陸上100m走のタイム(時間)とストライド(歩幅)、ピッチ(歩数)の関係~2021年・大学入学共通テスト・数学ⅠA・第2問〔1〕

今年はコロナのせいで例年より忙しくて、丸2日遅れになってしまったけど、一応、センター試験・・じゃなくて大学入学共通テストの数学の記事を書いとこう。

  

とにかく今、時間が無いので、小問1つだけ。数学好きの市民ランナーで、元・陸上部としてはやはり、ランニングの最適化理論に目が留まる。まあ、机上の空論かも知れないけど♪

   

   

     ☆     ☆     ☆

自分で走ってみればすぐ分かるように、ストライド(歩幅)とピッチ(歩数)の関係は微妙で、特に本気で走る時は、そう簡単に最高の組合せにできるものではない。

  

ストライドを伸ばすと、足腰への負荷が大きくなって、ダメージがやがて故障につながる。足の裏、足首、ふくらはぎ、膝、太腿、腰。

  

逆にピッチを上げると、心肺に負荷がかかってなかなか続かないし、ストライドが予想以上に縮んでしまう。ストライドにせよ、ピッチにせよ、意図的に変化させるとどうしても走りのバランスが崩れがちになる。

   

自転車のギア選択と足の回転数の関係と少し似てるけど、陸上の方が足腰への負荷が高いのは間違いない。というわけで、今回のテストの問題は、陸上競技の現実とはかなり違ってるのだ。

    

では、例によって河合塾で数学Ⅰ・Aの問題を頂いて、解説してみよう。必答問題の第2問、〔1〕

    

     ☆     ☆     ☆

210119a

    

210119b

   

解答(1) (平均速度:1秒あたりの進む距離)

   =(1秒あたりの歩数)×(1歩あたりの進む距離)

   = (ピッチ)×(ストライド)

   = xz ・・・②(アの答

  

(感想・解説) 文章の誘導に従って式を書くと、zxになるはずだけど、選択肢ではxz。細かい話だけど、これはxとzの定義が逆順だから起きてることで、意図的にせよ偶然にせよ、問題作成としてはビミョーな所。まあ、最初にストライドから話を書き始めてるし、ストライドの方が簡単(単なる長さ)だから、ストライドをxにしたんだろう。

     

   

     ☆     ☆     ☆

210119c

  

210119d

 

 (2) ストライドxが0.05大きくなると、ピッチzが0.1小さくなるので、zをxで表す1次関数の傾きは、

-0.1÷0.05=-2

 また、この関数は点(x,z)=(2.10,4.60)を通るから、

 z=-2(x-2.10)+4.60

  =-2x+8.8

  =-2x+44/5 ・・・② (イウエオの答

  

ピッチzが最大値4.8の時、

 4.8=-2x+8.8

 ∴ x=2.00

 ∴ 2.00 ≦ x ≦ 2.40 ・・・(カキクの答

    

(感想・解説) 小数と分数が混ざってるし、小数第2位まで無理やり書くので、ちょっとやりにくい。参考のためのグラフも書きにくい。これは適度なヒネリで、いいと思う。

  

どうして小数第2位まで考えてるかというと、本来ならストライドは身長と同じく、cm単位で測る。ところがそれだと3ケタの大きな整数になってしまうし、100mという距離と単位が変わってしまうので、ストライドをm単位で小数第2位までにして、ピッチと合わせてるわけだ。

   

  

     ☆     ☆     ☆

210119e

  

y=xzとおいて、②のz=-2x+8.8を代入すると、

y=x(-2x+8.8)

 =-2x²+8.8x

 =-2(x-2.2)²+9.68

   

2.2はxの範囲に入っているので、

yの最大値を与えるxは、2.20 ・・・(ケコサの答

  

この時、(ピッチ)z=-2×2.2+8.8

          =4.40 ・・・(シスセの答

   

さらに、①式より、

(タイム)=100/xz

     =100/(2.2×4.4)

     =100/9.68

     =5000/484

     =1250/121

     =10.330・・・

 

よって、タイムの値は、選択肢。 ・・・(ソの答

    

(感想・解説) 最後がかなりキレイな小数第2位までのタイムになってて、しかも現実的なトップクラスのタイムになってる辺りは、流石に上手い問題作成。たぶん、何度も作り直したはず♪ 9秒台だと、まだ日本人は滅多に出せないし、11秒台だと遅すぎて、最速タイムとしてピンと来ない。

    

こんな速いタイム、ほとんどの人は出せないけど、メディアで報道されてる100m走の値はこのくらいが圧倒的に多い。多くの受験生にとって、わりと馴染んでる数字だろう。

    

理論的には簡単な1次関数と2次関数の問題だけど、小数・分数も、文章の長さもちょっと面倒だから、難易度も適度。全体的に良問だと思う。

  

  

      ☆     ☆     ☆

なお、河合塾の分析では、「問題文が長く、初めて見る用語や関係式に対応して上手に立式できるかがポイント」とのこと。そうか。ストライドとかピッチは「初めて見る用語」なわけか♪

  

ちなみに当サイトのランニングの記事でそうした言葉を使う時には、基本的に「ストライド(歩幅)」、「ピッチ(歩数)」と書いてる。どうも、適切な執筆方法らしい♪ もちろん、「1歩あたりの」とか「1秒あたりの」という言葉はフツー、省略するわけだ。

  

数学Ⅰ・A全体の平均点予想は、難しかった去年よりは6点も上がってるけど、58点だから、低めになって。さて、実際はどうか。

   

ともあれ、受験生の皆さん、コロナで大変な中、どうもお疲れさま♪ ではまた。。☆彡

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パズル「絵むすび」17、線を書かずに頭の中だけでイメージする解き方(難易度3、ニコリ作、朝日be)

線で、同じ絵を結ぶだけ。楽しみながら頭のトレーニングができるパズル「絵むすび」について、これまで16本の記事を書いて来ました(本当は他にも少しあります)。どれも朝日新聞に出てた問題です。

  

5本は小学生向けです。新しい順に、絵むすびの解き方16(20年7月4日)。解き方15(20年3月21日)。解き方13(18年5月19日)。解き方12(17年5月2日)。解き方11(16年5月21日)

  

最初からの10本と、3回前の1本は、大人向けです。第1回2回3回4回5回6回7回8回9回10回14回(19年4月21日)

  

  

    ☆     ☆     ☆

5ヶ月ぶりに絵むすびを扱う今日は、大人でも子どもでも読みやすいように書いてみます。ただし、内容はそれほどカンタンではありません。初めてのパターン。

    

手で線を引かずに、頭の中だけで絵むすびを解く方法について、考え方、コツ、攻略(こうりゃく)法みたいなものを書きます。最近はもう、朝日beの絵むすびや「推理」、クロスワードパズルは手を使わずに解くようにしてます。

  

