わたせせいぞう新作アニメ『ハートカクテル カラフル』全5話、軽~いレビュー(声優・亀梨和也&満島ひかり、NHK)

80年代にヒットした、カラフルなショート・コミック、『ハートカクテル』。静かなリバイバル・ブームが続いてるようで、78歳になった原作者・わたせせいぞうもかなりお元気そうに見える。

  

先日、2023年3月27日から28日にかけて、NHKで新作アニメが公開されたので、軽くまとめてレビューしとこう。もちろん、マニアックな解釈・分析も織り交ぜて♪ 5分×5本で合計25分だけど、CMは無いし、密度は濃い。

     

どのように作ってるのか分からないけど、わたせが原作マンガを書いて、アニメーションのスタッフ・山本淳史がCGでアニメ化したということか。おそらく今現在、イラスト(静止画)の一部を動かすくらいは簡単なんだろうと思う。

   

実際、例えば第1話のラスト、川で石を投げて「水切り」遊びをするシーンでは、ほぼ同じ絵柄の中、水紋の数が増えて行くと共に、小鳥の位置が左に移動してる。そして最後、小石、水紋、小鳥の位置が1点に収束してるのだ(細かっ・・♪)。偶然ではないはず。

  

なお、男性役の声優・亀梨和也とわたせの「スイッチ・インタビュー」(2回のトークで聞き手と主役が入れ替わる形式)については、先日すでに記事をアップしてある。原作の中で亀梨お気に入りのエピソード、「思い出クッション」のレビューも加えて。

     

  

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以下、ネタバレになるので、ご注意あれ。今日(3月31日)の時点ではまだ、NHKプラスの動画配信で視聴可能。

     

アニメのタイトルに「カラフル」という言葉が入ってるのを見て、すぐ思い出したのが、一昨年の紅白歌合戦。テーマがカラフルで、要するに、多様性とか少数者(LGBTQ、障がい者など)の尊重を前面に押し出してた。

   

ハートカクテルの新作をその路線で作るのかな?、と思ってたら、本当にそうだった。ただし、あくまで柔らかく優しいストーリーと絵で表現してある。主張やメッセージ、倫理観などを、強く押し出しるわけではない。

    

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青い空、白い雲、エメラルドグリーンの海。わたせ的、米国西海岸的なオープニング画像だけど、すぐ気付くのは、「フル」のロゴがカラフルな色使いになってること。その右上には、レインボー(虹)が控えめにかかってる。

   

上のタイトル画面から本編へと切り替わる時にも、淡い虹色のようなグラデーションが使われてた。まあ、そんな配慮をしなくても、わたせのイラストはもともと非常にカラフルではある。漫画というより、イラストの連作を詩でつないだような作品。

    

   

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第1話のタイトルは、「ストーン・レター」。変な題名だけど、要するに、ストーン=小石=恋し♪ ということは、ストーン・レターとは、「恋文」、「ラブレター」の言い換えなのだ。

   

新聞記者の彼(慎二)が転勤になって、看護師の彼女(エミ)と遠距離恋愛を開始。ルール1、緊急時以外はメール・電話禁止。ルール2。月に1回、交互に会いに行く。ところが、コロナで会えなくなってしまった。昭和のヒット作に、令和のコロナが登場♪ おまけに、伝える手段はスマホ。

     

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会えない代わりに、彼女は毎週、手紙を送る。ある時、手紙の中に小石が入ってた。小石=こいし=恋し→恋しい♡ 石は、遠距離を続ける「意志」「意思」の象徴でもあるし、心を癒す「医師」にもなる。

   

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おそらく、それ以降、彼は近くの川に出かけて、小石を拾ったり投げたりしてたらしい。会えなくなってから1年半ちょっと経った後で再会。遠距離恋愛の開始からだと3年目。彼女と一緒に川へ出かけて、石で水切りの新記録8回達成。めでたし、めでたし♪

   

エッ、それだけ?・・と言いたくなるかも知れない。でも、携帯やLINEとかですぐつながろうとする現代、手紙と小石を使うというのは斬新な恋の形♪ そもそも、ストーリーと同じかそれ以上に、絵を楽しむ作品なのだ。ここでは著作権に配慮して、画像は最小限の小さな引用に留めてあるので、念のため。

   

   

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コロナと遠距離恋愛を扱った第1話に続いて、第2話「この星の上」は、シングルマザーと淡い恋愛。友達以上、恋人未満(死語?♪)。

      

冒頭、ママ(楓:かえで)が聞く。どんな色が好き? 娘(鈴)が答える。青! よく見ると、母と子の服装や持ち物に、青色が使われてる。この青は、ママの思い出の中で、天文部で見上げた夜空のイメージと重なってる。

       

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医師だった夫と別れた後、楓(かえで:ママ)は病院を辞めて、介護士の仕事に追われる。大変なシングルマザーを陰でそっと見守るのが、天文部の同級生、裕介。娘の具合が悪い時にも、さりげなく電話をかけてくれた。

  

実は裕介は、楓にとって、「卒業写真のあのひと」。ここでのBGMはもちろん、ユーミンの名曲『卒業写真』♪ お互い、ほのかな思いを持ってたのに、もう一歩、歩み寄ることが出来なかった。

  

   

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昔、2人で夜空を見上げた時、彼は何か言いかけた。「あの星の下のボクたち この星の上のボクたち」。無限に広がる宇宙の中で、今この瞬間、地球という青い星の上で2人でいるのは、まさに奇跡。

  

だから、彼は実はこう続けたかった。「ずっと一緒にいさせて下さい」。もし、言ってれば、あと半歩は接近できたはず。でも、未婚の彼とシングルマザーの彼女は、微妙な友達関係を続けるのであった。めでたし・・ってこともないか♪

   

昭和的には、頑張れ!、男なら行け!、とか言いたくなる所だけど、令和では、多様な関係性の1つとして尊重されるのであった。いまの仲が壊れてしまうのは怖いから、このままでもいいかな・・とか。

   

ちなみに私も、高校の卒業直前までは、ほとんど何も行動できなかった。せいぜい、同じクラスの女の子と通学路で自転車2人乗りして、ときめく程度のお子様(笑)。その後はフツーか、わりとアクティブな方かな。。♪

   

    

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第3話「タンデム・ヴィーナス」は、私も好きな、バイク(オートバイ)のお話。タンデムとは2人乗りのこと。ただし、言葉は出てないけど、L(レズビアン、女性同性愛)とノーマル男性の3角関係。

     

ボク(祥伍)は偶然、お気に入りの女性の後輩・菜月がバイクの2人乗りをする姿を見かける。前で運転するのは誰? 髪が長い。 エッ、美人上司の時任課長! まさか。。

  

真っ赤なスポーツバイクは、私の400ccバイク(カワサキ)にちょっと似てる♪ レザーパンツ、1万円くらいで買ったけど、ゴワゴワするし、本格的すぎるから、一度も履いてない。女性ライダーが上下のつなぎでピチッと決めてるのは好きかも。ちょっと、ボンデージ的でフェティッシュ(笑)

      

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上司はやがて、西へと転勤。お別れの握手の時、女上司は、職場の後輩・菜月をよろしくとメッセージ。その後、相手を明かさずに恋愛相談して来た菜月に対して、ボクはアドバイス。「行くしかない。ボクの占いだと、方角は西だ」。菜月はその言葉通り、西へと笑顔で去って行った。オレンジ色の夕陽に浮かぶシルエットが美しい。

   

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そして、1人残されたボクは、バイクの免許を取って、初心者ライダーになった。素敵な上司の面影を追うように。いつか、他の女の子とタンデムできますように。あるいは、こっちに帰って来た上司とツーリングとか、夢見つつ。。

     

私はバイクの免許を取った後、すぐに女の子とタンデムでツーリングしてる。超初心者がいきなり2人乗りで信州へ、しかもバイクは小さめの250ccだから不安定。かなり危ないから、いま考えると論外 (^^ゞ 良い子も良い大人も、真似しないように。青春はやっぱ、青いと♪

    

そのコはしばらく前まで、遠くにいたことが分かってるけど、その後は不明。名字が変わってるかな、Kちゃん。・・・おっと、余計なことまで書いちゃったから、直ちに削除(実話・・笑)。あぶない、あぶない。。

      

    

     ☆     ☆     ☆

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時間が無くなったから、後は簡単に。第4話「ジェントル・レイン」は、親が離婚した後の、娘の結婚のお話。ただし、年齢差が大きい、年の差婚。

   

娘・花連(カレン)は、離れ離れになった父が好きだったジェシィズ・バーに、年配の男性を連れてやって来る。マスター(ジェシィ)経由で、父・健(タケシ)に結婚式の招待状を渡して欲しいと。外には雨。

        

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マスターは快く了解。2人が帰った後、新聞を読んでる(フリをしてた)男性が、新聞を下に降ろす。父だった。よく見ると確かに、2つ上の画像の左上にも、新聞を読んでる男性が描かれてる。

     

この後、「ジェントル・レイン」(優しい雨)みたいな涙を流すということか。父とマスターと2人で。ピアノを弾きながら。天井からは、わたせが好きなフライファン(大型扇風機)の優しい風♪

    

この後、父が出席するのかどうかは分からない。娘の結婚相手は、父に似てた。それをチラッと確認できただけでもう、十分かも。母の再婚後の「新しいお義父さんに気を遣ってね」。名曲「Gentle Rain」の歌詞とメロディを考えても、やっぱり出席はせず、バーでマスターと過ごすとか。。

   

   

      ☆     ☆     ☆

最後、第5話「見返り美人」。菱川師宣の代表作とされる浮世絵で有名だし、昭和の切手ブームの代名詞でもある(古っ・・)。

      

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コロナ禍のリモートも一段落。グループ会社の研修会で再会した女性・静華(しずか)が、壮大な富士山をバックにして振り返った瞬間、ボクは恋に落ちる。

     

告白したけど、好きな人がいるから、1年後にまた、とのこと。友人の情報では、どうも相手は女性らしい。なぜか女性同性愛が2つで、ゲイ(男性同性愛)の話はなし。やっぱり、原作者が女性好きの男性だからか♪

    

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彼女はその後、転職してしまったから、ボクの恋は完全に終了・・と思ったら、1年後に彼女の方から会いに来てくれた。前にプレゼントした「真珠のピアス」(これもユーミン♪)を付けて、富士山をバックに。女性に失恋して髪を切ったからか、ショートヘアから耳が見えた。「B」、バイセクシャルの例か。

     

後は、振り返って微笑んでくれれば、恋の始まり。。♡ なぜ富士山なのかがよく分からないけど、日本の象徴で、麓の辺りが研修とか合宿に使われるからか。日本一の山は、会社が目指す世界一の象徴でもある。

  

   

     ☆     ☆     ☆

私もたぶん、富士山あたりには10回くらい行ってるはず。女の子と行ったのは2回かな? あっ、3回か。富士山に行った時の私の写真を見たのがキッカケで、バイクのタンデムその他でデートした女の子もいた(笑)。自慢か!

