正直、眠いから、NHKプラスの動画で済ませようか・・とか思いつつ、生で見た2024パリ五輪・開会式。素晴らしかった☆ 日本のネット民の評判はイマイチみたいだったけど、これは世界の歴史に残ると思う。これぞ、フランス!
0時半から2時まで仮眠した後、起きて珍しくテレビ録画をセット。最近は便利なネット動画ばっかになってるけど、やっぱりテレビの方が画面が美しい♪
途中で寝てもいいと思ってたけど、最後まで真剣に見てしまった。フランス語の辞書2冊を引きまくり、ネット検索しまくり状態だから、寝るヒマなんて無し(笑)
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クライマックスの聖火の熱気球シーンだけでも、パリならではのもので独創的。遠くにはエッフェル塔のライトアップとレーザー光線。奥には煌びやかなシャンゼリゼ通り。熱気球の有人飛行を初めて成功させたと言われてるのが、フランスのモンゴルフィエ兄弟だ。
1783年のデモ飛行には、マリー・アントワネットも参加したらしい。有名な彼女は今回の開会式でも、斬られた自分の首を持って真っ赤な衣装で参加してた♪ しかも、分身の術で数十体の首と胴体になって。グロテスクな演出だから、フランスでないと出来ないというか、日本なら企画の最初から潰されるだろう。
芸術、アートとは、みんなに心地よいものではないのだ。むしろ、多くの人に違和感や疑問を与える新しい刺激のこと。ファッション・ショーも現代美術も、普通の感覚なら「変」だろう。
今回はセーヌ川の河畔辺りを広く使ってたけど、メイン会場はやっぱりエッフェル塔のそば。川を挟んで、塔とトロカデロ公園をつないで、大きな舞台にしてた。下はGoogle Earthより。図の右側、つまり東から西へと船で選手がパレードして来た。6kmと言われてたから、その長さだけでも完全に別格の巨大な大会。
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さて、マニアック・ブロガーは一体、何を調べまくってたのか? すぐに引っかかったのが、今大会のスローガン。「ゲームズ・ワイド・オープン」。広く開かれた大会。
私はこの言葉を聞いて、フランスらしく無いと思った。ヒネリや遊びがない、平凡な言葉と考え。そもそも、なせここだけ簡単な英語になってるのか? ネットで英語とフランス語の情報を探すと、大きく納得した。やはり、フランスらしい遊びが入ってた。
スローガンのフランス語は、「Ouvrons grand les Jeux」。五輪を広く開こう! まず、1人称複数の命令形になってる。意志や誘いを世界に示してるのだ。そして、発音も聴き取りも苦手な私でさえ、この言葉が他の意味を合わせ持ってることはすぐ気付いた。
発音は、ウヴロン・グラン・レ・ジュ。これは、「Ouvrons grand les yeux」(両目を大きく開こう!)とほとんど同じ発音。綴りもほとんど同じで、掛け言葉なのだ。だからこそ、2年前のスローガン発表の時、背景の写真にボクサーの両目が大きく写されてた。
各国のトップ・アスリートだけでなく、世界の現実までしっかり見よう。中東も、ウクライナも、各地の避難民も。試しに、AIのChatGPT4oに質問しても、すぐ同意してくれた。
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では、全体の流れに従って、個人的な感想を軽く書いて行こう。ずっと気になってたのは、雨。パリは緯度が高くて、日本より気温は低かったから(21度くらい)、シャワー感覚では浴びれない。上下のきっちりしたユニフォームはかなり濡れたはず。
途中、小降りになったり、止んだりもしてたけど、大雨のような時間帯もかなりあった。観客はともかく、選手やスタッフ、パフォーマーらの体調が心配になる。ちなみにマクロン大統領とか、お偉いさんの幹部席にはちゃんと屋根が付いてた。観客の多くはカッパ(レインコート)で、傘は少なめ。他は単なる帽子とか、気にしないとか。
ピアノとか、楽器は雨に濡れても大丈夫なのかね? これも調べてみたけど、大丈夫という情報は見当たらなかった。1回限りの使用でほぼ終わりということか。まあ、弾けなくなっても、オークションとか展示での価値は残るだろうけど。
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さて、日本時間の27日・午前2時半(現地時間26日・19時半)の開始直前、テレビではVIPが映されてた。その種の情報に疎い私でも、下のアリアナ・グランデくらいはすぐ分かる。多様性も持ちつつ、普通にキレイでお人形さんみたいに可愛い♪
陸上のカール・ルイスとか、テニスのボリス・ベッカーとか、昔のレジェンド達もちょっとだけ映した後、いよいよ本番。今回は至る所にピンク色が使われてる。この意味は今のところ不明。赤なら、フランス国旗の色だけど。
進行は、私のお気に入りアナの1人、中山果奈アナ。優秀なベテランで、しかも可愛い。普段のニュースと違って、思い切り明るい笑顔を見せてた。一般男性としては、女子アナしか見てない♪
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フランスらしさは、冒頭の映像でもすぐ感じる。サッカーのレジェンド、大男でスキンヘッドのジダンが聖火を持って街中を走り抜けるシーン。さすがに、有名な頭突き・・じゃなくてヘディングの演技まではなかったけど(笑)、上の瞬間だけでも大変な手間ヒマがかかるはず。
色とりどりの多様な車を集めて、ポップな渋滞を作ってるけど、この状況を街中で作って安全に撮影するだけで素晴らしい。女性2人の洋服は、薄いピンクと濃いピンク。やはり意味がありそう。