その下の詰将棋も含めて、完全な脳トレ。頭の中にイメージする能力(=脳力)と、途中までの考えを記憶する能力が鍛えられます。

         

20年12月19日の問題は、難易度(なんいど)☆3つ。簡単な問題ですが、ウチの昔の記事へのアクセスはかなり沢山、入ってます。元の画像は、小さく引用しときます。

   

201220a

  

  

     ☆     ☆     ☆

201220b

    

今回の問題は、6つの絵がどれも「り」で始まるものでした。流星(上図では黄色の「流」)、リボン(上図ではピンクの「リボ」)、クリスマスのリース(緑の「リー」)、リンゴ(赤の「リン」)、リヤカー(茶色の「リヤ」)、リュック(水色の「リュ」)。

      

ルールはいつもと同じ。すべてのマス目を1回だけ線が通るように、絵を結びます。線の交差(クロス)や枝分かれ、絵の突き抜けはダメ。応募(おうぼ)用のポイントは、☆印をどの線が通るかだけど、解く時に星印は気にしなくていいです。

   

  

    ☆     ☆     ☆   

いつものように、まず大きくはなれた2組だけに注目しましょう。特に、角(かど、すみ)とか、端(はし)にあるものをえらぶと分かりやすいです。

   

今回だと、まずリボンの線とリースの線だけに注目するのがいいでしょう。大まかな線の流れを頭の中でイメージして考えます。

   

リースの線が、リボンの間を通ると、そのリースの線の右下あたりにあるリボン、リュック、リンゴ、リヤカーの線を左上に引いて行くことができません。図の下側が一段しか空いてないからです。

  

だから、リースの線は、リボンの間を通ることはできなくて、右下の隅(すみ)を通るはず。すると、リースの線は大きく見て、カギカッコ( 」 )みたいな形になります。下の線は長めで。

  

  

    ☆     ☆     ☆

すると、リヤカーを結ぶ線は、左下の隅を通ってグルッと半円形に回る形になります。極端に書くと、「⊂」みたいな感じ。まだ2本目の線だから、イメージしやすいと思います。

     

では、この後、どう考えればいいでしょうか。いつものように、少しずつ更新(こうしん)して行きます。次の更新は今日(12月20日・日曜)の夜にします。ではまた。。

  

  

・・・・・・はい。夜になったので、最初の更新です。あらためて、問題の図を見てみましょう。線は書きません。

 

201220b
   

緑のリースの線は、右下を通過する形でほぼ決まり。茶色のリヤカーの線は、左にグルッと大回りする形でイメージできてます。

  

次に分かるのは、水色のリュックの線。これは、下側にはリースの線があるし、上側にはリヤカーの線があって、はさまれてるのです。だから、狭(せま)い場所の短い線になります。カギカッコ( 「 )の上を長くしたようなイメージ。

  

これでもう、右端と下側の部分はほぼ分かりました。右端には緑のリースの線。下側の部分には、上から、茶色のリヤカーの線(上半分)、水色のリュックの線、茶色のリヤカーの線(下半分)と並んでます。ぼんやり頭の中に浮かぶでしょう。

   

      

     ☆     ☆     ☆ 

この後は、赤いリンゴの線が分かりやすいでしょう。次の更新(こうしん)は明日、月曜の夜です。なお、今週は計14337字で終了。ではまた来週。。☆彡

     

   

・・・・・・月曜の夜になったので、また更新します。もう、3本の線がイメージされてるので、残りの場所はせまいハンイに限られてます。

  

だから、例えば右上のリースのマスの左横を通過する線は、リンゴだろうと分かります。もしリボンの線がそこを通るのなら、リンゴの線が引けなくなってしまいます。流星の線がそこを通るとすると、不自然すぎるし、実際ムリです。

   

というわけで、リンゴの線もほぼ分かりました。上側を大回りしてるのです。後はもうカンタンでしょう。最後の更新は、土曜日(12月26日)に正解が発表された後にします。ではまた。。

   

(☆年末年始はbeがお休みだったので、最後は年明けに更新します。)

   

     ☆     ☆     ☆

ようやく1月9日に正解が発表されたので、最後の更新にします。といっても、間が空き過ぎたし、ほとんどアクセスが入らなくなってるので、もう最後はごく簡単に。

  

既に、リースの線、リヤカーの線、リュックの線、リンゴの線の引き方は大まかに決まってるので、残った狭い場所で流星の線とリボンの線を引くだけです。最後だけは図を示しておきましょう。

   

210110a

   

それでは、この辺で。。☆彡

   

     (計 1732字)

 (追記467字 ; 合計2199字)

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パズル「ナンスケ」の解き方、考え方7~難易度4、ニコリ作、朝日新聞be

朝日新聞・土曜の別刷beで、昨日(20年11月14日)また、「ナンスケ」というパズルが出ました。制作はニコリです。難易度は4(☆4コ)で、苦戦してる人も多いようです。

       

ナンスケ(ナンバースケルトン)とは、数を並べて作った骨組みという意味。クロスワードパズルの言葉の代わりに、数を入れるのですが、解くためのヒントは、入れる数の候補のみ。最初は、やり方が分からなくて考え込むでしょう。

   

このサイトでは今まで6回、解き方や考え方、コツみたいなものを解説しています。

   

19年5月11日の問題の記事(難易度2)、6月29日(難易度2)、9月7日(難易度3)、10月26日(難易度4)、20年4月4日(難易度4)、7月18日(難易度3、小学生向けの記事)。

     

すべて、リンクを付けてるので、クリックとかタップで参考にしてください。

    

   

   ☆    ☆    ☆ 

201115a

   

今回は、上図の問題。著作権に配慮して、新聞発表の翌日まで待った後、小さく引用してます。図の全体が、中心に関して点対称なので、見た目がキレイです。赤いマス目の数の和(足し算)が、懸賞応募用の答。

   

201115b

   

上の大きな図は、元と同じですが、私がPCとアプリで自作したものです。マス目に入れるのは、次の22コの数。個数が多いし、すべて1、2、5、7で出来てる数だから、迷うでしょう。過去、一番むずかしい問題かも知れません。

     

(3ケタ)115,157,171,177,222,252,517,555,715,751,772,777

(4ケタ)1722,5122,5722,7722

(5ケタ)17117,17751,21215,22257,25571,77157

   

   

    ☆     ☆     ☆

最初は、4ケタの数がすべて、後ろの2つが「22」となってることに注目して、それらを記入。入れる数の共通点を見抜くのは、ナンスケの大きなポイントです。

   

さらに、下側の横の5ケタのマス目を見ると、左から3番目が2なので、左端は2のはず。候補は、21215か、22257しかないので。

   

201115c

  

個人の性格や問題の難易度にもよりますが、私の場合、まだハッキリしてないマス目は空欄のまま残してます。別の人気パズル「数独」や「絵むすび」、「推理」を解く時でも同様。論理的に考えて確実に分かることだけを記入していく。

       