       

いや、記憶の片隅に埋もれてた事実を思い出したもんで♪ 富士山にもバイクで行ってる。電話だと何時間でも喋るのに、直接会うと無口で戸惑った (^^ゞ そうそう、そのコが他のコを私に紹介してくれて、渋谷で映画見たら、このコが感動で号泣ししたんだった。友人Tのお勧め映画、『M』。次々に思い出して来たから、もう止めとこ♪

      

とにかく、原作者のわたせは、まだ創作意欲も十分あるみたいだから、続編アニメや新作マンガにも期待しよう。それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

      (計 4432字

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亀梨お気に入りの80年代カラーコミック『ハートカクテル』と、名作「思い出ワンクッション」(Eテレ『スイッチ インタビュー』)

(☆3日後の追記: 新作アニメ『ハートカクテル カラフル』のレビューを新たにアップした。

 『ハートカクテル カラフル』全5話、軽~いレビュー )

   

  

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先週、NHKで放送延期になった時にたまたま知ったアニメ番組、『ハートカクテル』。亀梨和也が声優を務めるということで、昨日の夜のEテレではPR番組が放送された。前の週に続くエピソード2だけど、私はエピソード1は気付かなかった。2話とも、去年の番組の再放送。

    

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これまた全く知らなかった、『スイッチ インタビュー』。インタビュアーが固定されてなくて、色々な有名人の間でスイッチ(交代)されるというのが基本的に意味らしい。

    

ただ、今回の番組と英単語 switch の意味から考えると、インタビュアーとインタビューされる人との役割の交替も意味してるのだと思う。上の画面では、礼儀正しい亀梨が深々と挨拶♪

     

   

     ☆     ☆     ☆

基本的には、亀梨が原作者・わたせせいぞうにインタビューする形だけど、その中で、亀梨の思いもかなり表現されてた。個人的に原作コミックがお気に入りみたいで、仕事が忙しくて大変だった頃、先輩俳優の北村一輝から紹介されたらしい。ピッタシのアドバイスで、いいね。

       

今、2人の共演を検索すると、すぐにヒットしたのは2011年のテレビドラマ『妖怪人間ベム』。なるほど。懐かしい。。♪

   

私事だけど、あの頃はまだSNSが流行ってなくて、個人ブログにも需要がかあったから、ウチのレビューにも大勢の読者が集まってたのだ(過去形・・笑)。特に第1話のレビューはヒット。掲示板や東アジア(韓国・台湾・中国)のブログで褒めてくれてるのを見た時は嬉しかった。当時は、アジアのファンとのやり取りまで時々あったのだ。

     

一方、ウチのブログ内で「ハートカクテル」を検索してみたら、2つの記事がヒット。先週の一言つぶやきと、11年前の山下智久『ルート66』レビュー♪ これまた懐かしいね。

   

ここで山Pが出るのは偶然ではない。私が17年半前にブログを始めて、最初に本格的に連載したレビューが『野ブタ』だから、修二と彰は特別扱いなのだ。野ブタだけでも、数年前の再放送でわざわざ新たにレビューし直したほど。

   

   

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話を『ハートカクテル』に戻そう。番組では冒頭、「心優しい大人のラブストーリー」とまとめてた。題名をそのまま読むと、ハート(心)のカクテル。カクテルというのは、数あるお酒の中で、3つの特徴を持ってる。

    

まず、色がキレイ。次に、量が少なくてショートのものが象徴的。マティーニもそうだし、絵文字で使われがちなのもショートカクテル。そして、男性よりも女性が好むようなイメージがある。

   

これら3つの特徴を備えてるのが、カラフルで短い4ページのコミック、『ハートカクテル』。元々は男性誌『モーニング』の連載だけど、今、検索してみたら、コミック・シーモアだと、新しい傑作集の分類が「女性マンガ」になってて驚いた。ちなみに、電子書籍の無料試し読みも可能♪ 登録も不要。

    

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主人公もほとんど男性だし、実際に読むのはたぶん、7割以上が男性だと思うけど、確認はしてない。リバイバルの展示会やイベントの客層はまた別の話。上は書店の企画コーナーか。78歳の大ベテランだけに、作品がズラッと並んでる。表紙のイラストを見渡すだけでも楽しい♪

    

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番組のインタビュー(の半分?)が行われた、わたせせいぞうギャラリー白金台を訪れる客にも、かなりの女性がいるのかも。オシャレだし、無料だし、私も行ってみようかな。で、うっかり数万円の版画を買ってしまうとか♪

  

実は昔、ちょっとしたアルバイトで白金台あたりに行ってたのだ。自転車で荒川や湾岸に行った後の帰り道の1つにもなってる。ということは、私は現地在住のシロガネーゼ(死語♪)ではない(笑)。男だろ! 古っ。。

      

   

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こんな感じで30分の番組全体について感想を書いてたら、すぐ5000字くらいになってしまうから、焦点を絞ろう。数ある作品の中から、亀梨がお気に入りとして挙げたストーリー、「思い出クッション」。

  

実はこれ、例のシーモアのサイトで無料で読めてしまった♪ かなり新しい傑作集『ハートカクテル ルネサンス』の最初の辺りに掲載されてるから、お試しの範囲なのだ。といっても、テレビ番組の中だけで7割~8割は紹介されてた。

  

以下、私の軽いレビューはネタバレになるので、原作を自分で読みたい方はあちらへどうぞ。以下、縮小引用してるのは、テレビ画面の静止画キャプチャー。本からの直接の引用は避けた。

    

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もし、もし 仮にョ、別れちゃった後 町で出会ったら どうする?

もちろん 知らない顔ですれ違うだけサ 君は?

そうネ じゃァ 私も そうするワ

    

hotな時期のカノジョの軽いジョークが、現実になってしまった。青い空と海、白い雲。わたせワールドの主役♪ 車がよく出るのは、アメコミ(アメリカのカラフルな漫画)の影響もあるはず。もともと自宅のわりと近くに、米軍の駐留基地があったらしい。

   

別れちゃった2人は、ファミレスみたいなレストランで偶然、再会する。まぶしいくらい美しくなってた彼女は、陽当たりのいいコーナーで、新しい彼氏と仲良く。「ボク」は1人で暗い席に座って、英字新聞と英和辞典♪ 光と影、キレイな対比=コントラスト。

   

彼女も当然、ボクに気付いてるはずなのに、全くこっちを見ない。ボクも無理して英字新聞を読もうとするけど、頭に入らず♪  ここまでの展開が、四コマ漫画の基本なら、起承転結の起と承。

    

    

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ここで、起承転結の「転」が起きる。彼女の新しい彼氏が精算に行ったから、彼女は1人でお化粧直し。

   

そういえばボクは彼女に、ハート型のコンパクト(小型ミラー)をプレゼントしたんだった。あれを使ってくれてるのかな? 気になって仕方ないから、新聞を広げて視界を無理やりさえぎるボク。すると。。

   

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春の陽射しが鏡にワンクッション。ボクが広げた新聞(ニューヨーク・タイムズ)を照らす。すると、ボクの目には、新聞に映ったハート型の光が見えたはずだけど、絵には直接、描かれてない。その代わりに、ボクは思い出した。「カノジョがいたずら好きだったことを」♪

   

彼女のクリーム・イエローのジャケットが、水色のスカーフと合ってて、綺麗だね。ボクの服装も爽やかなのだ。おそらく、彼女のスカーフと合わせた水色のスーツを着てて、淡いパープルのネクタイにはイエローの柄も入ってる。

  

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イエローと水色。彼女とボクの服装の色を合わせてるのは、意図的ではなく無意識かも知れないけど、単なる偶然とも思えないのだ。

  

   

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ラストの1コマで、起承転結の「結」。ボクが新聞をおろして、右目をつむって彼女(の鏡)にウインク♪ 絵では、その目の辺りにハート型の光が重ねられてた。最後の可愛いオチだからこそ、ここでは引用しないけど、テレビでは映ってた。NHKプラスの動画でも見れるはず。

    

ボクのウインクは、彼女の鏡にワンクッションして、彼女の目に届いてるはず。途中にワンクッション、跳ね返りがある再会なのだ。光の屈折もあるし、直接的には目を合わせないという意味でも屈折した再会になってる。

   

ちなみに、日本語でクッションというと、跳ね返りという意味もあるけど、英語の cushion にはその意味は(ほとんど)無い。英語だと、何かに当たる衝撃をやわらげるもの(座布団とか)を指すのが普通。

   

ここでの「ワンクッション」にも、偶然の再会の衝撃を和らげる意味がある。たぶん、彼女は最後までボクを見ないはず。直接的には。

     

でもそれは、昔のボクとの約束を守ることでもある。もともと、ボクの方が「知らない顔ですれ違うだけ」と言ったわけで、それが今のボクに跳ね返った形にもなってる。

  

というわけで、「ワンクッション」には何重もの意味が重ねられてるのだ・・・というような独自の解説や理屈は、軽くて短いSNS時代には流行らないのであった(笑)

    

   

       ☆     ☆     ☆

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元々、わたせの頭には、鏡を使ってチラチラさせるイタズラがあったようで、ストーリーは一瞬で思いついたらしい。亀梨もそのイタズラには心当たりがあるようで、はいはいって感じで笑ってた。

  

私も小学校時代にやった記憶があるけど、確か、先生に怒られたような気がする。どうしても、友達の目に当てたくなるから、学校や親から注意されるのは当然だろう。まあ、最近の一部マニアが悪用してる、レーザーポインターに比べれば、鏡なんてカワイイものだけど。

   

なお、亀梨は、ユーミンや山下達郎の曲を聴きながらハートカクテルを読んでるらしい。ユーミンの地味な名曲の1つに、『よそゆき顔で』という曲がある。これも、別れた後の微妙な遭遇をめぐって、揺れる女心を語る歌詞。

    

「よそゆき顔で すれちがったら すきなだけ笑って」。歌詞、松任谷由実。私はまだ、偶然会った時にどんな顔をすればいいのか分からないけど、よそゆき顔で吹っ切りたいのに、吹っ切れないのだ。あなたは知らないだろうけど。「you never know」。その点、「思い出クッション」の彼女のすれ違い方は絶妙♪

     

というわけで、日付変わって今夜放送される『ハートカクテル』も見る予定。78歳の大御所の若さに驚きつつ、それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

      (計 3780字)

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60周年を迎えた日本初の深夜アニメ『仙人部落』(エイケン、1963年)、映像も脚本も完成度が高い大人向けコメディ♪

先日、今年(2023年)1月の朝日新聞を片付けながらチラ見してたら、「日本初の深夜アニメをYouTubeで」という見出しが目に留まった。1月22日の朝刊。

  

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小島功による原作は、1956年から2014年まで長期連載された4コマ漫画。それをCM制作会社のTCJ(現在のエイケン)が各話15分のモノクロ(白黒)テレビアニメにして、当初は深夜23時40分から放送。

    

今年は60周年だから、youTubeで少しずつ期間限定公開してくれてるらしい。エイケン公式チャンネルを参照。アニメは全23話で、DVDも販売されてた。

  

    

      ☆     ☆     ☆

60年前に深夜アニメを見る大人がどれだけいたのか知らないけど、あまり期待せずにアクセス。予想より遥かに完成度が高くて驚いたので、遅まきながらレビュー記事にしとこう。ネタバレになるので、ご注意あれ。あらすじは最初から最後までまとめる。

    

映像作品の形がシンプルに隅々まで出来上がってるという意味では、現在の複雑なカラーアニメや映画より上だと思う。見事な完成度☆

   

ちなみに、小島功というと、日本酒の黄桜のCMや広告が昔から有名。公式サイトには特設ページまで作られてた。鳥獣戯画とか江戸の浮世絵みたいな独特の趣がある。子どもたちの描き方もカワイイ♪

   

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『仙人部落』の原作(4コマ漫画)の単行本(徳間書店)はこんな感じらしい。amazonより。やはり美女が中心なのかも♪ 裏表紙を見ると、若い仙人が主役ということか?

