGMはもちろん、ユーミンの名曲『卒業写真』♪ お互い、ほのかな思いを持ってたのに、もう一歩、歩み寄ることが出来なかった。

  

   

      ☆     ☆     ☆

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昔、2人で夜空を見上げた時、彼は何か言いかけた。「あの星の下のボクたち この星の上のボクたち」。無限に広がる宇宙の中で、今この瞬間、地球という青い星の上で2人でいるのは、まさに奇跡。

  

だから、彼は実はこう続けたかった。「ずっと一緒にいさせて下さい」。もし、言ってれば、あと半歩は接近できたはず。でも、未婚の彼とシングルマザーの彼女は、微妙な友達関係を続けるのであった。めでたし・・ってこともないか♪

   

昭和的には、頑張れ!、男なら行け!、とか言いたくなる所だけど、令和では、多様な関係性の1つとして尊重されるのであった。いまの仲が壊れてしまうのは怖いから、このままでもいいかな・・とか。

   

ちなみに私も、高校の卒業直前までは、ほとんど何も行動できなかった。せいぜい、同じクラスの女の子と通学路で自転車2人乗りして、ときめく程度のお子様(笑)。その後はフツーか、わりとアクティブな方かな。。♪

   

    

      ☆     ☆     ☆

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第3話「タンデム・ヴィーナス」は、私も好きな、バイク(オートバイ)のお話。タンデムとは2人乗りのこと。ただし、言葉は出てないけど、L(レズビアン、女性同性愛)とノーマル男性の3角関係。

     

ボク(祥伍)は偶然、お気に入りの女性の後輩・菜月がバイクの2人乗りをする姿を見かける。前で運転するのは誰? 髪が長い。 エッ、美人上司の時任課長! まさか。。

  

真っ赤なスポーツバイクは、私の400ccバイク(カワサキ)にちょっと似てる♪ レザーパンツ、1万円くらいで買ったけど、ゴワゴワするし、本格的すぎるから、一度も履いてない。女性ライダーが上下のつなぎでピチッと決めてるのは好きかも。ちょっと、ボンデージ的でフェティッシュ(笑)

      

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上司はやがて、西へと転勤。お別れの握手の時、女上司は、職場の後輩・菜月をよろしくとメッセージ。その後、相手を明かさずに恋愛相談して来た菜月に対して、ボクはアドバイス。「行くしかない。ボクの占いだと、方角は西だ」。菜月はその言葉通り、西へと笑顔で去って行った。オレンジ色の夕陽に浮かぶシルエットが美しい。

   

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そして、1人残されたボクは、バイクの免許を取って、初心者ライダーになった。素敵な上司の面影を追うように。いつか、他の女の子とタンデムできますように。あるいは、こっちに帰って来た上司とツーリングとか、夢見つつ。。

     

私はバイクの免許を取った後、すぐに女の子とタンデムでツーリングしてる。超初心者がいきなり2人乗りで信州へ、しかもバイクは小さめの250ccだから不安定。かなり危ないから、いま考えると論外 (^^ゞ 良い子も良い大人も、真似しないように。青春はやっぱ、青いと♪

    

そのコはしばらく前まで、遠くにいたことが分かってるけど、その後は不明。名字が変わってるかな、Kちゃん。・・・おっと、余計なことまで書いちゃったから、直ちに削除(実話・・笑)。あぶない、あぶない。。

      

    

     ☆     ☆     ☆

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時間が無くなったから、後は簡単に。第4話「ジェントル・レイン」は、親が離婚した後の、娘の結婚のお話。ただし、年齢差が大きい、年の差婚。

   

娘・花連(カレン)は、離れ離れになった父が好きだったジェシィズ・バーに、年配の男性を連れてやって来る。マスター(ジェシィ)経由で、父・健(タケシ)に結婚式の招待状を渡して欲しいと。外には雨。

        

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マスターは快く了解。2人が帰った後、新聞を読んでる(フリをしてた)男性が、新聞を下に降ろす。父だった。よく見ると確かに、2つ上の画像の左上にも、新聞を読んでる男性が描かれてる。

     

この後、「ジェントル・レイン」(優しい雨)みたいな涙を流すということか。父とマスターと2人で。ピアノを弾きながら。天井からは、わたせが好きなフライファン(大型扇風機)の優しい風♪