ただ、例えば下側の横の5ケタに21215か22257のどちらかを書きたい人は、それでもいいと思います。後で失敗に気付いたら、消してやり直せばOKです。

   

この後は、左下か右下が分かりやすいでしょう。なるべくネタバレを少なくするため、いつものように、少しずつ記事を更新。次は今日(15日・日曜)の夜に続きを少し書きます。ではまた後ほど。。

   

  

    ☆     ☆     ☆

では、夜になったので、最初の更新です。

  

201115d

  

左下、縦の3ケタは、真ん中が2だから、222。すると、左下の横の3ケタは、最後が2で終わってるので、252か772のはず。

  

ところが、もし252だと、2で始まる数がもう残ってないので、左下の隅に入る数が無くなってしまいます。だから、左下の横の3ケタは、772です。

  

一方、右下を見ると、縦の5ケタの上から2番目が2だから、22257しかありません。

  

この後は、右下を続けるのがカンタンでしょう。次は明日(16日・月曜)の夜、更新します。なお、今週は計16229字で終了。ではまた来週。。☆彡

   

  

     ☆     ☆     ☆

では、月曜の夜になったので、2回目の更新です。

  

201115e

  

右側の横の3ケタは、2で始まってるので、もう252しかありません。下側の横の5ケタは、「2?2?5」と並んでるから、21215に決まります。

  

この後、右下を完成するのは簡単でしょう。その次がちょっと考え所。5ケタの数が3つ残ることになりますが、それら3つの共通点があるので、それを上の方に書き込むと上側が攻略できます。

  

応募の締め切り前、最後の更新は明日(火曜)の夜にします。ではまた。。

  

  

     ☆     ☆     ☆

火曜の夜22時を過ぎました。締め切り前の最後の更新です。普通、火曜日になるとアクセスはほとんど無くなりますが、今回はまだそこそこ入ってます。やはり、難易度4にしては難しめだったのでしょう。難易度4.2くらいかも♪

   

201117i

    

右下の縦の5ケタは、2で始まるので、25571。右下の横の3ケタは、751です。この後がポイント。

  

残る5ケタは、17117、17751、77157だから、どれも2番目の数は7です。すると、左上の少し右寄りにある、縦の5ケタも、2番目の数は7のはず。だから、そこから始まる横の7ケタは、77157です。

  

この後は、上側から考えるといいでしょう。ただ、適当に書き込んでると間違えてしまいます。最後まで注意して。次の更新はもう、正解発表の後。それでは。。

  

  

    ☆     ☆     ☆

20年11月21日、正解が発表されたので、最後の更新をします。

  

201121a

  

まず左上。残る5ケタはどちらも先頭が「17・・・」となってるので、横の77157の左上は1のはず。すると、左上の横の3ケタは、1で終わってるので、171と書けます。中央の上、縦の4ケタは5122のはず。  

    

201121b

  

左上に縦の5ケタが2個あります。もし、左が17117なら、すぐ下の横の3ケタは751となってしまって、既に使った数字になります。だから、左が17751、右が17117。 

  

201121c

  

上側の横の4ケタは、1722しかありません。すると、下側の横の4ケタは5722、縦の4ケタは7722に決まります。だから、2重枠の数字の1つは、5です。

     

201121d

     

左側の中央、横の3ケタは、もし177だとすると、すぐ下の縦の3ケタが777となって、右上の縦の3ケタ(真ん中が7)が書けなくなってしまいます。

    

だから、17751と17117のすぐ下、横の3ケタは、157。その下の縦の3ケタは517です。二重枠の数字のもう1つは、1。よって、応募用の答は、5+1=7です。

     

201121e

  

すると、もし右上の縦の3ケタが777なら、その下の横の3ケタと左下隅の縦の3ケタに入れる数に困ります。7で始まる数が足りなくなるからです。

  

だから、右上の縦の3ケタは177。その下の横の3ケタが、もし777なら、すぐ下の縦の3ケタと左下隅の縦の3ケタに入れる数に困ります。

 

よって、右上の横の3ケタは715で、左下の縦の3ケタは777。この辺り、最後まで論理的にビミョーな問題で、注意しないと間違えるでしょう。

  

その後はもう、右上に115と書き込んで、一番最後が右上の555。ようやく終わりました。それでは、この辺で。。☆彡

   

      (暫定字数 1391字)

  (追記1253字 ; 合計2644字)

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戦前の東京大学(旧制・第一高等学校)の数学の入試問題2~代数、昭和11年(1936年)

クイズ番組を中心に、不思議なほどの東大ブームが続く令和の今、先日に続いて、戦前の東大(第一高等学校)の数学の入試問題を紹介しよう。昭和11年、1936年の入学試験での出題で、前回の幾何(図形)に続いて、今回は代数。整数の2元2次・連立方程式。

   

わりと大きくて重そうな弾丸を人力で運ぶ問題だから、現在だと出題しにくいはず。兵隊とか軍隊、戦地とまでは書いてないけど、戦前ならではの実用的な整数問題だ。

       

数十年、数百年前の資料を、一般人が手軽にネットで見れるようになってから、まだ10年~20年くらいか。言葉の問題もあって、せっかく無料公開されてる資料はまだまだ利用されてないどころか、閲覧が全く追いつかないほど次々に情報公開されてる。

   

お金も手間ひまもかかってる作業だから、少しずつでも利用して行きたい。使わないままだと、デジタル化の勢いも失われてしまうはず。

  

なお、1本目の記事は次の通り

  

 戦前の東京大学(旧制・第一高等学校)の数学の入試問題~幾何、昭和11年(1936年)

  

出典は同じで、『高等学校・専門学校・大学予科入学試験問題詳解 昭和11年度』、欧文社(今の旺文社) 。国立国会図書館デジタルコレクションにて公開中。あえて、画像処理でキレイに修正することは避け、元の古めかしい画像のままで引用。

  

   

     ☆     ☆     ☆

201003a

  

6. 弾丸若干個を人夫若干名にて某地へ運ぶに各人各回同数ヅツ運び往復9回を要するものとす。もし人数を7名増し各人毎回の運搬数を20個減ずれば8回にて了るべく、又人数を4名減じ各人毎回の運搬数を10個増せば10回を要すべしといふ。人夫の数及び弾丸の数を問ふ。

  

(現在の日本語に直した問題文) いくつかの弾丸を、何人かで、ある地点まで運ぶ。各人が各回、ある一定の数を運ぶなら、往復9回かかる。もし人数を7名増し、各人の毎回の運搬数を20個減らすと、8回で終わる。また、もし人数を4名減らして、各人の毎回の運搬数を10個増すと、10回を要する。もとの人数と、弾丸の総数を求めよ。

   

    

     ☆     ☆     ☆

解答 (私が作成)

もとの人数をx人、もとの1人1回あたりの運搬数をyコとすると、xは4以上の整数、yは20以上の整数で、条件より、

 9xy=8(x+7)(y-20)