         

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私がじっくり拝見した第1話では、若い仙人は脇役というかチョイ役で、もっぱら年配の仙人がメインになってた。

    

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冒頭は巻物を開いていく形になってる。要するに、この物語全体が古い巻物に書かれてるお話だということ。古典的で神秘的、東洋的なBGMの合間に、若い女性の官能的な溜息が入る♪ これ、家族持ちの男性視聴者はイヤホンで聞いてたのか、それともテレビに毛布や布団をかけてたのか(笑)

      

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靄に覆われて、奇妙に鋭い山が並ぶ中、階段や建物が見える。登った所に「仙人部落」があるという設定か。

  

ちなみにこの山々の形はおそらく、中国の有名な景勝地・桂林(グイリン)を意識したものだと思う。下はJTBのサイトより。

   

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私がここを知ったのは、確か、新宿あたりの(?)絵画展だった気がする。感動して、画集まで買って、バイト先で友人I君に見せたら彼も「凄い!」と気に入ってくれて、貸すことになったほど。

    

そう言えば、展覧会の類にもしばらく行ってない (^^ゞ 仕事が忙しくなったし、スポーツとブログを始めたから、時間の余裕が無くなったのだ・・ということにしとこうか♪ それだけじゃないけど。。

   

   

      ☆     ☆     ☆

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第1話、「スタミナアンプルの巻」。少しも仙人っぽくないタイトル♪ 60年前に、アンプル剤とか栄養ドリンクはもう一般的だったのか。私も昔は飲んでたけど、その後、コカコーラがメインになって、今はコーヒーのカフェイン中毒。家の食料が無くなることはあっても、コーヒーが切れることはない(笑)

     

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美女(若い仙女?)が川か湖か池みたいな所の脇に座って、服を脱いで飛び込む。いわゆる、ツカミ♪ それを最初に見つけたのは、キジみたいな鳥だけど、仙人の化身だったのかも。仙人はみんな変身できるらしい。それなら、アンプル剤は要らないと思うけど(笑)

        

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それを見た太った仙人は、ちょびヒゲを生やした魚に変身してのぞき見しようとする。ところが、メガネを忘れて見えず♪ メガネを取りに岩の上へ帰って、また水の中に入ると、既に美女は水浴びを終えて服を着てしまった(笑)

   

   

      ☆     ☆     ☆

おまけにそこへ、若くてノリの軽いイケメンが登場。ラジオの音楽を聴きながら、美女とラブラブに。さらに、別の天女みたいな美女も加わる。仙人(せんにん)だから、3人(さんにん)だと♪ ダジャレか!

      

年配の仙人がその様子を見て、俺だって・・と言うから、3Pに加わろうと頑張るのかと思ったら、向かった先はキャバレーみたいな店♪ しかも、その場に全く溶け込めず、落ち込んで家に帰ると、「巨大な」妻に怒鳴られる。どこ行ってた? 浮気? 毎晩毎晩! いい年して飲み歩いてばかり!

   

小人になった仙人は、「男のプライドを傷つけ」られて、トボトボと林道へ。するといきなり、知らない男が現れて、怪しいお店に勧誘。急に浮かび出たダイヤル式電話をかけた後、地下にエレベーターで降りると、大勢の男女が「酒池肉林」状態。

   

ところが、仙人はすぐ酒に酔ったのか、それとも編集でカットされたのか、いきなり画面が切り替わって、俺はダメだな・・とか言いつつ、またトボトボ。すると、道端の花が美女に変わって、誘ってくる。抱き合って楽しもうとした途端、美女はすぐに老婆の姿に。老婆の胸まで透けて見える (^^ゞ

   

老婆の仙女が、冥途への土産にしたかったらしい。そのまま死んだのか、しおれた花になってしまった。花の命は短ぇなあ。。 っていうか、仙人も死ぬわけね。

   

       

     ☆     ☆     ☆ 

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このままではダメだと思った仙人は、老師を訪ねて、不老不死の薬の作り方を書いてる秘伝の書を授かる。ミキサーにヘビとか色々と入れて混ぜて、アンプル剤が完成。半分だけ飲めば、十分効くらしい。飲んだ途端に、画面には宇宙ロケット(笑)。当時から元気な男のメタファー、比喩だったと。

    

ちなみに初の宇宙ロケットは、1957年のスプートニク。初の有人宇宙飛行は1961年。いずれもロシアで、ライバルの米国もアポロ計画を急ぐことになった。

          

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半分飲めば十分効くらしい。不老不死だから、上から物が落ちて来ても、ピストル(短銃)でこめかみを打っても大丈夫。水中でクジラに飲み込まれても、潮吹きと共に脱出♪ 雷さまの電撃を受けてもビクともしない。

    

驚いた雷神が、美しい娘(?)を下界に送り込んで、ウインクの色仕掛けを試すと、不老不死の仙人も興奮しすぎたのか失神♪

   

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そこへ、残り半分のアンプル剤を飲んだ巨大な妻がやって来て、興奮しながら夫を抱っこして帰る。色々と家の仕事を命令してるけど、全部終わったら、夜は凄いことになりそう。。♡ 最後はキレイに、2人が画面の左端へと小さくなっていくのだ。周囲には何もなし。

   

     

      ☆     ☆     ☆

こうゆうシンプルなエンディングの形は、映画でもかなり珍しいかも(未確認)。古い映画だと結構あるのかな。西部劇『シェーン』(1953年)の最後とか♪ amazonのprime videoより。今後の研究課題としとこう。

     

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とにかく、良いアニメだなと素直に感心した。サザエさんもそうだけど、シンプルな絵というのはもっと評価されていい。また長くなって来たので、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

    

       (計 2728字)

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削除された菊池真理子のマンガ『「神様」のいる家で育ちました~宗教2世な私たち~』、全5話の感想

2022年7月8日、安倍晋三・元首相の銃撃殺人事件から、今日で6日目。裁判前でも「犯人」と言ってよいほど明らかな容疑者、山上徹也の動機・背景・理由に関する報道・情報が次々と公開されてる。

    

当初から、政治的信条によるものではなく、宗教団体への恨みや憎悪を安部元首相と結び付けたものだろうと言われてたが、マスメディアは宗教の名前を出してなかった。一部のネットメディアや個人が、団体名を出してただけだから、半信半疑の状態だった。

    

   

     ☆     ☆     ☆

ところが7月12日に、世界平和統一家庭連合(旧・統一教会)が記者会見。平成10年(1998年)ごろから今現在まで、容疑者の母親が信者であることを認めた。途中、10年近くは離れてたようだが、数年前からまた1ヶ月に1回ほど行事に参加してるとの事。

  

家庭の経済的破綻は把握していたそうだが、寄付との関連や金額などの詳細は語らず。今現在は、「高額な献金が要求されることはない」。

   

宗教団体と元首相の間に、直接の関係はないが、友好団体「UPF」(天宙平和連合)が主催する行事に元首相がメッセージを送ったことがあるようで、マスメディアもすぐに確認して報道。

   

さらに、容疑者は別の宗教的な(?)団体とも関連があって、そこが反安倍的な姿勢だったという報道も出てるが、その辺りについてはまだ、今後の情報を待つべきだろう。

   

   

      ☆     ☆     ☆

韓国系の統一教会という団体名がこれほど大きな話題になったのは久々だろうが、そこには名称変更の影響もあったのかも知れない。日本では2015年に、統一家庭連合へと改称。

    

その辺りをネットで調べてると、宗教と家庭の問題を扱うマンガが抗議で削除されたという情報が目に留まった。父がアルコール依存症、母が新興宗教信者だったという、菊池真理子のマンガ。『「神様」のいる家で育ちました~宗教2世な私たち~』。

    

集英社の「よみタイ」というサイトで、2021年9月から月1回の連載がスタート。ところが22年1月の第5回が公開された後、急に連載は中止。公開されてたマンガ5回分は全て削除となった。詳細については、著者も口止めされてるそうで、多くは語らない。

  

ただ、第5回の内容は明らかに、有名な教団を扱った内容だから、強い抗議が来たのだろう。それなら第5回だけ撤回すればよいと思うが、色々と複雑な大人の事情や思いがあるようだ。下は、FLASHの記事より。教団名はカットしておいた。

  

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     ☆     ☆     ☆

削除されたマンガは、ネット上のコンテンツなので、今でもいわゆる「魚拓」として、すべての情報が保存されてる。ほんの少し調べれば、直ちに無料で閲覧可能。あえてここにリンクは付けないが、怪しいサイトでもないし、登録も不要。

    

以下、私の個人的な感想を簡単に書いとこう。ネタバレになるので、ご注意あれ。

  

最初に、誤解を避けるために書いておくと、私は宗教との特別な関わりは全く持ってない。日本人によくある、単なる「葬式仏教」と関わる一般人だが、別に宗教を全体的に批判する立場でもないし、新興宗教の怪しさや問題点だけを強調したいわけでもない。

      

個人的に法事その他でお世話になってるお寺やご住職との関係も良好で、イメージは良い。お葬式を除けば、高額な献金みたいなものも無し。常識的なお布施を、お礼として定期的に渡すだけだ。

    

ただ、削除されてしまった宗教マンガを見ると、興味深い内容で絵も可愛かったので、ブロガーとして軽くまとめて感想を書くだけのこと。もちろん、そのマンガが描いた内容がどの程度、真実なのかも、注意が必要だろう。第三者的に確認できる客観的な根拠を挙げないまま、ネガティブな内容を中心としてるので。

   

  

      ☆     ☆     ☆

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21年9月22日の第1話は、「学校行事にイベント、恋愛……すべては『破滅への道』と禁じられた俺の15年間」。マンガの前に、「本作は、取材対象者ご自身の体験をもとに事実を再構成したものですが、人物名は全て仮名です」という注意書きがある。

  

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「生まれてまもない俺」が、「王国会館」で「証人たち」にのぞきこまれるシーンから始まる。これだけでもう、どの宗教かは特定されるが、あくまで名前は出してない。私も書かないことにしよう。

    

「禁止事項だらけで 娯楽ダメ 争いダメ 恋愛ダメ 輸血ダメ 誕生日も正月もクリスマスも祝っちゃダメ」。逆らうと、破滅という考えも刷り込まれてる。この宗派で有名な禁止事項は輸血で、何度もニュースになって来た。

      

母親が強固な信者だったから、幼い頃から布教活動や集会に連れ出されて、(因果関係はともかく)吃音にもなってしまったし、体罰(激しいお尻叩き)も経験。父親は信者ではなさそうだが、妻のやる事に反対はしてない。

   

中学2年でバプテスマ(洗礼)を受けたものの、15歳の時、宗教を止めると宣言。その後、独立して結婚もしたが、母親は自分の妻を勧誘して来たらしい。

  

最後に母親が妻に手渡す小冊子は、私も過去、合計5回くらいは受け取ってる。マンガだと、恐ろしい顔つきの女性として描かれてるが、実際に私が受け取った相手はどれも普通のおだやかな女性(1人か2人)で、しつこい勧誘も金銭の要求も全く無し。書かれてる内容も宗教としては普通。だから、別に擁護するわけではないが、個人的な印象は別に悪くない。

   

   

     ☆     ☆     ☆

10月28日の第2話は、「『手かざし』すれば薬は不要? 苦しみ続けた僕が選んだ生き方」。アトピー性皮膚炎や喘息で苦しんでるのに、薬を使えなくて悲惨だったという話だ。「御み霊」という言葉も出てるから、どの宗教か、ほぼ確定する。

  

これも、母親が熱心な信者で、流産が続いたのがキッカケとのこと。父親も一応、信者だが、医者なので薬の重要性はよく知ってる。迷いとストレスの蓄積が原因なのか、父はやがて「急性心不全」で突然死。自殺をほのめかすような描写になってた。

  

この教団の特徴の一つは、あまり厳しくないことで、男性が大学の「薬」学部に進むと話すとあっさり賛成♪ この辺りから、男性の疑問も広がってた。薬も使ってみると、よく効く。結局、宗教を止めると話した時も、母親はそれほど止めず、悲しい顔を見せただけ。

   

この教団については、かなり前にこのブログで遠回しに書いたはずだが、16年間も毎日書いて来たので、どこに書いたかまだ発見できてない。私のバイト先にこの教団の幹部と自称する人がいて、私も手かざしを受けてるし、その人の家に泊まったこともある。

  

手かざしは全く効果が無くて、1回か2回で終了したが、その人はちょっと淋しそうな顔をするだけ。しつこい勧誘も全くなし。もちろん、仕事は普通に真面目にやってたし、会話も通じるし、普通に感じのいい人だった。だから個人的には、この教団もあまり悪いイメージを持ってない。多少、変わってるなという程度の印象。

     

   

     ☆     ☆     ☆

続いて、11月24日の第3話は、「『お前はサタンだ!』 優しかった両親が豹変……恋愛すると家族全員が地獄に落ちると育てられた『神の子』」。

  

「真のお父様に配偶者を決めてもらい」、神の子が生まれる。芸能人の合同結婚式の話も出てるので、今話題の旧・統一教会だろう。今回は、両親ともに熱心な信者で、神の子である女性が男性とキスしたことがバレた途端、態度が豹変。