    

この後、父が出席するのかどうかは分からない。娘の結婚相手は、父に似てた。それをチラッと確認できただけでもう、十分かも。母の再婚後の「新しいお義父さんに気を遣ってね」。名曲「Gentle Rain」の歌詞とメロディを考えても、やっぱり出席はせず、バーでマスターと過ごすとか。。

   

   

      ☆     ☆     ☆

最後、第5話「見返り美人」。菱川師宣の代表作とされる浮世絵で有名だし、昭和の切手ブームの代名詞でもある(古っ・・)。

      

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コロナ禍のリモートも一段落。グループ会社の研修会で再会した女性・静華(しずか)が、壮大な富士山をバックにして振り返った瞬間、ボクは恋に落ちる。

     

告白したけど、好きな人がいるから、1年後にまた、とのこと。友人の情報では、どうも相手は女性らしい。なぜか女性同性愛が2つで、ゲイ(男性同性愛)の話はなし。やっぱり、原作者が女性好きの男性だからか♪

    

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彼女はその後、転職してしまったから、ボクの恋は完全に終了・・と思ったら、1年後に彼女の方から会いに来てくれた。前にプレゼントした「真珠のピアス」(これもユーミン♪)を付けて、富士山をバックに。女性に失恋して髪を切ったからか、ショートヘアから耳が見えた。「B」、バイセクシャルの例か。

     

後は、振り返って微笑んでくれれば、恋の始まり。。♡ なぜ富士山なのかがよく分からないけど、日本の象徴で、麓の辺りが研修とか合宿に使われるからか。日本一の山は、会社が目指す世界一の象徴でもある。

  

   

     ☆     ☆     ☆

私もたぶん、富士山あたりには10回くらい行ってるはず。女の子と行ったのは2回かな? あっ、3回か。富士山に行った時の私の写真を見たのがキッカケで、バイクのタンデムその他でデートした女の子もいた(笑)。自慢か!

       

いや、記憶の片隅に埋もれてた事実を思い出したもんで♪ 富士山にもバイクで行ってる。電話だと何時間でも喋るのに、直接会うと無口で戸惑った (^^ゞ そうそう、そのコが他のコを私に紹介してくれて、渋谷で映画見たら、このコが感動で号泣ししたんだった。友人Tのお勧め映画、『M』。次々に思い出して来たから、もう止めとこ♪

      

とにかく、原作者のわたせは、まだ創作意欲も十分あるみたいだから、続編アニメや新作マンガにも期待しよう。それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

      (計 4432字

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亀梨お気に入りの80年代カラーコミック『ハートカクテル』と、名作「思い出ワンクッション」(Eテレ『スイッチ インタビュー』)

(☆3日後の追記: 新作アニメ『ハートカクテル カラフル』のレビューを新たにアップした。

 『ハートカクテル カラフル』全5話、軽~いレビュー )

   

  

     ☆     ☆     ☆

先週、NHKで放送延期になった時にたまたま知ったアニメ番組、『ハートカクテル』。亀梨和也が声優を務めるということで、昨日の夜のEテレではPR番組が放送された。前の週に続くエピソード2だけど、私はエピソード1は気付かなかった。2話とも、去年の番組の再放送。

    

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これまた全く知らなかった、『スイッチ インタビュー』。インタビュアーが固定されてなくて、色々な有名人の間でスイッチ(交代)されるというのが基本的に意味らしい。

    

ただ、今回の番組と英単語 switch の意味から考えると、インタビュアーとインタビューされる人との役割の交替も意味してるのだと思う。上の画面では、礼儀正しい亀梨が深々と挨拶♪

     

   

     ☆     ☆     ☆

基本的には、亀梨が原作者・わたせせいぞうにインタビューする形だけど、その中で、亀梨の思いもかなり表現されてた。個人的に原作コミックがお気に入りみたいで、仕事が忙しくて大変だった頃、先輩俳優の北村一輝から紹介されたらしい。ピッタシのアドバイスで、いいね。

       

今、2人の共演を検索すると、すぐにヒットしたのは2011年のテレビドラマ『妖怪人間ベム』。なるほど。懐かしい。。♪

   