 9xy=10(x-4)(y+10)

  

∴ xy+160x-56y+1120=0 ・・・①

 xy+100x-40y-400=0 ・・・②

  

①-②: 60x-16y+1520=0

 ∴ 15x-4y+380=0 ・・・③

 

不定方程式③を満たす1組の解として、(x,y)=(4,110)がすぐ見つかるので、

 15×4-4×110+380=0 ・・・④

  

③-④: 15(x-4)-4(y-110)=0

 ∴ 15(x-4)=4(y-110) ・・・⑤

  

もとの条件である①かつ②は、②かつ③と同値(つまり必要十分)であり、③と⑤は論理的に同等の数式。

結局、条件式は、②かつ⑤と考えてよい。ただし、xは4以上の整数、yは20以上の整数

  

⑤の右辺は4の倍数だから、左辺も4の倍数。よって、xは4の倍数のはず。そこで、⑤にx=4,8,12,・・・を代入してyを求め、そのxとyでが成立するかどうかを調べる。

   

 x=4,y=110   ②は不成立

 x=8,y=125    不成立

x=12,y=140    不成立

x=16,y=155    不成立

x=20,y=170    不成立

x=24,y=185    不成立

x=28,y=200    成立

(28×200+100×28-40×200-400=0)

x=32,y=215    不成立

x=36,y=230    不成立

  

ここで、②を変形すると、(x-40)(y+100)=-3600

両辺の符号はマイナスだから、x-40<0  ∴ x<40

よって、x≧40の場合はすべて不適で、これ以上、代入して調べる必要はない。

    

したがって、x=28,y=200であり、

もとの人夫28人。 ・・・(答)

また、弾丸の総数は、

9xy=9×28×200

  =50400個。 ・・・(答)

  

  

     ☆     ☆     ☆

現在だと、この種の問題の条件は不等式のことも多いけど、ここでは等式になっている。2変数で等式2本の整数問題(連立方程式)だから、簡単そうにも見えるけど、弾丸の個数が多いので意外と面倒。

   

その点を考えると、本の模範解答(下図)のように、代入法で1文字消去した方が良いかも知れない。ただ、私としては、現在の不定方程式の解き方を応用する方法を選択した。整数問題では、因数分解や、具体的な数の代入が有効なことが多いので。「研究」と名付けられた解説を読むと、計算練習や計算能力の大切さが強調されてた。

    

201003b

   

201003c

  

なお、上図で、「(3)ニ代入」が「(3)代入」と書いてあったり、「28」が「3」に見えたり、「50400」が「50 00」に見えたりしているので、念のため。

   

負(マイナス)の数のことを「原数」と書いてるのは、おそらく「減数」の誤植だと思うけど、この言葉を検索してもなかなかヒットしない。古すぎる言葉だからか、あるいは、この解答作成者の独自の言葉づかいなのかも。

  

以前の海軍兵学校の問題も含めて、100年前の受験生たちも優秀だったことが実感できたし、数学の基本は不変だとあらためて確認できた。それでは今日はこの辺で。。☆彡

   

   

      (計 2142字)

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戦前の東京大学(旧制・第一高等学校)の数学の入試問題~幾何、昭和11年(1936年)

先日(20年9月26日)、久々にNHK『ニュース7』を見てたら、終了後に『たけしのその時カメラは回っていた』という番組がスタート。初めてだから、そのまま消さずに流し見してると、既に戦前から、東京大学などの受験戦争は激しかったと説明してた。

   

早速、国立国会図書館デジタルコレクションで当時の受験雑誌を探したものの、公開されてるものがなかなか見当たらない。そこで代わりに、試験問題を探すと、解答どころか解説までついてる詳しい問題集(または参考書)を発見できた

  

200929a

     

『高等学校・専門学校・大学予科入学試験問題詳解 昭和11年度』、欧文社(今の旺文社)。指導部編ということは、専属の先生みたいな社員がいたのかも。附録として、競争率の一覧表まで付いてて、本格的な受験参考書だ。東京大学(当時は旧制・第一高等学校) は文系も理系も10倍近い倍率の難関。採用予定数は、文理ともに僅か150人。

  

200929b

            

今日は時間が無いけど、興味深かったから、東大(第一高等学校)入試問題の数学を1問だけ紹介しとこう。全6問中の第1問。幾何だから、今なら上位の高校の入試問題みたいなものか。

        

試験時間は3時間だから、完答しても1問30分ある。当時の合格ラインは不明だけど、問題自体は今より簡単で、解答も長くはないから、トップクラスの受験生なら完答できたと思う。

    

   

      ☆     ☆     ☆

200929c

  

1. 位置および大きさが与えられたる角XOYの辺OX、OYの上にそれぞれ点A、Bをとり三角形AOBの周の長さを定長Lに等しからしむるときは、辺ABは一定円に切することを証明せよ。 (引用者による注.切する=接する)

   

解答 (私が作成。図は、本の解答のものを修正して利用。)

200929d2

   

上図のように、∠XABの二等分線と、角YBAの二等分線との交点を、点Pとする。また、点PからOX、AB、OYに下ろした垂線の足をそれぞれ、点E、点H、点Fとする。

  

1辺2角が等しい直角三角形なので、△PAE≡△PAH  

 ∴ PE=PH・・・①   AE=AH・・・②

  

同様に、△PBF≡PBH

 ∴ PF=PH・・・③   BF=BH・・・④

  

①③より、PE=PH=PF。よって、中心P、半径の長さPEの円(以下、円Pと呼ぶ)は、OA、AB、OBと接して、接点はそれぞれE、H、F。

  

200929e

   

また、L=OA+AB+OB  (∵ 仮定)

    =OA+AH+BH+OB

    =OA+AE+BF+OB (∵ ②④)

    =OE+OF

   

ここで、OEとOFは、点Oから円Pに引いた2つの接線だから、長さは等しい。

∴ OE=OF=L/2

   

したがって、点A、Bの位置に関わらず、接点E、Fは点OからL/2の距離の定位置にあり、円Pの中心と半径PEも一定となる。

以上より、辺ABは一定円(上の円P)に接する。

         (証明終了)

  

  

     ☆     ☆     ☆

三角形の「傍心」と「傍接円」の問題だから、私は2つの外角の二等分線の交点から解いた。

   

の解説では、1つの外角の二等分線と角XOYの二等分線との交点から解いてる。

  

200929f

  

200929g

     

私は、純粋な論理を重視。本は、この種の問題を解く時の常套手段を重視したということか。

   

ちなみに本の解答は、点Oが2つあるし、他にも間違い(または活字の誤植)がある。軽い実力試しのクイズとして、どうぞ♪ 時間が無いので、今日はあっさりこの辺で。。☆彡

  

  

  

cf. 戦前の東京大学(旧制・第一高等学校)の数学の入試問題2~代数、昭和11年(1936年)

 海軍兵学校の数学試験(算術)~明治36年度(1903年)の問題と解説・解答

      