  

大学の学生相談室で「あなたはあなたの人生を生きなさい」とアドバイスされたが、一般論であって心に響かず。その後、同じ境遇で育って来て独立した弟から、似た話をされて、こちらは心に響いた。「重みと輝きは 灰とダイヤほど」。相談室のカウンセラーが気の毒になるが、その種のことはいくらでもある。同じ内容でも、話す人によって効果が激変するのだ。

   

私は統一教会そのものとは全く無縁だが、その関連団体みたいなものと1度だけ意図的に接触したことがある。若気の至りで、潜入捜査みたいな感覚だった。今回、それを多少細かく書こうかと迷ったが、とりあえず止めとこう。

     

ハッキリしてるのは、ここでも強い勧誘も金銭要求も全くなしで、宗教に関わる突っ込んだ話も「ほぼ」普通に出来たということ。文字通りの「冒険」みたいなものから生還した後は、何の関わりもない。

   

   

      ☆     ☆     ☆

12月22日の第4話は、「神様は信じてる、でも……厳格なプロテスタント一派の教えに感じた『違和感』」。普通のキリスト教の話だ。

  

女性は、バプテスマ(洗礼)も受けたけど、日曜の礼拝は大変だし、男尊女卑や同性愛否定の考えには違和感を抱く。そして、教会から遠ざかるが、今でも神様は信じてるし、また戻るかも知れない。

  

「子どもができたら神様のことはたぶん教えるだろう だけど信じなくたってかまわない 神様を信じるか どんなふうにつきあうか すべては自分が決めることだから」。

  

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これも、かなり前にこのブログで一言だけ書いた気がする。私も子どもの頃、一度か二度か、近所のキリスト教の集まりに参加したことがあるのだ。子どもたちが集まって、絵本か何かを見ながらお話を聞いて、軽食でくつろいで、おしまい。宗教的なカードみたいな物を見せられた気もするが、よく覚えてない。

    

狭くて暗めの部屋でちょっと妙な雰囲気はあったけど、怖いというほどでもないし、別に何かされたわけでもない。これまた、強い勧誘など一切なし。その後、仲間内で話題になることも無かった。

  

聖書は普通に興味深い書物だし、クリスマスは普通に好きだし、結婚式にも教会が使われる。悪い印象は持ってないというより、むしろ印象はいい。本気で信じる気はないにせよ。。

   

   

     ☆     ☆     ☆

そして最終回となってしまった、22年1月26日の第5話。「母の期待に応えたい……宗教高校一期生として過ごした女性の告白」。

  

スピリチュアル好きの母親が、例の教団の教祖の本にハマって、それが原因か(?)、両親は離婚。でも、シングルマザーの母は、仕事せずに3人の子育て。「母は美人だったんです」。当然、布教には有利で、お金も自然に入って来たらしい。

   

その後、娘は教団の高校に入学。宗教学園の栄えある一期生。閉鎖的な寮生活で、言われるままに東大を目指すものの失敗。他の大学に入ったものの、突然、不安定になって退学届。その後、教祖の長男による暴露も開始。友達はいない。

  

やがて睡眠薬か向精神薬かで自殺未遂。そこからは、周囲の人達がみんなで助けてくれて、生活保護も受給。27歳の今は母と連絡を絶ってる。

 

「なのに今も時々 全部終わりにしたくなるんですよ

 この先 いいことがあるなんて 信じられないんですよ」

  

履歴書の最終学歴その他、自分と教団との関係はどうしても周囲に分かってしまう。「ずっと変な目で見られる」。

  

これは、履歴書にウソを書く手もあるし、それが嫌なら、新たに別の高校の卒業を目指すことも出来なくはないはず。制度的には一応、可能らしい。通信制の私立とか、定時制の公立とかが狙い目か。他に、そのままで受け入れてくれる所を探すことも出来るし、中卒の履歴で通すことも不可能ではない。要するに、生きることは十分可能なのだ。

  

   

      ☆     ☆     ☆

ちなみに、あの教団については、私自身も含めて、周囲で話を聞いたことはない。たまに本の広告を見かけるとか、選挙関連で情報が目に入るとか。

    

それにしても、第5話に強く抗議が入ったらしいのは、女性本人の自殺と、教祖の長男の暴露がらみだったからだろうと思う。しかも、長男の主張は複数の裁判ともつながってるから、教団側も気になるはず。その他の第5話の内容は、それほどインパクトのある批判にはなってない。むしろ、第1話や第3話の方が強烈だった。

     

信者を一人取材しただけでは不十分という、集英社側の主張そのものは妥当だろう。それなら、もう少し取材した上で、あくまでほんの一例だという点を強調して、再び作品を世に問う手はあるはず。現役信者による反論・異論を併記するという、朝日新聞とかがよく使うやり方もある。

  

とにかく、世の中には宗教も信者も溢れてるわけだが、別にその関連での銃撃や殺人が溢れてるわけではない。その辺りは注意しつつ、適度に適切な関心は持ち続けたいと思ってる。

  

予想外に長くなってしまったので、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

   

   

P.S. 22年8月17日、このマンガが文芸春秋から出版されるという報道が出た(ねとらぼ)。連載中の原稿に加え、未発表作・描き下ろし計45ページを収録とのこと。

        

        (計 4932字)

  (追記79字 ; 合計5011字)

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ドラマ化決定!、人気漫画『正直不動産』1巻(無料試し読み♪)の感想と個人的な思い出

☆22年4月6日の追記: ドラマ第1話のレビュー新たにアップした。

 山P=山下智久、3年ぶりのドラマ主演はお仕事コメディ♪~NHK『正直不動産』第1話 )

   

  

     ☆     ☆     ☆

「正直」な話、面白かった! 44ページしか読んでないけど♪ 「正直ブロガーさん」で、いいね。私は別に、罰当たりなことをしてウソをつけなくなった訳じゃない。元々、本当の事しか言わないタイプの人間だから、今までの人生でかなり損して来たと思う。自己弁護か!

         

マジメな話、こんな事なら、最初からお金払って1巻全体を読んだ方が良かったかも (^^ゞ 無料で読もうと頑張って、時間と労力を大損してしまった。

  

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小学館、『正直不動産』。大谷アキラ、原案・夏原武、脚本・水野光博。最初の巻くらい、サービスで全て無料試し読みできるだろうと思ってあちこち探したけど、ハズレばっか。「ウソ」の無料情報でアクセスを稼いでるようなサイトもある。クリック10回くらい、損してしまった♪

    

最近は何でも値上がりしてるし、電子書籍のマンガも無料が減ってるのかな? 私の探し方が下手なのかも。と言っても、もちろん海賊版の違法サイトは論外。

   

   

      ☆     ☆     ☆

さて、珍しくマンガ記事を書くことにしたのはもちろん、ドラマ化のヒロイン・福原遥の子役時代(5歳)の写真が可愛かったから♪ アブナイわ! いやぁ、こんな可愛いコは・・・幼稚園にはいなかったと思う。全く覚えてないけど♪

      

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スポティファイのプレイリスト「キラキラポップ ジャパン」のカバー写真を、まんたんウェブが去年(2020年)紹介してた。試しに今(21年12月8日)、spotifyで検索してみたら、既にカバーは全く別の写真に変更済み。これはお宝写真かも♪

    

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で、マンガのヒロイン、新入社員・月下咲良(つきした・さくら)もちょっと可愛いのだ ♡ たぶん、あの若さと可愛さだけで契約を取れるはず♪ 私は正直だから、つい本当の事を言ってしまう。ルッキズム(外見主義)への批判が多少、一部で流行ったところで、外見の価値の大きさは全く変わらない。

   

     

     ☆     ☆     ☆

というわけで、主人公・永瀬財地(さいち)を演じる役者は、天下の美青年に決定したのであった。あの山P、山下智久。永瀬とは髪の分け方が逆だけど、ドラマだと合わせるのかも。

     

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この度、ドラマ正直不動産への出演に、お声がけいただけた事心より感謝致します」。このコメントだけでウルウルしてるファンもいるはず♪ オリコンの記事より

   

ジャニーズ事務所を退所して以来、日本のテレビにはなかなか出演できない状況が続いてたけど、さすがは国営放送NHK。よく思い切って主演に決定したもんだね。まあ、今さら脇役での起用も難しい。

  

ちなみに、先日は初の(?)写真集『CIRCLE』も発売になって、ファンの皆さんは嬉しい悲鳴かも。税込3000円弱の本を何冊か買わなきゃいけないから(笑)

  

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通常版はポストカード1枚が3種類あって、全部集めたければ3冊以上買うことになる。で、ハズレたらメルカリで転売とか♪ 3.5倍の値段の豪華版を1冊買えば、ポストカード3枚全て揃うのかな? 週刊プレイボーイの(薄い)別冊も発売。

    

まあ、私は一般男性だから関係ないけど、好きなアイドルの写真集やポスターを買い集めたことならあるかも♪ 誰? 乃木坂とか(笑)

   

   

     ☆     ☆     ☆

そんな事より、肝心の原作マンガ。私が見たサイトだと、どこも1巻の冒頭しか読めなかった。出版社との契約で44ページと決まってるのかな? 偶然か意図的か、ちょうどいい所で試し読みが終了♪

   

なぜか、各エピソードを第1話、第2話と書く代わりに、第1直、第2直と書いてる。そう言えば、表紙のタイトルも正直の「直」だけ赤色になってた。特別なこだわりがあるわけか。直角に♪ 算数か! いや、正直とか、真っ直ぐとか、素直とか。

 

第1直のタイトルは、「敷金・礼金泥棒」(前編)。これは、試し読みの最後の辺りからようやく始まる話で、そこに至るまでの展開は、物語全体のイントロダクションみたいになってる。以下、筋書きのネタバレになるので、ご注意あれ。

  

東京タワー近くのタワマンに売れないモデルの女の子を連れ込んで遊んでる永瀬は、登坂(とさか)不動産・副課長、35歳。会社は東京都武蔵野市吉祥寺、駅徒歩5分。

  

老夫婦が遊ばせていたビルを取り壊して、お金を借りて、新たなアパートに建て替えて、オーナーになる話を進めてる。土地を担保にしたローンは、1億円。30年一括借り上げ保証だから、オーナー夫婦は何もせずに毎月定額の家賃を手に入れることが出来るし、相続税対策にもなる(はず。。)

  

 

   

   

     ☆     ☆     ☆

これは、金融・不動産の業界でかなり前からある危ないパターンで、ニュース報道も度々行われてるけど、多分、今でもいくらでも引っかかってると思う。何しろ、単なる詐欺メールやオレオレ詐欺の電話でさえ、いまだに大勢の被害者がいるくらいだから。

   

ここでのポイントは、「定額」の家賃収入の変更契約。「物価の上昇や増税など時代の変化にも対応できるよう、4年目以降は家賃を2年ごとに原則3%上げさせていただきます」。

   

私はこれを読んですぐ、「原則」が怪しいと思ったけど、実際、すぐ後で永瀬が月下に説明してた。「原則な。・・・家賃を上げるためのものだと思ったら、それは勝手な思い違いだ」。

  

場合によっては家賃を下げる。さらに、いざとなったら中途解約も可能な契約に(こっそり)してある。損はオーナーがかぶって、不動産会社と銀行と建築会社は必ず儲かる仕組み。都合が悪い情報はオーナーには伝えない。。

    

   

     ☆     ☆     ☆

永瀬は月下に、「千三つ」という言葉の話を持ち出す。月下が、「話が千件あっても契約に至るのは三件」って意味ですよね?、と応じると、永瀬はもともとの別の意味を教える。

  

 「千の言葉の中に、真実はたった三つ」。

  

正直者がバカを見る。それが不動産の営業の世界。これ、不動産業界の人が読むとどう思うのかね? 反論して来るかも。「違う、違う! 万三つだよ」とか♪ あんみつか! 自分自身の家はどうするのかも聞いてみたいところだ。

   