私事だけど、あの頃はまだSNSが流行ってなくて、個人ブログにも需要がかあったから、ウチのレビューにも大勢の読者が集まってたのだ(過去形・・笑)。特に第1話のレビューはヒット。掲示板や東アジア(韓国・台湾・中国)のブログで褒めてくれてるのを見た時は嬉しかった。当時は、アジアのファンとのやり取りまで時々あったのだ。

     

一方、ウチのブログ内で「ハートカクテル」を検索してみたら、2つの記事がヒット。先週の一言つぶやきと、11年前の山下智久『ルート66』レビュー♪ これまた懐かしいね。

   

ここで山Pが出るのは偶然ではない。私が17年半前にブログを始めて、最初に本格的に連載したレビューが『野ブタ』だから、修二と彰は特別扱いなのだ。野ブタだけでも、数年前の再放送でわざわざ新たにレビューし直したほど。

   

   

      ☆     ☆     ☆

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話を『ハートカクテル』に戻そう。番組では冒頭、「心優しい大人のラブストーリー」とまとめてた。題名をそのまま読むと、ハート(心)のカクテル。カクテルというのは、数あるお酒の中で、3つの特徴を持ってる。

    

まず、色がキレイ。次に、量が少なくてショートのものが象徴的。マティーニもそうだし、絵文字で使われがちなのもショートカクテル。そして、男性よりも女性が好むようなイメージがある。

   

これら3つの特徴を備えてるのが、カラフルで短い4ページのコミック、『ハートカクテル』。元々は男性誌『モーニング』の連載だけど、今、検索してみたら、コミック・シーモアだと、新しい傑作集の分類が「女性マンガ」になってて驚いた。ちなみに、電子書籍の無料試し読みも可能♪ 登録も不要。

    

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主人公もほとんど男性だし、実際に読むのはたぶん、7割以上が男性だと思うけど、確認はしてない。リバイバルの展示会やイベントの客層はまた別の話。上は書店の企画コーナーか。78歳の大ベテランだけに、作品がズラッと並んでる。表紙のイラストを見渡すだけでも楽しい♪

    

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番組のインタビュー(の半分?)が行われた、わたせせいぞうギャラリー白金台を訪れる客にも、かなりの女性がいるのかも。オシャレだし、無料だし、私も行ってみようかな。で、うっかり数万円の版画を買ってしまうとか♪

  

実は昔、ちょっとしたアルバイトで白金台あたりに行ってたのだ。自転車で荒川や湾岸に行った後の帰り道の1つにもなってる。ということは、私は現地在住のシロガネーゼ(死語♪)ではない(笑)。男だろ! 古っ。。

      

   

      ☆     ☆     ☆

こんな感じで30分の番組全体について感想を書いてたら、すぐ5000字くらいになってしまうから、焦点を絞ろう。数ある作品の中から、亀梨がお気に入りとして挙げたストーリー、「思い出クッション」。

  

実はこれ、例のシーモアのサイトで無料で読めてしまった♪ かなり新しい傑作集『ハートカクテル ルネサンス』の最初の辺りに掲載されてるから、お試しの範囲なのだ。といっても、テレビ番組の中だけで7割~8割は紹介されてた。

  

以下、私の軽いレビューはネタバレになるので、原作を自分で読みたい方はあちらへどうぞ。以下、縮小引用してるのは、テレビ画面の静止画キャプチャー。本からの直接の引用は避けた。

    

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もし、もし 仮にョ、別れちゃった後 町で出会ったら どうする?

もちろん 知らない顔ですれ違うだけサ 君は?