      (計 1390字)

   (追記43字 ; 合計1433字)

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パズル「ナンスケ」のとき方6~小学生むけ(星3つのむずかしさ、あさひしんぶん)

「ナンスケ」というパズルの解き方(ときかた)について、今まで、5本の記事(きじ)を書(か)いて来ました。今日(きょう)は、子どもむけにやさしく書いてみます。

  

「ナンスケ」は、ナンバーのスケルトン。数(かず)の骨(ほね)ぐみ、ということです。縦(たて)と横(よこ)に、いろんな数をつなぎます。数は、上から下か、左から右へと書きます。

  

問題(もんだい)の図(ず)からわかるのは、数のケタと、つなぎ方だけ。どこに何の数を入れるか、自分(じぶん)で考えます。

  

  

    ☆     ☆     ☆

ここでは、2020年7月18日(土曜・どよう)の朝日新聞(あさひしんぶん)の朝刊(ちょうかん)be(ビー)のパズルを考(かんが)えてみましょう。

    

ニコリが作(つく)ったもので、難易度(なんいど、むずかしさ)は、☆☆☆。星(ほし)3つだから、フツーです。

    

200721a

  

今までの説明(せつめい)は、下の5本。小学5年生以上なら、読(よ)めると思います。リンクをつけてるので、クリックとかタップしてみてください。

  

 19年5月11日の記事、6月29日の記事、9月7日の記事、10月26日の記事。20年4月5日の記事

  

(☆その後、20年11月14日の問題の記事もアップしました。)

    

     

      ☆     ☆     ☆

200721f

   

上のマス目に入れるのは、次(つぎ)の18コの数です。

 

(3ケタ)292, 298, 595, 892, 995, 999

(4ケタ)1215, 1812, 1818, 9998

(5ケタ)12828, 25822, 29229, 52885, 58855, 85552, 88155, 95588

   

プレゼント用(よう)の答(こたえ)は 、赤(あか)い枠(わく)の2つの数の合計(ごうけい)です。たし算(ざん)するだけ。最後(さいご)まで、わかりません。

  

  

    ☆     ☆     ☆

まず、すべての数をジッと見て、同じになってることを探(さが)すのがコツ。よく見ると、3ケタの数はどれも、真ん中(まんなか)が9になってますね。だから、下のように書けます。

  

200721b

   

左上(ひだりうえ)のタテの3ケタは、真ん中と下が99となってるから、999ですね。

  

次(つぎ)に、右下(みぎした)のタテの3ケタは、はじめと真ん中が99となってるから、995です。もう、999はさっき使(つか)ってるから、ダメなのです。

  

書く順番(じゅんばん)が大切(たいせつ)。これで、下の図のようになりました。

   

  

     ☆     ☆     ☆

200721c

  

左上のヨコの5ケタは、2つめが9だから、29229です。すると、真ん中の上にあるタテの4ケタは、9から始(はじ)まるから、9998になります。

  

200721d

   

右上のヨコの5ケタは、9から始まるので、95588ですね。あと、残(のこ)ってる4ケタの数3つはどれも、1番目(ばんめ)と3番目が1だから、下のように書けます。

  

200721e

   

これでもう、かなり分かったから、後(あと)は簡単(カンタン)。今日はしめきりの火曜(かよう)だから、ここで止(や)めておきます。左にタテの5ケタが2つありますが、どちらもすぐ、わかるでしょう。

  

この続(つづ)きは、今週(こんしゅう)の土曜に、正解(せいかい)が出た後で書きます。では、自分で頭(あたま)を使(つか)って、考えてくださいね。

   

  

     ☆     ☆     ☆

土曜になりました。最後(さいご)まで進(すす)みましょう。

   

200725b

  

左側のタテの5ケタは、真ん中が1だから、88155。すると、その上のヨコの3ケタは、298だと分かります。

   

200725c

   

左下のヨコの5ケタは、真ん中が5だから、85552。すると、下の方のタテの4ケタは、1215だとわかります。

  

200725d

   

右下のヨコの5ケタは、1番目と4番目が5だから、58855。すると、その上のタテの5ケタは、5で始まってるから、残ってる52885のはず。

   

200725e

  

200725f

  

後はもうカンタンだけど、あわてて答を出そうとすると、間違(まちが)えます。は、赤い枠(わく)の足し算で、

 2+8=10

でした。2+2=4とか、8+8=16と答(こた)えてしまった人もいるかもしれませんね。

   

それでは、これで終(お)わりにします。。☆彡  

   

      (暫定 1284字)

  (追記363字 ; 合計1647字)

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正十七角形の作図法2~図形的な長さと角度のcosの数値チェック(手計算とコンピューター半々)

フジのドラマ『やまとなでしこ』特別編(後編)で感動。本気でウルウルした後、私も数学をあきらめずに全部計算しようとしたけど、やっぱり途中で挫けてしまった (^^ゞ やっぱり魚屋を継ぐべきか♪ いずれ、時間と能力の余裕を作って、三度目の正直にチャレンジしたい。

     

さて、当サイトでは先週(20年7月7日)、次の記事をアップした

   

 正十七角形の作図を使った、ケーキの68等分の方法・解説~『やまとなでしこ』(特別編)数学者・欧介

   

68÷4=17。正十七角形の作図だけなら、日英のウィキペディアも含めて、既存のサイトより分かりやすいと思ってる。不要な線を消して、簡単すぎる作図(中学1年レベル)も省略、点にも名前を書いたからだ。実際、納得したというツイートも頂いてる。

     

ただ、その作図でなぜ正しいのか、理論的にも計算的にもチェックしてないと正直に付記しておいた。その後、1回の計算間違い(途中で16分の1にしてた)も含め、ノート5ページ分を計算。わりといい所まで行くけど、あと少しの所で、三重根号その他の面倒すぎる計算に挫けてしまう。「経験したことのない」計算♪ 気象庁発表か!