永瀬の場合、その後、ビルを壊して更地(さらち)にした後、地鎮祭を行おうとしたら、「願わず 語らずの碑」というものが残されてた。

   

仕方なく、それを自分で壊した途端、土地の神の祟(たた)りなのか、ふわっとしたに包まれるようになる。その直後だけは、極端な「正直不動産」になってしまうらしい。風というと、『プロポーズ大作戦』を思い出すね。ドラマとコミック版と。

   

で、月下が優良らしき物件を見つけて契約にたどり着く寸前、横から正直な情報を告げてしまう。「俺なら、こんなクソみたいな物件には、金をもらったって、住まないけどな」♪

  

要するに、オーナーは借主を追い出して、合計数十万円の敷金・礼金を泥棒みたいに巻き上げる手口を使ってるんだろうけど、そこからは有料なのであった。数百円、巻き上げる手口。まあ、タダ読みで逃げる方が泥棒に近いかも♪

   

    

     ☆     ☆     ☆

私も、高校を卒業して首都圏に出て来た後、不動産の世界には何度も驚かされた。好条件のアパートの情報を探して、不動産会社に行っても、その物件をなかなか紹介してもらえないとか、あそこは止めた方がいいと教えてもらうとか (^^ゞ

   

じゃあ書くなよ!って感じだけど、そこには会社の方針とかオーナーの要望とか、色々と絡んでるらしい。人気の駅から歩いて1分で、家賃55000円のマンションのことはよく覚えてる。明らかに安すぎるなとは思ったけど、やっぱりウソに近い物件だった。そもそも存在してたのかどうかも分からない。

   

安いアパートの下見にわざわざ車で連れて行ってくれた不動産屋もよく覚えてる。何と親切なんだと思ってたら、「もう1件、別の所も見せてもらえますか?」と言った途端に、もういいです、とのこと (^^ゞ 紹介は1件だけ。すぐ決めなければ、直ちに対応終了。

    

  

     ☆     ☆     ☆

この冷たい対応、他の不動産屋でも受けたし、アパートのオーナーからも受けた。「もう少し別の所も回ってみたいので」とか言った途端、コロッと態度が変わって「もう、いいです」の一点張りになった女性オーナーの姿はよく覚えてる。・・・通りに面した駅近の便利なマンション。世間知らずだった少年の私は、ハァッ?って感じで、かなりショックを受けた。

  

ただ、中には感じのいいオーナーもいたし、まあまあの不動産屋もあったから、「千三つ」というイメージはない。「百三つ」くらいか♪ あるいは、「二十、三つとか」。分かりにくっ!

  

不動産売買の時のピリッと緊張した空気も思い出したけど、長くなるから止めとこう。とにかく、22年・春(4月)から始まるNHK連続ドラマに、乞うご期待。頑張れ、美青年!♪ それでは今日はこの辺で。。☆彡

     

      (計 3488字)

  (追記79字 ; 合計3567字)

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ゴルフ全米オープン優勝・笹生優花の下半身を鍛えた、スポ根マンガ『柔道一直線』の鉄ゲタ♪&プチジョグ

(7日)JOG 7km,40分19秒,平均心拍128

消費エネルギー 282kcal?(脂肪 90kcal)

   

ゴルフをやらない私でも、これは凄いとすぐ思った。優勝賞金100万ドル、1億1000万円♪ お金か!

  

いや、浮き沈みの激しいタイガーウッズがトップ選手扱いされるのは、やっぱり生涯獲得賞金が大きいだろうし、大坂なおみが世界のトップアスリート扱いなのもその点が大きいと思う。グローバルに稼げるセレブ。

  

賞金、SNSのフォロワー数、出演番組の視聴率・・・数字の威力、魔力はまだまだ強いのだ。笹生優花(さそう・ゆうか)の場合、年齢19歳という数字もインパクトがある。まだ十代で、世界の頂点。

  

   

     ☆     ☆     ☆

実は笹生、私がたまたま見た今年(2021年)の正月番組に登場してて、印象に残ってた。毎年恒例、とんねるず『スポーツ王』のゴルフ対決のコーナー。今回のニュースを聞いて、すぐにネットで確認。やっぱり、あのコか。

     

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全英オープン優勝の渋野日向子と、美人ゴルファー代表の原英莉花が、冬でもミニスカ&ニーハイの可愛いウェアでキャピキャピはしゃぐのに対して、全く知らなかった19歳の笹生は独特の雰囲気で本気モード。テレビ慣れしてない様子が初々しい。

     

他に、大物ゴルファーの古閑美保と石川遼もいた中、笹生の存在感は目立ってたのだ。ちなみに、実力・実績も東南アジア系の顔も「女ウッズ」の呼び名にふさわしいけど、最近の世の中の風潮だと、ネットがザワザワするらしい。

     

本人は嫌がらないと思うけどね。まあ、マキロイ(英国の選手)と呼ばれる方が嬉しいらしいけど。東京五輪も、日本国籍よりフィリピン国籍を選んで出場と言われてるし、ボクシング界の神様、英雄パッキャオもすぐ賛辞を送ってた。二重国籍は22歳になるまでに解消すればいい。

   

   

     ☆     ☆     ☆

で、そんな普通の事よりウケたのが、昭和のスポ根(スポーツ根性物語)、『柔道一直線』のエピソード。日刊スポーツの記事(6月7日)。 「笹生優花 両足首に重り 父との特訓『柔道一直線』ばり 語学習得も」。

  

 「笹生には、父・正和さんの教えが影響している。8歳でゴルフを始めた時から下半身強化のため、ランニングやラウンド中は両足首に重りをつけて鍛えた。

   

これは正和さんがTBS系ドラマ『柔道一直線』(69~71年)で主演の桜木健一が鉄ゲタを履いていたことに影響を受けたものだという」。

  

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平成・令和に鉄ゲタ的な特訓で世界の頂点・・(笑)。これはスポ根ブームの再来か。早速、鉄ゲタを検索してみたら、今でもあちこちで1万円くらいの値段で売ってた。

   

上は楽天の検索結果。鼻緒抜きの価格だから、要注意。片足1.5kg~4kg。重っ! 肝心の鼻緒が別売とか自分で取り付けとかだから、通販よりお店で直接買う方が無難。レアでマニアックな商品だから、すぐ届くかどうかもビミョー。

   

   

     ☆     ☆     ☆

その後、amazonのプライムビデオで無料ドラマを探してみたけど、分かりにくい有料形式(Prime Video チャンネル)だったからパス。92話もあるの?! 人気だったわけね。可愛いヒロイン・吉沢京子が♪ それでも赤字らしい。

  

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原作マンガなら、キンドル読み放題にあったから、1巻だけ無料ダウンロード♪ まあ、毎月980円も払ってるけど。高っ!

  

冒頭は東京五輪でスタート。柔道・無差別級で、日本の神永が巨漢ヘーシンクに敗戦した辺りから。当然、後で日本人がやり返すはず。柔よく剛を制す。もちろん、厳しい修行は大和魂で。昭和の精神主義。

            

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必殺技・地獄車(笑)で外人巨漢レスラーまで倒した車周作に、少年の一条直也が押しかけで弟子入り。名前まで真っ直ぐ♪ ちなみに、ここで「外国人」と書くとニュアンスが変わってしまう。当時なら「外人」なのだ。

  

あまり練習のキツさに、直也がさっさと帰ろうとしたら、貧乏なはずの「鬼車」師匠がプレゼント♪ 「帰っていいが このげたを はいて行け!! そして通学など外出の時は必ず このげたをはけ!!」

  

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     ☆     ☆     ☆

う~ん、梶原一騎原作のスポ根、恐ろしく古いけど、いいね♪ 作画・永島慎二、もとの出版社は少年画報社。

  

このちょっと前には、海の波打ち際で他の少年と日の出を見るシーンもあった。「あの日の出にちかおうぜ!」 (≧▽≦) 凄いぞ、青春スポ根!

   

ちなみに私も中学時代、足首に鉛をつけて走ってたことならある(笑)。アンクル・ウエイト。ただ、硬いから足首に当たって痛いし、走りが遅くて変になるから、すぐ止めてしまった。と言っても高かったから、今でも捨てられない♪ 単なるジャマ物だろ!

  

ゲタは、鉄じゃなくてもほとんど履いたことがない。足の指の股がすぐ痛くなったから。確か、間の部分がすぐに出血した覚えがある。その記憶があるから、ビーチサンダルでさえ、あんまし履いたことがないほど。条件反射的に避けてしまうのだ。

  

   

     ☆     ☆     ☆

おっと、面白すぎて書き過ぎてしまうから、もう止めよう。疲れ切ってる平成ブロガーも昨夜、根性で7kmだけジョギング。軽くて心地よいランニングシューズで♪ 楽してるせいか、また虫に太腿を刺された。痒っ!

   

激重の走りからちょっとずつペースアップして、トータルでは1km5分46秒ペース。遅っ! 気温20度、湿度88%、風速1m。新・心拍計は正常に作動、GPSもかなり正確な距離測定になってた。最近ちょっと、精度が上がったのかな?

   

ちなみに昨夜は、合計2500kcalくらいガツガツ飲み食いしてしまったから、いまだに腹がタプタプ重い (^^ゞ ダイエットは?! お菓子5袋くらい食べてしまったから、また走らなきゃ!(笑)。ではまた明日。。☆彡

  

  

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       時間   平均  最大

往路(1.2km) 7分33秒 110 122

LAP1(2.2)13分45秒 122 129

 2   11分48秒 136 151

復路(1.4) 7分13秒 145 155

計 7km 40分19秒 128(73%) 155(89%)

     

        (計 2418字)

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鬼の目に涙、人の手に刃、美少女の口に枷~アニメ『鬼滅の刃』

アニメを真面目に見たのは、一昨年の春の『キューティーハニー』以来か♪ ちょうど同じ頃、大ヒット作品ということで、『君の名は。』も見たけど、基本的には見てないというか、正直ちょっと避けてる所はある。

  

・・とか書いた所で、ブログ内検索してみると、これまた同じ頃、さくらももこ追悼の『ちびまる子ちゃん』も見てた。ただ、やっぱりほとんど見てない。

   

もちろん、子ども時代はよく見てたし、今でも別に嫌いじゃないけど、どうしても子ども、若者、オタクのものというイメージがあるのだ。

  

ただ、最近(2020年10月)は映画の記録的な大ヒットで、至る所、『鬼滅の刃』の話だらけになってるから、自然と目に入る。劇場版『鬼滅の刃』無限列車編。興行収入や観客動員数の日本記録を更新する可能性も出て来た。

  

というわけで、テレビ版のアニメの第1話と第2話を試しに鑑賞。せっかくだから、軽くレビューしとこう。アマゾンプライムの有料会員なのに、全く使ってなかったから、無料で見て、ちょっとはサブスクの元を取りたいというのもあった♪

   

  

     ☆     ☆     ☆

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さて、アニメの素人(笑)の目で見ると、『鬼滅の刃』の一番わかりやすい特徴はヒロインの口枷だ♪ 竈門禰豆子(かまど・ねずこ)。半ば、鬼になってしまった少女で、主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)の妹。上図は、アマゾンで販売中のフィギュアの1つで、17000円(!)。

  

フィギュアはどれも妙に高いと思うけど、マニアにとってはこれがフツーという感覚もあるらしい。まあ、材料費とか人件費とか、色々と理由は語られてるけど、要するに、限られた熱心な(大人の)ファンが支えてるからだろう。

   

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いきなりフィギュアの画像を挿入したのは、日経新聞HPに、業者の「寿屋(コトブキヤ)」の株価がストップ高になった記事が出てたから。映画公開から僅か10日間で興収100億円を突破したことを材料視。

   

ちなみに私は、フィギュアは買ったことないけど、以前、ちょっと似たあるものにハマって、大金をつぎ込んでしまった経験がある(ナイショ♪)。今は卒業したというか、お金はあんましかけてない。「鬼滅」じゃなくて「自滅」になるから(笑)

   

  

     ☆     ☆     ☆

ところで、美少女の竹の口枷(くちかせ)。これだけで、コスプレ用グッズとして500円くらいで売ってた♪ コロナ自粛で、学園祭や忘年会の需要が激減したのは不運かも。

   