マニアの目は、橋のデザインに対しても大きく開かれる♪ 上の画像、真ん中の上(演者の足あたり)には、ローマ数字で2024と書かれてるけど、左側にはラテン語が書かれてるのだ。
「CITIUS ALTIUS FORTIUS Communiter」
五輪のモットーで、昔からの「速く、高く、強く」に加えて、東京五輪から(?)、「一緒に」も入れられた。英語は together 。
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続いて、船での選手団パレードの合間に挿入されてた余興。レディーガガが歌ったフランスの半世紀前の曲は、日本語で『私(わたし)の羽根でできたやつ』。
何、それ?と思って調べると、羽根は平和の象徴・ハトの代わりの意味があるらしい。「やつ」のフランス語は「truc」。名前を出さずに何かを指す言葉。ただ、歌詞の意味や背景は調べても分からない。仏文和訳しても意味不明だし、情報もほとんど見当たらないのだ。一時撤退。
上は、マリー・アントワネットの首と胴体。これが、建物の多数のドアみたいな所から、ズラッと現れてた。さらに、赤いテープや煙の演出。このシーンのテーマは、liberte(リベルテ:自由)。フランスの基本中の基本の理念だけど、それは血や革命という具体的で現実的なものと繋がってる。抽象的な美しい概念ではない。
ルーブル美術館から盗まれたという設定の名画モナリザが、セーヌ川でパレードを見るという演出も斬新。川の岸には、巨大な顔もズラッと並んでて、正直、不気味だった♪ ジョークとか遊びの感覚か。
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そして、このテーマのフランス語も調べまくることになった。「SORORITE」。中山アナは確か、ソアリテ、女性たちの連帯と説明してたけど、私の2種類の仏和辞典には載ってない(片方は2015年の第7版クラウン仏和辞典だから新しい)。聞いたこともない単語。
ただ、フランスの標語の1つ、博愛、友愛(fraternite)の類語だということは分かった。fraterniteは、語源的に男性的な「兄弟」と繋がってる。それに対して、sororiteは、語源的に女性的な姉妹(soeur)と繋がってるらしい。だから、テーマ的にも続けて登場させたと。
そして、いよいよ日本選手団の入場というか、船上パレード。このシーンは一瞬で終わったけど、その後もたまに映ってた。正直、選手の名前と顔がほとんど分からない。
昼間の川だと、どうしても映像的にぼんやりするけど、ようやく暗くなって来た。現地は緯度が高いから、日没は21時半。日本は夜明け♪ 街中の照明は意図的に暗めにしてるのかも。会場周辺を目立たせるために。
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ほとんどブログに書いた覚えがないけど、私は昔、ちょっとだけダンスをやってた♪ その目線で見てると、パフォーマー達の激しいダンスが延々と続いてたことに感心☆ 相当な体力が必要だし、雨だから精神的にもきついはず。まあ、夢中で踊りに入り込んでるトランス状態だから、何とも感じないのかも。
五輪の定番となった曲、ジョン・レノン&オノ・ヨーコの『イマジン』。論争点でもある「no religion」(宗教なし)の所で、歌詞をわざとボカしたようにも聞こえたけど、考え過ぎかも。
ただ私は、この曲の歌詞はあまり好きではない。曲はキレイだけど、歌詞は夢物語過ぎて、宗教なしどころかdreamer(夢想家)の特殊な新興宗教のように感じる。五輪の開会式で必ず歌うという決定もどうかと思ってる。
白馬のロボットに乗った人が、五輪旗を運ぶ演出は美しかった。馬の足のゆったりした動きと、ボートのスピードが合ってるのだ。スーッと流れて行く感じ。
エッフェル塔の脚元には、わりと普通に五輪らしく国旗が並んでる。そこに白馬(本物)と騎士が登場。全体で、トロカデロ庭園のメイン会場に向かって行進。
バッハ会長も只者じゃないけど、パリ五輪・パラリン組織委員会のトニー・エスタンゲ会長も長身のイケメンで目立ってる。イケおじ♪ 多分、色々と頑張ってるはず(笑)。何?! せっかくフランス語と英語の聴き取りをしてたのに、同時通訳の日本語がかぶってダメだった。字幕にして欲しいね・・と思うマニアックな視聴者なんて、ほとんどいないわけか。ドイツ人のバッハ会長は、英語もフランス語も流暢。
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そして、『シン・ゴジラ』♪ かなり強烈なレーザー光線。CGも使ってたのかね? 恐ろしく鮮明だった。
夜のルーブル美術館の幻想的な敷地を回る聖火ランナー。ちょっと長過ぎたけど、広く開かれた五輪だから、こちらも我慢が必要。
そして遂に、聖火点灯。男女、1人ずつ、同時に下側で点灯して、気球が上に昇る趣向。
東京五輪のスタッフも、ちょっと羨ましかったんじゃないかな? 東京はコロナ絶頂期で、反対運動もスキャンダルも大変な中での控えめな開催だったから、条件的に遥かに厳しかった。あれは、開催しただけでも素晴らしかったと思う。
花火が無くて、代わりに熱気球が夜空を漂うというのも、独創的な開会式のフィナーレだった。あれはあれで、「シック」だったと思う。シックという言葉は最近使われなくなってるけど、フランス語で「オシャレ」を表す言葉。
というわけで、私としては大満足の開会式だった。もう1回、録画を見直したいほど♪ それでは今日はこの辺で。。☆彡
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