  

200714a

  

200714b

  

下は、逆にcos360°/17(=cos2π/17)の値から、図形的な長さを出そうとした計算だけど、3倍角の公式でcos3×360°/17を出す時点で挫けてしまった。文字a、bとかで、上手く置き換えないと苦しいかも。

     

200714c

  

  

     ☆     ☆     ☆

というわけで、しばらく忘れようと思ったけど、そう言えば最近、コンピューター計算を使ってない。Wolfram alphaなんて高級なサイトは要らないはずで、カシオの計算サイトで十分だろう(ちょっと失礼かも)と思って挑戦。わりと簡単に成功♪ やっぱりコンピューターを使えないとダメか。数学も、将棋も囲碁も、語学も金融マーケットも。。

   

200707a

   

では本題。前の記事の図をそのまま使って、計算の説明を行う。作図そのものの説明は前の記事で書いたから、ここでは省略。円O(オー)は半径4として、OC=1と設定。するとAC=√17。

   

200707b

   

上図のODを計算するには、角の二等分線の性質を二重に使えばいい(斜辺の比=底辺の分割比)。二等分をくり返すと、角の4等分になる。

  

結局、上図で、OD={√(578-34√17)+√(34-2√17)-4-4√17}/16。ノート1ページ目の下側。

  

200714d

  

これをカシオのサイトで10ケタ計算すると、 OD=0.3441507314

  

     ☆     ☆     ☆

200707c

   

上図で、原点OとEの距離OEは、ODの長さとtan(タンジェント)の加法定理から求められる。

OE=tan(45°-∠OCD)

 =(tan45°-tan∠OCD)/(1+tan45°tan∠OCD)

 =(1-OD)/(1+OD)

 =・・・・・・

 =(√(34-2√17)-√17+1)/4 (ノート2ページ目の下側)

  

200707d

   

よって、EAの中点(作図用の円の中心)をMとすると、

OM=EM-OE

  =(OE+OA)/2-OE

  =(OA-OE)/2

  ={15+√17-√(34-2√17)}/8  (ノート2ページ目の右下)

   

FM=EM=(OE+OA)/2

  =(17-√17+√(34-2√17))/8 (ノート3ページ目の右上)

  

∴ OF²=FM²-OM²

    =・・・・・・

    =1-√17+√(34-2√17)  (ノート3ページ目の一番下)

   

∴ DF²=OD²+OF²

   =・・・・・・

   =(68-12√17+7√(34-2√17)-√17√(34-2√17))/16

    (ノート4ページ目の中段)

   

この√ (三重根号)がDFで、カシオのサイトで計算すると、 1.438802692

   

  

     ☆     ☆     ☆

200707e

   

∴ OG=OD+DF

   =0.3441507314+1.438802692

   =1.782953423

       (有効数字が1つズレるけど、些細な事だから無視)

    

200707f

  

200707g

  

この図形的な長さOGが、4cos3×360°/17の値と一致すれば、作図の正しさが示される。ちなみに4倍するのは、半径4だから。

       

   

     ☆     ☆     ☆

この4cos3×360°/17 の値は、直接、カシオで計算すると、1.782953423。ピッタシ。

  

200714e

  

一方、cos360°/17の小数の値は、ドイツ語版ウィキペディアだと0.9324722294・・と載ってたから、そこから三倍角の公式を使って上の値を求めても、ぴったり合ってた。

  

200714f

  

  

     ☆     ☆     ☆

というわけで、作図は少なくとも、ほとんど合ってそうなのだ。残る問題は、コンピューターなしでcosの値をどうやって求めるのか。そして、手計算だけでOGの長さを求めること。ウィキに載ってる三重根号の値まで、正確に導きたい所だ。

   

まあ、かなり時間も労力も使って疲れたし、ドラマも終わったから、しばらくは休養ということで。『やまとなでしこ』。特別編は省略だらけになってたけど、良質の恋愛コメディだったし、刺激的な数学コネタドラマだった。ひょっとすると、制服姿の美人「スッチー」を前面に押し出した最後のドラマかも♪

  

押し出し過ぎて、航空会社の協力が取れなかったとかウィキに書いてあった(笑)。今だともう、少なくとも地上波ゴールデンタイムでは作れない内容だろうな・・とか、郷愁を覚えつつ、それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

        (計 2133字)

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正十七角形の作図を使った、ケーキの68等分の方法・解説~『やまとなでしこ』(特別編)数学者・欧介

20年ぶりフジテレビ・月9に再登場した人気ドラマ『やまとなでしこ』。2時間ドラマ、2本に編集した特別編

    

前編の昨日(2020年7月6日)は大幅にカットされてたが、全盛期の松嶋菜々子は輝いてたし、全てが懐かしかった。平成ブロガーにとっては、小学校以来という計算になる♪ 平均視聴率9.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

    

本来なら、本格的なレビューを書くところだけど、残念ながら今は仕事に追われる毎日で、余裕がない。そこでとりあえず、数学的なコネタ記事をアップしとこう。ツイッター検索ではちょっとしか話題になってなかったけど、ドラマ抜きでも、多少の数学的な需要はあると思う。

   

  

    ☆     ☆     ☆

200707k

   

数学者になる夢をあきらめて魚屋の跡継ぎとなった欧介(堤真一)が、数学研究の仲間の結婚披露宴に出席。イチゴの数は68個より多かったから、美術スタッフさんのミスかも♪ 「あなたと2人で浪漫飛行 サイン コサイン 恋サイン♡」

       

200707l

  

新郎・岡本「おい! そこの誰か! このケーキ、人数分、均等に分けてくれ」、客1「それじゃ、クリームとスポンジの比率が均等になんないだろ」、客2「欧介、お前の意見は?」。

  

欧介「68人分か。17の倍数だから、ガウスの証明した正十七角形の作図の応用をすればいいんじゃないかな?」、客3「おぉ、リッチモンドの方法か」、新郎「おぉ! やっぱり欧介だ♪」

  

   

    ☆     ☆     ☆

200707i

  

上のように、丸いケーキに正十七角形が書ければ、一切れを半分にすれば、34等分になる。さらに半分にすれば、68等分。上図の17コの扇形を、それぞれ4分の1にするということ。

   

実際には、それだと細すぎて切りにくいし、見栄えも良くない。スポンジはともかく、クリームの比率も均等にならないはず。私なら、適当に分ければいいよと言うだろうし、仮に数学を使うとしても、遥かに簡単な64等分を主張する。

   

半分(2分の1)にする簡単なカットを6回続けて、64等分。その内の4コを、男性客8人で半分にして分ける。

(64-4)+8=68

   

ただ、ドラマ的には欧介の数学的才能を見せつける必要があるので、やっぱり正十七角形の作図が必要。ガウスやリッチモンドを知らなくても、ウィキペディアにやり方が載ってるが(gifアニメ画像付)、特に日本版ウィキの説明は非常に分かりにくい。図に点の名前を書き込んでないし、途中で使った線を残してるから、終盤は複雑すぎてゴチャゴチャに見える。

     

英語版ウィキの「Heptadecagonのページの方がシンプルだが、それでも途中の線を少し残してるので、大まかな論理の筋を追いにくい。そこで以下では、使い終わった線は消しながら、分解した図で流れを追ってみる。ただし点の名前は、日本版ウィキの説明に合わせた。

   

    

    ☆     ☆     ☆

かなり面倒な作図なので、中学1年レベルのカンタンな幾何は前提としよう。まず、線分(両端のある直線)の2等分はすぐ出来る。それを連続で行えば、線分の4等分もすぐできる。もちろん、定規(定木)とコンパスのみ使用。分度器はダメ。

        

また、角の二等分線もカンタンに引ける。それを連続で行えば、角の4等分もできる。ということは、直線(180度の角)を2等分すると、垂直の線が引けるし、それをさらに2等分すれば、45度の線も引けることになる。

   