この口枷。SMのボンデージグッズだと、1ケタ以上は値段が上がるはず。ビットギャグ(bit gag)とか呼ばれる拘束具で、元々は馬用の調教グッズ。

   

フェミニズム全盛の今どき、そんなものを少年漫画(週刊ジャンプ)や地上波アニメで少女に咥えさせても問題にならないのは、鬼の牙を防ぐという理由があるからか。あるいは、鬼に変化するのを防ぐ効果があるのかも(未確認)。竹製だし、性的な感じはそれほど受けない。

  

ただ、微かにエロスの香りが漂ってるのは確かだ。禰豆子は、鬼を切る美青年・冨岡義勇(とみおか・ぎゆう)に口枷を付けられた後、日光を避けるために穴を掘って首だけ上に出す。直後には、小さなカゴの中に入れられる。脚絆にはグルグル巻きのヒモ。どれも、妖しい拷問や拘束の形をそれとなく表現したものだ。

   

   

     ☆     ☆     ☆

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では、肝心のアニメの内容。第1話を最初に見た時は、思ったより遥かに面白くて、グイグイ引き付けられた。お母さんが美人だったから(笑)。そこか! まだ30代か、アラフォーの未亡人。

  

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鬼とか、刃物で斬るというと、週刊ヤングマガジン連載の人気漫画『彼岸島』みたいに超グロテスクなのかと思ってたけど、キャラも映像も物語も遥かにフツー。大ヒットした理由の1つだろう。ちなみに、彼岸島の主人公が鬼を刀で切る姿は、鬼殺隊の冨岡に似てる。

   

主人公・炭治郎の絵とか、全体的に女性っぽいなと思ったら、原作者の吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)は女性という情報が文春に出てた。真偽は未確認だけど、たぶん正しいと思う。

   

予告編で禰豆子が見せるギャグマンガっぽい顔とか仕草、文字の入れ方が少女漫画みたいだし、ストーリーも、昭和的な古風な「男」を強調してて、逆に女性っぽい。もちろん、時代設定が大正だから、古風なのは自然なこと。

   

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可愛くてキレイな顔の炭治郎が、両耳に目立つピアス(またはイヤリング、耳飾り)をしてるのも、女性作家的だと思う。大正時代にピアスがあったのかなと思って検索したら、縄文時代からあるとか出てた(笑)。ピアスもタトゥーも痛そうで縁遠いもので。

  

ファン層の男女比はハッキリしないけど、女性ファンの比率が多め(5割とか)だと言われてる。もちろん男も多いけど、わりと女性的な作品なのは確かだろう。

   

そもそも、美少年や美青年が「刀」で「斬る」のを喜ぶという構図が、「ファロス」(男根)への女性的欲望の昇華、歪曲なのだ。実際、ゲームその他の『刀剣乱舞』ブームは圧倒的に女性の世界らしい。

   

   

     ☆     ☆     ☆

物語りのスタートは、雪山で炭治郎が必死に歩くシーン。家族が鬼に襲われた後、1人だけまだ生きてた妹を背負って、医者にみせようと頑張ってる。

  

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そこから、1日ほど時間が遡って、鬼に襲われる前、のどかで幸せな生活が描かれる。お父さんが亡くなった後らしいけど、仲良しの弟・妹たちも、禰豆子も、明るくて元気。ちなみに上図はお母さんじゃなくて、禰豆子。この時点でまだ、12歳くらいの設定らしい。まだ牙も口枷も無し♪

   

炭治郎が正月前、麓の村へ炭を売りに行くと、夜になってしまって、村人に泊まっていけと勧められる。美味しそうな食事をいただくシーン。私が制作スタッフなら、一瞬だけ遠回しに、炭治郎の家とか鬼の様子を映す所。というのも、この頃、鬼はみんなを美味しそうに食べてるはずだから。

  

鬼も食事の時間で、同じく5品なのだ。お母さん、禰豆子、小さい弟2人の妹の5人。5品と5人を一瞬重ねるような映像があってもいいし、炭治郎が噛む歯と口を光らせて強調してもいい。

    

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    ☆     ☆     ☆

このアニメ。私は2回見たけど、どうもその種の演出的な映像テクニックが少ないのだ。普通、映画はもちろん、テレビドラマでも、よく見ると映像の文法的な技があちこちに入ってる。効果音でもいい。もちろん、気付く人、理解できる人が少なくて、SNSでもほとんど拡散しないけど、分かる人には分かる。

           

そうした、見る側を選ぶ要素が少ない代わりに、主人公の大量のモノローグとか、非常に分かりやすい説明が溢れてるのだ。この分かりやすさは、大ヒットの要因だろうし、逆に、こだわり派には物足りない部分でもある。

    

典型的なのは、血の匂いがするという独白や、炭治郎が冨岡に投げた斧の攻撃の説明もそうだけど、崖から落ちるシーンはギャグに聞こえたほど。

   

雪で足が滑って崖から落ちたけど、下の柔らかい雪のおかげで助かった。見るだけで明らかなそんな事まで、丁寧に台詞(セリフ)で説明してるのだ♪ 極端な説明過剰だけど、小さい子どものウケを狙うなら、そこまでやった方が親切なのかも。。

   

   

     ☆     ☆     ☆

で、家に戻って悲惨な様子に泣き叫んだ後、冒頭のシーンに戻ることになる。炭治郎が禰豆子を背負って雪道を急いでると、腹を空かせた禰豆子が鬼に変化して襲って来る。

  

斧を口枷みたいに噛ませて防ごうとしても、身体が巨大化した少女は抑えきれない。ところが、お兄ちゃんに食いつこうとする瞬間、大粒の涙をポタポタとこぼすのだ。まだ、半ば人間で、記憶も感情も残ってるらしい。

  

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切ない音楽も合わせて、エモーショナル(情動的)なシーンだけど、私ならもっと、涙の粒を雪とかぶらせる。とはいえ、この時、冨岡が顔を見せずに走って来る姿はピッタリ合ってた。アニメの世界でどこまで権限があるのか知らないけど、演出は外崎春雄。

   

涙と共に、炭治郎を救ったのは、美青年・冨岡。「鬼斬り様」(おにぎりさま)とか呼ばれてたのは、彼ら鬼殺隊のことかな? 刀の柄の近くには、「悪鬼滅殺」と彫られてた。さすがに、フリガナはなし♪

  

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     ☆     ☆     ☆

そして、禰豆子をめぐって炭治郎と冨岡まで争う中、鬼と化した禰豆子が倒れた兄をかばうような仕草を見せたのが、第1話の象徴となってた。鬼だけど、家族を愛する人間でもある、境界線上の少女。

  

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もちろん、この両義的な姿は、人間一般のものでもある。温厚で寛容なブロガーでさえ、たまには武闘派に豹変しそうになることもあるのだ♪

  

そう考えると、天皇陛下(特に平成、令和)が常に穏やかな表情をされてるのは興味深い。やっぱり、普通の人間を超えた神の域を表してるわけか。人間でありつつ、政治的な実権も持たず。

   

禰豆子の人間的な一面や、炭治郎の非凡な斧攻撃を見て、冨岡も、この2人は只者じゃないと認める。禰豆子を切り捨てるのも止めて、炭治郎が気を失ってる間に、竹製の口枷をはめたらしい。実際にやると、すぐ外れるはず(笑)。猿轡(さるぐつわ)とか、筒状の部分を口に縦に突っ込むタイプの方が実用的(細かっ・・♪)。

     

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第1話で私が気になったのは、炭治郎が冨岡に向けて必死に話す台詞で1ヶ所、音声を消されてたこと。なぜか、検索しても誰もつぶやいてない。「みんなを殺す・・・」の直後、短い単語を削除してるように聞こえた。古い差別語かな? まさか4文字の放送禁止用語ではないはず。。

   

      

     ☆     ☆     ☆

もう時間も字数も残ってないから省略するけど、第2話では冨岡の指示に従って、育手(そだて)と呼ばれる鱗滝左近次の元で修行する。完全に「スポ根」少年漫画のノリで、笑う所なのかも。

  

と言っても、炭治郎が過酷な修行をしてる頃、左近次は天狗のお面をかぶったまま、カワイイ禰豆子と2人きりで家にいるのだ。たぶん、長く伸びた鼻を使って遊ぶはず♪ どうやって?!

   

第2話では、完全なギャグも入ってた。冒頭、炭治郎が農民からカゴを譲ってもらう時、無理やりお金を払って、「頭が固い」と言われる。これ、後で鬼と闘う時の頭突きにつながる伏線なのだ。やられた鬼は思わず、「頭が硬い」とつぶやいてた(笑)。

  

ちなみに私も小学生の頃、ケンカでは頭突きをよく使ってた♪ 接近戦では一番効果的で強力な技。相手はすぐ泣き出す(コラッ!)。だから、印象に残ったわけ。

   

   

     ☆     ☆     ☆

未熟な少年が「頑張る」(何度も出た言葉)ことで成長して、悪を倒して幸せになる(多分♪)。典型的な少年少女向けの成長物語で、私も男の子の頃は大好きだったけど、流石に大人になった今はストーリー的にハマリにくい。

   

せっかくアマゾンが無料公開してくれてるけど、少なくともしばらくは続きを見ないと思う。あるいは、禰豆子その他、美少女や美魔女の映像だけ飛ばし見するとか♪ ネットで二次創作を探す方が凄いかも(笑)。何が?!

  

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なお、映画の素晴らしい出足には、450万名への入場者特典『煉獄零巻』も大きく関わってるはず。84ページの立派なノベルティ冊子。

     

転売禁止の非売品とされてるけど、今現在のメルカリの価格を見ると1200円前後だから、利益が900円としても映画料金が半額になるようなもの。売らない普通のファンにとっては、映画をタダで見るようなもので、AKB商法に似てるかも。

     

あぁ、短い感想記事の予定だったのに、やっぱり長いレビューになってしまった。5000字弱 (^^ゞ それでは今日はこの辺で。。☆彡

   

       (計 4577字)

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甘く切なく苦い恋愛マンガ『やれたかも委員会』(吉田貴司)、軽~い感想♪

三連休の終了間近というか、終了直後というか。とにかく緩~いネタで軽~くレビューしとこう。ネットで火がついて、出版、ドラマ化まで進んだという吉田貴司の漫画、『やれたかも委員会』♪ ネタバレはなるべく少なめに配慮するけど、多少はあるので、まだ読んでない方はご注意あれ。

   

先日も一言だけ書いたように、これは飲み会で友人Mが絶賛してたから試しに読んだ作品だ。私は全く知らなかったけど、Mが「メッチャ、面白いから!」と首を大きく動かしながら繰返し力説してたし、マンガのタイトルだけでもなるほど、実に面白い。

  

確かに、誰でも「あの時、やれたかも・・」と思う過去のシーンは色々あるはず。もっとスポーツの練習やれたかも・・とか、もっと受験勉強やれたかも・・とか(笑)。そっちか! もちろん、マンガはある特定の「やれたかも」(エッチ系)だけに集中した内容だけど、私はあくまで抽象的かつ一般的に受け止めてるので、念のため♪

  

作者は今現在も、ネットのブログ(note)twitter で活躍&販売中。ブログは私の環境(Windows10)だと、ブラウザがIEなら上手く見れないけど、Chromeなら正しく表示された。

    

   

    ☆     ☆     ☆

さて、私はたまたま今、アマゾンのkindle unlimited(キンドル読み放題)を格安で使ってるから、早速無料ダウンロード。3巻(+分冊版24~29)すべてタダで合法的に読めてしまった♪ 海賊版とか違法アップロードとか関係なし。有料でないと読めないのは、20年2月末現在、最新の分冊版30のみ。

    

こんなんでプロの生活が成り立つの?・・と心配になるけど、作者本人の言葉によると、生活できてるらしい。ただ、クラウドファンディングで200万円集めたけど経費が160万円かかったとかいう細かい実状も書き添えられてた(2巻の巻末の謝辞)。