そうネ じゃァ 私も そうするワ

    

hotな時期のカノジョの軽いジョークが、現実になってしまった。青い空と海、白い雲。わたせワールドの主役♪ 車がよく出るのは、アメコミ(アメリカのカラフルな漫画)の影響もあるはず。もともと自宅のわりと近くに、米軍の駐留基地があったらしい。

   

別れちゃった2人は、ファミレスみたいなレストランで偶然、再会する。まぶしいくらい美しくなってた彼女は、陽当たりのいいコーナーで、新しい彼氏と仲良く。「ボク」は1人で暗い席に座って、英字新聞と英和辞典♪ 光と影、キレイな対比=コントラスト。

   

彼女も当然、ボクに気付いてるはずなのに、全くこっちを見ない。ボクも無理して英字新聞を読もうとするけど、頭に入らず♪  ここまでの展開が、四コマ漫画の基本なら、起承転結の起と承。

    

    

      ☆     ☆     ☆

ここで、起承転結の「転」が起きる。彼女の新しい彼氏が精算に行ったから、彼女は1人でお化粧直し。

   

そういえばボクは彼女に、ハート型のコンパクト(小型ミラー)をプレゼントしたんだった。あれを使ってくれてるのかな? 気になって仕方ないから、新聞を広げて視界を無理やりさえぎるボク。すると。。

   

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春の陽射しが鏡にワンクッション。ボクが広げた新聞(ニューヨーク・タイムズ)を照らす。すると、ボクの目には、新聞に映ったハート型の光が見えたはずだけど、絵には直接、描かれてない。その代わりに、ボクは思い出した。「カノジョがいたずら好きだったことを」♪

   

彼女のクリーム・イエローのジャケットが、水色のスカーフと合ってて、綺麗だね。ボクの服装も爽やかなのだ。おそらく、彼女のスカーフと合わせた水色のスーツを着てて、淡いパープルのネクタイにはイエローの柄も入ってる。

  

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イエローと水色。彼女とボクの服装の色を合わせてるのは、意図的ではなく無意識かも知れないけど、単なる偶然とも思えないのだ。

  

   

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ラストの1コマで、起承転結の「結」。ボクが新聞をおろして、右目をつむって彼女(の鏡)にウインク♪ 絵では、その目の辺りにハート型の光が重ねられてた。最後の可愛いオチだからこそ、ここでは引用しないけど、テレビでは映ってた。NHKプラスの動画でも見れるはず。

    

ボクのウインクは、彼女の鏡にワンクッションして、彼女の目に届いてるはず。途中にワンクッション、跳ね返りがある再会なのだ。光の屈折もあるし、直接的には目を合わせないという意味でも屈折した再会になってる。

   

ちなみに、日本語でクッションというと、跳ね返りという意味もあるけど、英語の cushion にはその意味は(ほとんど)無い。英語だと、何かに当たる衝撃をやわらげるもの(座布団とか)を指すのが普通。

   

ここでの「ワンクッション」にも、偶然の再会の衝撃を和らげる意味がある。たぶん、彼女は最後までボクを見ないはず。直接的には。

     

でもそれは、昔のボクとの約束を守ることでもある。もともと、ボクの方が「知らない顔ですれ違うだけ」と言ったわけで、それが今のボクに跳ね返った形にもなってる。

  

というわけで、「ワンクッション」には何重もの意味が重ねられてるのだ・・・というような独自の解説や理屈は、軽くて短いSNS時代には流行らないのであった(笑)

    

   

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元々、わたせの頭には、鏡を使ってチラチラさせるイタズラがあったようで、ストーリーは一瞬で思いついたらしい。亀梨もそのイタズラには心当たりがあるようで、はいはいって感じで笑ってた。

  

私も小学校時代にやった記憶があるけど、確か、先生に怒られたような気がする。どうしても、友達の目に当てたくなるから、学校や親から注意されるのは当然だろう。まあ、最近の一部マニアが悪用してる、レーザーポインターに比べれば、鏡なんてカワイイものだけど。

   

なお、亀梨は、ユーミンや山下達郎の曲を聴きながらハートカクテルを読んでるらしい。ユーミンの地味な名曲の1つに、『よそゆき顔で』という曲がある。これも、別れた後の微妙な遭遇をめぐって、揺れる女心を語る歌詞。

    

「よそゆき顔で すれちがったら すきなだけ笑って」。歌詞、松任谷由実。私はまだ、偶然会った時にどんな顔をすればいいのか分からないけど、よそゆき顔で吹っ切りたいのに、吹っ切れないのだ。あなたは知らないだろうけど。「you never know」。その点、「思い出クッション」の彼女のすれ違い方は絶妙♪

     

というわけで、日付変わって今夜放送される『ハートカクテル』も見る予定。78歳の大御所の若さに驚きつつ、それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

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