一応、日本版ウィキの「二等分線」の項目にリンクを貼っとこう。正十七角形の作図は、日本版も英語版も、その基礎的操作まで書いてるから、全体が必要以上に複雑に感じられるのだ。

   

    

     ☆     ☆     ☆  

200707a

  

① まず、中心O(オー)の円に、直角に交差する半径OA、OBを書き込む。次に、半径OBを四等分して、中心Oに一番近い四等分点をCとする。そして、Aと結ぶ線を引く。

       

200707b

   

② 上図のように、角OCAの4等分線を引いて、OAとの交点をDとする。

       

200707c

  

③ 角ECDが45度になるように、ADの延長線上にEを決める。

   

200707d

  

④ 線分AEを直径とする円を書いて、OBとの交点をFとする。その円は、先にAEを2等分する点を求めて、それを中心として、その点からAまでを半径として、書けばよい。

   

    

      ☆     ☆     ☆

200707e

  

⑤ DFを半径とする円を書き、OAとの交点をGとする。

      

200707f

  

⑥ Gを通って、OAに垂直な直線を引き、元の円との交点をHとする。

      

200707g

   

⑦ この点Hが、円の右端の点Aを始点とする正十七角形の頂点の4番目になるらしい(理論的・計算的には未確認)。

角AOH=角GOH=3×(360°/17)

  

   

     ☆     ☆     ☆

        

200707h

  

⑧ Hから左回りに、3×(360°/17)の角度を取って行く。その角を合計6回取って、1周ちょっと回転した時、上図の角AOMは、360°/17になる。

 6×{3×(360°/17)}-360°=360°/17

これで、線分AMが正十七角形の1辺となった。

         

200707i

  

⑨ 後はもう、角AOMや辺AMなどを利用すれば、上のような正十七角形が完成。ウィキはこの最後の操作を、コンパスで美しくやってるから、難しく見えてる。1辺が分かれば後はもう、その長さで区切って行くだけでいい。

 

200707j  

 

⑩ 17個の扇形をそれぞれ4等分して、正68角形が完成。ほとんど円に見えるからか、ネットでも(ほとんど)見当たらない。上図は、こちらのサイトのアニメーションから完成図だけお借りして、加工させて頂いた。

   

  

    ☆     ☆     ☆

ちなみにドラマではその後、均等に切り分けられたケーキの映像が登場。見事に、普通の長方形・・じゃなくて「直方体」(笑)。欧介も数学も全く関係もなし♪ ここはコメディの綺麗なオチだったわけか。

   

200707m

 

なお、理論的・計算的な説明はまたいずれ。かなり面倒な二重根号、三重根号とかの計算が必要になるはず。正17角形の各中心角の角度360°/17(=2π/17)の恋サイン・・じゃなくてコサインの値はこうなるらしい。右端は三重根号になってる。

    

cos360°/17=1/16〔-1+√17+√(34-2√17)+2√{17+3√17-√(170+38√17)}〕

   

この記事、こんなに時間がかかるのなら普通にレビューした方が早かったかも・・とか思いつつ、ではまた。。☆彡

  

  

  

P.S. 翌週のドラマ後編の後、計算チェックの記事も新たにアップした。  

 正十七角形の作図法2~図形的な長さと角度のcosの数値チェック(手計算とコンピューター半々)

       

        (計 2478字)

   (追記80字 ; 合計2558字)

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パズル「絵むすび」解き方16~小学生向け(難易度4、ニコリ作・朝日be、20年7月4日)

線で同じ絵を結ぶだけ。みんなが楽しめるパズル「絵むすび」については、これまで15本の記事を書いて来ました(本当は他にも少しあります)。どれも朝日新聞(あさひしんぶん)に出てた問題です。

  

4本は小学生向けです。 絵むすびの解き方15(20年3月21日)。解き方13(18年5月19日)。解き方12(17年5月2日)。解き方11(16年5月21日)

  

最初からの10本と前々回の1本は、大人向けです。 第1回2回3回4回5回6回7回8回9回10回14回(19年4月21日)

     

今日は3ヶ月半ぶりに、子ども向けに書いてみます。考え方、コツ、攻略(こうりゃく)法みたいなもの。7月4日の問題は難易度(なんいど)☆4つ。私は星3.5コくらいだと思いますが、ウチの昔の記事へのアクセスは多いので、むずかしかったのかも知れません。元の画像は、小さく引用しときます。

    

200705a

  

  

  ☆    ☆    ☆

200705b

      

今回の問題は、6つの絵がどれも「く」で始まるものでした。くつ下(ソックスだから、上図では水色の「ソ」)、クマノミ(上図では茶色の「魚」)、クルマ(赤の「ク」)、クローバー(四つ葉だから緑の「四」)、(灰色の「雲」)、口紅(ピンクの「口」)。

      

ルールはいつもと同じ。すべてのマス目を1回だけ線が通るように、絵を結びます。線の交差(クロス)や枝分かれ、絵の突き抜けはダメ。応募(おうぼ)用のポイントは、☆印をどの線が通るかだけど、解く時に星印は気にしなくていいです。

   

  

    ☆     ☆     ☆

200705c

   

いつものように、まず大きくはなれた2組だけに注目しましょう。特に、角(かど、すみ)とか、端(はし)にあるものをえらぶと分かりやすいです。

   

今回だと、まず雲の線とソックスの線だけに注目するのがいいでしょう。大まかな線の流れを引いて考えます。上図のように、雲の線がソックスの間を通らずに左下を通ると、ソックスの線がクルマの線をジャマしてしまいます。

  

次に、下図のように、雲の線がソックスの間を通るように引くと、雲の線とソックスの線が、口紅の線をジャマしてしまいます。

  

200705d

   

ということは、雲の線は、もっと上の方を通るのです。さて、どう引けばいいでしょうか? あまりネタバレにならないよう、いつものように少しずつ書いていきます。

  

次の更新(こうしん)は、今日(5日・日曜)の夜の予定です。では、また後で。

   

  

    ☆     ☆     ☆

では、夜8時半を過ぎたので、少し先に進みます。

  

200705e

  

雲の線は、口紅の線と四つ葉の線をジャマしないよう、上図のように引くしかありません。

  

すると、ソックスの線も上図のようにほぼ決まります。まだハッキリとはしませんが、ソックスの線が右下の方を大回りすると、他の線をジャマするだけになってしまいます。

  

この時、口紅のピンクの線は少しだけ書けます。上図の後、ピンクの線を、どのようにのばせばいいでしょうか? 次は明日(月曜)の夜、更新(こうしん)します。

  

なお、今週は合計12594字で終了。ではまた。。☆彡

   

   

     ☆     ☆     ☆

月曜の深夜になったので、また少し先に進みます。

  

200705g

   

口紅の線を左下あたりで結んでしまうと、残った魚、四つ葉、クルマの線3本が右上のあたりでからまってしまいます。だから、口紅の線は、上図のように、下側を大回りしてつなぎます。