  

その裏話の暴露の直後には、資金提供してくれた人たちの名前(大部分は男っぽい)がズラッと並んでるから、フツーならほとんど経費で消えたというような水を差す話は書かない所だろう。それを敢えて書くのがこの作者とマンガの特徴の1つで、登場人物的には冷めた女性委員キャラの一言に反映されてるのだ♪

   

「やれたとは言えない」(笑)の札(プラカード)。第1巻の表紙の単独モデルだし、このマンガの核心の一部を表してる(cover design 天野史朗)。「やれたかも」という甘く切ない主観的思いが7割、「やれたとは言えない」という冷めた客観的評価が3割くらいなのだ。

  

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ちなみに私は男子だけど、ある種の女子なら、「やれたとは言えない」が内容の7割とか結論とか、断言するかも♪ 多様性の時代とは、その反面、断絶の時代でもある。男と女の断絶、フツーの女子とある種の女子、etc。様々な分断、対立が表面化してるのが現代社会。その深刻さを覆い隠そうとする甘口のおまじないの言葉こそ、「共生」「共存」だろう。

   

   

     ☆     ☆     ☆

さて、このマンガ。第1巻は2017年の出版だけど、記念すべき第1話と第2話だけは、前年(2016年)の『スイートメモリー』1巻の冒頭と最後に掲載されてる。要するに、「やれたかも委員会」という連載マンガとして独立するまで、ちょっと間があったということか。

   

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毎回、1人の相談者というか告白者(ほとんど男♪)が、3人の審査委員の前で思い出話を熱く語る。ある意味、時間の流れによる過去の美化。

   

裁判長みたいに真ん中で腕組みしてるのが、犠星塾・塾長、能島明(のうじま・あきら)。一番マジメに聞いてるように見えるし、一番甘い判決を下す♪ 要するに、過去の甘い思い出に浸りやすいおじさんの役ってことか。

  

左が、財団法人・ミックステープ(笑)代表、月満子(つき・みちこ)。美人秘書タイプに見えて、適当によそ見してるみたいだし、ごくたまに関西弁で魂の叫び声をあげる♪ 音楽のミックスでテープを作る世代ではないはず。

   

右はミュージシャン・パラディソ(芸名か)。天国=パラダイスを表すこの言葉、マンガ以外でもあちこちで使われてるようだけど、イタリア語「paradiso」の普通の発音は「パラディーゾ」。パラディソという発音もあるとかいう情報もあるし、私自身もあり得る音韻変化だと思うけど、学問的な真偽や現地のネイティブ情報は未確認。

  

ちなみに、目次だけは可愛い色と文字になってる。下の縮小画像は、1巻もくじの上部。

  

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     ☆     ☆     ☆

で、各回の内容は、作者や情報投稿者(メールで募集中)の実話に基づくようで、全て微妙に違うエピソードになってる。

   

ただし、結末の形はパターン化されてて、3人の多数決で「やれた」か「やれたとは言えない」かを判定。いずれにせよ、塾長が熱い言葉で盛り上げた後、月満子が個人的な意見(フツーは冷静で女性的)を語って、余韻や反応もほとんど無しにいきなり終了。この終わり方があまりに唐突だから、最初は違和感があったけど、すぐ慣れた。

    

編集者たちの評価はビミョーだったらしい第1話(case 001)「干し芋と横たわるあの子」が、最もフツーのありふれた形のエピソードだろう。2013年ビックコミックスペリオール新人コミックオーディション第5期奨励賞(長っ・・)を受賞したものの、雑誌には未掲載で、連載化も難しいと評されたらしい。

  

高校生の男子(17歳)が、バイト先の先輩の女の子(22歳)の部屋に誘われて、4人で映画を見た夜。男子2人がコンビニに行って、干し芋を食べた後、「彼女とかいんの?」「いないっス」「ははは 乾いてるね」「てか あんま学校行ってないっス」っていう会話をした後、女の子が背中を向けて寝始める(タヌキ寝入りかも)。なぜか2人は帰って来ない。

   

どうしようか・・と後ろから女の子の曲線美を眺めて妄想してる間に、2人が帰って来て終了。男の私でも、それだけか!と突っ込みたくなるけど、男性委員2人は「やれた」。女性1人は「やれたとは言えない」♪ 多数決で「やれた」を認定(ここに「かも」が付いてない所もポイント)。

   

女性の辛口の理由は、女のコからのアプローチが足りないから。私もそう思うし、マンガ自体も面白いけどちょっと足りないと思う(失礼・・笑)。ただ、連載マンガの初回がいま一つでだんだん良くなるってことは珍しくない。私が本気で「いいね」と思い始めたのは、1巻の後半くらいだったか。   

   

   

     ☆     ☆     ☆

1巻後半の第8話には、ちょっと違うタイプのエピソードが登場した。告白者が女性なのだ。石嶺カナ子、美人でカワイイ20歳♪ 高校2年の話だから、まだ生々しい思い出。審査委員も珍しく最初からマジメに聞いてる♪ 男性委員は、「やれた」認定の後で打ち上げの飲み会に連れ込むことを考えてたかも(笑)

   

内容についてはネタバレを避けるけど、かなり性的で象徴的なのだ。タイトルが「あの日、大きな木の下で」。「大きな木」は分かりやすい男性の象徴。

  

一方、内容的には、彼女の足が全面的に扱われてる。靴下、足もみ。足とは、女性が持つ男性的なものの代表として、典型的なフェティッシュ(フェチ対象)だ。さらに、その女性の足で、「男性」に電気あんま攻撃するシーンもある。男の男性と、女の男性との、身体的かつ精神的な交わり。S的な性とM的な性との、役割の反転でもある。

   

   

     ☆     ☆     ☆

これが偶然とか深読みのし過ぎと言えないことは、第2巻・第15話でハッキリする。タイトルは「大阪LOVER」でピント来ないけど、実は大阪の象徴が、「太陽の塔」とされてるのだ。「大きな木」に続いて、あまりに分かりやすい男性的シンボルが題名。

   

ここでもまた、珍しく女性の告白者が登場する。35歳だけど、やっぱり美人でエロチック♪ 塾長・能島の目にも暗い欲望が光る(笑)。結婚の前、婚約者の男性とは別の彼のバイクの後部座席に乗ってる時、彼女は太陽の塔を見つめる。彼と腰を重ねて、足を開いた姿で、タワーを見つめるのだ(クローズアップ4コマ)。

   

その後、抱きしめられた時、彼女は「彼」に「触れて 確かめたい」。でもやっぱりそれは出来ず、彼も身体を離して、太陽の塔のキーホルダーを2つ渡す。「私と夫(婚約者)の2人分」と彼女は語るけど、それは形だけのこと。むしろ、「婚約者と彼の2人分のシンボル」だろう。

  

で、1巻の「大きな木」に続いて2巻の「太陽の塔」に対しても、珍しく女性委員が「やれた」と認定♪ 女性の食いつきもいいのだ。男性はもちろんとして。 3人揃って、「Congratulations!」。お祝いの文字の脇には、「ロケット」まで「発射」されてた。

  

さらにその後、3回目の全員一致「やれた」判定となった話では、冒頭に2回、結末で3回、アイスコーヒーの「氷に突き刺さったストロー」が描かれてる。「リケジョ」、理系女子トップ(T大理1)の女性の硬い心を溶かして刺さる、細長い円柱形。深層心理の無意識的な表現は、クリアなのだ。

   

   

     ☆     ☆     ☆

この後、いよいよ私自身の「やれたかも」経験をいくつか紹介するつもりだったのに、残念ながら時間も字数も無くなってしまった(笑)。もう4000字か (^^ゞ まあ、いずれまた「テンメイ回想録」とかで語るとしようか。第2巻のホリエモン(堀江貴文)コラボ企画、「特別編 多動力の男」と同じくらいには面白いと自分で思ってる♪

   

なお、各回の塾長の名言の中で一番深みがあったのは、上のストローのお話のラスト。傷というものの持つ、ポジティブな意義・効果の指摘だった。

   

一生癒えない傷があるということは 一生を癒すやれたかもがあるということ」。

     

とはいえ、「やれたかも」とか過去の推定だけじゃなくて、「やれるかも」という未来の希望・理想・意志も大切にしなきゃ!・・とか、ごもっともな言葉でまとめつつ、それでは今日はこの辺で。。☆彡

   

        (計 3977字)

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映画の原作マンガ『アルキメデスの大戦』、天才数学者・櫂直の計算をチェック

今さら言っても遅いけど、どうも結果的に、私の狙いがピント外れだったかも (^^ゞ 天才数学者が活躍する物語ということだったから、『ガリレオ』とか『ハードナッツ』くらいの数学的内容があるのかと思って、原作をチェック。実際は、単純な算数の計算ばかりだった。桁数が多くて暗算しにくいだけで、基本的に、自然数かプラスの小数のかけ算、割り算なのだ。

    

映画公式サイトの数学クイズも、全5問の予定中、4問まで公開されてて、すべて小学校5年~中学2年程度のレベル。まあでも、せっかく調べたからには記事にしないと大損・・と思うのが小市民ブロガー♪ 以下、簡単に書いとこう。

    

  

    ☆     ☆     ☆

ではまず、第1巻から。映画公開キャンペーンということか、Yahoo!のebookで無料公開されてたから、全体を流し読みできた。ただ、第1巻ではまだ数学の話がちょっとしか出てない。ちなみに原作者は三田紀房で、今も週刊ヤングマガジンで連載中。

   

昭和8年の国家予算は22億5466万。藤岡案建造費1億3500万は5.9%にあたる」(説明文)

    

実際にパーセントの計算をしてみると、1万を基本的な単位として、

 13500÷225466×100=5.987・・・

これは普通、数学でも、自然科学や社会科学でも、6.0%と近似するはず。ところがマンガは、小数第2位以下の大きい数を切り捨てて5.9%としてある。多分、記念すべき最初の計算だから、わざと分かりにくい小数にしたんだと思う。

 

   

    ☆     ☆     ☆

上に続いて、「これを現代の国家予算に当てはめると5兆6841億円」(説明文)。

  

「現代の国家予算」というのは、漫画連載時だと2015年の96兆3420億円。1億円を基本単位として計算式を立てると、

 963420×5.9/100=56841.7・・・

  

1000万の位を四捨五入したら、5兆6842億円だけど、ここでも切り捨てを使ってる。先に割り算して近似した後にかけ算をするという発想もちょっと不自然だけど、まあマンガのコマ割りの問題と考えとこう。

   

さらに、「かたや平山案は6890万」(櫂直=かいただしのセリフ)。「現代換算なら約2兆8902億円」(説明文)。

  

これも2回に分けて計算してるようだ。

 6890÷225466×100=3.055・・・   

切り捨てで、約3.0%だから、現代の予算をかけると

  

 963420×3.0/100=28902.6

再び切り捨てして、2兆8902億円とされてる。

   

そして、「3倍」(櫂のセリフ)。「現代換算で約8兆6706億円」(説明文)。

 28902×3=86706

これは単に、そのまま3倍しただけの値だ。

  

この後、簡単な割り算が2つあったけど、省略しとこう。

    

   

    ☆     ☆     ☆

では、一気に話を飛ばして、最新の連載から。これはちょっと面白くて怪しい=妖しい話だ。

   

米国が誇るゴールデン・ゲート・ブリッジの総工費を、日本の軍艦と同様に見て計算してある。こんな大まかな近似計算を、現場で本当にやるのかどうかは不明だし、色んなケースで上手く当てはまるのかどうかもビミョー。

   

橋桁の高さも『飛龍』と同等 227.5メートルとして 飛龍の公試排水量2万16.5トン 1メートル当たりおよそ88トンとなる」(櫂のセリフ)

  

 20016.5÷227.5=87.98・・・

1巻だと切り捨てしてたのに、ここではなぜか普通に近似して(=まるめて)、88としてある。

   

金門橋の場合 場所によって密度が異なるので 平均を求めて0.45で計算するなら 1mあたり およそ40トンの鋼材」(櫂)

  

 88×0.45=39.6

ここでは普通に四捨五入して、40としたらしい。

   

  

    ☆     ☆     ☆

この橋は 全長2.737キロ・・・鋼材の総量は 10万9480トン」(櫂)

 40×2737=109480

  

戦艦『長門』の公試排水量は4万3589トンで 建造費は4390万円 単純計算で1トンあたり1007円」(櫂)

 43900000÷43589=1007.1・・・

  

普通に四捨五入しても、切り捨てでも、確かに1トン1007円。この後、本来なら、橋の鋼材の総量109480トンと掛け合わせて総工費を概算する。

  

 1007×109480=110246360

つまり、1億1024万円(または1億1025万円)になるはず。

   

   

    ☆     ☆     ☆

ところがマンガでは、1億773万円と書いてたのだ。これに600万円の物価変動をプラス・マイナスして、1億173万円から1億1373万円。

  

おそらく原作者か計算担当者は、109480トンを掛けるべき所を、間違えて106980トンを掛けてしまって、四捨五入したんだろうと想像する。試しに「アルキメデスの大戦 計算」でツイッター検索すると、現在何もヒットせず (^^ゞ 「ミス」で検索しても、つぶやきゼロ。「間違い」でも、実質的にはゼロ。まあ、過去も大体そうだった。マジメに計算を気にする人はほとんどいない。

   

逆に言うと、ガリレオはいまだに数式の検索が入るから、それだけ人気とインパクトがあるということか。『アルキメデスの大戦』も、映画はわりと難しそうな式を出してたみたいだから、盛り返しに期待しよう。

  

映画公式サイトの数学クイズの問題5にも期待しつつ、それでは今日はこの辺で。。☆彡

   

       (計 2142字)

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『中学聖日記』、原作マンガ1巻とドラマ第2話までの比較

テレビドラマと原作マンガ、原作小説との比較は度々行って来た

けど、いつもながら似て非なるものだと思う。ドラマと脚本の違い

よりも、遥かに差が大きい。

 

もちろん、ドラマの物語の大きな流れやキャラクター・舞台設定は

かなり原作に似てるし、逆に小さな要素(台詞、小道具、個別の

エピソードなど)も色々と一致してる。

 

ただ、ドラマには別の要素やキャラが入ってるし、元々あった要素

でもつなぎ方が大幅に違って来る。そしてもちろん、ドラマの場合は

俳優というリアルな人間の存在が大きいし、音楽をまじえた連続的

映像なのだ。

 

そもそも私も、主演が可愛い有村架純じゃなかったら見てないと

思う♪ レズ&バイセクシャルの吉田羊、優等生美少女の小野

莉奈の制服姿だけだと、ちょっと物足りない。

 

女教師と男子中学生の恋愛というテーマも、あり得ないどころか、

逆にそれほど強いインパクトは受けなかった。発覚や報道が極端に

少ないだけだろうと想像する。今年8月に北海道で話題になった

けど、マスメディアの扱いは奇妙なほど小さい。これが男性教師と

女子中学生だと、もっと大きく報道されるはずだ。。

 

 

     ☆       ☆       ☆

さて、予想外というか、予想以上の低視聴率が話題のTBSドラマ、

『中学聖日記』。初回からいきなり6.0%(ビデオリサーチ調べ、

関東地区)という数字で心配したけど、第2話では6.5%と微増。

何とか踏ん張った形になった。

 

原作となってる、かわかみじゅんこの少女マンガ第1巻(祥伝社)

が、10月24日まで無料配信されてたので(ebook)、今週末

が最後の機会だと思って試し読み。第2巻の最初の18ページ

(無料部分)もついでに拝読。

 

色んな意味で面白かったから、記事にまとめとこう。ドラマの今後

の展開に関わるネタバレは少ないと思うけど、先に自分で試し

読みしたい方は今すぐebookをご覧あれ。25日からは税別

600円、ちょっと高めの価格設定かも。。

 

 

     ☆       ☆       ☆

ストーリー的には、原作の第1巻&第2巻冒頭と、ドラマの2話

までがほぼ対応。

 

聖先生(有村)の自宅前で、男子中学生・晶(岡田健史)と婚約者・

勝太郎(町田啓太)が鉢合わせもどきになるまで。ただ、マンガ

200ページと映像90分の比較だから当然、ドラマの方が情報量

が多い。それに合わせて、登場人物も増えるのが普通。

 

今現在、原作にはないのにドラマに入ってる話は沢山ある。火事、

運動会(体育祭)、聖と先輩・千鶴(友近)のつながり、勝太郎の

女上司・律(吉田)&若きレズパートナー(中山咲月)、るな(小野)

と晶の花火大会デート、両家の顔合わせ、盗撮など。

 

あと、晶の母親・愛子(夏川結衣)が聖と親しげに話すシーンは、

原作にはない。原作だと、母は最初から厳しい表情で、なぜか

息子と聖先生との関係もすぐに気づいた感じだ。ケータイを買う

約束をいきなりキャンセルしてた。

 

 

     ☆       ☆       ☆

原作はあくまで少女マンガ、女性マンガで、基本的に若い女子

が読むものだから、表紙はキレイで可愛い男子中学生の絵に

なってた。第1巻から第4巻まで全て。キャラ的にも、まだまだ

子供のあどけなさが溢れてる。

 

ドラマの場合、晶を演じる岡田が19歳の新人で、キリッとした

顔立ちだから、中学生らしく見えないという感想や批判はその

通り。同じTBSで1999年にヒットした松嶋菜々子『魔女の条件』

だと、相手役の滝沢秀明が演じたのは17歳の高校生だった

けど、むしろ滝沢の方が可愛く見えるほど。顔、声、話し方とか。

 

ただ、プロデューサーその他、制作サイドは、わざと中学生に

見えない岡田を選んだのかも。というのも、20年前と違って今は

犯罪に厳しい時代だし、特に幼い少年少女の性に関しては極度

に厳しい社会になってる。昔は無かったSNSも普及してるから、

すぐに炎上っぽい騒ぎになってしまう。

 

逆に、許容度が一気に上がってるのが性的少数者とか同性愛。

特に女性同士のレズは、全くマイナーだってものがメジャーに

なって来た。そう考えると、ドラマで新たに導入したのも頷ける。

もちろん、タレント事務所やCMスポンサーその他、大人の事情

は絡むとしても♪

 

 

      ☆       ☆       ☆

同じ理由で、ヒロイン・聖の描き方も決定的に違ってる。ドラマだと、

晶とは距離を取ってるし、逆に勝太郎との関係が深い。

 

ところが原作マンガだと、聖は最初から晶に魅かれてるのだ。

無意識的な好意の描写が、第1巻p.32(そのに・第2話)で

早くも登場。

 

勝太郎からのラブラブのメールを読んで、すぐ返信しなきゃと思い

つつ、聖は居眠りし始める。その時、聖の心の中に、晶の顔が

浮かんでしまうのだ。

 

・・・え 何で黒岩くんの顔が・・・」と聖が思った途端、遠くの自宅

のベッドで横になった晶がピクッと動く。シンクロニシティ(同時性)

というものか。大人の男子としては、勝太郎が可哀想・・と同情

してしまうのであった♪

 

 

     ☆       ☆       ☆

続いてp.50-51(そのさん・第3話)。国語の授業中に晶と

目が合った聖は、軽くどもった後、顔を赤らめてクルッと後ろ

(黒板側)を向く。「やだ 何してんの 私」。

 

その日の夜、帰り道で流れ星を見た聖はつぶやく。

 「校務員さんもいん石に当たって亡くなったのよね ・・・

  私も道歩いてて降ってきたいん石に当たって

  死んじゃったりして

 

原作の場合、この事故死は事実とされたままだし、今年は無数

のいん石が降って来てみんな死ぬというウワサと同時に、聖が

着任する。

 

いん石との衝突は、単なる禁断の愛の比喩じゃなくて、本当に

誰か死んでしまうのかも。メインの2人は少なくともしばらく大丈夫

だろうから、先にるなが自殺するとか。

 

ドラマの最後は、聖だけ死ぬような描き方で終わるのが無難かも。

あるいは死にかけて何とか生き延びるとか。マンガと違って不特定

多数の大人が見るテレビドラマの場合、禁断の愛の責任を大人だけ

に背負わせる方が自然。うっかりハッピーエンドにしてしまったら、

子育て女性のツイッターで大炎上かも♪

 

 

     ☆       ☆       ☆

ドラマでは分からなかったことが、原作を読んで初めて分かったと

いうこともある。

 

例えば、晶が聖を平手打ちしたシーン。ドラマだと思春期&反抗期

の男子中学生の暴力に見えたけど、原作だとカワイイお遊びに

見えるのだ。小さい1コマで、「ペち」と叩いてるだけ。おまけに

晶は自分でキョトンと驚いてて、全く怖さや迫力がない。

 

叩いた状況も、ドラマだと聖が過剰に晶の面倒をみようとしてた

けど、原作だとあの聖のセリフはない(後のシーンで登場)。

 

直前にるなから、聖のことが好きなんじゃないかと嫌味を言われた

後、動揺した状況で聖に「キレイな顔してるわね」と言われたから、

反射的に行動で無理やり否定しただけなのだ。

違う、オレは聖ちゃんのことなんて好きじゃない!。

 

適当に軽口で応答するか、むしろ自分を叩くべきなのに、目の前の

他人を叩いてしまう辺りが中学生だろう。まあ、同レベルの大人も

たまに事件になってるけど。

 

るなが晶にバッグをぶつけたのは、直前の告白を無かったことに

するため。雨の車内で晶が言った気がする「手遅れ」という台詞

は、未熟な女教師が男子中学生に不用意に接近してしまった

ことに対しての言葉。そういった点も原作はハッキリ示してた。

 

 

      ☆       ☆       ☆

最後に、ドラマならではの優れた点で、まだ(ほとんど)指摘されて

ないもの。それは映画的な情景描写だ。

 

2回見て、テレビドラマというより映画に近いなと思ったら、演出の

塚原あゆ子は公開中の有村の映画『コーヒーが冷めないうちに』

の監督だった。ドラマが本業みたいだけど、たまたま今は映画的

な表現にこだわってるのかも。

 

広角レンズによる(?)歪んだ映像の意図的な多用もそうだろう

けど、台詞なしで1分10秒もつないだ第2話の鉢巻シーンは

テレビだと珍しい。繊細なピアノのBGMと、晶がこぐ自転車

を交えながら、聖と鉢巻、夕陽を映し続けるのだ。

 

自転車の車種はおそらくGIOS(ジオス)のLIEBE(リーベ)。

恋愛、愛するという意味のドイツ語が名前。

 

181020b

 

るなが体育祭のピンクの鉢巻をおねだりした時、晶がどうしたのか

すぐには映さない。しばらく後、晶の暴走をたしなめた聖が車に

乗ろうとすると、ドアミラーに結んだ鉢巻が風に揺れてる。名前は

数秒間見えないけど、最後はしっかり撮影。「3-1 黒岩」。

狙いすました光の反射の使い方も上手い。

 

シーンの直前には、聖が晶の母親に、鉢巻を「好きな人に渡す」

のが流行ってると話してた。ここで、「好きな人にもらう」とは言って

ない辺り、脚本・金子ありさの巧みな技なのだ。ポイントは、るな

が晶に「もらう」ことじゃなく、晶が聖に「渡す」ことだから。たった

一つの、自分の思いを。。

 

181020c

 

 

     ☆       ☆       ☆

というわけで、ここまではドラマもマンガも真面目に見て来たけど、

今後も見続けるかどうか、ちょっとビミョーな部分はある。まあ、

個人的に昔から判官びいきではあるから、ドラマが叩かれれば

叩かれるほど応援したくなるかも♪

 

でも、もうちょっと有村架純の漢詩かサービスショットが欲しいかな

・・とか期待しつつ、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

 

 

 

cf. 春夜喜雨(杜甫)&「恋愛は幸福を殺す」

  (哲学者ウナムーノ)~『中学聖日記』第1話

 

           (計 3721字)

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