  

もう残りはカンタンなので、最後の更新は正解発表の後、今週の土曜にしましょう。ではまた。。

   

   

     ☆     ☆     ☆

土曜になって、正解も発表されました。では、最後の更新です。

  

200711d

   

クルマの線は、四つ葉の線のジャマをしないよう、上図のように引くことになります。

  

200711e

  

すると、口紅の線は、魚の線をジャマしないよう、上図のように引くしかありません。もう、後はカンタン。

   

200711f

   

完成図は上の通りで、☆印を通る線は、5番の魚(クマノミ)の線。正解は5番でした。ではまた。。☆彡

       

       (暫定字数 1248字)

  (追記323字 ; 合計1571字)

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小学校『5、6年のプログラミング ドリル』問題と解き方4、アルゴリズム、移り変わり図

この3ヶ月で、小学生向けの学習参考書『5、6年の楽しいプログラミング ドリルの王様』(新興出版社)について、問題と解き方を紹介する記事を3本書きました。

   

1本目の記事へのリンクはここです。2本目へのリンクはここです。3本目へのリンクはここです。

  

今日はそれらの続きとして、4本目の記事を書きます。はじめの2回で大まかな説明はしてるので、今回もすぐ問題に行きます。問題文の書き方は少し変えてます。

   

   

   ☆    ☆    ☆

では、第1問。ドリルの52ページの問題、「25 コンピュータの考え方②」。

  

問② そうたさんは、カード型の鍵(かぎ、キー)を使って、部屋に入ろうとしています。カードの読み取り機は、次の通りに、ドアを開けるか開けないかの判断をします。

  

1.カードの番号(横に並んだ13ケタの数)を読み取る。  2.左から1、3、5、7、9、11、13番目の数字を上に書いて、足し算する。また、左から2、4、6、8、10、12番目の数を下に書いて、足し算する

  

3.下の方の足し算の結果に3をかける。  4.上の方の足し算の結果と、3の結果を、足し算する。

 

5.4の結果の数で、一の位が0なら、ドアを開ける。一の位の数が0でないなら、ドアを開けない。

  

次のカードで、そうたさんは部屋に入れますか?

A.1235427902184   B.6827913304018

  

  

    ☆    ☆    ☆

では、解答です。Aのカードから見て行きましょう。

上の数の足し算は、1+3+4+7+0+1+4=20。下の数の足し算は、2+5+2+9+2+8=28だから、3をかけると、28×3=84。

 

だから、上+(下×3)=20+84=104。よって、一の位の数が0でないから、ドアを開けず、部屋に入れません

  

次に、Bのカードについて。上の数の足し算は、6+2+9+3+0+0+8=28。下の数の足し算は、8+7+1+3+4+1=24だから、3をかけると、24×3=72。

  

だから、上+(下×3)=28+72=100。よって、一の位の数が0だから、ドアを開けて、部屋に入れます

   

  

そんな計算しなくても、入れるか入れないかだけ、簡単にカードに書けばいいのに・・という気もしますよね。

  

たぶん、数や読み取り方(プログラム)を変えることで、色んなことが出来るからだと思います。例えば、部屋に入れるのはいつまでなのか、とか、何人なのか、とか、13ケタの数に色んな意味を持たせることができるでしょう。

   

  

    ☆    ☆    ☆

次に、第2問。ドリルの62ページの問題、「30 アルゴリズム⑤」。アルゴリズムという言葉は、前回の記事(3本目)にも書きましたが、ある目的、問題の解決に向かって、1つずつ進む手続きをまとめたもの。 もとは数学者(難しい算数のプロ)の名前です。

    

問② 家と道がかかれた下の図で、丸の中に書かれた数は、その道を通るのに何分かかるかを表します。

  

200526a

  

(1)さくらの家から、お店を通って、ゆなの家に行きます。最も早く行くためには何分かかりますか?

(2)そうたの家から、ひまりの家を通って、りこの家に行きます。最も早く行くには何分かかりますか?

    

  

   ☆    ☆    ☆

では(1)から解きましょう。時間の長さは、道の長さと比例してますが、道を見ただけだとよく分かりません。いくつか計算して、合計時間を比べることになります。

     

さくらの家からお店までは、ゆうまとひまりとゆなの家を通るのが一番早くて、4分+3分+5分+2分=14分です。次に、お店からゆなの家までは、2分です。だから、合わせて、14分+2分=16分です。

  

ゆなとお店の間の道は2回通りますが、2回はダメとは書いてないので大丈夫です。また、さくら→ゆうま→そうた→りこ→お店→ゆなの順なら、4分+5分+3分+6分+2分=20分。だから、16分より遅くなってしまいます。

   

次に(2)。まず、そうたの家から、ひまりの家までは、ゆうまの家を通るのが一番早くて、5分+3分=8分。次に、ひまりの家からりこの家までは、来た道をそのまま帰って、ゆうま、そうたの家を通るのが一番早いです。3分+5分+3分=11分。

  

だから、合わせて、8分+11分=19分です。

  

このような、時間や長さが最も短い道を探す問題は、家と道が増えると面倒で難しくなるので、人間だと大変。だから、コンピューターが色々な道の時間を計算して、比べて一番短い時間や距離を探すことになります。

    

   

    ☆    ☆    ☆

次に、第3問。ドリルの70ページの問題、「34 移り変わり図①」。いくつかのもの(物、人など)の状態が、少しずつ変わる様子を考える図のことです。 

    

問② 下図は、スーパーのレジでのやり取りを表したものです。

  

200526b

  

次の説明から、正しいものを2つ選びましょう。

ア.客は商品を置くと同時にお金をはらう。   イ.レジ係は合計金額を伝えると同時に商品をわたす。

ウ.客は商品の合計金額を確かめてからお金をはらう。   エ.レジ係は客がはらったお金を確かめてから合計金額を伝える。

オ.客は商品のお金をはらってから商品を置く。   カ.レジ係は客がはらったお金を確かめてからおつりと商品をわたす。

  

  

     ☆    ☆    ☆

これは、図が無くても、常識で分かるでしょう♪ まず、ウが正しいですね。図だと、左上あたりを見ればそうなってます。

 

次に、カが正しいですね。図だと、右下あたりを見ることになります。

   

     

実際のスーパーやコンビニ、100円ショップだと、商品が1コなら、お客さんは商品とお金を同時に置くことがあります。また、合計金額を伝えると同時に商品を客の近くに置くレジ係もいます。

   

客とレジ係がお互いによく知ってて、相手を信頼してる場合も、あまり順番にはこだわらないでしょう。上図はあくまで、機械的な決めごと。今後はレジ係もロボットが増えるでしょうから、きっちり決めておく必要があります。

    

2つのコンピューターで、互いにデータをやり取りしながら計算していく場合も、似たような図になるでしょうね。それでは今日はこの辺で。。☆彡

   

      (計 2436字)

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